Re.ドキドキ&サイエンス   作:yu-ki.S

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前回までのあらすじ!

晴夜「仮面ライダービルドことてぇんさい科学者の卵 桐ヶ谷晴夜 は、マナ達といつも通り過ごしていると、なんと!大人気アイドルの 剣崎真琴 とトランプ王国でスタークにボッコボコにされた負け犬の 上城龍牙 が転校してきた!」

龍牙「誰が負け犬だ!……とにかく!大貝第一中学校に転校してきた俺たちは、授業を受けたり、六花の悩みを解決したりしました!」

ありす「ところで、前回の話で晴夜さんは『カイゾクハッシャー』と言う武器を作っていましたけれど、あれはどうやって作ったのですか?」

晴夜「ん?あぁ、居たのかありす……それはガガーッとやってキュイーンでゴーッってやったんだよ!」

龍牙「擬音ばっかじゃねえか」

晴夜「一言で語れないのが天才なの!」

ありす「はい、そんなこんなで第11話始まります、皆さんどうぞご覧ください」


第11話 プリキュアの新たな力!そして、スタークの正体…

その日、晴夜は六花と一緒に資料を運んでいた。

 

「ごめんね、晴夜君、手伝ってもらって」

 

「別に、全然問題ないよ」

 

二人が会話をしながら生徒会室に向かっていると、六花の目に二人の女子生徒から何かを頼まれるマナが映った。

 

「ちょーっと待ったー!」

 

「うわぁ⁉︎ ちょっ、六花!」

 

六花は晴夜に自分の資料を乗せ、彼女の元へ向かう。

 

「ダメよ!絶対にダメ!」

 

「まだ何も聞いて無いよ……」

 

「どうせマナに試合に出てくれって要請でしょ?」

 

「どうして分かったの?」

 

「その腕を見れば一目瞭然です。ソフトボール部キャプテン、千葉先輩」

 

六花の言う通り、ソフトボール部のキャプテンである女子生徒の一人、千葉は右腕を骨折していた。

六花は口をマナの耳元に近付ける。

 

「マナはプリキュアと生徒会の活動で手一杯でしょ?助っ人なんて軽々しく受けちゃダメ」

 

プリキュアと生徒会の両立だけでも大変なのに、ソフトボールまでやったら他が疎かになると注意する。

 

「でも、本当に困ってるみたいだよ?」

 

マナがそう言うと、千葉ともう一人の生徒が今の自分たちについて語る。

 

「その通り!次の試合は予選の突破が掛かった大事な一戦です!」

 

「「お願いします!」」

 

二人は頭を下げて頼む。それに対してマナの答えは…

 

「分かりました、お任せ下さい!」

 

「ええっ⁉︎」

 

いつもの如く願いを受け入れたのだった。

 

「ありがとう!」

 

「では早速、今後の打ち合わせを……」

 

マナが二人に連れて行かれる。

 

「ちょっとマナ!もう知らない……!」

 

六花が呆れていると、晴夜が大量の資料を持ってヨロヨロとしていた。

 

「六花!そろそろ、手伝って……」

 

「あっ!ごめん!晴夜君!」

 

彼女は自分の預けた資料を取り、晴夜に事情を話す。

 

 

その日の夜…

 

「ただいま〜……」

 

「「お帰り(なさい)」」

「おつかれ、マナ」

 

ソフトボールの練習を終えたマナが家に帰ると、六花とありす、真琴、それに晴夜に龍牙にいる。

 

「え⁉︎何で⁉︎あたしだけ仲間はずれ⁉︎」

 

「マナは部活だったでしょ」

 

「あ、そっか……」

 

そう言えばそうだったと苦笑をする。

 

「六花から聞いたぞ。マナ、ソフトボール部にスカウトされたんだって?」

 

龍牙は彼女がソフトボール部の手伝いをしているということを、六花から聞いたことを話した。

 

「うん、どーしてもって言われちゃって……」

 

「マナちゃんらしいですわ〜」

 

「幸せの王子は押しに弱いのよね」

 

「なんだ?幸せの王子って?」

 

龍牙が『幸せの王子』と言う物が何なのか分からずに六花に聞き出す。

 

「あそっか、龍牙君は知らなかったわね。幸せの王子ってのは童話の話なの」

 

六花は幸せの王子についての説明をし始める。

 

「金や宝石で出来た王子の像が、貧しい人に自分の金や宝石をあげるって話なの」

 

「へぇ〜、なんか、マナみたいだな、それと晴夜にもそれっぽいよな」

 

「よく、誰かれ構わずに厄介事に首を突っ込むとかで人助けするからな」と龍牙が言うと、六花も頷く。

 

「そうね、晴夜君もマナと似てるからね」

 

「そうかな?」

 

「そうなると、六花ちゃんはその話の中のツバメですね」

 

ありすの一言でみんなが同意して大笑いすると、晴夜がマナに聞く。

 

「それで、試合はいつなんだ?」

 

「今度の日曜日。場所はうちの学校のグランド」

 

「絶対応援に行きますね」

 

「……助っ人に先発を任せるようなヘナチョコ部ですけどね」

 

「なんか、怒ってる?」

 

「別に。マナの分まで校外活動のゴミ拾いのお手伝いをしたり、吹奏楽部の講演会の打ち合わせをしたり、広報の原稿をチェックしたりするぐらいで怒ったりしませーん」

 

(絶対怒ってるな)

 

晴夜は六花が怒っていることを察した。

 

「流石は六花様!愛してる〜」

 

マナは自分の今の気持ちを言うと、六花は真琴の事を話す。

 

「まこぴーも怒ってるよ。王女様探しがちっとも進んで無いから」

 

「えっ?」

 

「別に怒ってるワケじゃないけど……」

 

「けど?」

 

「不思議なのよ。お手伝いで呼ばれただけなのに、どうしてそんなに真剣に打ち込めるのかなって」

 

何故そんなに物事に真剣に打ち込めるのかと、真琴はマナに質問する。

 

「あたしはいつも全力主義だし!何より、誰かの役に立てるって嬉しくない?」

 

マナがそう言うが、真琴に今だに分からなかった。

 

 

その後、真琴はその帰り道。車の窓の外を見ながら、マナの言った事を考えていた。

 

「誰かの役に立つのって、そんなに楽しいのかな……」

 

その声を耳にしたDBが「キュアハートの事?」と真琴に聞く。

 

「うん」

 

「あなただって、トランプ王国ではみんなのために歌を捧げてたじゃない。

あなたは、それに喜びを感じてたんじゃない?」

 

DBは真琴にそう言うが、本人は「よく分からない」と呟く。

 

「だったら、あなたも彼女の応援にいってみたら?

いい刺激、貰えるかもしれないわよ」

 

「そうね」

 

DBの提案に同意する真琴であった。

 

 

 

 

一方その頃。ジコチュークラブのボウリング場では珍しくベールがボウリングをしており、イーラとマーモ、スタークはそれを見ていた。

 

(キュアハート……借りは必ず返してやる……)

 

連続でストライクを出すベールが心の中で呟く。

 

(それとビルド……奴も)

 

次に投げたボールが力が入っていた影響なのか、ピン全てを粉々にした。

 

『今日はかなり荒れてるな』

 

「何だよオッサン、イライラし過ぎだろ」

 

「触らぬ神に祟りなし。放っておきなさい」

 

興味なさげにマーモが言うと、二人はそのままメロンソーダを飲む。

 

 

 

 

そして翌日。マナはソフトボール部の干したユニフォームを伸ばしていた。

全てを伸ばし終えた彼女が「ふう、これで良し」と納得していると、そこへソフトボール部の一年がやってきた。

 

「先輩何してるんですか?」

 

「みんなのユニフォーム、汚れてたから洗濯しておいた!」

 

そう言って一年生の部員に綺麗になったユニフォームを見せる。

 

「雑用は私達一年生がやります!」

 

「先輩は助っ人なんですから……!」

 

「練習に専念して下さい……!」

 

一年生の部員がマナの仕事は自分達のことだと主張するように言うが、そんな時に放たれた彼女の発言が心に響く。

 

「あたし、一人が頑張っても、チームは強くならないよ?

レギュラー座を勝ち取るために、互いに励まし合い、技を磨き合う。

その熱意こそチームを強くする!

一年生だからって、遠慮してちゃダメ!」

 

「「「「は、はい!」」」」

 

「分かったら、さっさと着替えて。ランニングに行くよ」

 

「「「「はい!」」」」

 

このマナの発言により、ソフトボール部の部の空気が変わり、より一層明日の試合に臨めるよう全員が努力するようになった。

 

 

そして、練習終わりの夕方。

 

「会長!お疲れ様でしたー!」

 

「お疲れー!明日の試合頑張ろうね!」

 

「「「「はい!」」」」

 

マナに挨拶を言って、一年生四人は帰っていく。

 

「相変わらず、君は人気者だね」

 

「お兄さん!アイちゃんも!」

 

と振り向くと、ジョーとアイちゃんがいた。

 

「マナ、お疲れ!」

 

更にマナが後ろを振り返ると晴夜がいた。

 

「晴夜君!どうしてまだ学校に?」

 

マナが晴夜になぜまだ学校にいるのかを聞くと、晴夜は先生に呼ばれて、こんな遅くの時間の下校になったと事情を話す。

 

「そう言う君こそ珍しい、ジャージのままで下校なんて」

 

「いや、これはですね……」

 

彼女はジョーに自分がソフトボールの助っ人として試合に出ることを話した。

 

「そっか、なら僕もアイちゃんと応援に行こうかな」

 

「ぜひ!」

 

「よかったな、マナ!」

 

「うん!」

 

「そうだ」

 

ジョーがそう言うと、ポケットからピンク色の矢のようなものが刻まれたキュアラビーズを取り出した。

 

「勝利の女神に、お守りをあげよう」

 

「え?いいです!」

 

「遠慮はいけないよ」

 

「あ、ああちょっと……」

 

しかし、マナにあげようとしたラビーズをアイちゃんが掴んでしまった。

 

「どうやら、アイちゃんが気に入ってしまいましたね」

 

「そのようだね、気に入ったのなら、君にあげるよ!」

 

ジョーはアイちゃんのよだれかけに、ラビーズをセットした。

 

「良かったねアイちゃん!」

 

マナに言われて喜んでいるアイちゃん。するとそこへ…

 

「お取り込み中失礼」

 

「「⁉︎」」

 

と聞き覚えのある声に気付く晴夜とマナ。

 

「相田マナさん。桐ヶ谷晴夜君。

……いや、キュアハート。そして、仮面ライダービルド」

 

公園にあった屋根の上に、ベールが立っていた。

 

「「お前は(あなたは)……」」

 

「マナ、晴夜、気をつけるシャル」

 

(分かってるけど、これじゃあ変身出来ない……)

 

ジョーがいるため、二人は変身出来ない。

 

「俺と勝負しろ」

 

「嫌よ。あなたと戦う理由なんてあたしは無いもの」

 

「マナの言う通り、俺にもお前と戦う理由がない」

 

マナの発言に晴夜も同意して、ベールに言う。

 

「お前ら、トランプ王国の惨状を目の当たりにしたくせに、そんな寝言を言うのか」

 

「見たさ。だが、ここでお前を倒しても王国は元に戻らない」

 

「……その倒せる物言い、気に入らんな。

―――はっ!」

 

ベールはサングラスを外し、手から電撃を放った。

 

「うわっ!」

 

ジョーは何とか電撃を躱す。

 

「どうした?早く変身しろ。

変身前の貴様らを倒しても、俺は満足出来んのでな」

 

そう言うと、もう一度電撃を放つ。

 

「危ない!うあぁぁぁぁっ!」

 

マナの代わりに、ジョーが身代わりとなって電撃を受けた。

 

「「お兄さん!(ジョーさん!)」」

 

「フン、余計なマネを」

 

「余計じゃ…『余計なんかじゃねぇよ!』…晴夜君」

 

「誰かの命を守りたい。誰かの為に尽くしたい。そう言う気持ちがあるから人は強いんだ!」

 

「そういうのあなたには分からないの⁉︎」

 

「黙れ!」

 

ベールが叫んだ後、指を鳴らした。

するとアイちゃんがシャボン玉のようなものに包まれ、ベールの元に向かって行った。

 

「アイちゃん!」

 

「お前!何を!」

 

「コイツを返して欲しければ、明日の午前八時に四葉ターミナルに来い。

……ただし、お前ら二人で来い。もし、他の仲間を呼んだ場合は……」

 

「まさか!」

 

両手でアイちゃんのいる球を壊すそぶりを見せ、消えて行った。

 

「アイちゃん……アイちゃーん!」

 

 

 

その後、晴夜は家に帰り、明日の事を考えていた。

どうすれば、アイちゃんを無事に取り返せるかどうかをーー

 

「おい、晴夜どうした。さっきから難しい顔してよ」

 

晴夜の様子がいつもと違うことに気づいた龍牙は、どうしたのかと問う。

 

「いや、なんでもない」

 

そう言ってパソコンに目を向ける。パソコンの画面からは修復出来た父のデータが出ていた。

それに気付いて、そのファイルデータを開き確認。データを見ると、晴夜の目は大きく開いた。

 

「これは―――嘘だろ……」

 

 

 

翌日、晴夜の叔父:石動総一郎が出かけようとしていた。

それを見た晴夜は「今日もバイト?」と総一郎に聞く。

 

「ああ!この家の生活費やお前のために稼ぐ事が大事だからな!

父さん達の年金だけじゃあ不安だろう」

 

「本業は、科学者なのに」

 

「仕方ないだろ。俺の仕事場の研究所は潰れちゃたからな」

 

「そうだったな」

 

そう呟く総一郎に晴夜はそうだったと言う。

 

「じゃあ、行ってくる」

 

「いってらっしゃい」

 

そう言ってバイト先の仕事へと向かった。

そして晴夜は何かを考えながら、黙って総一郎の方を見ていた…

 

 

 

 

それからしばらく経ち、ソフトボールの試合を見るために大貝第一中学校に来ていたありすとセバスチャンが歩いてると、龍牙や六花、真琴がいるのが見えた。

 

「おはようございます」

 

「おはよう、ありす」

 

「来たか」

 

「ハイ。

……あら?試合はまだ始まってませんの?」

 

「それがね……」

 

真琴が視線を向けた先には大貝第一中学校のソフトボール部の部員達だけがいた。

どうやら、マナがまだ来ていない様なのだ。

 

「……晴夜さんもいないですか?」

 

「そうなの、マナと一緒に出た見たいだけど」

 

「なんか、厄介事に関わってるような気がするな」

 

「可能性は……ありそうね」

 

六花達は、また二人が何かの厄介ごとに首を突っ込んでいると推測する。

 

 

 

その頃、マナと晴夜はベールが指定された場所へと来ていた。

そこにベールが姿を現す。

 

「約束通り、お前等だけで来たか。いい度胸だ」

 

「アイちゃんはどこ!」

 

マナが聞くと、ベールは指を鳴らす。

すると、球体が姿を現し、中ではアイちゃんが眠っていた。

 

「アイちゃん!よかった……さぁ、約束通り来たんだ。アイちゃんを返せよ!」

 

「ああ、約束通り返してやる。ただし、俺に勝てたらな」

 

それを聞いた晴夜とマナは、目を合わせると頷き合う。

 

「行くぞ、マナ」

 

「うん!行くよ、シャルル!」

 

マナはコミューンを取り出し、晴夜はドライバーを取り出す。

コミューンにキュアラビーズをセットし、ドライバーを装着して、ボトルを2本出し、ドライバーに差し込む。

 

『海賊!電車!ベストマッチ!』

 

ドライバーのレバーを回すと、ランナーが出現し、アーマーが形成された。

 

『Are you ready?』

 

「プリキュア!ラブリンク!」

「変身!」

 

『L・O・V・E!』

 

マナは光に包まれて、姿を変え始め。晴夜には二つのアーマーが装着され、ドライバーから音声が響く。

 

『海賊レッシャー!イェーイ!』

 

そして姿を変え、キュアハートとビルドが並び立つ。

 

「そこの自己中極まりないおじさん!このキュアハートとビルドが!貴方からアイちゃんを取り戻してみせる!」

 

「行くぞ!」

 

ビルドはカイゾクハッシャーを持ち構える。

 

「ふふ、それでいい」

 

ベールはニヤッと笑いながら呟く。

 

 

 

その頃、龍牙達サイド。

六花達はマナをコミューンで一所懸命呼び出しているが…

 

「どう?シャルルに繋がった?」

 

「呼び出してるけど……」

 

「応答無いランス〜」

 

「こっちもだ、晴夜と繋がれねぇ」

 

マナと晴夜に連絡が付かず焦っていた。

一方、ソフトボール部の人たちもマナが来てない事に焦りを感じていた。

 

「お願いです!もうちょっと待って下さい!」

 

「そう言われても、選手が揃わない場合は不戦敗になる決まりだからね」

 

「そ、そんな……!」

 

「無理よ、会長がいないんじゃ……」

「勝てるわけ無い……」

 

(無理もないわ。一番頼りにしてたものが急に消えてしまったんですもの)

 

部員の誰もがマナがいない事に勝てる自信すらも失っていた。

その時…

 

「キャプテン!私に投げさせて下さい!」

 

一人の部員が名乗りを上げた。

 

「京田?」

 

「私達、会長に教えて貰いました!」

 

「みんなで力を合わせれば、どんな困難も突破出来るって!」

「会長が来ないのは、きっとワケがあるんだと思います!」

「戦いましょう!会長の分まで!」

 

「……わかった。精一杯やろう!」

 

「ありがとうございます!」

 

そしてマナを抜いた状態で、試合が始まった。

 

「お嬢様」

 

そこへセバスチャンが現れ、ありす達に何かを伝えた。

 

 

 

一方、二人はベールと戦闘を行っており、二人はベールが放つ電撃を避けていた。

そのビルドの上を飛び超えて、キュアハートがベールに近づく。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!」

 

キュアハートは連続で拳、蹴りを放つが、そのどれも軽々と躱される。

ビルドはすぐさまカイゾクハッシャーのユニットを引く。

 

『各駅電車!急行電車!快速電車!…』

 

「ハート退け!」

 

「⁉︎」

 

ハートはビルドの射線上から離れた。

 

『海賊電車!発射!』

 

だが、ベールはそれをガードしてダメージを最小限に押さえた。

次に二人はコンビネーションを見せてるが、それまでもが躱される。

 

「く……クソ……!」

 

「ハァ……!ハァ……!」

 

「どうした?もう息が上がっているぞ」

 

「まだまだ!」

 

カイゾクハッシャーを振りベールに攻撃する、それに続いてハートも殴りかかるが再び躱されてしまい、ベールは距離を取った。

それと同時にベールが指を鳴らす。

 

「ん?あ⁉︎」

 

ビルドは上を見上げると、クレーン車がコンテナを持ったまま二人の頭上へ移動する。

そしてコンテナが落とされ、二人は回避のために走り出す。

 

「うおおおおおおお⁉︎」

「わわわわわ!」

 

今度は連続でコンテナが落とされ、二人は急いで回避する。

それにより、更に疲れてたのか手を地面についてしまう。

 

「やっぱり、罠だったシャル!」

 

「卑怯者!」

 

「こんな事しやがって!」

 

「俺たちジコチューにとって、最高の褒め言葉だ」

 

ビルド達は文句を言うが、ベールは開き直ってそう言い放った。

 

「俺だったら最悪だな」

 

「ふん」

 

ベールが指を鳴らした瞬間、トラックが動き出した。

そのトラックは二人目に掛けて突進してきており、二人はかわそうとするが間に合わない。ならばと、ビルドはボトルを変えるようとした時だった。

 

「煌めきなさい!トゥインクルダイヤモンド!」

 

聞き覚えのある声が聞こえたと思うと、それと同時に吹雪の様な攻撃がトラックに直撃し、凍らせて止める。

 

「何⁉︎」

 

ベールがそれに驚いていると、キュアハートとビルドの元に四人、姿を現わす。

それはクローズ達だった。

 

「龍牙!みんな!」

 

「どうして⁉︎」

 

ハートとビルドはみんなが何故ここにいるのか疑問に思うが…

 

「セバスチャンが探してしれましたの」

 

「そういう事だ。どんなに優れた選手だけじゃあ、勝負には勝てねぇよ!」

 

「私達もチームなんだから、もう少し頼りなさい!」

 

「みんな……!」

 

「最高だなー!」

 

ビルドとハートは嬉しそうにみんなを見る。やはり、このメンバーは最高のチームなんだと改めて二人は感じた。

 

「ソフトボール部のみんなもあなたの分まで頑張ってる!私達も頑張ろう!」

 

「みんな、頑張ってるんだ……!」

 

「負けてられないな!」

 

「うん!」

 

そして、ハートはプリキュアメンバーを見る。

 

「行くよ!」

 

「「「うん!」」」

 

四人は飛び上がるといつものアレを始める。

 

「みなぎる愛!キュアハート!」

「英知の光!キュアダイヤモンド!」

「陽だまりポカポカ!キュアロゼッタ!」

「勇気の刃!キュアソード!」

 

「「「「響け!愛の鼓動!ドキドキプリキュア!」」」」

 

四人はいつもの台詞とポーズを決める。

 

「行くぞ!龍牙!」

「っしゃあ!」

 

そう言って、全員戦闘態勢に入る。

その時…

 

『面白くなってるな!手を貸そうか?』

 

と、再び聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「スターク!」

 

『よっ!』

 

ベールの後ろの方からスタークがやって来た。

 

「何しに来た?」

 

『な〜に、手伝ってやろうと思って来ただけだ』

 

「その必要はない」

 

そう言うと、ベールはあるものを取り出す。

それは黒いプシュケーだった。

 

「アレは!」

 

「闇のプシュケー!」

 

すると、ベールは闇のプシュケーをジコチューに変えるのではなく、逆に手に指を狭めるくらいのサイズへと凝縮させる。

 

「お前の闇を我に捧げよ!」

 

そう言うと、なんと闇のプシュケーを飲み込んだのだ。

その瞬間、ベールは雄叫びを上げる。

 

「うおおおおおおお!」

 

『ほぅ〜これは……』

 

「嘘でしょ⁉︎」

 

「あんな事が出来るのかよ」

 

「何が起こるんだ!」

 

「何なの、アレ⁉︎」

 

皆はそう言って、危険を感じ、構える。

その瞬間、ベールの体から煙が出て、それが消えると……そこには巨大なケータイがあった。そしてケータイが開くと、画面にはベールの顔が映っていた。

 

「ハハハハハ!ジコチューの能力を吸収し、パワーアップした!これがベールビーストだ!」

 

とベールが言うが、ビルド達の反応は…

 

『おいおい……』

「うわぁ……」

「なんというか……」

「ご愁傷様だな」

「その内、良いことあるんじゃねぇか?」

「いや、励ましてどうするのよ」

「でも、何ていうか……」

 

案の定、ビルド達からの反応は微妙だった。

それを見たベールは焦る。

 

「……スターク!ビルドとクローズはお前に任せる!」

 

『はぁ〜…しょうがねぇな』

 

「ベールの方は頼む。俺たちでスタークを止める」

 

「わかった!」

 

そう言ってプリキュア組はベールの方を向く。

 

「見た目だけで判断すると痛い目に遭うぞ、シャターチャンス!」

 

そう言って押した瞬間、光が放たれ、それに怯むハート達。

その間にベールが近づいてきて、ロゼッタとダイヤモンドを掴むと投げ飛ばす。

 

「「ああああああ⁉︎」」

 

そのまま二人はコンテナに叩き付けられた。

 

「ダイヤモンド、ロゼッタ!はぁ!」

 

ソードはジャンプし、飛び蹴りを放つが、タイミングよく閉じたベールが挟み込む。

 

「この……!」

 

「マナーモード!バイブル!」

 

その瞬間、ベールが震え始め、ソードに振動が襲い掛かる。

 

「ああああああああ!」

 

「ソード!」

 

ハートは走り出し、助けようとした時。

 

「メール送信!」

 

ベールはそう言ってソードを吐き出し、ハートと激突させる。

それにより二人は倒れるが、なんとか立ち上がった。

 

その頃、ビルドとクローズは向かって来るスタークに構えていた。

 

『さぁ、こっちも始めようか?』

 

「臨むところだ!今日こそ、決着を付けてやる!」

 

そう言ってビートクローザーを構え、クローズはスタークの元へ向かっていく。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ビートクローザーで攻撃するクローズだが、スタークはなんなく躱す。

一方のビルドはスタークの方をずっと見ていた。

 

(本当に、あの人がスタークなのか……)

 

そう考えていたがすぐさま気を取り直して、ビルドはカイゾクハッシャーを構えスタークに攻撃する。

 

『各駅電車!発射!』

 

『おっと!』

 

『急行電車!発射!』

 

二度に渡る狙撃を躱すスタークを見て、ボトルを取り替えた。

 

『タカ!ガトリング!ベストマッチ!』

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

『ホークガトリング!イェーイ!』

 

ホークガトリングになり、ドライバーからホークガトリンガーが形成された。翼を広げて得意の空中戦でスタークに攻撃するが、スタークはまるで見透かしているようにビルドの攻撃を防ぐ。

 

「クソ!」

 

「おいおいこの程度か?」とスタークが挑発すると、またボトルを取り替えた。

 

『忍者!コミック!ベストマッチ!』

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

再び形成されたアーマーが重なった。

 

『ニンニンコミック!イェーイ!』

 

『分身の術!』

 

ニンニンコミックへ変わったビルドは四コマ忍法刀のトリガーを1回押し、分身したビルドは全方位の攻撃でスタークを惑わせ、その隙に刀のトリガーを2回押した。

 

『火遁の術!』

『火炎切り!』

 

炎を纏った刀で分身しながら攻撃しようとした時、スタークは自分の武器のブレードとガンを合体させ、音声が流れる。

 

『ライフルモード!』

 

「⁉︎」

 

スタークは一回転し、ビルドの分身全員に攻撃を当てた。当然これには本物にも直撃した。

 

「ぐわぁ!」

 

「晴夜!はっ!」

 

ビルドに気を取られていると、スタークはクローズの目の前におり、スタークの攻撃を至近距離で受けてしまって、ハート達の所まで吹き飛ばされた。

 

「クソ……」

 

「強い……!」

 

「でも、負けるワケには行かない……!アイちゃんを取り戻すまでは!」

 

「俺もだ!」

 

そう言ってハートはコミューンにラビーズをセットし、ビルドはラビットボトルとタンクボトルに取り替えた。

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

 

「ビルドアップ!」

 

『ラビットタンク!イェーイ!』

 

そしてビルドはレバーを回した。そして放物線が出現し、ベールとスタークを挟む。

 

『Ready go !』

「貴方に届け!」

 

「っ!はぁ!」

 

ビルドは放物線に乗り、ハートは放つ態勢に入る。

 

『ボルテック フィニッシュ!』

「マイスイートハート!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

二人の必殺技がベール達に向かっていき、攻撃した。

 

「やりましたわ!これで!」

 

と全員が思っていたが、ベールの閉じる攻撃によって二人の必殺技は弾かれてしまい、ビルドは地面に倒れる。

 

「ぐあっ!」

 

「そんな!」

 

「言っただろ!見た目で判断するなと!」

 

そう言うとベールは回転し、ハート達に体当たりして、撥ねとばす。

 

「「みんな!」」

 

『よそ見している場合か!』

 

更にスタークの攻撃によりビルドとクローズが吹き飛ばされる。六人はダメージが溜まり、なかなか立ち上がれずにいた。

するとベールはアンテナを抜きだし、それを何とアイちゃんに向けた。

 

「なっ!まさか!」

 

「お前らだけで来いと言ったハズだ。約束を破った罰だ」

 

「させない!」

 

そう言って、二人が立ち向かうが、腕の振り払いで倒れてしまう。そしてベールはアイちゃんを見る。

 

「グッバイ」

 

そう言って投げた時、アイちゃんが目を覚まし、倒れているビルドとハートが目に入る。

それに涙を浮かべると同時に…

 

「きゅぴらば〜!」

 

その声を上げた瞬間、ピンク色の光が放たれて、投げられたアンテナが打ち消される。

 

『ッ⁉︎』

「何⁉︎」

 

「何が起こってるんだ?」

 

ビルド達が不思議そうに見ていると、ハート達の元にキュアラビーズが飛んできた。

そして、四人は目を合わせて頷き、それを空に掲げる。

 

「「「「ラブハートアロー!」」」」

 

その瞬間、プリキュアの四人に弓のような武器が現れる。

 

「これは……」

 

「とりあえず、ラビーズを!」

 

「おのれ!くらえ!」

 

ベールはすぐさまアンテナを投げる。

その時、ロゼッタがラビーズをセットし、中央のシャフトをなぞると先端のハートが光る。

 

「プリキュア!ロゼッタリフレクション!」

 

ロゼッタはラブハートアローを向けると、そこにいつものよりも巨大な四葉の盾が現れる。

 

「何⁉︎」

 

そして次にダイヤモンドがラビーズをセットする。

 

「プリキュア!ダイヤモンドシャワー!」

 

ダイヤモンドがラブハートアローを上に掲げ、叩くと吹雪が吹き荒れる。それにより、ベールは凍り出す。

その様子を見ていたスタークは…

 

『ほーう、プリキュアの方はなかなかやるな!だがお前達は無駄だ。お前達の攻撃パターンは全て見切っている!』

 

プリキュアの新しい力に関心していたが、ビルドとクローズには勝ち誇ったように言うと、ビルドは立ち上がる。

 

「そうかよ! だったら!これでどうだ!」

 

いつも使っているとは違うボトルを2本出し、そのボトルを振る。

 

「さあ、実験を始めようか!」

 

そう言って、ドライバーに差し込む。

 

『オクトパス!ライト!ベストマッチ!』

 

『オクトパス?』

 

ドライバーのレバーを回し、アーマーが前後から形成された。

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

新たなアーマーが重なり、ビルドに装着されると、音声が流れる。

 

『稲妻テクニシャン!オクトパスライト!イェーイ!』

 

「あん?こんなベストマッチ聞いてないぞ?」

 

その姿は、複眼はタコと電球を模しており、右肩にタコの無数の足が模しており、左肩にBLDライトの様な発光装置が装備された。

 

「勝利の法則は、決まった!」

 

決め台詞を言うと、ビルドの右肩のタコ――『フューリーオクトパス』の無数の足がムチのようにスタークに攻撃する。

スタークは慣れない攻撃パターンに戸惑っていた。

 

『チッ!こんな物を用意していたとは』

 

「これでフィニッシュだ!」

 

ビルドがそう言うと、ドライバーのレバーを回した。

 

『Ready go!』

 

音声が流れると、右側のアーマーから黒い墨が発射された。

 

『ボルテックフィニッシュ!』

 

スタークが墨で周囲が見えずにいた隙に近づき、左側のライト――『BLDライトバルブショルダー』によって輝いたパンチでスタークを吹き飛ばす。

 

「おお!やったぜ!晴夜!」

 

とクローズが近づくと、倒れていたスタークが立ち上がった。

 

『やるじゃねぇか!だが……これでボトルの浄化は全て済んだ。

今日はこれくらいにしておくぜ!じゃあな!』

 

そう言ってスタークは煙を纏って消えていった。

 

「……」

 

「ス、スタークの奴、逃げやがって……」

 

それを見ていたベールがそんなことを呟いている。

 

一方、次にソードがラビーズをセットした。

 

「プリキュア!スパークルソード!」

 

ソードは無数の矢を放つと無数の刃に変化し、それがベールに放たれる。

 

「今よ、キュアハート!」

 

そして、最後にハートがラビーズをセットする。

 

「プリキュア!ハートシュート!」

 

ハートは弓を放つかのように引き、目の前に巨大なハートが現れる。

それをウインクしてから手を離すとハートが放たれ、それがベールに直撃し、浄化が始まる。

 

「ぐあああああ!」

 

ベールが悲鳴が聞こえると同時に煙が舞い上がり、浄化されたプシュケーが姿を現し、プシュケーは元の人の元へと飛んでいた。

 

「覚えてろ!」

 

そう言ってベールは悔しそうにしながら去って行く。

 

 

 

その後、マナ達は試合会場へと向かう。

ソフトボール部は試合には無事に勝利し、マナは試合に間に合わなかった事をソフトボール部員に謝る。

だが、部員達は今日の事で大切を学ぶ事が出来たとマナに話す。

それを見ていた真琴は、この間のマナの言葉の意味がわかったような気持ちになっていた。

 

――だが、晴夜だけ何やら暗い顔をしていた。

それに龍牙達が気付き、晴夜に聞く。

 

「どうしたんだよ?さっきから浮かない顔してよ」

 

「珍しいですね?どうかしたんですか?」

 

「どうしたの?」

 

と龍牙とありす、六花が聞くと…

 

「あっ……いや、その……叔父さん今帰っても、いないんだよな?」

 

「?あぁ、今日もバイトだからな」

 

 

 

―――そして、その日の夜。

地下室から誰かが入り、机に置いてあったボトルと壁に飾ってあったパネルを取り、袋に詰め持って行こうしているものがいた。

そして、玄関から出ようとした時、その人物の後ろから晴夜が現れた。

 

「こんな時間に、俺たちのボトル持ってどこ行くんだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「総一郎叔父さん?」

 

 

そう、ボトルを持って盗もうとしたのは、晴夜の叔父:石動総一郎だった…

 

「バイトだよ……って、うそは通用しないか?」

 

「ああ、あんたがスタークなんだろ……」

 

「ほ〜ぅ、証拠は?」

 

そう言うと晴夜はスタークの戦いでフィニッシュに使ったボトルを見せる。

 

「これまでのバトルで、スタークは俺の攻撃を読んでいた。まるで俺の手を読んでいるようだと……でも、最後のこのボトルの特性を知らなかった。

このボトルは龍牙にも秘密にしていたものだ……

俺が持っているボトルの特性を一番近くで知ることが出来るのは龍牙と……あんただけだからな……

…そして、これだ!」

 

そう言って晴夜は持っていたパソコンの画面を見せた。

それは晴夜が修復した父のデータであり、そこには「スタークの正体は『石動総一郎』である。」と書かれていた。

 

「どうなんだよ、なんとか言えよ!」

 

「へっ!チャオ!」

 

「待てよコラ!」

 

そう言って総一郎は玄関のドアを開け、外へ逃げていった。

晴夜も総一郎の後を追いかけていったのだった…

 


次回!Re.ドキドキ&サイエンス!

 

第12話 偽りのヒーロー、ビルドの進化!

 

 




おまけ

晴夜「こんな時間に、俺たちのボトル持ってどこ行くんだよ?」

宇宙怪盗猫「………にゃ?」

晴夜「……誰!?」

貴女の出番はスターでトゥインクルなプリキュアからですよ!?

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