幻想郷の奇跡   作:海風 光

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…最近忙しくかったんで、久しぶりの投稿です。



Ep13 夜雀の屋台

「…此処は一体何処だ?」

 

 周りには3メートルを超える大木、時刻は夜の九時頃、月明りを頼りに歩いていると、道に迷ってしまった。…まさか、今夜の寝床を探すのに此処まで掛かるとは思いもしなかった…

 

「う~ん、困った…おや?」

 

 俺が途方に暮れてると、目の前に突然、赤提灯の屋台が現れた。…まぁ、道聞くついでに、久しぶりに何か食べるかな…

 

「すいませ~ん」

 

「いらっしゃ~い!」

 

 俺を迎えたのは、ピンクの髪に、羽の付いた茶色い三角(?)の帽子を被り、背中には見事な翼が生えた女の子が、鰻を焼いていた。…それだけなら良かったんだが…

 

「あ、琳さん!お久しぶりです~」

 

「………。」

 

 …文が居た。

 

「…すみません、間違えました―」

 

 俺が、屋台を立ち去ろうとすると…

 

ガッシ

 

鰻の娘と文が凄い力で俺の肩をそれぞれ掴むと―

 

「「まぁ、待ちなさいや、旅の者よ!」」

 

 ―っと、俺がデジャブを感じる台詞を二人同時に言った後、抵抗する俺を引っ張り、屋台の椅子に座らせた。

 

「琳さん何で逃げようとしたのですか?」

 

「…条件反射だな。文を見たら逃げると言う…」

 

「もぅ、酷いです!」

 

 ここは、夜雀の妖怪「ミスティア・ローレライ」が経営する。焼き鳥ならぬ、焼き八目鰻屋である。この道を訪れる人は、鳥目になる人が多いので、鳥目によく効く八目鰻を売っているらしい、文に関しては、常連客だそうだ。尚、呼び方については、気軽にミスティアで良いと言ったので、ミスティアと呼ぶ。

 

「貴方が噂の琳さんですか!確かに、お客さんの評判どうりね♪」

 

「…失礼だが、どんな人の噂なんだ?」

 

「流石に個人名は言えないけど、女医や、幽霊、湖の神様や、人間の魔法使いとか、あと文かな~」

 

「成程…全部心当たりがあったぜ…」

 

「所で、何にします?」

 

「あぁ、お勧めで頼む。」

 

「はいは~い♪お酒は?」

 

「軽い奴を頼む…」

 

「了解しました♪ちょっと待っててね~」

 

「あぁ」

 

「夜の鳥ぃ、人は暗夜に灯(てい)を消せぇ♪」

 

 ミスティアは、注文を受け取ると、歌いながら準備を始めた。

 

パシャッ

 

 …文に写真を取られた…

 

「ミスティアの歌に耳を傾ける琳さんの写真ゲットです!」

 

「…お前なぁ…」

 

「―にしても、琳さんがこんな所に来るなんて珍しいですねぇ?もしかして、琳さんも鳥目になったとか?」

 

「…その可能性は無い筈なんだ…俺の視力は、2・0を超えて測定不能って診断されてたから…」

 

「…地味に常人離れしてますね…」

 

「まぁな…」

 

 ふと、ミスティアに目をやると、歌いながら鰻を揚げていた。

 

「人は暗夜に恋し礫を喰らえぇ♪」

 

「…♪」

 

 俺は目を閉じて、ミスティアの歌に耳を傾けた。

 

「夜の鳥ぃ、夜の歌ぁ♪」

 

「…琳さん、お酒もあまり進んでない時にこの歌を聴くとは…」

 

 …文の呟きに、俺は少し悩み、聞いた。

 

「…ミスティアの歌ってそんなに酷いのか?」

 

「人は暗夜に灯を♪」

 

「―私はあんまり好きじゃないです…変な歌詞ですし。」

 

「そうか?…俺は、結構好きだぜ」

 

「はい、八目鰻の串揚げとお酒お待たせ~」

 

「お、ありがとう!」

 

 串揚げを受け取ると、一口食べてみた。味はとても美味しく、手元のお酒にとても良く合―

 

クラッ

 

「―おおっと。」

 

「危ない!?…琳さん、大丈夫ですか?」

 

 口の中にとてつもない刺激が走り、一瞬よろけかけた所を何とか文に支えられた俺は、体のバランスを保ちながらミスティアに聞いた。

 

「…ミスティア…これって…」

 

「?…あらやだ、私ったら焼酎入れる筈が、間違えてテキーラを入れてしまったわ!」

 

 …何でよりにもよって、そんな強い酒出すかな?

 

「…にしてもこの強さのお酒に酔わないなんて、琳さんも中々強いですねぇ♪」

 

「…酒は飲んでも飲まれるな…」

 

「…座右の銘…って奴ですか?」

 

「…まぁ、そんな感じだな…」

 

************

 

「―それじゃ、そろそろ行こうかな…」

 

「あら、もう行くの?」

 

「あぁ、大分明るくなってきたし…それに、夜通し起きてたから、眠たくなってきたし―ふぁぁ…」

 

「そうですか…では、琳の旅が上手くいく歌でも歌いますかねぇ~♪」

 

「ははっ…それじゃぁ頼む!」

 

「♪~♪~♪~」

 

「…因みに、文はまだ居るのか?」

 

「えぇ、私はもう少し飲んで帰ります♪」

 

「そうか…それじゃぁ、またな!」

 

「「またね(です)!」」

 

 …そして、文とミスティアに別れを告げた俺は、安全に眠れる場所を探して歩き出した。

 





 …いつも思うのですが、ミスティアの歌ってそんなに酷いのですかねぇ~

 どうも、海風です。…今回は早々に裏話に入りたいとおもいま~す。

 今話でミスティアを登場させた理由ですが、今話を書く前…「東方人形劇」という二次創作ゲームで、ミスティアをよく使ってた(主に空を飛ぶで)のと、東方文花帖でミスティアの屋台について書かれていたので、書こうと思いました。

 あと今話で琳が酒を飲む描写があったと思いますが、琳はめっちゃくちゃ酒に強いです。(※天狗や鬼と飲み比べできるくらい)あと、基本的に日本酒系統を好みます。ワインとかも飲めないことはないですが、進んで飲むこともないです。

 それでは次話で!
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