最近学校とかコラボとか、スランプとか色々あり、中々投稿できませんでしたが、先程書き終えたので、投稿しようと思います!
今回はサブタイの通り、あの青い人と、関節が曲がらないあの娘が登場します!
あと、今回も後々に重要な展開ワードが登場するので、そちらも探してみてはどうでしょうか!
それではスタートです!
Ep28 邪仙と可愛い屍
「………。」
―それから、俺は幽々子達に礼を言って白玉楼を後にした。それが3日前の出来事だ。
歩いて色々考えるも、俺は俺と向き合う覚悟が決められずにいた。考えてみてくれ、幻想郷にきてまだ1ヶ月も経っていない。それに加え、俺は外の世界での記憶を失っている。そして、俺の体に宿る強大な力…向き合おうと思っても、拒絶してしまう…それほどまでに、俺は俺と向き合うのが怖いのだ…
―数十分後―
「…おや?」
ずっと考えながら歩いていた為、俺の足は無意識のうちに“風が吹く方”に行っていたみたいで…気が付くと俺は、墓場の真ん中にいた。
「…一体ここは…?」
俺が現状の把握をしていると、どこからか「う~、う~」という、亡者のうめき声を連想させる声が聞こえてきた。
「…何者だ…!?」
声のする方を見ると、そこには暗い藤色の髪に星形のバッチがついたハンチング帽をかぶり、赤い中華風の半袖上着と、クロスされた2本のピンク色のレースがついている黒いスリットタイプのスカートを穿いた女の子が、両腕を前に伸ばし、光の無い黒い瞳で俺の事を見ていた。
「…きみは?」
俺の問いに彼女は答える様子がなく、ふらふらとした足取りで俺の方に近づき、口を大きく開けて飛びかかってきた。
―ガキンッ…
「ぎ…ギリギリセーフ…」
危なかった…咄嗟に彼女の両肩を抑え、俺のところに来させない様にしたが、彼女の両腕は俺の首横あり、その顔は俺の目の前まで来ている為、あと1歩遅ければ、たちまち彼女に噛み付かれていただろう…
「ギギギッ…離せ…離せ…私お前噛む…お前侵入者…だから、私噛む…そうすれば、お前仲間…」
「噛まれたら仲間になるって一体どういう事なんだ?…それから、君は一体何者だ?」
俺の質問に、彼女は独自のテンポで答え始めた。
「私、宮古 芳香…キョンシー…キョンシー噛む…そいつ仲間にできる!」
…成程、彼女…宮古芳香はキョンシーだったのか…それなら俺を噛もうとした事にも説明がつく…
「…でも、どうして俺を仲間にしようと?」
「私…ずっと一人…青娥いるけど、たまにいない…だから、私も仲間ほしい…あと…」
宮古はそう言いながら俺から少し離れると、両腕を俺の腋下に差し込み、俺の胸に頬ずりしてきた。
「えっ…ちょっ…!?」
「お前…初めて会った筈…なのに、懐かしい気がする…あと、こうしてると私の胸が熱くなっていく…不思議だ」
「あ…あのちょっと宮古さ―「芳香でいい」…芳香はなんでここに?」
俺の問いに、芳香は少し首をかしげると、口を開いた。
「何かを守る為にいるのだ…でも何をまもるんだ?…あと、お前の名前を教えてほしい」
芳香の言葉に若干あきれながらも、俺は自己紹介を始めた。
「…俺の名は琳、旅人だ」
「り…ん?…何か…あの人に似てるけど…違う…?」
芳香はそう言いながら首を傾げた…因みに芳香は未だに俺にくっついている…いい加減離れてくれないかなぁ…妖怪といえど、芳香は女の子である…
「あの…芳香さん…そろそろ離れていただけませんか…」
「いやだ…ずっとこうしていたい」
そう言った俺を抱きしめる芳香の力は更に強くなり、俺の力でも引き剥がせなくなった。
―数分後―
「―う~ん…」
…あれから色々試行錯誤してみたが、芳香が離れる様子は無く、むしろ更にくっついてきた…どうしたもんか…
おれがそんな事を考えていると、急に俺の目の前の地面に大きな穴が開き、芳香は穴に落ちた…俺諸共…
「ん?…!?」
「あ…落ちる~…」
―ピュ~ッ…
―ドシンッ…
「痛てて…」
「むきゅ~…」
おい芳香、それは紫色のあいつのセリフだ…とまぁ、何とか芳香が離れて(?)くれた…俺は気絶してる彼女をお姫様抱っこの体勢で抱えると、穴から出た。
「しかし…一体誰がこんな穴w―」
「ごめんなさい…巻き込むつもりはなかったんだけど、手探りで穴を開けてたらこうなってしまって」
突然俺の頭上から声が聞こえ、その方に顔を向けると…ウェーブのかかったボブの青髪は稚児髷に結われ、その結い目には鑿を挿し、水色で袖が膨らんだ半袖のワンピースを着て、半透明の羽衣を纏った女性が、青い瞳でこちらを見ていた。
「…あなたは?」
「名乗る時は自分から…でしょ?」
青い人はそういうと妖艶な笑みを浮かべた。
「それもそうだな…俺の名は琳…旅人だ…」
「私の名は霍 青娥。仙人よ宜しくね」
「あ…あぁ、宜しく…」
「ふふっ♪」
…なんかこの人には調子を崩されるな…
「それはそうと…貴方何か悩んでいるようだけど、どうかしたの?種族のことかしら?」
「うっ…」
こ…この人は一体何者だ…どうして俺の悩みを一発で見抜いたんだ…
「ふふっ…長く生きてたら色々みぬけるようになるのよ♪」
「…あんたには隠し事ができそうにないな…」
「えぇ…そうねぇ~あと私の事は青娥と呼び捨てにしてくれた方がうれしいかな?…それで、何をそんなに悩んでいるのかしら?」
「そうだな…」
それから俺は、青娥にこれまでのいきさつを話した。そして、俺の記憶が1ヶ月前から無い事も話した。…こんな見ず知らずの人に話すのもどうかと思ったが、不思議とそんな思いは湧かず、俺は思いの丈をすべて話した。青娥は何も言わず、ただ黙って俺の話を聞き続けてくれた。
「―という事だ…」
「成程…」
青娥はそう言いながら俺の頭を両手で掴むと、自身の胸元にだきよせた。
「今まで誰にも相談できずにつらかったんじゃないかしら?…“虚無より生まれた子”よ…せめて今だけは弱気になってもいいのよ…?」
「せ…青娥ー…」
俺は叫びにも似た声をあげながら、青娥の胸で泣いた…辛かった…怖かった…自分が解らない事が…もっと早く誰かに言えば楽になったかもしれないが、それを言う勇気が出なかった…
「よしよし…いつも気丈に振る舞っていたから余計に弱音を吐けなかったんじゃないかしら?」
青娥はそう言いながらおれの頭を撫でてくれた…なんだろう青娥からとても温かいものが伝わってくる…何だろう…この温もりは…
「フフッ…おそらく貴方が感じているのは“母の愛”の温もりじゃないかしら?」
「母の…愛?温もり?」
「えぇ、たとえ血が繋がっていなくても、母の愛っていうのはとても温かいのよ」
「…これが…愛…温もり…」
それは、俺が今まで生きてきた中で初めて感じたものであった…
―数十分後―
「…もう行くの?」
「あぁ、俺は旅人…一つの所に留まるのは苦手でな…」
俺はそう言いながら苦笑した。
「そう…なら、また会いましょ♪」
「あぁ、またな!」
俺は笑顔でそういうと、再び歩き出した。
―side 青娥―
私は琳が見えなくなったのを確認すると、芳香の方に体を向けた。
「…芳香のあの反応…生前の記憶が蘇ったのかしら…“森乃道場で彼と過ごした記憶”が…」
そう、芳香を形成している体は…焼け落ち、見る影も無くなった道場…森乃道場跡で見つけた一人の少女の死体を使っているのである。
「それにしても…琳か…これまた面白い人と出会ったわ…また会いましょ…虚無から生まれた子…“風ノ宮の名を継ぐ者”よ♪」
私は一人そう言うと、芳香に手をかけながら微笑んだ…
芳香や青娥の話し方は私の独自解釈で書いています!
芳香の話し方は、ニコ動の「【東方】青娥さんがしゃべるだけー」に出てくる芳香ちゃんの話し方を参考にして、私なりの解釈を加えて書きました(苦笑)
もう一つの独自解釈は、芳香についてです。
本来なら芳香はどこかの歌人の死体らしい(確かニコニコ大百科にて)ですが…この話の芳香は、とある人の死体をキョンシー化させています!
誰かは今の所言えませんが…(※気づいたとしても、今はあなたの胸にしまっておいてくださると助かります(苦笑))
この話の青娥さんは、実は琳の事(出生やら、過去に何があったか等)を知っている感じです。
それと、青娥は元人妻という設定があったので、母のような包容力のある女性にしてみました。
最後に青娥が言った言葉は、後々明らかになる感じですねぇ~(苦笑)
それでは次話で!