寄宿学校の異端者   作:S・Y・O・U

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お待たせして大変申し訳ございませんでした。
数ヶ月に一回投稿できるかどうかという不定期な作品ですが、
暇つぶし程度に読んでいただけると幸いです。
それでは短い内容ではありますが続きをどうぞ。


第7.5話 ジュリエットとシャル

「ねぇシャルちゃん」

 

「ん?なぁにペルちゃん」

 

「シャルちゃんっていつシロー君と出会ったの?」

 

「え?いきなりどうしたのペルちゃん」

 

「シャルちゃんって王女でしょ?立場的にシロー君とは出会いようがないのにどうしてかなって」

 

「あぁそうゆうことね…確かにそう思うわよね、まあ出会ったというよりは彼に助けてもらったのが出会いだったわ」

 

「え?そうなの?」

 

「ええ、ペルちゃんは私が一度誘拐された事は知ってるかしら」

 

「う、うん知ってるけど…あ、まさか!」

 

「そのまさか…助けてくれたのは彼なの、まあ仮面を被ってたから黒髪と青い瞳くらいしか見えなかったけど」

 

─────────────────────

 

(あの時は私が無断で城から抜け出して遊んでいた所に覆面の男達が突然現れて捕まってしまったのよね)

 

「離しなさい!私が誰か分かっててやってるの!」

 

「もちろん分かっててやってんだよ、お前ウエスト公国の第一王女シャルトリュー・ウェスティア王女様だろ」

 

廃工場の中で複数の男達がシャルを縄で縛り付けながらリーダーらしき男がシャルの問いかけに答えた

 

「しっかし思っていたより捕まえるのは楽勝だったすねヒヒッ」

 

「ああこんなに楽な仕事して俺達は出世できる、最高じゃねぇかギャハハッ」

 

「貴方達東和民ね!どうりで野蛮な顔をしてる筈だわこんな事してただで済むと思っているの!」

 

「思ってるさお前のパパやママに助けてってお願いしてみろよ、まぁ出来たらの話だけどなハハッ」

 

「これからお前を東和に連れてって人質になってもらうぜ、そうすればウエストは俺ら東和国に逆らえねえ、残念だったなぁヒャハハッ」

 

「な、なんて事を」

 

ゲスな笑いをしながら答える男達にシャルは戦慄する

 

「なぁ、車が来るまでまだ時間あるよな、それまでの間コイツで楽しんでいいか?」

 

「な、何を言って」

 

「おい正気かよバレたらマズイだろ」

 

「いいじゃねぇかちょっとだけだって!ヘヘッ」

 

男のイヤらしい視線にシャルは逃げようとするが

縛られていて身動きが取れなかった

 

(嫌、嫌よ!こんなヤツらなんかに…誰か助けて!)

 

シャルは涙を流して助けを求めた時に足音が聞こえて、その方を見ると誰かが廃工場の入り口に入ってきていた

 

「あ?誰だお前?」

 

そこには黒い狼を模した仮面に全身が黒で統一されているスーツ姿の男がいた

 

「おい、なんでここにいるか知らないが俺達は仕事中ださっさと消えろ」

 

しかし、仮面の男は黙って立ち尽くしていた

 

「おい聞いてんのか!どこの誰かだか知らねえがさっさと消えろってつってんだ!」

 

「助けて…お願い助けて!」

 

シャルの声に反応するように仮面の男が勢いよくこちらに走ってきた

 

「早っ…グハッ!」

 

「てめっ…グエッ!」

 

走った勢いで一人を飛び蹴りした後に、近くにいたもう一人の顔面を殴り飛ばした

 

「てめぇよくも…ガハッ!」

 

殴りかかった男を回し蹴りで倒す

 

(な、なんて強さなの)

 

「この野郎何しやがんだ!お前も俺達と同じ東和民だろうが!」

 

「お前が東和民?お前のようなゲスが東和民を名乗るな東和の面汚しが」

 

「何だとテメェ!ぶっ殺してやる!」

 

ゲスと罵倒されて怒った男はナイフを手に持って仮面の男を刺そうと向かっていく

 

「死ねぇぇ!」

 

「危ない!」

 

仮面の男は冷静にナイフを持っている男の手首を掴んで腕を捻って関節を外す

 

「ガハッ!」

 

男は関節を外された激痛にたまらずナイフを離す、

そして仮面の男は首を掴んで地面に倒した

 

「グハッ!」

 

「すごい」

 

仮面の男は倒れた男に近づくと

 

「テ、テメェ何を…」

 

男の股間を思いっ切り踏み潰した

 

「ギャアアア!」

 

激痛に大声を出して悶える男を仮面の男は男の頭を蹴り飛ばして気絶させた

 

(こ、これは流石に同情するわね)

 

自分を辱めようとした男の哀れな姿に、シャルは哀れみの目を向けた

 

仮面の男はシャルの方に向かって歩いていく

 

「ひっ!来ないで!」

 

シャルは素性の分からない仮面の男に思わず身構える

 

「大丈夫です、安心して下さい私は味方です。貴方を助けに来ました」

 

「え?」

 

仮面の男はシャルに優しく言葉をかけてシャルを縛っている縄をほどいた。

 

「あ、ありがとう」

 

「いえ、これが仕事ですから」

 

(え…目が青い?)

 

シャルは仮面の男の目元を見ると東和民の暗めの瞳ではなく、ウエスト公国の民に見られる青い瞳だということに気付く。

 

そして仮面の男は無線機を手に取ってどこかへ連絡した

 

「こちらウルフ、無事シャル王女を救出しました」

 

『そうか、よくやったウルフ。後はウエストに任せて君は帰還してくれ』

 

「了解」

 

無線機を切ると車が来て、シャルを迎えに来たウエスト人達がシャルの元へ走ってきた

 

「シャル様!ご無事ですか!」

 

「ええ、彼に助けられたわ」

 

「怪我もないご様子で何よりです!」

 

「君もご苦労だった、後は私達に任せてくれ」

 

「分かりました、後は頼みます」

 

「ちょっと待って!貴方名前は?顔を見せてくれないかしら」

 

「申し訳ございませんがそれはできません、では」

 

「あ、ちょっと!」

 

「シャル様、車にお入りください!すぐに城まで送り届けます!」

 

仮面の男はシャルの問いに答えずにその場を去り、シャルは車に乗せられて王宮へ向かった。

 

─────────────────────

 

「その後、城に帰ってお父様とお母様にたっぷりお説教されたわ、まあ当然なんだけどね」

 

「それはそうよ、私だってそうするもん」

 

「あの助けてくれた狼の仮面の男の子が誰なのか、お父様に何度聞いてもはぐらかされるから黒い髪に青い瞳の東和人を探させたりしたけど、結局手がかりの一つも見つけられなかったわ、まさかこの学園で見つかるなんて思わなかったけど」

 

「あはは…」

 

「さて次はペルちゃんの番よ」

 

「う、うん」

 

─────────────────────

 

(あの時はまだお父様が優しかった時に船で遠出した時…)

 

「お父様?ここはどこ?」

 

「ああ、ここは私の古い友人が住んでいる村だよ…

おっと言った側から来たな」

 

ペルシアの父が見ている方を見ると呆れた表情を浮かべながら東和民の男が歩いて来た。

 

「来るのは良いが今からそっちに行くって何だよ、事前連絡が雑すぎるわ、そうゆう抜けてる所は相変わらずだなお前は」

 

「そう言うな、私達の仲だろう侍郎」

 

「親しき仲にも礼儀ありとも言うだろうが、俺にも気を使って欲しいもんだ」

 

「ははっすまんすまん」

 

「本当に分かってんのか?まったく…そのお嬢さんは?」

 

「ああ、私の娘のジュリエットだよ」

 

「ほーう、見たところ士狼と同じくらいか…おーい!士狼!」

 

侍郎が呼びかけると青い目をした優しいそうな男の子がやってきた。

 

「お父さん?どうしたの?」

 

「ちょっとこの子と遊んでやってくれないか?

俺は古い友人とお話しがあるからな」

 

「うん!分かった!」

 

「よし!良い子だ、頼んだぞ」

 

「君が侍郎の息子さんか、侍郎に似て優しそうだな

ウチの娘を頼むぞ」

 

そうして二人はどこかへ行ってしまった。

 

「ねぇ、君の名前は?」

 

「ジュ、ジュリエット」

 

「ジュリエットちゃんか、僕は士狼!よろしくね!」

 

「シェーロ?」

 

「し・ろ・う」

 

「シェーロ?」

 

「うーん、言いづらかったら言いやすいのでいいよ」

 

「じゃあ…シロー君でいい?」

 

「うん!良いよ!じゃあこっちに来てみんなで遊ぼ!」

 

「うん!」

 

そうして士狼はジュリエットを村の子ども達の元へ連れて行って一緒に遊び、共に楽しい時間を過ごせた

 

──────────────────────

 

「それから仲良くなって帰るまでずっと一緒に遊んだわ」

 

「へぇ〜ペルちゃんは彼の故郷に行ったことあるのね」

 

「ええ、でも幼い頃に一回行ったきりだからシロー君の故郷がどこにあるのかは分からないけどね」

 

「そう…残念ね」

 

「うん、いつかまた挨拶しに行きたいんだけど」

 

「そうね…あら?もうこんな時間、そろそろ寝ないと明日に差し支えるわ、もう寝ましょう」

 

「あ!本当だ!早く寝ないと!おやすみシャルちゃん」

 

「ええ、おやすみペルちゃん」

 

そうして二人はベットに入り眠りについた。

 

(彼の故郷ね…調べてみる必要があるわね…)

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