千空と信長は話続けていた。主に千空が未来の技術を話し、信長がそれにいちいち驚くという形だった。
「ところで千空。貴様本当はなんという姓だ?」
「…あ?なにいってんだ?」
信長が唐突に尋ねたことにたいし、訳がわからないという顔で返す千空。
「いやな、貴様と話しているとな?どーも貴様が先ほどから話す技術。少なくとも貴様はそのすべてを理解しているように思える。わしだって種子島は持っているが、その構造を知っていても理屈までは理解していない。何故火薬が破裂するかとかな」
「………」
「だが、貴様は違う。知っている。理解している。未来の技術を、知識を。それが平民?あり得ねえだろうが。教育、勉学には金がかかる。一介の平民に出せるような金じゃねえだろう?どこぞの豪族の子孫か、でなきゃ大名の子孫、それか豪商じゃねえとあり得ねえ。だがな、石神なんて姓、聞いたことがねえ。」
信長はニヤニヤ笑いながら千空を問い詰める。
「なあ千空。お前、なにもんだ?」
「あー…そういう…」
まあ勘違いなのだが。現代人からしてみれば…特に日本人からしてみれば教育、勉学は簡単に行えるのだ(やるかどうかは別だが)。しかしまあ信長の勘違いは時代が違う、という一言で片付けられるのだが。弁明、というか説明のために口を開こうとした時
「jっfkhwっdkjdbx!」
「kdjuxuhskkfkjdkskk!」
「ndjhdujkdjs!」
「ん?」
「んん?与一め、なにかあったようだの」
タイミング悪く、与一の方でなにかが起こった。
「何事か!」
「またです!満身創痍ですが、生きています!どこぞの家中の武者です!」
与一の足元では、赤い服と甲冑を身に纏い、日本刀を腰に差した血まみれの男が行きも絶え絶えに横たわっていた。
「…で、あるか。よい、つれてこい。手当てしてやれ。命と運が強ければ、生きるであろう。わしらのように。ふふん♪」
「…けっこー多いのか?俺らみたいのは」
「さあな、少なくともわしはわしらしか知らん。面白きものよなあ。この浮世は」
「…あ、そ」
「おやっどッ!」
ガバッ、と起き上がった赤い男。まず見つけたのは木瓜の家紋の前に座る信長だった。
「おう起きたか。頑丈な奴じゃのう。縫うたばかりじゃ、あまり動くと死ぬぞ」
そばに置かれた刀を手に取り、鞘から引き抜く。
「誰だ!ぬしっ、誰だ!!」
「誰だ?そちこそ、誰ぞ」
男は信長に切っ先を向け、信長は男に火縄銃を向ける。
「答えい。そちは、どこの誰ぞ」
「!木瓜紋…織田家家中の者か?」
「家中ゥ!?」
信長はニィ、と笑い、男を見下す。
「虚けを抜かせ。俺が織田で、織田とは俺よ。」
「誰だ手前ェ!!」
混乱しきった男は冷や汗を垂らし叫ぶ。
「俺は信長。織田前右府信長である」
ズギャッ、と男は刀を振るうが、信長は笑いながらあっさりとかわす。
「危ないのう、うつけが」
「うつけは貴様だ!信長だと!?信長公はとうの昔に死んでおるわ!なればやはりここはあの世で、貴様は信長を騙るあの世の鬼じゃ!」
ズカッ、と二人の間に矢が放たれた。
「やめなされ」
「…ま、そうなるよなあ」
矢を放った与一と、ずっと隠れて様子をうかがっていた千空が姿を現し、与一はつかつかと信長に歩み寄り、鳥を突きつけた。
「羽をばむしり候え」
「む、うむ」
「千空殿も」
「あ、うぃっす」
ぽかんと見ていた男にも
「お手透きか」
「あ、ああ」
「むしり候え」
鳥を突きつける。むしむしむしむし、と羽をむしりながら男は言う。
「…なんだこれ」
to be continued
遅れました。次はちゃんと一か月後に