今日は私の誕生日。少しくらいのわがままは許されるはず。
それを利用してフータローとイチャイチャしたい!
「なあ、三玖?」
「どうしたのフータロー」
「今日はお前の誕生日だよな」
「うん」
「だから俺はここに来た」
「うん」
「……だったらなんで部屋の隅っこで2人で体育座りしてるんだ」
「こうしたいから」
「……そうか。せ、せっかくの誕生日なんだしケーキとかは食べないのか?」
「このままがいい」
「そ、そうか」
「うん」
このままフータローと隅っこでくっついているだけ。でもそれがなによりも幸せ。
「なあ、三玖?」
「どうしたのフータロー」
「喉乾いたんだけど」
「ダメ。我慢して」
「まじか」
「フータローとずっと一緒にいたいから」
「そ、そうか」
「うん」
この幸せを崩したくない。せめて今日だけは。
「なあ、三玖?」
「どうしたのフータロー」
「いつまでこのまま座ってるんだ」
「今日はずっと」
「今、15時だけど」
「あと9時間」
「そんなにか」
「むしろ足りない」
「そ、そうか」
「うん」
2人きりで9時間もいられる。幸せ。
「なあ、三玖?」
「どうしたのフータロー」
「話してもいいか」
「いいよ」
「じゃあらいはの話なんだが」
「うん」
「最近あいつ、料理にハマってて」
「うん」
「三玖とも料理したいって言ってたぞ」
「うん」
「………」
「………」
らいはちゃんと料理してフータローに食べさせてあげたい。たぶんそれも幸せ。
「なあ、三玖?」
「どうしたのフータロー」
「なんでさっきの話、『うん』しか言わなかったんだ」
「妻は夫の話を聞いてあげるものだと思ったから」
「そ、そうか」
「うん」
フータローと一緒に暮らせたら今よりも幸せかも。
いや、今も十分。
「なあ、三玖?」
「どうしたのフータロー」
「なんで俺のこと好きになったんだ」
「フータローだから」
「そ、そうか」
「うん」
フータローが私を幸せにしてくれたから。
「なあ、三玖?」
「どうしたのフータロー」
「誕生日プレゼント。歴史の参考書詰め合わせだ」
「参考書?」
「う、嘘だよ。ほらネックレスだ」
「ありがとう。でもフータローからなら参考書でも嬉しい」
「そ、そうか」
「うん」
これからは、このネックレスを見るたびに幸せな気持ちになれるかもしれない。
「ねえ、フータロー?」
「どうした三玖」
「さっきから言ってる『そ、そうか』って何?」
「照れ隠しだよ」
「そ、そっか」
「ああ」
私に照れてくれてる。フータローも幸せかな。
「なあ、三玖?」
「どうしたのフータロー」
「そういうお前も最後は『うん』って言ってるよな」
「照れ隠し」
「そ、そうか」
「うん」
私だってフータローと話せて幸せだけど恥ずかしい。
「なあ、三玖?」
「どうしたのフータロー」
「幸せだな」
「うん、幸せ」
「そ、そうか」
「うん」