銀色に懐いた最強の白   作:マリユリ

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序章・六

─服屋にて─

 

 

「美桜、服はどんなのがいい?」

 

「銀のと同じやつ」

 

「勝手に選んでいいか?」

 

「ん」

 

私には分からない。目が見えてないのもそうだが、服や履物に関しては動きやすさ重視なので、柄などは特に気にしないのだ。そのため元の世界にいた頃、私服を買う時は妹が必ず着いてきていた。『お姉ちゃんは服にもっとこだわり持って』とよく言われていた。それほど無頓着なのだ。だから、銀に決めてもらうのが早いと思う。・・・人任せとも言うが。

 

 

 

─靴屋にて─

 

 

「靴はどうする?」

 

「・・・銀と同じようなやつ」

 

「ハイよ。じゃあ、何足か履いてみろ」

 

銀が持ってきた履物をいくつか履いてみる。色々履いてみたが、最初に履いた(かかと)が少し高いやつが歩きやすい。

 

「美桜、どれがいい?」

 

「一番初めに履いたの」

 

「じゃ、それな」

 

 

これで、衣服関係の買い物は終わった。結果として、ほとんど銀と変わらないらしい。違うのは、銀の着物の青い柄のところが桃色の花柄になったところと、靴の踵が高いところくらいと言っていた。

 

「次は寝巻きだな。どんなのがいい?」

 

「昨日着たやつ」

 

なんだっけ、名前忘れた。せっかく着方を教えてもらったから、アレにしたい。

 

「甚平か?」

 

「それ」

 

「分かった。買ってくるから待ってろ」

 

甚平を買い終わって、銀が戻ってきた。

ここで既に、荷物はかなりの量になっている。そして、私はどうしても気になることがある。

 

私、荷物を一つも持っていない。

 

銀が両手にたくさん荷物を持って歩いている。そのため、手を繋げず私は裾を掴んであとをついて行っているのだ。

 

「銀、荷物」

 

「あぁー、いいのいいの。俺が持つから」

 

「そうじゃなくて、手、繋ぎたい。だから荷物。ダメ?」

 

人が多いとどうしても落ち着かないし、銀と手を繋いでいると安心する。だから、繋いでいたいのだが。

 

「・・・・・」

 

どうしよう。返事が来ない。迷惑だっただろうか。だとしたら、今まで無理をさせていたことになる。謝るべきだろうか。

 

「はぁ〜・・、やばい・・・マジでやばい」

 

何かを言っているが、よく聞こえない。とりあえず、表情が知りたいので顔に手を伸ばした。

 

「銀?」

 

「っ!」

 

少しビクッとされた、申し訳ない。そっと頬に手を当てる。

 

「?」

 

銀の体温はこんなに高かっただろうか。風邪?それとも、重い荷物に体がついていけなかった?いや、銀の体は鍛えられていたから、こんなことで限界を迎えるわけがない。

 

「み、美桜ちゃん美桜ちゃん。分かった、分かりました。半分渡すから、だから顔から手を離して」

 

「ん」

 

どうやら、手を繋いでくれるらしい。荷物を手渡されるが、明らかに少ない。

 

「・・・・・」

 

「さ、行くぞ」

 

疑いの眼差しを向けるが、すんなり躱された。絶対半分以上銀が持ってる。でも、これ以上言っても渡してくれないのは分かっているので諦めた。

 

「銀、食材買わなきゃ」

 

「あー、そういや冷蔵庫空だったな」

 

というわけで、食材を買いに向かった。

"すーぱー"という所は、野菜や肉、豆腐など色々な食材がたくさん置いてあった。一度の買い物で揃えられるので凄く便利だ。唯一の難点は、カートを押していると銀と手を繋げないことくらい。その間は裾を持って歩いていた。

 

「美桜、顔色悪くないか?」

 

「・・・人に酔った」

 

「あぁ、この時間帯はどうしても混むからな。疲れたか?」

 

「大丈夫。早く帰ろ」

 

「だな」

 

買い物を終え、また手を繋いで家に帰る。

家に着いてからは、二人で一緒に夕飯を作って、朝みたいに手伝ってもらいながら一緒にご飯を食べた。またシャワーに少し怯えながらお風呂に入って、銀に髪を乾かしてもらって、二人で同じ布団に入った。

 

「おやすみ、美桜」

 

「ん。おやすみ、銀」

 

昨日のように銀が背中をさすってくれた。

やっぱり、銀の隣は安心する。暖かくて心地いい。

私は銀の背に腕を回して、意識を手放した。

 

 

 

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眠った美桜の頭を撫でる。

やっぱり美桜が腕の中にいるこの時間、この瞬間がとても落ち着く。とても安心できる。美桜も心を開いてくれたようで嬉しいが、ただ懐かれるだけじゃ意味が無い。早く自分のものにしたい、自分だけを見てほしい。そんな思いが頭をいっぱいにする。

 

(・・・寝るか)

 

もう一度頭を撫でて、目を閉じる。いつもより暖かい、腕の中のぬくもりを感じながら、眠りについた。

 

 






<美桜の最終的な服装まとめ>

・中のジャージは銀時と同じです。

・外の着流しは、銀時の水色の模様が桃色の花柄に変わって普通に着てます。片方脱いだりしてないです。

・靴は銀時と同じデザインで、踵が少し高いです。

・刀(日輪刀)は万事屋に置いてます。でも、腰に何かないと落ち着かないので、銀時よりも少し短い木刀を差してます。

・手首にいつもヘアゴムをつけてます。戦闘するときはそれでポニテにします。

・癖で懐に短刀、袖口にくないを隠してます。



<鞄に入ってた物>

①鬼殺隊にいたときに貯めていたお金が入った通帳。

②銀行のカード(暗証番号4桁は美桜の誕生日)

③保険証

④ 印鑑

⑤愛用の、短刀、くない、香袋

⑥②と③が入ってたカードホルダー
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