幻想郷の奇跡   作:海風 光

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 はじめての予約投稿です。

 前話の予告の通り、今回は戦闘回になります。(描写については、あんまり自信ないです)

 それでは、地底編第3幕、スタートです!



Ep20 酒は溢さず戦うべし!

 …運命(さだめ)…それは、決して避けては通れぬ道…そう、今の俺のようにね…

 

「―今回は特別に、あたしは持っているこの酒を溢さずに戦ってやるよ!」

 

「…ハンデ戦ってやつか…」

 

「まぁ、そんなもんだね!」

 

 今、俺の目の前で右手に杯を持って喋っているのは、鬼の『星熊勇儀さん』…まぁ、見て解る通り、只ならぬ気を放っている。

 

 …何でこんな事になったかと言うと…

 

―二十分前―

 

「―あんたかい?…外の世界から来た旅人、『風剣士の琳』ってのは?」

 

俺と文が、ヤマメ達に自己紹介を終え、少しした時…突然何処からか声が聞こえ、声がする方を見ると…

 

「………。」

 

 …長い金髪に、額から生えた赤い角と瞳の容姿に、体操服に似ている上着と、紺色に近い袴を纏っている女性が、腕を組み、両目を怪しく光らせ…さらに、袴を風に棚引かせながら立っていた…

 

ガタガタガタ…

 

 眼で見て解る程、空気が震えてるのを感じた俺は、空気振動の発生源を見た。―するとそこには…

 

「はわわわわわわ…」

 

 …文が凄い勢いで震えていた…寒いのか?

 

「…琳さん…貴方わざと言ってます?(怒)」

 

 俺の言葉に文は、漫画とかで良くある怒りマークを額の右側(俺から見て)に浮かべていた。

 

「…訂正する。…何か怖いものでも見たのか?」

 

「そりゃぁねぇ…勇儀姐さんには、何があっても逆らえないから…」

 

「成程な…」

 

 …そんなに怖いのか…?

 

「―ちょっと、あたしの問いに答えてくれないかい?」

 

 気が付くと赤い人は俺との距離を1m切っていて、顔は笑顔だが、額に怒りマークを浮かべていた。俺は何時も通り、落ち着いた様子で…

 

「…あぁ、俺が琳だ。…だが、『風剣士』って言うのは、誰かが付けた通り名だ。」

 

「成程…噂に聞いた通りのやつみたいだねぇ~♪」

 

 …噂?…一体誰だ?

 

「…流石に個人名は出せないが、黒い魔法使いからさ!」

 

 …あぁ、奴か…

 

「んで、中々強いっていう噂も聞いてるから、あたしと手合わせして欲しいんだよね~」

 

「…拒否権は勿論…」

 

「無いよ!」

 

 トホホ…

 

「琳さん…今回ばっかりは諦めた方が良いですよ!」

 

「琳…勇儀は強いから、くれぐれも無茶しないようにね!」

 

「……!(ファイト!)」

 

 あ…皆さん、止めると言う選択肢は一切無いんですね…あと其処の桶、何が『ファイト』だ!解りやすく、握り拳まで作りやがって…

 

「―まぁ、鬼のあたしの前では逃げる事は不可能だよ!」

 

 …俺は一言、「仕方ない」と呟くと、戦う決意をした…マジで気が進まねえ…

 

「名乗りが遅れたが、あたしの名は『星熊勇儀』。見て解らぬと思うが鬼だ!」

 

「遅れすぎだ!あと、どっからどう見ても鬼にしか見えねえよ!」

 

「ツッコミの方も噂どおり♪…だが、名乗られたら名乗り返すのが礼儀ではないのかい?」

 

「…すまない…俺の名は琳…外の世界から来た旅人だ…」

 

「よし、それで良い!」

 

 …何か調子狂うなぁ~

 

***********

 

「それじゃあ…始めるよ!」

 

「…あぁ!」

 

 …あれから俺達は、旧都の広場のような所に来ている。

 

 さっきの狭い洞窟の通路じゃ動き辛くて仕方ない。…因みに、ヤマメとキスメは安全(?)なところで俺達の様子を見守っている。

 

「どうして私は審判なんですか~(泣)」

 

「勝負事には審判が必要…それに、文なら大丈夫だろ?」

 

「…公平な審判が?」

 

「いや、もし巻き込まれても♪…文も伊達に何百年生きてないからな!」

 

「うぅ~喜ぶべきか、悲しむべきか~」

 

「…俺には何とも言えん…」

 

 俺の言葉に文は覚悟を決めた様子で、両手を挙げた…俺達に緊張が走る…

 

「「………。」」

 

「―始め!」

 

―ビュン

 

「食らえっ!」

 

「うぉっ!?」

 

ドゴッ

 

 じょ…状況を簡単に説明するぜ…文の号令が掛かると共に、勇儀が目にも止まらぬ速さで、右ストレートを繰り出してきた…咄嗟に腕をクロスさせて受け止めたが…流石は鬼というべきか…もの凄い力だ…骨が折れるかと思ったぜ…

 

「…力押しは無理か…」

 

「賢明な判断だね!あたしと力で勝負した奴らは、皆力尽きてしまったよ!」

 

「………。」

 

 …考えろ…考えるんだ俺…力では勝てない相手に勝つには…

 

**************

 

「よいか○○よ、相手が自分より強い力を持っていた場合、逆にその力を利用してやるんじゃ!」

 

「…ちから?」

 

「そうじゃ、相手が飛び込んで来た瞬間に、相手の体を持って、自分の方にひょいっと引っ張ってやるのじゃ!」

 

**************

 

 …っは、い…今のは…外の世界にいた頃の記憶…

 

―ビュン

 

「うおっ?」

 

ドゴンッ

 

「勝負中に油断は禁物!」

 

 危ねぇ~今のパンチ、寸前で避けたから良かったものの…まともにうけてたら俺もあの岩のように…いや、これ以上考えるのは止めよう…

 

「…仕方ない…やるか…」

 

 俺はそう言うと、その場に立ち尽くし、両手をフリーにした。

 

「(…師匠、貴方の言ってた事…試してみます…)」

 

「ほう、勝負するか…ならば、受けて立つのみ!」

 

 勇儀はそう言うと、俺に向かって走って来た。…まだだ…もう少し…今だ!

 

ガシッ

 

「…えっ!?」

 

「うおぅりゃあ!」

 

ブンッ

 

 今起きた事を簡単に説明すると、勇儀が俺にパンチを繰り出そうとした瞬間、繰り出された勇儀の腕を掴み、俺の方に少しだけ引っ張った。すると、勇儀は一本背負いを食らったかの様に、見事に前のめりに回った。

 

 …そして、女性がこのまま地面に叩きつけられるのを見てられる程、俺は外道じゃないんで…

 

ガシッ

 

「ふう、危ねぇ…酒は…うん、無事だな!」

 

「…全く、お前みたいな奴は初めて見たよ…」

 

 両手で受け止めた。勿論、酒を溢さない様に…結果的にお姫様抱っこになってしまったが…

 





 琳の戦い方、甘いと言われるかもしれないですが、こればっかりは改善のしようが無いです…(苦笑)

 琳の「なるべく女性を傷つけない戦い方」は…彼が外の世界にいた時、彼の師匠に「女性は守るもの」という教えをずっと受けていた為こうなった…っていうのと、この琳の戦い方は、私の思い…と言うべきでしょうか…?(勿論、戦わないのが一番ベストですが…)が含まれていたりします。

 …とまぁ、裏話はこのぐらいにして次回予告といきますと…
〈次回予告〉
 鬼との戦いが1回で終わる筈はやはり無かった…琳と勇儀…勝つのはどっちだ…!?

 それでは次話で! 
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