私はずっと悩んでいた。
どうしたらフーくんとイチャイチャできるのかと。
結論から言うと、答えは意外と身近にあった。『高校生のための恋愛ガイド』のとあるページに。
『相手を笑わせ場を温めて良い雰囲気に』
これを見た時、私の体に電流が走った。確信したのだ。
これで誕生日はフーくんとイチャイチャできる!
「ふふふふふ」
「どうした二乃?急に笑うと不気味だぞ」
「な、なんでもないわ!」
とうとう決戦の日。つまり私の誕生日がやってきたのだ。
さあフーくん!練りに練ったダジャレ達で笑うがいい。
「フーくん?」
「どうした二乃?」
「フーくんのクールな瞳が心にグッとくーる、なんてね」
「お、おう」
あ、あれ?おかしい。
楽しそうに笑うどころがめちゃくちゃ笑顔が引きつってる!?
いや、まだここからだ。今のは軽いジャブみたいなもの。
「ケーキも用意したのよ」
「す、すごいな」
「ロウソクに火をつけるから息を吹きかけてよ」
「それ普通は誕生日の人がやるんじゃないのか」
「いいのよ。フーくんがフーってね」
「………」
「………」
「………」
「な、なんか言ってよ」
「……いいと思うぞ」
フーくんに同情の目で見られてる気がする……。
でも、フーくんとのイチャイチャのためにここは引けない。
「ケーキじゃなくてアイスでもよかったわね。私、アイスを愛す乙女だから」
「………」
「手の込んだ料理も作りたいから、キッチンをもっときっちんとしないといけないわね」
「………」
「そうそう。フーくんにお礼を言いたかったの。進級できてシンキューベリーマッチ」
「………」
「でも逆に落第するのもらくだい」
「………」
「あー眠くなってきたわ。もう寝ちゃお。睡魔に負けてすいません」
「………」
「………」
………。
「一花が可愛かったのは高1か」
「なあ」
「二乃はもちろん高2の時ね」
「だから……」
「三玖が持ってるコミックが面白いのよ」
「そろそろ……」
「五月はいつ気がつくのかしら」
「あれ四葉は?」
「思いつかなかったのよ……」
「そうか……」
「四葉はよー唾飛ばす」
「ひどいな」
「でしょ」
場を温めるどころか凍りついてる。
冷えているわ、ひえー……。
ハハハ。ハハハハ。……ハ、ハハ。
「それで?なんなんだこれは」
「見ての通りよ。ダジャレ祭り」
「お前の生誕祭じゃないのか」
「うるせい単細胞、なんてね」
「面白くないぞ」
「うぐっ!」
今、面白くないって言った?私が考えたギャグたちが面白くない?
なら何のために私はダジャレを連発してたの?
「いや、そうよね。ごめんなさい」
「まあ俺は、そんな隙だらけなお前も好きだけどな。なんて」
「つまんな」
「はあ!?」
「でも、あれね。まあ、その、あり…がと」
「キスする気っすか」
「はあ?」
この後めちゃめちゃキスした。