幻想郷の奇跡   作:海風 光

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 縁側でのんびりしている琳と幽々子。
 その二人の背後に忍び寄る影…その正体は…!?

 白玉楼編 第2幕、スタートです!


Ep8 半人半霊の庭師

「…そう言えば、琳は行く宛てとかあるのですか?」

 

「いや、特に無いけど…」

 

「そうですか…料理ってできます?」

 

「一応な…守矢神社で修行してたからな…」

 

「なら…暫く此処で働かないですか?」

 

「いいのか?それに、何をやれば?」

 

「私専属の料理人になってくれたらいいのですよ!」

 

「…前の料理人達は?」

 

「皆、成仏しました」

 

 …話を聞くに、料理人達は皆、料理を作る事に耐え切れず、皆成仏したそうだ…そんなにきついのか?

 

「―只今戻りました。…って、その方は誰ですか?」

 

 後ろから声が聞こえて来た為、振り返るとそこには、短めの銀髪に、大きめな幽霊を付け、刀を二本背負った女の子がいた。

 

「あ、妖夢、こちらが新しい料理人の…」

 

「琳です。宜しくお願いします。」

 

「私は『魂魄 妖夢』です。こちらこそ宜しくお願いします。」

 

「あの…魂魄さ―」

 

「妖夢で良いですよ!」

 

「…失礼かも知らんが…もしかして、妖夢は半霊か?」

 

「良く解りましたねぇ~」

 

「なんか…人間と幽霊の気配が一変にしたからな…」

 

「成程、流石って感じですねぇ、外の世界の旅人さん♪」

 

 …やはり、『文々。新聞』からか?

 

「それもあるけど、最近咲夜の様子も少しおかしくてねぇ…」

 

「………。」

 

 …とても嫌な予感がした。俺は、幽々子にしか解らないスピードで後退りしていると。

 

「琳さん、私と勝負してください!」

 

 イエ~イ!嫌な予感的中だぜ♪

 

「咲夜を退けた実力、見せて貰いますよ!」

 

 何か…噂に尾鰭以外もついてる気が…

 

「妖夢、琳、勝負は白玉楼の外でお願いね!」

 

 …止める気は無いのね…

 

「だって、面白そうだもの♪」

 

 …このお姫様に少しでも期待した俺が馬鹿だった。

 

5分後

 

 準備を整えた俺たちは白玉楼の外の荒野に移動した。…女の子と戦うのは本当に気がすすまねぇんだよなぁ…

 

「…準備は大丈夫ですか?」

 

「あぁ…」

 

 気が乗らない俺とは裏腹に、妖夢の顔はとても活き活きしていた。…楽しんでる?…仕方ない、俺も腹を括るか…

 

「それでは」

 

「行くぜ!」

 

『お願いします』

 

 勝負というのは、『礼に始まり、礼に終わる。』…妖夢もその辺解って―

 

ビュン

 

「危ね!」

 

ズバッ…

 

「勝負時に考え事は禁物ですよ!」

 

 危ない危ない…今の避けてなかったら、俺もあの岩みたいに真二つだな…(汗)

 …仕方ない、こっちも本気出すか!…そう思った俺は、腰に差す妖刀『翡翠』を抜き、空に掲げた。

 

「…モード双剣…」

 

ピカッ

 

 俺が呟いた直後、翡翠から溢れる程の光が放たれ、俺は両手に忍者刀を持っていた。

 

「…面白い刀ですね!」

 

「あぁ!だが、俺以外が持つと、こうはならないみたいでな…」

 

数時間後

 

 …俺的に刀はそれなりに扱えるつもりだったが…妖夢の奴、かなりの使い手だな…実力はほぼ互角…

 

「なかなかやりますね!」

 

「お前もな…惚れ惚れする実力だぜ!」

 

 …勝負の分かれ目は一瞬の隙…そこさえを突けば…少しの油断も見逃す事―

 

「隙あり!」

 

 妖夢が一瞬の隙を突いて向かって来た。…この状況を覆せるとしたら…妖夢の刀が当たる直前…そこを逃せば俺に勝ち目は無い…

 

「終わりです!」

 

 ―今だ!

 

「惑刀『双剣乱舞』!」

 

「!?」

 

 解りづらかったと思うから、少し説明する。妖夢の刀が俺に当たる直前、名前の如く、両手の忍者刀を乱舞させ、妖夢の刀に当てた。

 

 案の定、妖夢の刀は、二本とも妖夢の後ろに広がる大地に突き刺さり、妖夢はその場にひっくり返った。顔を上げた妖夢の目の前には、妖夢に向けられた翡翠があるわけで…

 

「…まだ、抵抗する?」

 

「ま…参りました」

 

 その言葉を聞いた俺は、翡翠を小刀に戻し、鞘に収め、地面に刺さった妖夢の刀を抜き、持ち主に返した。

 

「あ…ありがとう…」

 

「どういたしまして!」

 

「…流石ね…」

 

 …?

 

「私がひっくり返る直前、瞬間的にそよ風のクッションを作り、私への衝撃を和らげた…」

 

「…やっぱり…ばれてた?」

 

「当たり前です」

 

「…女の子には優しく…ってな」

 

「全く…貴方って人は…」

 

 「男は女を守るもの」…って言う言葉が頭から離れない。…確か…外の世界にいた時に誰かがよく言ってた覚えがある…

 




 …今見直しただけでも思わず書き直したくなる話です…

 …もっと、刀同士のアクションを書きたかったけど…当時の私にはこれが限界でした…

 裏話をすると…
  当初、白玉楼編に妖夢は登場せず、白玉楼編自体も1話で終わらせる予定でした。
  ですが…「東方旧聞史記」で妖夢の設定を見た時、「…久しぶりにバトル回書こうかなぁ…」って思い、今話を書いたのですが…「…もっとチャンバラシーンを書けばよかった…」と、今になって後悔しています。
 勿論、書き直す事も可能でしたが、あえて修正せづに投稿しました。(まぁ、だからどうしたという訳ですが…)

 …さて、まだ続く白玉楼編、それでは次話で!

※追記、因みにこの戦闘での妖夢は、楼観剣と白楼剣の二刀流で琳と戦ってます!
…琳が双剣モードにしたのも、妖夢が二刀流で挑んできたからでもあります。
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