前話での琳の行動を見たレミリアが下す決断とは…
涙あり、旅立ちありの紅魔館編 第4幕スタート!
「○○君は将来どうするか決めてる?」
「将来か~考えた事も無かったよ…」
「もう、ちゃんと考えないと駄目だよ!」
「ごめんごめん…そう言う凛花ちゃんは?」
「私?私は…○○君のお嫁さん…かな?」
「お嫁さんか~うん、凛花ちゃんならきっとなれるよ!」
「本当!」
「あぁ、凛花ちゃんは可愛いから、皆ほっとかないと思うぜ!」
「…○○君…それ、わざといってる…(怒)」
「?」
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「―!?…ま…また…あの夢…か…」
しかし…客観的に見たら、昔の俺滅茶苦茶鈍いな…
「…今もでしょうが…」
「うぉっ!?」
横から急に声が聞こえ、俺が声の方を向くと、其処には『パチュリー・ノ―レッジ』が椅子に座っていた。
「あ、貴女は確か…」
「貴女じゃない。…私の名は、パチュリー…『パチュリー・ノ―レッジ』よ、琳君。あ、どうして名前を知っているかは、貴方の治療をしたのは私だから…」
「あの…パチュリー・ノ―」
「堅苦しいから、パチュリーで良いわよ…その代わり、私も琳の事は呼び捨てにするけど…」
「パチュリー…一体何時から…?」
「…琳が倒れ、此処に運ばれてから…」
成程…って事は、俺が寝てる間も…
「えぇ、いい寝顔だったわよ…♪」
とほほ…
「…っで、凛花って誰?」
な、何で知って…
「…貴方が寝てる間、よく呟いていたけど?」
…俺とした事が…
「で、その凛花っていう娘とはどう言う関係か答えて貰おうかしら…咲夜の為にも…」
「…解った。…少し長くなるけど良いか?」
「…構わないわ。」
「…俺が幻想郷に来た所から話すが、俺が此処に来た時、外の世界の記憶を失った状態だったんだ。」
「…推測だけど、突然環境が変わった為、混乱しない様無意識の内に脳が前の記憶を一時的に消したんじゃないかしら?」
「そして、凛花の話に入るが、凛花って言う娘は、俺が幻想郷に来た日から定期的に俺の夢に出て来て、外にいた頃の俺が、『師匠』って呼んでいた人の所で修行していた時に一緒にいた娘なんだ…」
「成程…ちなみに琳が師匠の下に居たのは何歳頃からなの?」
「それに関しては俺もよく覚えていないんだ…なんせ夢に出て来るのは、全くばらばらの上、何時出てくるか解らない…でも、『幼馴染』って言う単語が出てきてるから、かなり小さい時から居ると思うぜ…」
「ありがとう。もういいわ…」
「え、もう良いのか?」
「えぇ、私は胸のつっかえが取れたから…後は…」
そう言ったパチュリーは、部屋の扉の方を見た。俺もつられて見てみると…扉は少しだけ開き、その隙間からレミリアが覗いていた…
「…レミィ、私は終わったよ。…レミィもレミィなりのけじめをつけたら?」
パチュリーの言葉に、レミリアはトボトボと、部屋の中に入って来た。
「パチェ…少しの間、琳と二人っきりにしてくれない?」
レミリアの言葉にパチュリーは無言で頷き、部屋を後にした。
「琳、これから私が言う事には、はっきりと答えて…」
「…あぁ。」
「…貴方も気が付いてると思うけど、咲夜は貴方の事が好き…でも、あの娘は自分の気持ちよりも私の事を優先しようとしている…その結果、仕事中にボンヤリする事がある…私としては咲夜に居て欲しい…でも、咲夜自身の幸せも大事だと思ってる…だから琳、咲夜の恋人になって欲しいの…これは咲夜の主人であり、紅魔館当主である私、レミリア・スカーレットの願いなの…」
俺は少し考え…静かに返事をした。
「…お断りします。」
「え?どうして…?」
「レミリアが咲夜さんを思ってるって事は良く解った…でも、あくまでもそれはレミリアの気持ち…本当に大事なのは『咲夜さん自身』の気持ちじゃないかな?」
「…確かにそうね…」
「まぁ、どっちにしろ、俺は現在修行の身…恋とかをするにはまだまだ未熟すぎるぜ…」
「…修行って?…琳は何の為に修行をしているの?」
「そうだな…レミリアならいいかな?」
「…一体何の事?」
「…俺が修行している理由は…この幻想郷に住む大切な人達を守れる男になる為だ。」
「…成程、それが貴方の答えね。解ったわ…でも、これだけは約束して!」
「…なんだ?」
「もし、咲夜を泣かせる様な事をしたら、絶対に許さないから!…解った?」
「あぁ、約束する。」
俺の答えに納得したレミリアは、俺と指きりをして部屋を後にした。…だが、この時の俺はまだ気が付いていなかった…扉の隙間から垣間見える青いスカートと、床に零れ落ちる涙に…
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「皆さん、どうもありがとうございました。」
俺は今、紅魔館の門の前で、見送りに来てくれた屋敷の皆に礼を伝え、紅魔館を後にしようとしていた。…その皆の中に、咲夜さんだけがいないのは気になったが…
「琳、今度は絶対負けませんよ!」
おいおい、またやるのか…
「約束、絶対忘れないで!」
あぁ、勿論だ!
「それでは、失礼しま―」
「待って!」
俺が紅魔館を後にしようとしたその時、咲夜さんが息を切らせながら走って来た。…因みにレミリアに関しては、両腕を組みながら、「やっと来たか」とでも言いたげな顔をしていた。
「ハァハァ…ま…間に合った…」
「…間に合ったって何が?」
「これ…琳に渡したくて…」
そう言って咲夜さんが俺に渡したのは、俺の手の平位ある、少し大きめの懐中時計だった。
「これは…?」
「…琳の旅が上手くいく様にっていう思いがこめられてるから、何かあった時に役に立つと思う…」
「でも…これは咲夜さんの物じゃ…」
「大丈夫、ちゃんとスペアもあるから…だから受け取って!」
「解った…それじゃぁ…いってくる…」
「うん…行ってらっしゃい…」
「あぁ!それじゃぁ皆さん、お世話になりました!」
沢山の大歓声の中、俺は紅魔館を後にした。…今度こそ人里に行きたいな…
書いてる私が言うのもあれですが、レミリアのカリスマが高すぎる…w
実は、この話を書いた後に、二次創作でレミリアのカリスマの低さを知りました(苦笑)
あと、気づいてると思いますが、レミリアと琳の会話を扉の外で聞いていたのは咲夜さんです!
一応~紅魔館編はこれで終わりですが、章の表示としては、あと1話加わる感じです。
それでは次話で!