Re.ドキドキ&サイエンス   作:yu-ki.S

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前回までのあらすじ!

龍牙「仮面ライダークローズことプロテインの貴公子 上城龍牙 は、ジコチュー達によって滅んでしまったトランプ王国をなんとかするために、そしてキュアソードこと 剣崎真琴 に会うために宮殿に向かっていた。
そこで俺は、仮面ライダービルドこと自称天才科学者の卵 桐ヶ谷晴夜 と出会い、俺達はそのまま一緒に宮殿へ向かった!しかし、俺達がついた頃には晴夜がいた世界に行く…えーっと、唯一(ゆういつ)[※読み間違いである]の方法であった『魔法の鏡』が割られてしまった後だった……
しかし、スターク達と戦っていると突然、魔法の鏡の残骸から光が出てきて、晴夜達の世界へと繋いだ!
そのまま俺達は魔法の鏡の光に包まれ、トランプ王国から脱出したのでした」

晴夜「…?おい龍牙、何やって……って!何勝手に収録しちゃってんだよお前は!?」

龍牙「やべっ!……どうなる!第8話!!」

晴夜「あぁ!!全部言われたぁ!主役なのに……」


第8話 バースデイ!不思議な赤ちゃん

ここは晴夜の家の地下室、いわゆるビルドのアジトであり、それと同時に晴夜の部屋でもある。

部屋の中はいくつかの数式や化学式が書かれており、武器を作る材料や道具も揃っていた。

 

そして今、晴夜は龍牙への説明に苦労していた。

 

「いいか、もう一度言うぞ……これが最後だからな……」

 

「おぅ」

 

晴夜はボードに書いてあることを説明しようとしており、龍牙はそれを黙って聞いている。

 

「お前が!真琴と一緒にこの世界で暮らせないのは……」

 

「おぅ」

 

「真琴はこの世界では、今や売れ子のアイドル……」

 

「おぅ」

 

「マスコミなどに、お前と一緒に暮らしているのが見られたら……」

 

「おぅ」

 

「報道とかになり、真琴の仕事に関わる問題に……」

 

「おぅ」

 

「なるんだよ!」

 

「あ!やっとわかった!」

 

龍牙は2時間以上掛けてようやく晴夜の説明を理解した。

晴夜は非常に疲れたような顔をしながら、やっと説明をわかってくれた事に呆れた。

 

「ったく、この説明に時間取らせやがて、これだからバカは」

 

「バカってなんだよ!バカって!」

 

龍牙は晴夜の肩を掴んで体を揺らしながら、さらに質問する。

 

「大体なんで、俺はお前の家に居候しなきゃいけないんだ!」

 

「マナ達の家に泊めるわけにいかないからに決まってるだろ!」

 

それを聞いて龍牙は静止した。その後、晴夜は溜め息を一息ついた。

 

「はぁ〜……ところでお前のガジェットのドラゴンに入っていたこのメモリチップとこのボトルは何だ?」

 

晴夜は龍牙にそれを見せてると、龍牙はその質問に答える。

 

「何だそれ?そんなのいつ入っていたんだ?」

 

答えは知らない、であるが。

 

「なんだよ知らねえのかよ!……まぁ、いいや。

ボトルについてはまだわからないが、このメモリチップのデータは父さんのトランプ王国での事やライダーシステムについて色々記載している。

……が、一部のデータが破損している」

 

「マジかよ!それ直せるのかよ?」

 

「時間は掛かるかもしれないが、なんとかやってみるつもりだ」

 

それを聞いた龍牙はホッとして腰を置く。

 

「しかし、せっかく真琴と再会出来たっていうのに一緒にいられないなんて……」

 

「そんな顔するなよ、明日になればまた会えるだろ」

 

 

 

そして翌日。大貝町のモニターから真琴の歌のPVが流れていて、見ていた人達は真琴の歌に惹かれていた。その中に変装して隠れていた真琴はため息をしながら誰かを待っていた。

 

「まこぴ〜!」

 

後ろから声が聞こえ、振り向くと眼を輝やかせているマナがいて、その後ろには六花、ありすがいた。

 

「お待たせ!本日はお日柄も良く待ち合わせ日よりだね!桜は綺麗に咲いてるし、空は青く、太陽は温かい……もうサイコー!」

 

真琴はマナの行動が意味が理解出来ず、六花は若干呆れた眼で見ていた。

 

「マナ……テンション高過ぎて変」

 

「だってだって〜、あのまこぴーが……今此処にいるんだよ!」

 

「剣崎さんがリアクションに困ってるでしょ」

 

と指摘する六花に笑いながらありすが口を開いた。

 

「ウフフ、マナちゃんは真琴さんと友達になれたことが嬉しくて仕方ないですよ」

 

「え?」

 

ありすの言った事にマナは頷く。

 

「そうなの!嬉しくって胸がキュンキュンしまくりなの!」

 

「どうどう、落ち着いて」

 

そんな様子を真琴は呆然と見ていた。

 

「それより早く行こう?晴夜君と龍牙君も先に行ってるかもしれないし」

 

そう六花が言うと四人は目的地へと向かった。

 

「ところで真琴さん?」

 

「何?」

 

その途中でありすは真琴に質問をする。

 

「龍牙さんとはどんな感じなんですか?」

 

「龍牙……まぁ、いつも前だけ向いている所がマナに似てるかな…」

 

「そういえば、なんで龍牙君も晴夜君と同じドライバーを持ってるの?」

 

「それは……」

 

六花の質問に対して真琴は何か言おうとしたが、丁度目的地のソリティアに到着し、同時に晴夜と龍牙も到着した。

 

「ここね、貴女達にラビーズを渡した人がいるのは」

 

「そうだよ」

 

「名前は?」

 

龍牙はマナにその人の名前を聞くが…

 

「名前?何だっけ?」

 

「ジョー岡田だよ!」

 

お兄さんの名前を忘れていたマナに晴夜が突っ込んだ。

 

「あ、それだ!その人の名前!」

 

そんなマナを見ていた真琴と龍牙はため息をし、マナは話す。

 

「あのお兄さんならきっと何か知ってるよ。トランプ王国や王女様の事……晴夜君のお父さんの事も」

 

「だといいけどな」

 

晴夜はそう言いながらソリティアに近づき、ドアを開けて中に入る。

 

「こんにちは〜、お兄さ〜んマナで〜す。

こんにちは、マナですよ。

……う〜ん?」

 

「どうやらいらっしゃらない様ですね?」

 

「鍵もかけてないし、この店大丈夫なのかな?」

 

「それより、この店お客さん来てるのか?」

 

六花と晴夜がこの店の心配をしているそんな中、龍牙は店の中を見ていると一つの小さな丸いテーブルに布が被さっているのを見つける。

 

「ん?何だこれ?」

 

「どうしたの、龍牙?」

 

「なにか見つけたの?」

 

マナが龍牙に何か見つけたのかと言っていると、被さっている布が落ちた。

そこにはなんと、大きなタマゴがあったのだ。それを見た全員はしばらく呆然とする。

 

「これは……」

 

「おおー‼︎大っきなタマゴだ!」

 

マナがそう言っていると後ろから晴夜が勢いよく前に出てきたて、髪をかきながら叫び始めた。

 

「おおぉーー‼︎何だこのタマゴ!!どこから来たんだろ!?調べてみたい……一体どんな品種から何なんだっ!」

 

晴夜のハイテンションっぷりを見た六花達はかなり驚いた。

 

「晴夜君……マナよりすごいかも」

 

「珍しい物を見るとテンションが上がってしまうようですね……

ですけど、このタマゴ、オムライスにしたら、十人前は出来るでしょうか?」

 

その事に真琴はありえなさそうな顔して、六花は思わず突っ込む。

 

「いやいや、タマゴじゃないでしょう、ダチョウのタマゴだってこんなしか……」

 

「恐竜……『えっ?』恐竜のタマゴかもしれないよ〜!エイリアンのタマゴとか⁉︎」

 

ジェスチャーでダチョウの卵の大きさを作っていると、マナは目をキラキラと輝かせながら言い、それに六花は呆れる。

 

「ありえないわよ……」

 

「可能性あり、だったら見てみたい」

 

「おーい?出ておいで〜、なーんてね」

 

と言いつつ、マナは指でタマゴにチョンとする。するとその時、タマゴにヒビが入ってしまい、一同がそれに唖然とする。

 

「えっ……?」

 

そして、タマゴから強烈な光が吹き出る。

 

「「「「えぇ〜⁉︎」」」」

 

驚いているとタマゴから手が出て来て、そして全体が割れて中から可愛いらしい赤ちゃんが現れる。

 

 

「きゅぴー!」

 

 

「う……生まれた?」

 

「赤ちゃんのタマゴでしたね?」

 

「………」

 

「ウソ……」

 

「本当にいた……」

 

みんながそれに呆然としてる一方、赤ちゃんはみんなの方を見て首を傾げる。

 

「きゅぴ?…アイ〜」

 

その可愛いらしい笑顔に、マナの母性本能に火が付いた。

 

「か……!可愛い〜!!!」

 

「っておい⁉︎」

 

マナの突然の行動に龍牙は突っ込んだ。

 

「可愛いけど、それより前に言うべきことない?」

 

「タマゴから生まれるなんて、珍しい赤ちゃんですね」

 

「珍しいとかそう言うレベルじゃないでしょ⁉︎」

 

とありすのマイペースに六花は突っ込みを入れた。その時、赤ちゃんは背中に生えている翼で宙を飛ぶ。

 

「きゅぴ〜」

 

「うわぁ〜飛んだ!」

 

「お上手です〜」

 

普通の人が見たら確実に異常に思われる様子を見ても、マナとありすの二人は呑気に褒めていた。

 

「待って!そこ褒め〜……ッ!ああ〜もう〜!晴夜君〜!何とかして……晴夜君?」

 

「おっほほほほほっはーーッッ‼︎すごい赤ちゃんだ!!一体何処の子なんだろ調べてみたい!」

 

「晴夜君まで〜」

 

晴夜は今にも『ヒャッホホッーウ!』と奇声を発しそうな勢いで興奮しているため、すでに手遅れだった。

赤ちゃんが飛んだのを見てマナ達は呑気になり、六花はため息をした。

 

「時間よ、真琴」

 

それからしばらくすると、ダビィが人間の姿がDBになりながら真琴に話しかける。

 

「どうなさったの、ダビィちゃん」

 

「申し訳ないけど、私の真琴はこれで失礼するわ。これから仕事なの」

 

どうやら真琴はこれから仕事のようだ。

 

「そうなのか?」

 

「えっ、まこぴーもう行っちゃうの?」

 

「えぇ、それじゃあ」

 

「真琴、頑張れよ」

 

龍牙は真琴を応援していると…

 

「……龍牙、ちょっと付いて来て」

 

「えっ?……わかった」

 

真琴に言われて龍牙は真琴とDBに付いて行き、店を出ていく。

 

 

「まこぴーとあんまり話せなかったな〜」

 

「しょうがないわよ。仕事なんだから」

 

と落ち込むマナを六花が慰める。

 

「アイドルは忙しいしな」

 

「はぁ……」

 

マナは溜め息を出す。

 

「……それより、ちょっとこれを見て欲しいんだ」

 

気を取り直して晴夜がそう言うと、バックの中からパソコンを取り出して開き、持っていたメモリーをパソコンに差し込むと画面からいくつかのファイルデータが出た。

 

「これは……」

 

「なんのデータですか?」

 

六花とありすの二人が質問すると晴夜は答える。

 

「これは、父さんのトランプ王国での記録やライダーシステムについて記載されている」

 

「こんなにいっぱい記録してたの?」

 

「まあ、とりあえず開いてみよ」

 

パソコンのデータファイルを開き、動画の再生ボタンを押すと画面から白衣を着た男性が映った。

 

「この人が……晴夜君のお父さん?」

 

「ああ〜…」

 

そして、映像の男性の話が始まった。

 

『この映像を見ている者、私は桐ヶ谷拓人。研究と開発の両方に携わる科学者だ』

 

「父さん……」

 

『これから話す内容は、トランプ王国を守るために作ったライダーシステムについてだ、それでは説明しよう。

……まずはじめに、私が何故この世界に居るのかを話そう。この世界に来たのは4年前のあの事故によってだ』

 

「事故?」

 

そのことについては晴夜が話す。

 

「……4年前、父さんの研究室に強烈な光が降り注ぎ、その場にいた研究員や資料の全てが消えたって事件があったんだ」

 

「そんなことがあったの……」

 

マナはそう呟く。

 

『それにより、私はこの世界に飛ばされた。

しかし、この世界は凄い。この世界は私達の世界とは違い科学が発展した世界ではなく、科学では計れない物が多く、実に調べがいのあるものだった』

 

「なんだか、晴夜さんに似ていますね」

 

「まぁ、親子だからね」

 

『そこで、私は王女様に相談し、トランプ王国に自分の世界の物を取り入れてみた』

 

すると、映像から汽車などの画像が現れた。

 

「わぁ〜!晴夜君のお父さん凄い‼︎」

 

「まぁ、研究者でもあり、開発者でもあるからな」

 

『さぁて、本題に入ろうか。何故、私がライダーシステムを作ったかについて話そう』

 

「……」

 

「いよいよね」

 

みんなが黙りパソコンに目を向ける。

 

『そもそも、私がライダーシステムを作ったのはアン王女からの要望だった』

 

「えっ⁉︎」

 

「王女様が⁉︎」

 

これには全員驚いていた。まさか、アン王女の要望でドライバーが作られたものだったと言うことに。

 

『アン王女は新しいプリキュアの誕生の時、一人では心配だと思い、私に一人サポートできる者を付けたいと言ってきた。

そこで私はライダーシステムを作ることに決めた。

だが、プリキュアと同レベル、もしくはそれ以上となると難しいので、私は自分の世界で研究中だった地球上のエレメントを取り入れたボトルをライダーシステムに取り入れた。

向こうでは完成できなかったが、この世界の力を合わせた事で完成させる事が出来た』

 

そう言って拓人はビルドドライバーと蒼いボトルを掲げた、近くにはクローズドラゴンが飛んでいた。

 

『完成させたライダーシステムを、私は龍牙という少年に託した。

彼は幼少の頃から新しいプリキュア、キュアソードの親友らしく、更にこのガジェット「クローズドラゴン」が彼の心と同調した。

だから、私は彼にドライバーとドラゴンボトルを託し―――』

 

それを最後に、拓人の映像が途切れた。

 

「あれ?どうしたの?」

 

「どうやら、まだここまでしか復元できなかったようだな……」

 

と言って、晴夜はビルドドライバーを見る。

 

「このドライバー、父さんが作ったのか……」

 

「でも、心配ね。晴夜君のお父さんの無事かどうか……」

 

「……そうだな」

 

そう言って晴夜はパソコンを閉める。

 

 

 

その一方、真琴は車の外を見ながら溜め息を漏らす。

 

「真琴?」

 

「その溜め息は王女様の情報を聞けなかったせい?」

 

運転中のDBが尋ねる。

 

「えっ?」

 

「気にすんなよ、また出直して聞けばいいじゃねえか」

 

「……わかってる」

 

「じゃあ、溜め息の理由は何かしら?」

 

「あの子達、仲がいいんだなぁって、あの三人は昔からの友達。でも、私は違う」

 

それを聞いた龍牙とDBが笑い出した。

 

「何?」

 

「あの三人と友達になりたくて緊張してたんだんでしょ?」

 

「緊張なんてしてないわよ!」

 

「言いたいことがあるなら、素直に言えばいいんだよ。お前はいつも硬く考えちまうからいけねぇんだよ!」

 

「だから、違うって……!」

 

 

その頃、マナ達が赤ちゃんをあやしていたら、赤ちゃんが泣きそうな表情となった。

 

「どうしたんですか?」

 

「ぐずり出したわね」

 

すると右手が光り出し、何故か手には哺乳瓶のキュアラビーズが握られていた。

 

「これって……」

 

「もしかして……」

 

すると、シャルル達が出てきた。

 

「キュアラビーズシャル!どうしてこの子が持ってるシャル?」

 

「この子はトランプ王国と関係があるのかかもしれないケル!」

 

「関係って、どんな関係でランス〜?」

 

「「さあ……」」

 

「分かれば苦労しないけどな。

(けど、ラケルの言う通り、この赤ちゃんはトランプ王国と関係あるかもしれない。

……とは言っても、ラビーズを持っていただけじゃ関係は―――)」

 

「びえぇぇぇぇぇ!!」

 

「⁉︎」

 

鳴き声が聞こえ、途中で考えが止まる。遂に限界が来たのか、赤ちゃんは泣き出してしまったのだ。

 

「と、とりあえずこれを使ってみよう!シャルル!」

 

キュアラビーズをラブリーコミューンにセットして丸を描く。

すると真ん中が点滅し、哺乳瓶が出て来た。

 

「おお〜っ!哺乳瓶!」

 

哺乳瓶を赤ちゃんに近づけると、美味しそうに飲み始めた。

 

「お腹が空いていたのですね」

 

「いい飲みっぷり」

 

お腹がいっぱいになった赤ちゃんは、嬉しそうな表情を見せる。

 

「良かった。すっかりご機嫌じゃん」

 

「赤ちゃんにミルクを飲ませた後は、ゲップをさせないと」

 

「流石六花ちゃん。お母様が小児科医であって、赤ちゃんのお世話をご存知なのですね」

 

マナは六花の言われた通り、ゲップをさせようと赤ちゃんを抱き上げた。

 

「こう?」

 

「そうそう」

 

マナが赤ちゃんの背中を軽くポンポン叩く。すると、赤ちゃんはゲップを出した。

 

「出た!」

 

「いいゲップだね」

 

いつの間にかいたジョー岡田に驚き、マナと六花が慌てて妖精を隠す。

 

「こんにちは」

 

「どうも、お邪魔してます」

 

とありすと晴夜はジョー岡田に挨拶する。

 

「やあ、みんな揃ってどうしたのかな?」

 

挨拶を返されると、慌てて六花は質問する。

 

「どうしたもこうしたも!何なんですかあの卵⁉︎」

 

六花は卵の殻を指差す。

 

「ていうかこの子!『この子、卵から生まれたんですよ』ってマナ!」

 

「うーん……僕が言える事は―――赤ちゃんの名前を決めなきゃね♪」

 

「何がいいかな?」

 

「ええっ⁉︎」

 

ジョーは赤ちゃんの名前を決めようと言うと、マナはそれ便乗した。

六花はそれに驚いていた。

 

「アイアイ言ってますから、アイちゃんでいいかがでしょう?」

 

「アイちゃんかー……いいね!キュンキュン来る名前だよ!」

 

「そんないい加減な……!」

 

「でもこの子とっても喜んでるみたいだけど」

 

晴夜が言うとジョーも同意した。

 

「うん!ステキな名前だね」

 

と嬉しげに赤ちゃんは浮かぶ。

 

「まあ、本人がいいなら……」

 

呆れながらも六花も同意した。

 

「アイちゃんに決まり!」

 

というわけで、赤ちゃんの名前は『アイ』と決まった。

 

 

 

その後、仕事を終えた真琴と一緒に行った龍牙がソリティアへと来た。

 

「まこぴーこんにちは。あたちアイちゃんでちゅ〜、よろしくね」

 

マナはアイちゃんの両腕を動かしながらよろしくと言う。

 

「ね?」

 

「ええ……」

 

真琴はアイちゃんの笑顔に見惚れるも、平常心に戻る。

 

「よろしくな」

 

と龍牙がアイちゃんと握手した。

すると、ダビィが真琴の心をみんなに言う。

 

「『キャ〜ッ!カワイイ〜!こちらこそよろしく〜!』って真琴は思ってるビィ」

 

「ちょっとダビィ!」

 

「そう思ってるなら、素直言えばいいのによ」

 

龍牙も、素直に言いたいことがあるなら言えばいいと話す。

 

「そっかー、まこぴーもアイちゃんにメロメロなんだね!カワイイよねー!キュンキュンしちゃうよねー!」

 

そう言ってマナはアイちゃんを真琴に近づける。

 

「だっこする?」

 

「結構よ」

 

「やれやれビィ」

 

(……まだ、慣れないのか?)

 

晴夜が彼女を見てさう考えていると、ジョーが真琴に挨拶した。

 

「こんにちは、お嬢さん、少年君。初めまして、ジョー岡田です」

 

ジョーが真琴に挨拶すると、真琴はジョーに質問した。

 

「あなたに、お聞きしたい事が」

 

「何かな?」

 

「トランプ王国の王女様の行方について、何かご存知ありませんか?」

 

「あぁ、王女様」

 

「知ってるのか⁉︎」

 

真琴と龍牙が期待すると、ジョーから出た言葉は…

 

「女の子はみんな、お姫様だからね。君も、君達みんながいわば王女様さ」

 

龍牙は愕然とし、真琴は手を強く握り、その場にいた全員が呆然とした。

 

「悪いけど、僕は用事があるから、アイちゃんのお世話、よろしくね」

 

ジョーは帽子を被りながらそう言い、店から出て行った。

 

「はーい!」

 

「ちょっと……!」

 

「お、おい……!」

 

「また逃げられた……」

 

 

ソリティアを後にし、散歩する六人。

龍牙は面倒事を引き受けるマナの姿を見て疑問を持ち、六花に彼女のことを聞く。

 

「……なぁ」

 

「なに?」

 

「あいつはいつもこんな事してるのか?」

 

「まぁね、マナは超が付くほどのお節介さんなのよ」

 

「マナちゃんは昔からこんなんですよ」

 

「………そうなのか」

 

それを聞き、何気に不満気に答えた。それに気付いた晴夜がとうしたんだよと問いかける。

 

「いやその、誰も感謝される事も無いのに何で、と思って……」

 

龍牙はそう呟くと…

 

「マナは別に誰かに感謝されて欲しいとか、見返りを求めているわけじゃない!」

 

「えっ⁉︎」

 

そのまま、晴夜は龍牙に言う。

 

「彼女は自分が正しいと思う事を一所懸命している。ただそれだけだよ」

 

「自分が正しいと……」

 

「これは絶対覚えておけよ!見返りを求めたらそれは、正義とはいわねぇぞ!」

 

「……」

 

晴夜の一言が龍牙の胸に刺さる。

一方その頃、アイちゃんが急にぐずり始める。

 

「あらら?どうしたのかな?ほら!高い高ーい!」

 

アイちゃんを上げるが、手から離れ、飛んで行ってしまった。

 

「って高すぎる〜!」

 

「待ってシャル〜!」

 

何とかシャルル達のおかげでマナ達の元に戻した。

 

「はーい、ミルクでちゅよ〜」

 

今度はお腹が減っているのかと思い、哺乳瓶を近づける。だが、お腹が空いておらず、嫌々と首を横に振った。

 

「え?違うの?」

 

「お腹が減っているワケじゃないみたいだな」

 

そして遂にアイちゃんが泣き出してしまう。

 

「ご飯じゃないならオムツかも。……あれ?濡れて無い」

 

オムツかと思われたが濡れておらず、これでも無かった。

 

「ど、どうすれば……?」

 

「そうだ!子守唄を歌おう!」

 

「あ、いいね!」

 

マナのその言葉を聞いた瞬間、六花とありすが慌てて離れ、耳を塞ぐ。

 

「え?なに?なに?」

 

「なんだよ急に?」

 

「どうしたの?」

 

その行動に三人は首を傾げる。その時…

 

「ね〜〜〜むれ〜〜〜♪」

 

マナが子守唄を歌い出すと、木に留まっていた鳥が全て逃げ出した。

 

「こ、これは……」

 

「酷いビィ〜!」

 

「「(ひ、酷すぎだ……)」」

 

一瞬だけ聞いた晴夜と龍牙も慌てて耳を塞ぐ。

本人には自覚が無いが、マナはとてもつもないほどの音痴だった。更にアイちゃんは泣き出し、余計に悪化してしまう。

 

「うわあああああああああん!!!」

 

「あれ?何で⁉︎」

 

「今になって知ったけど……マナ音痴だったの……?」

 

「やばすぎだろ……」

 

「本人には自覚無いんだけど……」

 

 

同じ公園にて、アイちゃんと泣き声とマナの音痴の歌が原因でベンチで寝っていたサラリーマンの男性が目を覚ます。

 

「うるさいなー……気持ちよく寝てたのに……俺の貴重な昼休みが台無しじゃねーか……」

 

そう呟くと男性の心がプシュケーが少し染まった。

 

「でも赤ちゃんが泣くのは仕方ないか……それに公園は子供の遊び場なんだし……」

 

しかしそう言うとプシュケーが少し晴れるが…

 

「寝ちゃえばいいじゃない…」

 

「誰だ⁉︎」

 

突如現れたマーモが耳元で囁く。

 

「あなたの望み、叶えてあ・げ・る」

 

指を鳴らすと同時にプシュケーが真っ黒に染まり、取り出される。

 

「暴れろ!お前の心を解き放て!」

 

闇を加えたプシュケーから羊のジコチューが生み出される。

 

「ジコチュー!……アイちゃん、大丈夫だよ!あたし達が絶対にアイちゃんを守るから!」

 

そう言ってマナはアイちゃんを励ます。

 

「みんな行くよ!」

 

『うん!(ああ!)(おお!)』

 

マナ達はキュアラビーズをラブリーコミューンにセットし、晴夜と龍牙はボトルを取り出し一回振り、龍牙はガジェットにボトルを差し込む。そして二人はボトルとガジェットをドライバーに差し込む。

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』

 

レバーを回すと、前後のライドビルダーからアーマーが形成された。

 

「「「「プリキュア!ラブリンク!」」」」

『『『『L・O・V・E!』』』』

 

『『Are you ready?』』

「「変身‼︎」」

 

マナ達は光に包まれ、プリキュアの姿に変わり、晴夜と龍牙はアーマーが体に装着され体から煙が吹き出る。

 

『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』

『Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

 

「みなぎる愛!キュアハート!」

「英知の光!キュアダイヤモンド!」

「陽だまりポカポカ!キュアロゼッタ!」

「勇気の刃!キュアソード!」

 

「「「「響け!愛の鼓動!ドキドキ!プリキュア!」」」」

 

ポーズを決め、ハートはジコチューを見て言う。

 

「愛を無くした悲しい羊さん!このキュアハートが貴方のドキドキ、取り戻してみせる!」

 

いつも通りセリフを言うと、全員構える。

 

「メェェェェェ!」

 

ジコチューは何か叫ぶと、いきなり数体へと分裂する。

 

「分裂した!ニンニンコミックみたいな奴だな!」

 

ビルドが驚いていると、次に柵が生えてきたのだ。

 

「なんか生えた?」

 

「柵……よね?」

 

ダイヤモンドは首を傾げながら見ると、羊のジコチューが柵を飛び越え始める。

 

「羊が一匹」

「羊が二匹」

「羊が三匹」

 

その様子を見ていると、急に全員なんだか眠気に襲われる。

 

「なんだか、急に眠たくなってきた……」

 

「どうして、急に……」

 

「…って、眠たくなっている場合じゃ!」

 

キュアハートとビルドらは眠たそうにしており、キュアダイヤモンドは頭を振って意識を保とうする。

 

「ですが、耐えがたいものがありますわ……」

 

「くそ、なんだよこれ……」

 

「くっ!」

 

ソードは起き上がろうとするが、体に力が入らず、六人は膝をついてしまう。

 

「今よ!やっておしまい」

 

マーモが指示を出すとジコチュー達が体当たりをしてきて、ビルド達はその攻撃を食らって、吹き飛ぶ。

 

『ああああああ!』

 

悲鳴をあげながら吹き飛び、倒れる六人。それを見て笑うマーモ。

 

「ハハハ。暴れなさい、ジコチュー。キングジコチュー様にジャネジーを送るのよ!」

 

「……この!」

 

キュアハートが立ち上がり、立ち向かおうとするが…

 

「羊が一匹」

「羊が二匹」

「羊が三匹」

 

それにより、また眠気に襲われる。

 

「うぅ、またぁ……」

 

「力が……」

 

「クソが……」

 

「眠ったらダメだ……」

 

「おやすみなさい……」

 

「みんな!ね、眠るな……くっ」

 

ビルドは立ち上がり、ボトルを取り出そうとするが、眠気でうまく差し込めず、全員その場で寝てしまう。

 

「フフ、これでプリキュアも仮面ライダーもおしまいね」

 

「うわあああああああああん!」

 

倒れたビルド達を見て、アイちゃんは泣き出してしまう。

それにマーモは反応する。

 

「もう、うるさいね赤ん坊ね。ジコチュー、黙らせないちゃないさい」

 

ジコチューに指示を出すと、アイちゃんにビルド達にやった様に柵を飛び越えて、眠気を与えようとするが…

 

「どうして眠らないの?ジコチュー、しっかりやりなさいよ!」

 

「め!うるさいメェ!」

 

ジコチューはマーモを目掛けて催眠を放ち、マーモはそれによって眠ってしまう。

 

「ああああああああああ!」

 

「うるさいメェ!」

 

ジコチューがアイちゃん目掛けて突撃しようとしていた。

その時…

 

「きゅぴらぱ〜!」

 

「ジコォ⁉︎」

 

アイちゃんから出た光がプリキュア達を纏い、起き上がったのだ。

 

「何、この光?」

 

「もしかして、アイちゃんが⁉︎」

 

そう言って、光を放つアイちゃんを見る。

ソードとロゼッタはすぐにビルドとクローズを揺すって起こす。

 

「ん……?って何だ、あの光?」

 

「少なくとも。悪いものではないな……おっと」

 

ビルドは何かに気付き、ボトルを取り出してドライバーに差し込む。

 

『ハリネズミ!消防車!ベストマッチ!』

 

レバーを回し、アーマーが形成された。

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

その頭部はハリネズミと消防車をモチーフとした複眼を模しており、右腕はハリネズミの様な針が出ていて、左腕は消防車のホースを模したアーマーが装着され、音声が響く。

 

『レスキュー剣山!ファイヤーヘッジホッグ!イェーイ!』

 

そして光が収まり、アイちゃんが再びジコチューに狙われる。

 

「アイちゃん!ってまた眠気が……」

 

そう言って眠りそうになり、ジコチューがアイちゃんを襲おうとした時だった。

ビルドは左腕のホースーー『マルチデリュージガン』を自分と全員を向けて発射した。

 

「みんな、目を覚ませ!」

 

「「「「ぶわぁ!」」」」

 

全員の顔に水を掛け、ジコチューもそれによりアイちゃんから離れた。

そして、目覚ましたハート達は起き上がる。

 

「これなら、いける!」

 

ハート達が目覚ますと、ジコチューが再び柵を飛び越えようとしているが、それに反応するダイヤモンド。それを飛び越えている途中で、ダイヤモンドが…

 

「羊が一匹」

「羊が二匹」

「羊が『3,285,945匹!!』

 

「…メェ?」

 

それにより混乱したのか、ジコチューの動きは止まり、悩み始める。

その隙にビルドがクローズに言う。

 

「龍牙!ビートクローザーを出せ!」

 

「ビートクローザー?」

 

すると、龍牙のドライバーから武器が形成された。その形はロングブレードの様な姿をし、音声が流れた。

 

『ビートクローザー!』

 

「おお!なんだよこれ⁉︎」

 

「昨日お前が寝ている間に作っておいてやった」

 

「すげぇ〜!しゃあ!これなら負ける気がしねぇ!」

 

そう言ってクローズはジコチューにすかさずビートクローザーで斬りかかり、羊のジコチューを吹き飛ばす。

 

「ジコォ!」

 

それによりにジコチュー達は、我先と争い始めた。その隙にハートが言う。

 

「ソード!龍牙君!一緒に行くよ!」

 

「「うん!(おお!)」」

 

ソードはラビーズをセットし、クローズはグリップを1回引いた。

 

『ヒッパーレ!』

『スマッシュヒット!』

「閃け!ホーリーソード!」

 

二人の技にジコチュー達の柵を壊し、ジコチュー達は更に混乱した。

 

「僕らの柵が〜!」

 

「「今よ!(だ!)」」

 

と言うソードとクローズに頷き、ハートはラビーズをセットした。

 

「貴方に届け!マイスイートハート!」

 

ジコチューの目はハートのマークになる。

 

「ラブラブラーブ!」

 

そう言うとジコチューは浄化され、男性の元に戻った。そして、寝ていたマーモが目を覚ますと…

 

「今日のところはこの辺で許してあげる。じゃあねぇ〜!」

 

何やら満足そうに去っていた。何でそこまで嬉しそうなか、不思議に思い全員変身を解除した。

 

「何でアイツ嬉しそうに去っていたんだ?」

 

「さぁ……」

 

…どうでもいい事だが、マーモは寝不足によって肌にニキビができていたが、一眠りした事でニキビが治ったため、機嫌が良くなったそうだ。

 

 

 

そして、アイちゃんが眠りそうになっていた。

 

「お、眠りそうだな」

 

「なあ、真琴。お前が子守唄でも歌ってやれ!」

 

「え?どうして⁉︎」

 

「どうしてもだ」

 

龍牙がそう言うと真琴は頷いてアイちゃんを抱きあげて、子守唄を歌う。

 

「〜♪」

 

やはりアイドルをしているだけあって、非常に心地の良い子守唄であり、それをみんな聞き入れる。

 

「流石だな」

 

「ああ!真琴の唄は最高なんだ!」

 

そう言って、全員は微笑むのだった。

 


次回! Re.ドキドキ&サイエンス!

 

第9話 アイちゃん、学校に行く

 

 




おまけ

マナ「そうだ!子守唄を歌おう!」

晴夜「あ、いいね!」

オンチゴリラ「よ〜し、ならこの俺が一曲歌って眠らせてやるぜ!
それでは歌います。『ジャイアンの子守唄』!」

龍牙「うおっ!なんだお前!」

兄貴ィ「『ザ・グレイトフル・デット』!!」三つメタァ!

オンチゴリラ「グベェ!!?」ドゴォ!!

六花「えっ!誰この人!!?」

兄貴ィ「ペッシペッシペッシペッシよぉ〜、俺言ったよなぁ〜、誰かを眠らせるのにわざわざ『眠らせる』って、眠らせられる根拠も無いのにいちいち言ったりするなってよぉ〜」

オンチゴリラ「えっ!?え、えっと・・・ペッシって誰・・・えっ?」

龍牙「いや、名前間違ってんじゃねえか!」

兄貴ィ「そしてはっきりと言っておく、俺たちチームはその辺のドシロートどもや三流催眠術師みたいに『眠らせる』『眠らせる』って自分や仲間に言い聞かせて大口叩いているだけの負け犬どもとはわけが違うんだ・・・
『眠らせる』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!

オンチゴリラ「あ…兄貴ィーーー!!プロシュート兄貴ィーーーー!!やっぱ兄貴はスゲーーや!!」

六花「えっ!?知ってる人なの!!」

オンチゴリラ「いや、知らねぇ。初めて会った」

晴夜「知らないのかよ!!」

…何この茶番。

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