五等分の誕生日   作:鱸のポワレ

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誕生日が三玖の場合 「どうしたのフータロー」

今日は私の誕生日。少しくらいのわがままは許されるはず。

それを利用してフータローとイチャイチャしたい!

 

「なあ、三玖?」

「どうしたのフータロー」

「今日はお前の誕生日だよな」

「うん」

「だから俺はここに来た」

「うん」

「……だったらなんで部屋の隅っこで2人で体育座りしてるんだ」

「こうしたいから」

「……そうか。せ、せっかくの誕生日なんだしケーキとかは食べないのか?」

「このままがいい」

「そ、そうか」

「うん」

 

このままフータローと隅っこでくっついているだけ。でもそれがなによりも幸せ。

 

「なあ、三玖?」

「どうしたのフータロー」

「喉乾いたんだけど」

「ダメ。我慢して」

「まじか」

「フータローとずっと一緒にいたいから」

「そ、そうか」

「うん」

 

この幸せを崩したくない。せめて今日だけは。

 

「なあ、三玖?」

「どうしたのフータロー」

「いつまでこのまま座ってるんだ」

「今日はずっと」

「今、15時だけど」

「あと9時間」

「そんなにか」

「むしろ足りない」

「そ、そうか」

「うん」

 

2人きりで9時間もいられる。幸せ。

 

「なあ、三玖?」

「どうしたのフータロー」

「話してもいいか」

「いいよ」

「じゃあらいはの話なんだが」

「うん」

「最近あいつ、料理にハマってて」

「うん」

「三玖とも料理したいって言ってたぞ」

「うん」

「………」

「………」

 

らいはちゃんと料理してフータローに食べさせてあげたい。たぶんそれも幸せ。

 

「なあ、三玖?」

「どうしたのフータロー」

「なんでさっきの話、『うん』しか言わなかったんだ」

「妻は夫の話を聞いてあげるものだと思ったから」

「そ、そうか」

「うん」

 

フータローと一緒に暮らせたら今よりも幸せかも。

いや、今も十分。

 

「なあ、三玖?」

「どうしたのフータロー」

「なんで俺のこと好きになったんだ」

「フータローだから」

「そ、そうか」

「うん」

 

フータローが私を幸せにしてくれたから。

 

「なあ、三玖?」

「どうしたのフータロー」

「誕生日プレゼント。歴史の参考書詰め合わせだ」

「参考書?」

「う、嘘だよ。ほらネックレスだ」

「ありがとう。でもフータローからなら参考書でも嬉しい」

「そ、そうか」

「うん」

 

これからは、このネックレスを見るたびに幸せな気持ちになれるかもしれない。

 

「ねえ、フータロー?」

「どうした三玖」

「さっきから言ってる『そ、そうか』って何?」

「照れ隠しだよ」

「そ、そっか」

「ああ」

 

私に照れてくれてる。フータローも幸せかな。

 

「なあ、三玖?」

「どうしたのフータロー」

「そういうお前も最後は『うん』って言ってるよな」

「照れ隠し」

「そ、そうか」

「うん」

 

私だってフータローと話せて幸せだけど恥ずかしい。

 

「なあ、三玖?」

「どうしたのフータロー」

「幸せだな」

「うん、幸せ」

「そ、そうか」

「うん」

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