超黒トリガー   作:もりも

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低評価に怯えながらの投稿・・・深夜テンションなんや


未来

全てのトリガー性能を150%以上引き出すことができる恋多郎の特性は風刃を持つ迅悠一をも超えるポテンシャルを発揮する可能性もあるが、逆にA級下位くらいとブラックトリガー使いとして非常にビミョーな実力に収まってしまう可能性もある本人次第でボーダーの戦力に大きく影響を与えてしまう何とも頭を悩ませる代物だ。

それがあってボーダー上層部はこの議題を幾度も挙げ、いかに恋多郎を育てるか、いかにモチベーションを上げさせるかを忍田本部長を中心に話し合われていた。

そんな折、この話を忍田の弟子である太刀川は聞くと「俺に任せてよ!」と意気揚々と恋多郎育成計画に名乗りを挙げた。元々恋多郎がボーダーに正式に入隊した直後から数えきれない程訓練した仲であるし(恋多郎からは嫌われている)、いい加減勝ち戦には飽きてきたところだ。本格的に育成してまた面白い遊び相手に仕立て上げようと画策したのだ。忍田はコイツが自分以上の戦闘馬鹿なのは知っていたのでその魂胆はバレバレなのだったがA級一位の実力者には変わらないから本人もやる気だしいいか、と了承した。

そして恋多郎本人の知らぬ間に太刀川に加え、いつものバカ二人(出水・米屋)が恋多郎の戦闘スタイルをあーでもないこーでもないとボーダーの休息所で卓を囲み練っていた。

 

そしてもう一月が経ち、先輩達の熱いご指導の下恋多郎の戦闘スタイルは固まっていった。

 

トリガー構成・・メイン(弧月・シールド・アステロイド・旋空)

      ・・サブ (バイパー・グラスホッパー・バックワーム・ハウンド)

 

孤月とバイパーを用いた近中距離型の特殊スタイルだ。

これは中々上級者向けの構成なのだが(バイパーがむずい)、恋多郎の特性上完成すれば太刀川でさえ100回やれば100回負ける変幻自在の魔法剣士の出来上がりだ。

太刀川的には自身のスタイル、二刀流旋空マシマシスタイルに寄らせたかったが、米屋のどうせなら違う最強の形が見たいじゃん、という意見と射手の出水の意見、そしてどこからこの話題を聞きつけたのか加古の意見が加わり、これに至る。

なぜか加古の意見が一番反映された。

思いっきり感覚派の三馬鹿に虐められ、さりげなくセクハラをされつつも(気づいていない←これ重要)優しく加古の指導を受けながら恋多郎はトリガー出力を並みのトリガーまで落としてもB級中位に遜色ない程まで腕を上げたのだった。

 

 

そして既に防衛任務に就くようになった恋多郎は訓練の一環としてトリガー出力を落としてコレに参加していた。

 

「お〜、随分トリガーの扱いに慣れてきたじゃないか!」

 

合同で組んでいた嵐山隊の隊長、嵐山が戦闘が板についてきた恋多郎に感嘆の声をかけた。

 

「あれだけやればまぁ・・・。」

 

少し遠い目をする恋多郎に首を傾げる。すると同じ隊の佐鳥が相変わらず緩んだ顔で二人がいる廃墟の屋根までやってきた。

 

 

「いやいや、その状態でもうB級中位並みに動けるんなら才能あるでしょ!最初は嫌々やってたのは知ってたけど、ここまでやれたら楽しくなってきたんじゃない?」

 

「ん〜、三馬鹿ぶった切るのは楽しいかな?」

 

「三馬鹿?」

 

「俺のモチベーションは目下あいつらボコる事やからね。」

 

復讐の念を瞳に宿す恋多郎。実力だけでなく、図らずもモチベーションも上げていた。

 

「あはは。どんな理由であれ、やる気出して取り組んでくれてる事に俺の方からも有り難く思うよ。桜の入隊の経緯は聞いてるから、強制の様な形になってしまって申し訳ないと思っているんだ。俺ら広報部隊として活動しているしね。」

 

「嵐山さんがそんな気を遣う事ないですって!元はと言えば親父が勝手に決めやがった事だし・・・・まぁ、幸い学校でもボーダーでも友達結構できたので良かったですよ。」

 

「俺もその中の一人だよなぁ〜!」

 

「ハイハイ。」

 

防衛任務中だが和やかに時間が過ぎていく。

 

「迅とはどうだった?同じS級隊員同士。」

 

「迅?」

 

何気ない嵐山の問いにキョトンとした顔で恋多郎は聞き返す。

 

「あれ?まだ会ってないのか?あいつは君のこと何度も見かけてると言ってたんだが?」

 

「まず迅って人誰なんスか?」

 

「知らない?変わったグラサンかけてる人。本部にはあんまり顔出さないから会う機会少ないけど。」

 

「変なグラサン〜??・・・・・なんか見たことある様な、聞いたことある様な。」

 

顎に指を当てて首をひねる。

 

(迅のやつ、予知で見た事で俺に忠告してきたからその時に会ったもんだと思っていたが・・・一方的に桜を覗いて予知を見てたってことか?暗躍仕事をしているとしても積極的に仲間とは絡むあいつが?)

 

未来が見えるという俄かに信じがたいサイドエフェクトを持つ迅は僅かな危険の可能性を見逃さない様に色んな場所を練り歩き、未来が良い方に進む様人とタイミングを上手く活用している実はボーダー最重要人物の一人である。

 

(あいつのことだから考えあってのことだろうけど・・・オペレーターを桜に会わせない方がいい、って言ったのはどういう意味なんだ?)

 

嵐山の頭に疑問が募る。本来迅の言うことに深読みしてしまっても意味のない事だとはわかっているのだが、それを言ってきた時の迅の何とも言えない顔にシコリが残る。

 

『嵐山さん!近界民の反応が!』

 

考え事をしていた矢先、オペレーターから通信が入る。そこで真面目な嵐山は即座に切り替える。まだ仕事中だ。考え事は後だ、と。

そして恋多郎も再び孤月を抜き戦いに備える。すると協力してくれている嵐山隊のオペから恋多郎のみの内部通信に声が入る。

 

『桜君。』

 

『?なんですか綾辻さん?』

 

『が、頑張って!』

 

『?ありがとうございます?急にどうしたんです?』

 

『あ、あの・・・言いたかっただけ・・ごめんね?』

 

『いや、普通に嬉しいんで全然、ありがとうございます。』

 

『・・・・あの・・一つお願いなんだけど・・遥って言ってくれないかな?』

 

『???(遥?綾辻さんの名前か?)遥。・・これでええですか?』

 

『っ・・・・あ、ありがとう。ほんとごめんね?』

 

突然のやり取りに何のこっちゃ、とツッコミたい恋多郎であったが嵐山が先行しているので遅れないよう深く考えずにそのまま通信を切った。ほんとなんだったんだ?と後から考えても分からなかった。

 

 

 

暗くモニターの光だけが反射する隊室で彼女は生真面目にオペレーションをしている様に装っている。その吐息は少し荒く、チークも僅かにしかしていない筈なのに赤く染まった頬。左手は操作盤を確かに操作している。しかし机の下に隠れた右手は自身の股座へなぞる様に置かれていた。左手で操作盤を弄る。再生する。『遥』と言う声。右手は股を弄る。「ああ・・っ!」と言う声。

清廉潔白に愛嬌を加えた様な皆のアイドルが一人仕事場である隊室で尊敬する隊長に指示を出しながら後輩の男子の声に悶え自慰に耽っていたのだった。

 

(こんな事・・ダメなのに!・・・なんでぇ?なんで桜君の声を聞くと体が火照るのぉ?)

 

恋多郎と初めて防衛任務が一緒になってからというもの、こうやって自分を慰める日々が続いている。良くない事だとは大いに理解はしているものの、ボーダー内のシフト表をこっそり見ては恋多郎と同じ時間にシフトを入れていた。

いずれにせよ我慢の限界を超えた彼女が恋多郎の下へ向かうのは遠くない未来。

 

 

 

「やれやれ・・全く悩みの種だよホント。」

 

迅は嵐山隊と共に移動する恋多郎を高いマンションから見下ろして頭を搔く。

初めに視たのは3ヶ月前、同じ玉狛の林藤ゆりの姿を朝見た時だった。

あくまでそれは序章。それにゆりを通しての未来のみ。

それを視てからとりあえず行動に移したのは件の少年を決して玉狛支部に招かないこと。それをしてしまうとレイジさんが暴れる。

時が経ち、段々と未来が枝分かれしていく。自分では手に余る未来だ。

嵐山に対してはとりあえず二人を自ら会わせない様にだけして嵐山隊にとっての最悪は逃れることはできた。しかし迅が暗躍して回ってもそれは流れを緩やかにするだけであって事態が好転していないとわかっていた。

ただ今更狼狽えることはない。自分に出来ることをやるだけだとエリート隊員である自分を信じてやってみる。

 

「上層部の人たちは頭痛いだろうなぁ。」

 

厄介な未来に頭を抱える城戸司令たちに憂いを込めてそう呟く。

 

 

 

 

 

一つ補足すると、迅個人としてはものっすごい羨ましい未来である事には間違いない。

 

 

 

 

 

 




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