一応~時系列的には、前話の十数時間後になります!
「Zzz…」
ピョコッ
「ふふふ、寝てる寝てる…今がチャンスね!行け、お前達!」
『でもさ~こういう事して良いの~?』
「良いのよ!無防備に寝てる琳の方が悪いんだから!」
***********
「…んん?」
…いけね、睡魔に負けて、いつの間にか竹藪で眠っちまった―
ズキッ
「〇◇☆△~!?」
突然の頭痛に、俺は声になって無い悲鳴をあげた。
「あ、頭が…二日酔いだ…やっぱテキーラなんか飲むんじゃなかった…」
などと呟いていると…
モゾ…モゾモゾ…
「⁉︎」
俺の周りが、突然動き出した。
「い…一体何が…って兎か…」
『ばれたー。ばれたー。』
俺が兎達に気付くと、兎達は俺の周りを跳ね回った。
「…こんなに沢山の兎が居るって事は…まさか、てゐも…」
俺が辺りを見回していると…
ムニュッ
「おわぁ!?」
な…なんかとても柔らかいが、殆ど平面の物に右手があたった…(汗)
「んん…ん~」
「………。」
なんと、てゐは俺のすぐ隣で眠っていたのだ…
「…てゐの寝顔…結構可愛いな…♪」
まるで天使のような寝顔だった…周りにいる兎達の白と相極まって、とても可愛かった…
「てゐ…あのさ…」
「ん~?」
「お~いてゐ、起きてるか?」
「…んぁ…琳、おはよう…」
「おはよう!」
「zzz…」
「寝るんじゃねぇ!起きろてゐ、起きてこの状況を説明しろ!」
「ふわぁ…えっと…」
てゐが言う事には…兎達と竹藪を散歩してたてゐは、竹の根元で寝てる俺を見つけ、一緒に寝ていたそうだ…
「琳、まだ人里に着いてなかったんだね♪」
「あぁ…一応、人里目指して歩いてるんだが…」
「―全く♪」
「…一つ聞きたいんだが…」
「どうしたの?」
「なんで、俺の周りにてゐと兎達がいたんだ?」
「あ…それは、琳の体結構冷えてたから、暖めようと思ってね…『暖める時は人肌が一番良い』って師匠が言ってたから…(照)」
そう言ったてゐは、モジモジしながら赤くなった。俺は笑顔で、てゐの頭を撫でながら
「成程…心配してくれてありがとな!」
「ど、ど、ど、どういたし…まして…」
「それじゃあ、そろそろ行くよ!」
「え…もう、行っちゃうの?」
「あぁ、人里目指してな!」
そう言った俺に向かって、てゐは急に涙目になり
「―どうして…どうして其処まで人里に拘るの?琳は…琳は、早く元の世界に戻りたいから?」
「違う」
「じゃあ…私達妖怪より、人の方が良いから?」
「それも違う」
「じゃあ…どうして琳は其処まで人里に―」
ギュウッ
俺は、無言でてゐを抱きしめ、自分の思いを語った。
「…俺は…俺は、輝夜やイナバ、名前をくれた永琳や、てゐに恩返しがしたい…てゐ達だけじゃない…俺が幻想郷で出会った人達は、俺が人間だろうが、余所者だろうが関係なく、俺に優しくしてくれた…だから俺は、皆に…てゐに恩返しがしたい」
「琳…」
「てゐ、これを覚えてるか?」
そう言って俺が懐から取り出したのは…
「これは…『幻想郷縁起 写本』?」
そう、俺がてゐから笛と一緒に貰った巻き物…
「この本のお陰で幻想郷にもだいぶ慣れたんだ…俺が人里に行く理由は、この本の作者に会って、少し書き直してもらう事!」
「書き直すって何処を?」
「此処!」
俺はそう言って、とあるページ…てゐの事が書かれてるページを開いててゐに見せた…
「…てゐはこんなにも優しくて、良い奴なのに…そんな事は一切書かずに、てゐだけじゃない…他奴でもそうだ、そいつの能力や、上っ面ばっかり書いて…肝心な事には全く触れない…だから俺は、この本の作者『稗田阿求』に会う為に人里に行く!…?…てゐ?…ど、どうしたてゐ、急に泣き出して!?(汗)」
俺が話し終えた直後、てゐは急に泣き出した。…俺何か悪い事言った?
「大丈夫、琳は悪くない…嬉しかったの…琳が私の事を思ってくれてる事が嬉しくて…嬉しくて…言葉に…出来ない…」
**********
あの後、落ち着いたてゐと一緒に、俺達は陽射しが良く当たる岩に腰掛けていた。
「―琳?私の顔に何かついてる?」
「…そうか、やっと解った!」
「?…解ったって何が?」
「だいぶ前に…俺達、遠い昔に何処かで会った事があるって言っただろ?」
「言ったけど…私が誰かに似てるとか?」
「あぁ、似てるんだよ…俺の妹みたいな奴に…」
「妹?…琳の?」
「あぁ、顔付きから性格、仕草までそっくりそのまま、まさに瓜二つだ…」
「………。」
俺の言葉に、てゐは突然黙り込んだ…
「だから親し易かったんだ!…って、てゐ?どうした?」
「…だよ。」
「…ごめん、もちょと声大きめで頼む…」
「…妹じゃ…嫌だよ…」
「てゐ…」
「私は…琳に妹じゃなくて…一人の女の子として見て欲しい…琳は気付いてないと思うけど、この幻想郷には、琳に思いを寄せる奴は沢山いる…そいつらに負けない様に…琳の隣に並べるように、どんなに頑張っても…どんなに努力しても…琳はどんどん高嶺に行ってしまう…まるで、空に昇る昇り竜みたいに…」
「…ごめん…」
「謝らなくてもいいよ…琳はいつもそう…とっても優しくて、素直で、正直で、馬鹿で、無茶苦茶で…でも、私は琳のそんな所に惹かれたんだと思う…」
「………。」
…俺は、てゐの告白に何も応える事が出来なかった…
**********
…さっきてゐが、顔を真っ赤にしながら「あれは冗談だから気にしないで!」って言った為、心に色々ともやもやが残っていたが、納得せざるを得なかった。
「…それじゃあてゐ、永琳達に宜しくって伝えといてくれないか?」
「うん、伝えとく」
「それじゃぁ、行って来る!」
「行ってらっしゃい!」
てゐに別れを言った俺は、竹林の出口目指して、歩き出した。
「…あいつが琳か…覚えておこう…」
と言う謎の声に、全く気付かずに、俺は竹林の出口目指して歩いていた。
連チャンでの投稿です!
…書いてる私がいうのもあれですが、琳のやつは相当鈍いですねぇ~♪
ここから↓裏話です。
琳がてゐに言ってた「妹みたいなやつ」(※妹じゃありません、ココ重要!)の事ですが、これは琳が失った記憶に大きく関わる事なのですが、いずれ本編で語られる事になると思います!
あと今話のタイトルなんですが、「はちみつくまさん」さんが制作した東方二次創作ゲーム「東方サッカー」で、てゐがシュート後に言っていたセリフを表示形式を変えて使わせていただきました。
それでは次話で!