「…あら?」
「…あっ」
とある日のCiRCLE前、僕は同じくギターを背負った紗夜さんと出会った。最近会うことが多いな…。出会ったのは全くの偶然であり向こうも驚いた顔をしている。
「こんにちは紗夜さん、最近よく会いますね」
「こんにちは飛鳥さん、本当によく会います…やっぱり洋服ですとだいぶ印象が変わりますね…」
「あはは…」
今日はCiRCLEでギターを弾きまくる予定だったので流石に洋服である。そのまま前で話していると紗夜さんもどうやら一人でギターを弾く予定だったらしく、良ければ一緒に練習してみないかとのこと、願ってもない提案なので二つ返事で了承する。
早速部屋に入りセッティングを始め、互いにギターを取り出す。あ、ESPのM-II。いいね…王道でいいですよ素晴らしい。
紗夜さんは努力型なのかお手本通りと言った弾き方だけどだいぶ激しい。流石M-Ⅱいい音だ…思わず僕も熱くなってきちゃう。紗夜さんに同調して僕のギターが激しくなりそれを聞いた紗夜さんがさらに激しく音を奏でる。それを何度も繰り返し曲を何度も変えて一言も交わさずに引き続ける。
そこそこの量の汗が飛び、息も軽く切れてきたがそれでも構わず弾き続け。二時間弱ほど経った後、同時に演奏をやめた。
「ふぅ…なんか…盛り上がっちゃい…ましたね…はぁ…」
「そう…ですね…こんなに…長くやったのは…初めてで…す…」
紗夜さん息も絶え絶えだ…汗で少し濡れている服が非常にえっちなので僕は持っているタオルを紗夜さんに渡した。なんか近づいたときめちゃくちゃ良い匂いしたんだけど…え、汗まみれでこれなの…? 女の子って不思議…。僕もここまで激しくしたのは初めてだし結構息が切れている。
ちょっと飲み物でも買ってこようかな…
「僕、何か買ってきますね」
「ふぅ…は…はい」
もう動くのもしんどいのかな…スポーツドリンクでも買ってこよう…。
そう言って部屋のドアを開けるとAfterglowの面々とあこと今井さんがいた。そういえばみんな同じ学校だったっけ…ちょっとはぁはぁいいながらだから失礼だけど挨拶しなきゃ。
「…みんな…ふぅ…こんにちは…奇遇だね…はぁ」
「あ…飛鳥…!?」
「あ、飛鳥姉!? どうしたの!?」
蘭とあこが息絶え絶えな僕に対して疑問を投げかける。そりゃそうだろう汗びっしょりで息も絶え絶えなら驚くだろうし。
「ちょっと紗夜さんと(セッションを)激しくしちゃって…今飲み物を買いに行こうと思ってるところ…」
息を漏らしながらタオルで流れる汗を拭く、ふぅと息を吐くと何故か面々が顔を赤くしている。
どうしたんだろう…すると巴がそっとあこの目を隠した。え、何?
「あの…あこの教育に悪いからやめてくれないか?」
「え…なんで?」
「そういうところだよ!」
ひまりがそう指摘したが本当に教育に悪い、あこがどうにか見ようと顔を動かしているがこれは見せられない。全身に滴る汗、上気した頬に熱い吐息。疲れているのか少しくたっとした肢体に表情。うん、ひまりに同調するわけではないがこれはやばい。汗まみれなのにめちゃくちゃ良い匂いがする…これは間違いなく性癖がゆがむ。リサさんは慣れてないからか顔が凄く真っ赤だし、慣れているアタシ達でも結構やb…待て待てその流し目を今すぐに止めろもっと歪む。
何とか飛鳥を自販機の方に向かわせてアタシ達はカフェテリアに向かっていた。こっちに来た理由は誰がいるのかなんとなく見に来ただけである。まさか飛鳥と会うとは思わなかったが…紗夜さんと一緒にいるという件に関しては後できっちりと聞くがちらりと部屋を見るとさっきの飛鳥のように汗をかいた紗夜さんがくたっと椅子に座りこんでいた……激しくしたってそういうことじゃないよな…!?
「にゃ、にゃはは~。なんか…凄い子だったね…」
「飛鳥姉えっちだった!」
顔の赤みが取れないのかリサさんが顔を手でパタパタと仰ぎながら笑う、あれでそんなことになるんだったら和服飛鳥のあの状態を見たらもっとやばいと思う。一度蘭とモカが我を忘れたあの事件は本当にやばかった…アタシ達も結構やばかったが。
「蘭も鼻血出すぐらい興奮しちゃったもんねー」
「モカにだけは言われたくない!」
あの時は二人とも出していたからな。後始末の方が大変だったし。
そんなこんなでカフェテリアで始まったお喋りだがリサさんは飛鳥に会ったことがあるらしい。なんでも公園に湊さんを迎えに行った時に猫に囲まれて湊さんと話していたらしい。話を聞いてみたら猫に囲まれていたらしくそれで話しかけてみたとか。また聞くことが増えたな。
妙な悪寒を感じたけど、気にしないでおこう。汗かいたからかな?
流石に戻って連続で弾くのは倒れてしまう可能性が出たのでのんびりと雑談をしている。話題は互いにいるということで姉や妹の話になる。姉さんと紗夜さんは同じ生徒会だしね。
「へぇ…紗夜さんの妹さんはアイドルなんですか…」
テレビはあんまり見ないからなぁ…スマホでPastel*Palettesというアイドルグループを見てふむと呟く。あれ、イヴさんがいる。あれれ? 紗夜さんと初めて会ったファーストフード店でバイトしていた人もいるしうちの舞台で機材いじってた人もいる…んん!? 白鷺さん!? うちが所作指導してた時にいた人だ!? この人バンドもやってたのか…!
「あら…? どうかしましたか飛鳥さん…」
「なんというか…日菜さん以外顔を知ってまして…」
というと紗夜さんが驚いた顔をした。そうですよね、パッと見たアイドルが顔を知っていたら驚きますよね。僕も驚いたし。それとだいぶ軽快な表情をしていたので聞いてみたのだけどどうやら日菜さんは紗夜さんと違ってだいぶ明るいというか文字通り太陽のような性格らしく水と油のように反発するのではないかと思ったがどうやら少し前までは紗夜さんが一方的に嫌っていたらしい。そういうと少し話し過ぎたのかハッとした顔をする。お気になさらず。
最後にどうせなら一緒に写真撮ってみませんか? と言ってみたら了承してくれたのでまりなさんに頼んでギターを構えている姿を撮ってもらった。結構嬉しい。
…あれ、めちゃくちゃメッセージ飛んでくるんだけどなにこれ。
「ただいま」
「おっかえりーおねーちゃん!」
「ただいま、少し汗をかいているから抱き着かないで」
「ふぎゅっ」
おねーちゃんはあたしを押しのけるとギターを置いてそのままお風呂に向かっちゃった。ちぇ
スマホも全部置きっぱなしにして…ん?
おねーちゃんのスマホを見ると見知らぬ女の子とギターを構えている写真が写っていた。え、服装見たら今日のやつだよねこれ。
私はスマホを持ってお風呂場のおねーちゃんに突撃した。
「おねーちゃーん! この子誰ー!」
「日菜ッ!」
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ネタ切れである、次はどうしよう