銀色に懐いた最強の白   作:マリユリ

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序章・終

銀のところへ来てから一ヶ月ほどたった。基本的には、あれからも変わらない生活を送っている。この日も、二人で買い物へ出かけて、いつものように手を繋いで帰ってきた。家の前まで来ると、下の階のお店の前にお登勢さんが立っていた。ふんわりとタバコの香りがするから、タバコを吸っているのだろう。会釈だけして、階段へ向かおうとした時、声がかけられた。

 

「アンタたちは恋仲かい?」

 

「はぁ!?な、なんだよいきなり」

 

「?」

 

どうやら、銀にとっては地雷か爆弾だったらしい。はじけるように振り向いて反応していた。

 

「はぁ。なんだ、まだくっついてなかったのかい・・・。銀時、美桜がどれだけ別嬪か分かってんだろうねェ?早くしないと、先越されちまうよ?」

 

「そ、それはまずい」

 

「なら、男を見せることさね」

 

それだけ言うと、お登勢さんは店に入っていった。タバコを吸い終わったのだろうか。何が言いたかったのかは分からないけど、銀にとっては重要なことだったらしい。さっきより手に力が入っている。

 

「銀?」

 

「・・・はぁ〜、とりあえず中に入るぞ」

 

手を引かれて、階段を上がった。変わらず私に合わせてゆっくり歩いてくれてるから、とても助かる。玄関から家に入って、銀に勧められるままソファに座った。銀は隣に座ったけど、何かを考えてるようで俯いたまま何を話さない。

 

「銀?」

 

本当に何も話さないので不安になってきた。ので、銀の顔を手探りで探って頬に片手を当てた。

 

「っ・・・・はぁ、腹くくるかぁ・・・」

 

「?」

 

顔が熱い。熱でもあるのか。というか、銀は熱を出しすぎでは?

首をかしげていると、頬に当てている手とソファに置いてある手に銀の手が重ねてきた。

 

「美桜、俺は美桜が好きだ」

 

「?・・・ん、私も銀が好き」

 

「あのな、俺が言ってんのは恋愛的な意味で」

 

???

私の頭は謎でいっぱいである。

ん?私も銀と一生一緒にいたいとか、結婚したいとか思うくらいには好きなんだが。

 

(・・・もしかして、友達感覚だと勘違いされている?)

 

まさか、ここで口下手無口の代償がくるとは思わなかった。もっとハッキリ口にするべきだったか。

 

「銀、私も恋愛的な意味で銀が好き」

 

「だろ?だから───は?」

 

??????

何故そこで固まる?もしかして冗談だと思われている?だとしたら、どうすれば信じてもらえるのだろう。

 

「・・・美桜?」

 

「?」

 

そのままで頭を悩ませていると、銀が戸惑ったような声を上げた。言葉の代わりに首をかしげる。

 

「それ、ホントか?」

 

「ん」

 

誰もこんなことで嘘はつかないだろう。というか、相手に失礼。

 

「でも、私でいい?」

 

「何で?」

 

「目が見えない。迷惑をかけてしまう」

 

私は目が見えない。これは、とても大変なことなんだと今なら分かる。以前のように、戦いに身を置くなら殺気や敵意を察知すれば身を守れた。首を斬れた。

 

そう、身を守ることと鬼の首を斬ることが大前提だった。このたった二つの目標のために生きていた。最悪、後者が達成できれば命など捨てていた。

 

でも、これからは違う。普通の一般的な生活を送るのだ。気配を探るだけでは生きていけないことがわかった。誰かの手助けが必要だとわかったのだ。

それはつまり、誰かの手を煩わせると同義だ。銀に負担をかけてしまうことは必須。

私は銀と一緒にいたいが、銀のお荷物になるのは勘弁だ。そうなるくらいなら、私は一人で生きていく。そう覚悟も決めていた。

 

甘えてしまってもいいのだろうか。好きな人の傍にいても、迷惑をかけると分かっておきながら、傍にいることを望んでもいいのだろうか。

 

「美桜」

 

「・・・・・」

 

名前を呼ばれて返せずにいると、銀に手を引かれて抱きしめられた。ギュッと強く抱きしめられる。

 

「迷惑なわけないだろ。俺は美桜がいいの」

 

「・・・・」

 

「美桜、俺は美桜じゃないとダメなんだ」

 

「・・・わ、たしも・・・・銀じゃなきゃヤダ」

 

そう言いながら銀の背中に手を回して力を込める。それに答えるようにさらに強く抱きしめられた。

 

「あ〜ヤバい・・・マジで・・・」

 

「?・・・銀?」

 

「美桜、キスしていい?つーかするわ」

 

「きす?んっ」

 

返事というか質問する間もなく、口づけられた。そ、そうか、"きす"とは口づけのことなのか。うん、嫌ではない。むしろ嬉しいんだが・・・・な、長い。何とか息継ぎをしようとするが、経験無しのため上手くできない。苦しくなってきたので、銀の胸を叩いて"もう無理"アピールをする。

 

「っは!はぁはぁ」

 

「ごめんな。止まんなくなっちまった」

 

「苦しかった。死ぬかと思った」

 

嫌ではなかったけど。

 

「だから、ごめんって」

 

「初めてだから上手くできないのに・・・」

 

「・・・・・え?」

 

「?」

 

何か、おかしな発言をしただろうか。以前までの私は、恋などのような色ごとには欠片も興味がなかった。夏羽に心配されるほど。二十歳をすぎても()い人がいないのか、将来どうするつもりなのだと散々問い詰められたものだ。

 

「・・・美桜、キス初めてなの?」

 

「ん」

 

「やっばい・・・」

 

「??・・・んっ」

 

また抱きしめられたかと思えば、頬に手を添えられ再び口づけられた。しかも、さっきより長い。かなり長い。なので、また胸を叩いてアピールする。

 

「っは、はっはっはぁ・・・」

 

「ハイハイ、そんな顔で睨んでも怖くありません〜」

 

涙目で精一杯睨むけど、毛ほども聞いてないようだ。顔が真っ赤な自信はある。キスが上手くできない自信もある。余裕をひけらかす銀に少しムッとした。

 

「寝る」

 

一言だけそう言って、急いで寝室に逃げこんだ。端に寄せてある布団を引っ張って敷いて、頭から被って潜り込む。夕飯もお風呂も着替えもまだだけど、早く隠れたかった。

 

「美桜〜」

 

すぐ、声とともに襖が開いて銀が入ってきた。

寝た。寝たから電気消そ。そして寝よ。いや、私は寝たんだった。

頭で意味の無い思考を繰り返しているうちに、布団がめくられてしまった。

だいぶ前の言葉になるが、もう一度言おう。顔が赤い自信がある。その顔を見られたので、さらに顔に熱が集まった。

 

「・・・美桜、先に謝るわ。ごめん」

 

ん?何が?そう言おうとしたが、口を開く前に塞がれてしまった。

もう想像できるだろうが、その夜は寝かせてもらえなかった。

うん、先に謝ってくれてよかった。でなきゃ、呼吸を使って殴ってたかもしれない。冗談だけど。

好きな人から求められること自体は嬉しい。嬉しいのだが、限度というか、なんというか・・・。なんかほら、あるだろう。だから、少しは・・・ね。

そして、その日から銀の過保護度はドンドン拍車がかかっていくのであった。

 




やっと次から原作に入れる。
↑ずっとコピペしてただけの奴。
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