幻想郷の奇跡   作:海風 光

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 地底編最終幕です!

 名残惜しいですが、ヤマメともしばしの別れ…今思えば、地底編がこの作品中で一番長い章やと思います!

 地底編第7幕スタートです!



Ep24 また会う日まで

―パチッ

 

 目が覚めたときはもう、東から太陽が出てる最中だった。

 

「そうか…あれからかなりの時間が経ってたんだな…」

 

「―と言っても一日位だけどね。」

 

 そう呟いたのは、服の所々が軽く破け、髪も顔も土で汚れてるヤマメだった。俺は体に負担が掛からない程度の速さで上体を起こし、ヤマメのほうに向いた。

 

「ヤマメ…」

 

「?…どうしたの?」

 

「…ありがとう…」

 

 俺はヤマメの瞳を見つめ、心からの感謝を述べた。

 

「いいよ…別に…ただ、私の事を『嫌いじゃない』って言ってくれた人が、目の前で死んだり、狼に食べられるのは…私としても、夜眠れなくなるし…」

 

 ヤマメはそう言いながらも、顔は嬉しそうだった。

 

「…さて、体の方も大丈夫だし、そろそろ行くわ!」

 

「え?…もう…行っちゃうの…」

 

 俺がそう呟くと、ヤマメは少し寂しそうな顔になった。俺は、ヤマメの頭に手をのせ、その金髪を優しく撫でた。

 

「わっ…ちょっ…な…なんで…」

 

「…うん、特に理由は無い…理由は無いんだが―」

 

 俺はそこまで言うと、少し言葉に迷った…ヤマメが「ねぇ琳、どうしたの?」って言うと。

 

「…理由は無いんだが…こうする事で、少しでも俺の事がヤマメの心に残れば良いかなって思ってな…」

 

 俺はそう言うと、少し照れ臭そうに笑った…実際照れ臭かったんだが。

 

「そ…そんな事しなくても…琳の事は私の心に残って…」

 

「すまんヤマメ…最後の方、よく聞こえなかった…」

 

 俺がそう言うと、ヤマメは「な…なんでもない」って言いながら、俺が見た中でトップに踊り出そうな位顔を真っ赤に染めて、両手をブンブンと振った。…これって、幻想郷で流行ってんのか?

 

―十分後―

 

 …あれから十分後、俺はヤマメを落ち着かせる為、偶々近くにあった俺と文が落ちた古井戸の所まで連れて行き、その淵に座らせた。…ヤマメを連れて行く為、ヤマメの手を握ったのだが、何故かヤマメはさらに顔が真っ赤になり、頭から湯気が出ていた。…一体何故だ?

 

「…ヤマメ…落ち着いたか?」

 

「えぇ…何とかね…ねぇ、琳…」

 

「?…何だ?」

 

「琳は…私の事好き?…それとも、嫌い?」

 

 俺は少し考えた後、ちょっぴり意地悪な答えを返した。

 

「…好きかどうかは解らんが…嫌いじゃない!」

 

「そっか…へへっ♪」

 

「?…何か変な事言ったか…俺…」

 

「いいえ…琳が私の事嫌いじゃ無いって事が解って嬉しいの♪」

 

「そ…そうか…」

 

「うん…そうだよ!…ねぇ、琳…一つだけお願い…良い…?」

 

「…何だ?」

 

「…もし、人里の人達全員が私の事嫌いでも、琳だけは私の事…嫌いにならないで欲しい…」

 

 俺は、自分にしか聞こえない声で「…全くっ」と呟くと、口を開いた。

 

「…何言ってんだよお前は…」

 

「あ…やっぱ―」

 

「そんな当たり前の事言ってんじゃねぇよ…全く…」

 

「え?」

 

「…んなもん、たとえ幻想郷の奴全員がヤマメの事嫌いになっても、俺は絶対に嫌いにならないって…そう、決めたんだ…」

 

「琳…」

 

「…っつう事だ…」

 

「琳…ありがとう…」

 

 そう言ったヤマメに俺は「あ、あぁ…」としか答えられなかった…そして、俺は立ち上がり。

 

「それじゃぁ…そろそろ行くわ…」

 

「うん…ねぇ、琳?」

 

「何だ?」

 

 ヤマメは何か言いたそうに俺を呼ぶと、同時に立ち上がった。俺はそれを聞こうと、ヤマメに顔を近付けた…すると…

 

チュッ

 

 少し背伸びした様子で、俺の頬にキスをした。

 

「●◇★×▲□!?」

 

「それじゃ…またね、琳!」

 

「あ、あぁ…またな…ヤマメ…」

 

 俺はそう言うと、人里目指して走った。…そして、ヤマメの姿が見えなくなると…

 

ダダダダダダッ…

 

 全速力で走った。自分の気持ちを整理する為に…

 

―一方その頃―

 

 ヤマメは全速力で走っていく青年の姿を見ながら一人黄昏ていた…すると。

 

ガサッ

 

 突然、ヤマメのすぐ後ろの草むらが動き、そこから出てきたのは…

 

「―全く、いいもの見せてもらったぜ!」

 

「…私としては、あまり納得いきませんが…」

 

「……!(ヒャー)」

 

 ニヤニヤしてる勇儀と、頬を膨らませ気味の文と、顔を真っ赤にしてるキスメがいた。

 

「みんな…見てたのね…」

 

「あぁ、お前らが地上に出てからずっとな!」

 

 そう言った勇儀は、グッと親指を立てた。

 

「…しかしにしても…ヤマメさんもかなり大胆な行動にでましたねぇ~」

 

 文も口ではそう言ってるが、顔はまだ膨れっ面だった。

 

「…んで、文はヤマメに何か言う事があるんだろ?」

 

「えぇ…ヤマメさん!」

 

 文はそういうと、ヤマメの方に向き直り…

 

「は、はい…」

 

「私…絶対負けないですよ!」

 

 文は、ヤマメにそう言いながら、自分の胸の前で、握り拳を作った。

 

「…それはこっちの台詞です。文さん、私も絶対に負けない!」

 

 ヤマメと文は、お互いにそう言い合った後、恋のライバルの証である握手を交わした。

 

「しかし…琳も相当、罪な男だな…なぁ、キスメ?」

 

「………。(コクン)」

 

 勇儀がそう呟いた時にはもう、ヤマメと文の間には、火花が飛び交っていた。

 

**************

 

 そんなやり取りが行われてる事等、俺が知る訳もなく…俺は、自分の気持ちを整理する為、ずっと走っていた。

 




 琳は恋の指名手配犯です♪

 今回の裏話といきますと…

 今話で琳が言っていた「たとえ幻想郷の奴全員がヤマメの事嫌いになっても、俺は(以下略)」…私の心からの思いと言いましょうか…絶対に譲れないものと言いましょうか…とにかく、私なりの決意表明というやつです(苦笑)

 あと、ラスト直前での会話ですが…実は文も、琳に好意をよせてます!(これを友人に言った時、結構驚かれました…)
 …文の好意は解りにくかったでしょうか?
 その証拠に、文は「文々。新聞」の記事に琳の活躍を載せたり、琳の記事に関しては嘘偽り無く書いてたりします!

 前書きでも言いましたが、今話で地底編は終了となり、次話から新章が始まります!
 次章から遂に境界の紫BB…すみません申し訳ないですsorryごめんなさい…だから私の周りにルナティックレベルの弾幕を配置するのはやめてください紫さm…ピチューンッ!!

 -作者復活中…-
 あ…危なかった…(汗)…最近習得した「ご都合主義を起こさせる程度の能力」が無ければ即死でした…(汗)

 …先ほどは言いそびれましたが、次章からは遂に境界の麗しいお姉さま達が動きだします!

 それでは次話で!
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