幻想郷の奇跡   作:海風 光

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 ―魔理沙とスペルカードバトルをした日から数日が経ったある日。
 
 琳に迫る最大の危機!?それは…守矢神社編スタートです。


 …思えば、このあたりから一話完結じゃなくなったんですよねぇ~


守矢神社編
Ep5 守矢神社の青い巫女


「………。」

 

 …ヤバイ…体力がもう…限界だ…

 

「…って言うか、ここ何処だあぁぁぁぁ!」

 

 …俺は今、何故か山の中にいる…麓を目指してた筈なのに…何でまた山を登って…あぁ、そうか…あの時か…

 

…数時間程前

 

「…風が全く吹かん…」

 

 …これはかなり不味い…風が吹かないって事は、俺にとって死活問題だ…

 

 …俺の体は、風さえ吹けば体が勝手に風を取り入れ、エネルギーに変えてくれる為、飯を食べなくても、エネルギー切れにならないのだが…

 …今回に関してはかなり不味い…

 

「…仕方ない…やるか…」

 

 …あんまやりたく無かったけど…背に腹は替えられん…え~っと、植物、植物~…お、あったあった!…良し、やるか!

 

「…チェンジ…モード・リーフ…」

 

 俺は掛け声と共に顔の前で両拳をクロスさせ、同時に目を瞑った。その瞬間、蔦や、木の枝、…周りにある様々な植物が俺の体に巻き付いた…そして、俺に巻きついた植物から光が溢れ、光が止むと共に植物は消え去り、髪の色が緑色になった俺は立ち上がった…黒のローブ等の服は勿論そのままだ。

 

 …説明した方が良いか?…一応、やっとくか…こないだ、魔理沙と戦った時、成功した俺が使える能力の一つ…周りの物質を自身に取り込み、自分の力にする程度の能力…あれから練習して、自由に使いこなせる様にした訳だ…掛け声については気分しだいだ。

 

「ほぅ~中々面白い能力ですね!」

 

 後ろから急に声が聞こえて来た。…嫌な予感しかしないが振り返る事にした。…イェ~イ!予感的中だぜ!

 

「…文か…何の用だ?…まぁ、用件は大体解ってるが…」

 

「解っているのなら、話が早い!早速、取材です!」

 

「…逃げていいか?」

 

「逃がしません♪」

 

 …ヤバイ、文の目が獲物を狙う獣の目になってやがるぜ。…こうなったら…

 

「!!」

 

「!?」

 

「今だ!!」

 

「…今のは油断しましたが、絶対に逃がしませんよ!」

 

 …さっきからの状況を簡単かつ、簡潔に述べよう!俺は素早くいつもの姿に戻り、風を起こして空を飛び、文から逃げ出した。文も逃がすまじと、俺を追いかけて来てるが…

 

「待てー!」

 

「嫌だー!」

 

「大人しく私の取材を受けなさーい!」

 

「だが断る!」

 

「なら、それを断る!」

 

 …流石新聞記者…しつこさは超一流だな…仕方ない…やるか…俺は、懐から煙玉を取り出し、腰から抜いた刀の刀身に置き、火を点けた

 

「ちょ…貴方何を…ゲホゲホ…め、目の前が…見えない…」

 

俺は煙に紛れ、何とか文を撒いた…

 

**************

 

「…やはり…飛ぶべきでなかったな…」

 

 …もう限界だな…目の前がぼやけて来たぜ…

 

「…ん?…あれは…」

 

 …目の前に神社が見えてきた…こんな山奥に神社とは…いとおかし―

 

―バタッ

 

「え?…あの…大丈夫…ですか?」

 

「ん?どうしたの早苗?」

 

「あ、神奈子様…急に山の中から人が現れて急に倒れて…」

 

「山の中からってそんな事ある訳が…ん?…もしかしてこの子…外の世界から来たって言う子じゃないかい?早苗、こないだの新聞持ってきて!」

 

「あ、はい!」

 

…………………

 

「お待たせしました!」

 

「ありがと!…やっぱり…この子、外の世界から来た子だねぇ…」

 

「…どう…します?」

 

「…とりあえず、事情を聞くためにも、この子が目を覚ますまで―」

 

 …その先は、意識が途切れてしまい覚えていない…俺、助かるのか?…

 

*********

 

「…大丈…」

 

「…心配な…」

 

「…良かっ…」

 

 …真っ暗な視界の中、様々な声が途切れ途切れに聞こえてきた…俺、助かったのか…やがて、視界も意識もはっきりしてきた。

 

「………。」

 

 …目を開けると、また知らない天井だった。…永遠亭とはまた違う天井…幻想郷に来て見る二つ目の天井…ここんとこ木の上で寝てたからなぁ…

 

「…あ、目覚めたようですね!」

 

 何処からか声が聞こえて来た為、起き上がってみると、俺の隣に緑髪で頭の右側に蛙と白蛇の髪飾りをつけた、青い巫女さんが座っていた。

 

「…貴女が…俺を?」

 

「いぇ、私は琳さんを見つけただけで、介抱したりしたのは、神奈子様と、諏訪子様です!」

 

 ちょっと待て、…何で俺の名前を知ってんだ?

 

「あ、それについてはこれに書かれているので!」

 

 そう言って青巫女は俺に一枚の新聞を渡してきた。

 

『文々。新聞(号外)』

 

 …まさかな…そう思いつつ俺はその新聞を開いてみた…

 

「何々…『外の世界から幻想郷に来た者。その名は琳』…。」

 

 ………。

 

「ね、ちゃんと名前書いてるでしょ?」

 

「…しかも…ローブ着てない時の写真だし…」

 

 …死にたい、誰か俺を殺してくれ…

 

「…あまり顔を見られ無い様にローブを着てるのに…」

 

「…中々、格好良いですよ?」

 

 そう言った青巫女は、「そういえば」と何かを思い出した様に驚き、俺の正面に座った。

 

「…自己紹介が遅れました…私は『東風谷 早苗』、此処、守矢神社で巫女をしています」

 

「もう知ってるみたいだけど、俺は琳、宜しく!」

 

「はい、こちらこそ宜しくお願いします!」

 

「…そう言えば東風谷さんも…」

 

「早苗で良いですよ!」

 

「すまない…早苗も幻想郷の人間なのか?」

 

 俺の質問に早苗は少し驚いた顔をした後、穏やかな顔で話し始めた。

 

「そうですね…私も元は琳君と同じ外の世界の住人だった。…でも急にこの神社ごと幻想郷に来ちゃった。」

 

「…聞かない方が良かったか…?」

 

「大丈夫です!」

 

 そう言うと早苗は俺の肩にもたれ掛ってきた

 

「お…おぉ…」

 

「…不思議です…貴方からは…なんだかとても懐かしい匂いがします…」

 

 …それに関しては俺も同じ事を思っていた。…早苗とは初めて会った筈なのに…何処かで会った気がするのだ…

 

「…しかし、写真で見るよりも良い男だね!」

 

「成程…あのメイド長が上の空になる訳だ…」

 

 俺達の後ろで二つの声がした為、振り返るとそこには…頭に紅葉の髪飾り(?)を着けた人と、金の髪に、蛙を連想させる様な帽子を被った人が立っていた。

 

「神奈子様、諏訪子様、もうお帰りになったのですか?」

 

「えぇ、外から来た子の様子も気になったしね…」

 

「しかし…昼間から堂々と…」

 

 …俺の気のせいならいいのだが、蛙の人からとても小さな声で「羨ましい」と言った気がするが、今はそんな事を考えてる暇もなく、俺と早苗はお互いに離れた。

 

「自己紹介が遅れましたね…私は『八坂 神奈子』、山の神です」

 

 神奈子さんの自己紹介が終わった後、間髪いれずに蛙の人が話し始めた。

 

「私は『洩矢 諏訪子』、諏訪子って呼んで!因みに私は湖の神だよ!」

 

「…俺は琳、外の世界から来た者です…」

 

「それ以上は?」

 

 諏訪子の質問に俺は平然と答えた。

 

「覚えてません…ただ…」

 

「ただ…?」

 

「…早苗とは今日、初めて会った筈なのに…何処かで会った気がするんです…」

 

『成程ねぇ…』

 

 神奈子さんと諏訪子は互いに頷いていた。諏訪子に関しては、少し不機嫌そうな様子で。

 

「そう言えば琳~」

 

「何ですか?」

 

 諏訪子が思い出した様に俺に言ってきた。

 

「君にはもう少しの間此処に留まって欲しい、って言うか留まれ!」

 

「…訳を聞かせて貰えますか?」

 

「うむ、実は…」

 

 諏訪子の話をまとめるとこうだ。…守矢神社は、妖怪の山と言う山の頂にあるのだが…文字どおり、山の中には沢山の妖怪が潜み、人間を喰らう輩もいるらしい…だが俺は、その妖怪が沢山潜む山の中から現れた。

 

 …諏訪子達が調べた結果、俺はとてつもない程の霊力を持っており、殆どの妖怪や幽霊は、俺の力に恐れをなし、近付かなかった…それが、俺が無事に山から出てこれた理由である。

 

「…と言う事で、明日から修行だ!」

 

「何の為にです?」

 

「勿論、君が自分の力を使いこなす為だよ!この幻想郷では最近、幽霊や妖怪に関する事件とかが多くてさ、だから、素質があるのなら、活かさなきゃ損でしょう?」

 

「まぁ、確かに…」

 

「だったら、明日から早速修行開始!」

 




 冒頭からシリアスな雰囲気で驚かれた方が多いと思います。(前話が前話なだけに…)

 ついに守矢神社に来ましたー!(諏訪子様ー!!)
 今話を見て、守矢神社編でのメインヒロインは早苗だと思う人もいるでしょうが、それは間違いです。
 守矢神社編のメインヒロインは諏訪子です!(真剣な顔つきで)

 …そろそろ裏話に入りましょうか。
 お気づきの方も多いと思いますが、琳の能力の1つである、周りの物質を自身に取り込み、自分の力にする程度の能力。それは、取り込んだ物質によって髪の色が変化します。(例:マスタースパーク→金色)
 この設定は、琳の能力を決めた時に考えた設定でもあります。

 それでは次話で!
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