寄宿学校の異端者   作:S・Y・O・U

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第3話 喧嘩と心境の変化

 

 

昨日の夜にペルシアを弟子にした士狼は

今後どうするか考えながら校舎へ行こうと

寮から出ると黒犬寮生と白猫寮生が集団で

お互いに睨み合いをしている様子が見えた

 

「目障りだから白猫は寮にこもっててくれない?」

 

「黒犬こそ檻にでもこもってろ」

 

「は?」

 

「フッ!」

 

蓮季が挑発しスコットが挑発し返すと

蓮季がキレて睨みつけ、スコットは余裕の表情で返す

 

「授業まで時間がないわ、さっさと片をつけましょう」

 

「イェス・マム!」

 

「フフ〜ン黒犬の恐ろしさ見せてやるゾなぁ犬ず…か!?」

 

「デヘヘ」

 

「チッ」

 

犬塚のだらしない表情を見た士狼はイラつき

近くにあったボールを犬塚の顔面を狙って思いきり投げた

 

「グボッ!」

 

ペルシアに見とれていた犬塚は避けられず、

士狼の狙い通りに顔面に命中し倒れた

 

「「「え?」」」

 

突然犬塚が倒れ、その場にいた黒犬と白猫ともに唖然としていた

 

「痛ってぇ…誰だ!今俺の顔面に

ボールを投げた奴は!出て来い!」

 

犬塚は怒鳴って辺りを見回し、

ボールを投げた犯人を探そうとした時に

士狼がボールを拾って犬塚達に近づく

 

「朝から気持ち悪い顔見せるな、

ついボールを投げつけてしまっただろう」

 

「気持ち悪いってなんだ!ていうか『つい』で

ボールを投げてくんじゃねぇ!」

 

「士狼…」

 

(あっ!シロー君だ!)

 

士狼が現れて蓮季は暗い表情に

ペルシアは顔には出していないが内心嬉しい様子だった

 

「まあいい!昨日のリベンジをさせてもらうぜ!

影村ぁ!」

 

「犬塚!?」

 

犬塚が拳を振り下ろしてきたが

それに対して士狼は体の向きを変えて避ける

 

「なっ!?」

 

「学ばない奴だな」

 

士狼はカウンターの蹴りを喰らわせる

 

「ガハッ」

 

「ペルシア様!?お一人では危険です!」

 

犬塚が倒れた直後にペルシアが後ろから襲いかかる

 

「ハァ!」

 

だが士狼は難なく携帯武器を掴む

 

「なっ!?完全に死角の攻撃なのに」

 

「奇襲を仕掛けるなら相手に気づかれないように

声を出さずに攻撃するんだな」

 

「くっ…」

(やっぱり強いわね…シロー君)

 

「だから」

 

士狼は携帯武器を掴んだまま振り返って

 

「なっ何を」

 

空いた手で中指を親指で抑えて

ペルシアのおでこ目掛けてデコピンした

 

「痛っ!」

 

「こうして反撃される」

 

ペルシアが怯んだ隙に携帯武器を奪う

 

「借りるぞ」

 

「貴様ぁ!よくもペルシア様を!」

 

「デコピンごときで大げさだな」

 

(う〜痛い…)

 

士狼はスコットが近づいてきた所で振り向き

頭めがけて携帯武器を振り下ろす

 

「ガッ!」

 

だが当たったところが悪く、

スコットのメガネが割れてしまった

 

「もうやめとけ、これ以上やるなら容赦しない」

 

士狼は携帯武器を縮めてペルシアに投げ返す

 

(シロー君…昔から律儀なのは変わらないわね)

 

「テメェよくもやりやがったな!」

 

「まだまだ!」

 

犬塚とスコットは倒れていたがすぐに復活した

 

(どうやら根性はあるみたいだな)

 

「犬塚!止めろ!」

 

「スコット!止めなさい!」

 

「蓮季が相手だ!」

 

「私が相手よ!」

 

「ペルシア!邪魔するな!」

 

「それはこっちのセリフよ!狛犬蓮季!」

 

「何だと!」

 

「何よ!」

 

ペルシアと蓮季は士狼そっちのけで

言い争いを始めてしまった

 

「喰らいやがれ!」

 

「喰らえ!」

 

その間に復活した犬塚とスコットが

殴りかかってきた

 

「本当にうっとうしい奴らだ」

 

士狼は二人の拳を避けて頭を掴んで上げる

 

「このっ…くそ…」

 

「ぐっ…放せ…」

 

「そのへんでいいだろ…影村」

 

「ん?」

 

近くにいた丸流が話しかけてきた

 

「影村ぁ〜昨日はありがとな!

オイラたちを運んでくれたんだって?」

 

「丸流君から聞いたよ!お前良い奴なんだな!」

 

丸流の少し後ろから古羊と土佐が士狼に対して

昨日のお礼を言った

 

「そいつらほっといて早く教室行こうぜ」

 

「分かった、だが先に職員室に行かせてくれ

用を済ませたいからな」

 

「じゃあ俺達は先に行っとく」

 

「ああ、そうしてくれ」

 

「影村ぁ〜また後でね〜」

 

「おう」

 

丸流達が行ったのを見てから

士狼は二人をそれぞれの集団に投げ、

ボールを回収して職員室へ向かう

 

「ぐっ!」

 

「ガハッ!」

 

「おい!影村!絶対仕返ししてやるからな!」

 

「このままで済むと思うなよ!」

 

二人が士狼に向かって捨て台詞を言ったが

士狼は無視して立ち去った

 

「あっ!いつの間にか士狼がいない!

ペルシアが邪魔するからだゾ!」

 

「あなたが邪魔したからじゃない!」

 

ペルシアと蓮季の言い争いは

授業が始まる時間ギリギリまで続いた

 

 

 

士狼は職員室にいた教師にボールを届けて

教室に行き、1時限目の授業を受け終わって

休み時間になった時に丸流達が士狼の席に集まった

 

「影村バナナ食う?」

 

「なんで今なんだ?」

 

まだ1時限目が終わったばかりのタイミングで

土佐からバナナを勧められ、士狼は戸惑った

 

「影村くんエロ本読む?」

 

「こんな所で読めるか」

 

古羊からエロ本を勧められた士狼は

鋭いツッコミを入れた

 

「影村…これやる」

 

「ん?」

 

丸流に話しかけられて振り向くと

丸流が左耳に付けているピアスと同じものを

差し出していた

 

「これは?」

 

「ただのお礼…じゃなくて

お前にあげたくなっただけだ」

 

突然ピアスを差し出されて士狼は困惑する

 

「丸流君からの友達の証みたいなものだと思って

受け取ればいいんだよ」

 

「そうそう」

 

「…そうか」

 

士狼は丸流は丸流なりに

お礼を伝えようとしていることを察した

 

「だからこのバナナあげるよ」

 

「くれるなら食べかけじゃないバナナをくれ…

それと二人の名前を知らないから

この際だから教えてくれ」

 

「そういえばそっか、いいよ

俺は土佐健斗…はいバナナ」

 

「お、おう…ありがとう、よろしくな土佐」

 

「オイラは古羊英悟よろしく〜エロ本一つあげる」

 

「…それは後でな」

 

士狼は古羊に聞こえる程度の小声で伝えた

 

「了解!ソウルメイトよ!」

 

「ソ、ソウルメイト?」

 

「丸流達ってそんなに士狼と仲良かったか?」

 

遠目で見てた蓮季が気になって声を掛けた

 

「ん?蓮季か」

 

「昨日犬塚にやられたオイラ達を

運んでくれたんだ!」

 

「俺はバナナあげた」

 

「そ、そうか」

(優しい所は変わってないんだな、士狼は

少し安心したゾ)

 

蓮季は戸惑いつつも士狼の優しいエピソードを知り

少し安心する

 

「俺は行く所があるから授業には出られないって

次の授業の担当教師に伝えてくれ。

それと俺はピアスを付けないが

これはありがたくもらっておくぞ、丸流」

 

「!おう!」

 

((丸流君嬉しそう…))

 

士狼は返事を聞いた後教室を出る

 

「あ…」

 

「蓮季、影村と何かあったのか?」

 

丸流は蓮季の様子を見て何かあったと察し、

声を掛けた

 

「あ〜…まぁちょっとな」

 

「あ〜やってらんね〜授業サボるわ」

 

「あ?テメェ影村に喧嘩売りに行く気か?」

 

突然犬塚が席を立った所を見て、

士狼の後を追いかけようとしていると

察した丸流が呼び止める

 

「だったらなんだよ」

 

「こりねぇ奴だなぁ!黒犬のリーダーなのに

影村にやられたくせしてよぉ」

 

「おめぇは俺に昨日やられたくせして

何言ってんだ?」

 

「アレはおめぇが不意打ちしてきた

だからだろうが!」

 

「なら今すぐてめぇからやってやるよ!」

 

「上等だ!表出やがれ!」

 

「あー!もう!喧嘩するな!

授業がまだ残ってるんだゾ!?」

 

「止めんな蓮季!調子に乗ってる

こいつをぶっ飛ばして理解させてやんだよ!」

 

「調子乗ってんのはてめぇだろうが!」

 

「やっちまえ丸流君!」

 

「そうだそうだ!

 丸流君なら犬塚なんて余裕だ!」

 

「二人は煽るな!」

 

犬塚と丸流が喧嘩を始めると誰も止められないと

蓮季は知っているので必死に止める

 

「やーめーろー!」

 

蓮季の叫び声が聞こえた士狼は

教室で面倒事が起きたと察し

憂鬱になりながらも来た道を戻り教室に向かう

 

「うるさい…何をしている?」

 

「戻ってきたか影村!」

 

「てめぇの相手は俺だろうが!」

 

「だから喧嘩しようとするな!」

 

「やられっぱなしで気がすまねぇんだよ!

止めんな!」

 

「で、でも…」

 

完全に頭に血が上った犬塚は止める蓮季に怒鳴り、

怒鳴られた蓮季は少し怯えた

その様子を見ていた士狼は犬塚の胸ぐらを掴む

 

「ぐっ!」

 

「狛井に八つ当たりして楽しいか?

俺にやられたのはお前が俺より弱いからだ

狛井に八つ当たりするのはおかしいだろ」

 

「え…?」

 

「悪いな狛井…俺のせいで」

 

「よそ見してんじゃねぇ!」

 

士狼の顔が蓮季の方に向いていたのにも

関わらず犬塚の拳を左手で受け止めた

 

「「「え」」」

 

それを見ていたクラスメイト達は驚きの声を出した

 

「…本当にお前は弱いな」

 

「なっ…」

 

士狼は呆れ、犬塚の拳を放す

 

「はぁ、これ以上放っておくと

もっと面倒なことになりそうだな…

そんなに言うんだったら相手してやるよ」

 

周りにいたクラスメイト達は荷物を持って離れ、

士狼は目を閉じ棒立ちになる

 

「今回は特別に俺は足だけで相手してやる」

 

「なめやがって!どうなっても知らねぇからな!」

 

「さっさとかかって来な」

 

「チッ!オラッ!」

 

「士狼…!」

 

犬塚の右手ストレートを軽く避けた士狼は

犬塚の腹に膝蹴りを食らわせた

 

「ゴハッ!」

 

「話にならんな」

 

犬塚は腹を抑えて蹲る

 

「まだやるか?」

 

「もういいだろ!犬塚もなにやってるんだ!」

 

蓮季が士狼と犬塚の間に入って怒る

 

「犬塚!蓮季の大切な人にこれ以上何かするなら

たとえ犬塚でも蓮季は怒るゾ!」

 

「わ、悪ぃさっき八つ当たりした事は謝る…けど」

 

「ふんっ」

 

「あ、おい!」

 

「もう終わりだ」

 

「ッ!」

 

士狼が教室を出ようとした所を犬塚が呼び止めるが

士狼に睨まれて、何も言えなくなった

 

「士狼!後で話があるからな!」

 

「気が向いたら聞いてやる」

 

士狼は適当な返事で返して教室を出て、

目的地へ向かう

 

 

 

 

「見つけたぞ!影村士狼!」

 

目的地に向かっている道中に

スコットを中心に白猫の男達が

士狼を待ち構えていた

 

「はぁ」

 

士狼は心底面倒くさそうにため息をついた

 

「昨日と今日でよくも

ペルシア様をやってくれたな!」

 

(な、なんでこんなことに!?)

 

偶然現場にいたペルシアは近くの物陰から

様子を見守っていた

 

「男のお前が女性である

ペルシア様に手をあげるなど

男として恥ずかしくないのか!?」

 

(やっぱり女だからって…)

 

ペルシアは女だからという言葉に歯ぎしりをする

 

「女だから…男として…時代遅れもいい所だ

それでペルシアを気遣ってるつもりか?

それは違う、お前はペルシアに

勝手な偏見を押し付けているだけだ」

 

(え…?)

 

「なんだと!?」

 

「女にも強い者はいるし、男にも弱い者はいる

性別で強者と弱者が決まることは無い

強い弱いは個人の問題だ

その意見はペルシアにとって

最大の侮辱を与えていることがなぜ分からない?」

 

(な、なんで泣いてるの…私)

 

物陰で士狼の言葉を聞いていたペルシアは

女性と差別しなかった士狼の言葉に涙を流す

 

「知ったふうに言いおって!

黒犬の貴様にペルシア様の何が分かる!」

 

「知っている…少なくとも偏見でしか

ペルシアを見れないお前らよりはな」

 

「くっ!」

 

「俺は野暮用を済ませに行く途中なんだ

邪魔だからすぐに終わらせてやる

さっさとかかってこい」

 

「ナメるな!みんな行くぞ!」

 

「おー!」

 

「っ!止めなさい」

 

ペルシアが止めに入ろうと飛び出そうとするが

 

「遅すぎる」

 

「ガハッ」

 

士狼は走ってきたスコットに一瞬で近づいて

顎を蹴り上げた後に腹を殴り飛ばし、

飛んだ先の白猫の男達の数人を巻き込んで倒れる。

混乱している間に士狼は残った数人を蹴りや殴りで

無力化させ、最後の一人を見る

 

「白猫ってのは大したことないな」

 

「チクショウ!ナメるなぁ!」

 

キレて飛びかかった所で胸倉を掴み投げる

 

「グハッ」

 

「単純な動きだな」

 

「大勢引き連れてこれか?情けない」

 

(たった一人で白猫の男子達を…)

 

「さて、終わったし行くか」

 

士狼は手を払って目的地へ向かった

 

「凄い…」

 

士狼が白猫の男子達を一瞬で倒す姿に

ペルシアは目を見開いて見惚れていた

 

(シロー君は私を女だからってバカにしなかった…

なんだろう、すごく嬉しい)

 

「シロー君…」

 

立ち去る士狼の後ろ姿をペルシアは

頬を赤く染めて見えなくなるまで見つめていた

 

そして用事を済ませた士狼は寮に帰って

部屋に戻ろうとしたその時

 

「あ!見つけたゾ!士狼!」

 

「ん?」

 

背後から蓮季の声が聞こえて振り向くと

気まずそうにしている犬塚の腕を掴みながら

蓮季が士狼に近づいてきた

 

「狛井と犬塚、何か用か」

 

「後で話があるっていったろ」

 

「ああ…それか」

 

「でもその前に…犬塚」

 

「分かってるよ…」

 

犬塚が俺の前に来て頭を下げた

 

「喧嘩売って…悪かったな」

 

「気にするな、お互い水に流そう」

 

「あ、ああ知ってると思うが俺は犬塚露壬雄だ

これからよろしくな」

 

「…おう」

 

士狼は差し出された犬塚の手を取って握手をした

 

「よしっ!これで仲直りだゾ」

 

その光景を見た蓮季は満足そうに

腕を組んで頷いていた

 

「なぁお前、昔俺と会ったことあるか?」

 

「え?犬塚?」

 

「なんだ心当たりでもあるのか?」

 

「確か俺がまだダリア学園に入学する前に会った…

名字は違うが名前は同じだ

お前、小さい頃に会った士狼じゃないか?」

 

「確かにそうだ、久しぶりだな犬塚」

 

「やっぱか!久しぶりだな!というか言えよ!

全然分かんなかったわ!」

 

「まぁ色々あってな」

 

「士狼何があったんだ?」

 

「悪いがそれは話せない…いつかは話す」

 

「そうかよ…まぁ話せるまで待ってやるよ」

 

「助かる、話はこれだけなら俺は部屋に戻るぞ」

 

「ちょっと待って、場所を変えて

二人だけで聞きたいことがあるゾ」

 

「分かった、またな犬塚」

 

「おう」

 

 

士狼と蓮季は犬塚と別れて寮の外に出た

 

「なんだ、聞きたいことって」

 

「士狼は嫌だと思うけど

この数年間何があったのか蓮季に教えてほしい」

 

「聞かない方がいい、気分のいい話じゃない」

 

「それでもいい!士狼に何があったのか

蓮季は知りたい…お願い、話して欲しいゾ」

 

「…誰にも言いふらさないと

約束できるか?できなければ話さない」

 

「分かった約束するから…話して」

 

「その言葉忘れるなよ」

 

蓮季の譲らない姿勢に観念して士狼は話し始める

 

「狛井は覚えてるか?初等部1年生の夏休み中に

起こった放火殺人事件のことを」

 

「ああ、覚えてるゾ…悲惨な事件だったから

忘れるはずがないゾ」

 

「事件が起こったあの日

俺は故郷に帰っている途中だった

でも故郷にいた家族に会うことはできなかった」

 

「え…ま、まさか!」

 

「そうだ、俺の故郷が事件の現場だった

あの日、俺の目の前で故郷も家族も焼かれた

俺は大切なものを全て失った」

 

「な、なんだそれ酷すぎるゾ」

 

蓮季は士狼の過去を聞き、目を見開いて涙を流す

 

「言ったろう聞かないほうがいいってッ!?」

 

蓮季は士狼の言葉を遮るように抱きしめた

 

「士狼辛かっただろ…」

 

「やめてくれ」

 

「いやだゾ…今の士狼はすごく辛そうな顔してる

今は蓮季しかいないから…無理しなくてもいいゾ

蓮季が慰めてあげるから」

 

蓮季の柔らかく暖かい体温を感じた士狼は

謎の安らぎを感じていた

 

(何だろうすごく心地いいな)

 

しばらく経って蓮季はゆっくり士狼から離れ、

沈黙状態になっていた

 

(とっさだったとはいえ士狼に

む、胸を…は、恥ずかしい)

 

蓮季は士狼に胸を当てていた事実に赤面していた

 

「な、なあ士狼」

 

「なんだ」

 

「なんで蓮季のことを狛井って呼んでるんだ?

昔なら私のことを蓮季ちゃんって呼んでたのに」

 

「確かにそう呼んでいたが、それがなんだ?」

 

「名字じゃなくて名前で呼んでくれ

なんかよそよそしくて嫌だゾ」

 

「そんなに嫌か?」

 

「そんなに嫌だゾ、ほら蓮季って呼んでくれ」

 

「…分かったよ蓮季、これでいいか?」

 

「うん!それでいいゾ!」

 

士狼が蓮季と呼ぶと蓮季は満足そうに笑った

 

「もう明日から狛井なんて呼ぶなよ

ちゃんと蓮季って呼ぶように」

 

「分かったよ、さてもういい時間だし、

そろそろ寮に帰らないか」

 

「士狼は先に寮に帰っててくれ

蓮季は後で寮に帰るから…じゃまた明日な士狼」

 

「ああ、また明日な蓮季」

 

士狼が先に寮に帰っていたのを確認した蓮季は

その場に座り込んだ

 

「フフッ嬉しい、士狼が私を名前で呼んでくれた」

 

蓮季は士狼が名前で呼んでくれたことに

頬を赤らめていた

 

「これで少しは士狼と仲良くなれたかな」

 

蓮季はしばらく感傷に浸ってから寮に帰っていった

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