勇儀との戦闘の末倒れた琳…一体彼はどうなってしまうのか…!?
酒あり、絆ありの地底編第5幕、スタートです!
―パチッ
…意識は戻った…だが、まだ体は上手く動かせないみたいだ…まるで、蜘蛛の巣に掛かった獲物の様に体が動かない…
…そう言えば俺…勇儀の一撃を食らって、そのまま気を失ったんだな…俺もまだまだ弱いな…
「ん~私はそんな事思わないけどね~?」
…突然、俺の頭の真上から声が聞こえた…俺は声の方を恐る恐る見ると其処には…
「…ヤマメだったか…」
「琳、やっと起きたね!」
ヤマメがいた。…?…ってちょっと待て、何で腰から上しか見えないんだ?
「だって…下半身は…琳の膝枕に使ってるし…」
そう言ったヤマメは、頬を赤くして照れた。…待てよ…膝枕?…俺は、唯一動く首を使い、そーっと後ろを見た…すると其処には…黄色いベルトのようなものをクロスさせて絞ったスカートがあった。
「なぁ、ヤマメ…一つ聞いて良いか?」
「なぁに?」
「…何でお前は俺に膝枕してるんだ?」
「だって…琳、勇儀さんとの戦いで傷ついてるし…それに、女の人に膝枕をすると、大抵の男の人は喜ぶ…って、勇儀さんが言ってたから…」
やっぱりあの人か…でもまぁ、悪い気はしないな…
「なぁ、ヤマメ…」
「どうしたの、琳?」
「ありがとな…」
俺は、少し横を向いてぶっきら棒に言った。そんな俺にヤマメは優しく微笑んだ後。
「どういたしまして♪」
ジーッ
そんな俺とヤマメのやり取りを見ていた者が二人…いや、三人か…
「おっと、これはもう5分程散歩してきた方が良いかな?」
「…お二人とも熱々のようで…♪」
「……♪(ヒャー!)」
「…変な気を使わんで下さい…キスメ、両目を手で覆ってる様だが、指の間が広すぎて隠しきれてないぞ…あと、文は其処でカメラを出すんじゃねぇ!」
…気が付くと其処には、両手に二つの杯と大きな瓢箪を持った勇儀と、何故か少し膨れっ面の文と、顔を真っ赤にしてるキスメがいた。
「―り、琳、早く起き上がって…じゃないと私立てないから(焦)」
「そ…そんなこと言っても、体が全然動かねえんだよ!」
俺の言葉に対して、勇儀が呆れ気味に言った。
「…そりゃあ…蜘蛛の巣に捕えられてたらねぇ…」
「………(コクン)」
パシャッ
…だから文、写真を撮るんじゃねぇ…
「…うおぅりゃあ!」
俺は風を操り、なんとか蜘蛛の巣から脱出した。
「おぉ、流石は琳…私の巣を一切傷つけずに脱出した♪」
「う…動けた…」
俺が、自分の手をみて驚いていると、勇儀が俺に向かって。
「動けるようになったか!」
「えぇ…なんとか…」
「まぁ、あれだけの戦いの後で、それだけ動ければ十分だ!」
「そう…ですか…」
まだ軽く放心気味の俺に構わず、勇儀は杯と瓢箪を並べていた。…何をやってるんだ?
「決まってんだろ!お前と酒を飲む準備だ!」
…俺と?
「あぁ…相撃ちとは言え、あたしに一撃入れたのは、琳…お前が初めてだよ!」
「いや…でも俺は、勇儀のパンチ食らって倒れた筈じゃ―」
「ああ、確かにお前は倒れた…だが、あの時の一撃…手加減無しの本気でやられていたら…多分、あたしも倒れてたね…だから、相撃ちだ!」
「成程…」
俺がそう言って感心してる間にもう、勇儀は二つの杯に瓢箪の酒を注ぎ終えていた。
「ほら琳、準備が出来たからあたしの向かいに座れ!」
そう言われた俺は、素直に従う事にした。そして俺が座り終えると、勇儀は杯の一つを持って、「さぁ琳、もう一つの杯を持て!」と言ったので、俺は置いていたもう一つの杯を掴み、胸の前まで持って来た。
「さぁ、飲め!」
「勇儀…飲む前に一つ聞いて良いか?」
「何だ?」
「これから一体何を始めるんだ?」
俺の聞いた勇儀は、落ち着いた様子で話し始めた。
「『杯を交わすと兄弟になれる』って言う言葉が昔からある。…その真偽は解らんが、あたしがこうやって共に杯を交わすのは、ほんの一握りの奴らばかりさ!…だから琳、お前とあたしは家族であり、姉弟だ。…解ったか?」
「あぁ、良く解った。」
俺のその言葉に、勇儀は安心した様子で、
「そうか…なら、始めるか!」
「あぁ!」
「「乾杯!」」
カンッ
ゴクッ
俺達は、互いに杯を交わし、勢い良く飲み干した。…でもまぁ、流石は鬼…良い飲みっぷりだぜ!
「それはお前もだろうが!」
「確かに!」
「「ハハハハハ!」」
俺と勇儀は互いに笑い合った。…すると、
「あの~琳、勇儀…私達も入れてもらって良い?」
「…俺は構わんが…勇儀は?」
「あぁ、良いよ!」
「「「やったー!(た~!)」」」
そして俺達は、その日の夜中まで飲み明かした。
…今話も無事に投稿する事が出来ました♪
無事に琳は勇儀姉さんと打ち解け、良い関係を築けたと思います♪
次話では、琳は地上に戻るのですが…まだまだ地底編は続く訳で…
次回、「少女の秘密、青年の覚悟」
それでは次話で!