Re.ドキドキ&サイエンス   作:yu-ki.S

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前回までのあらすじ!

晴夜「仮面ライダービルドことてぇんさい科学者の卵 桐ヶ谷晴夜 は、スタークの正体が叔父の石動総一郎 であることを知ってしまいました」

総一郎「それから晴夜はビルドの新フォーム 『ラビットタンクスパークリングフォーム』に変身して、無事に勝利を勝ち取ったのでした…」

晴夜「…いやいやいや、なんであんたがここにいるんだよ!」

総一郎「いい声してんだろ〜ハハッ!声の仕事は得意なんだよ」

晴夜「仕事って言うなよ!」

総一郎「さあ、どうなる?第13話!!」


第2章『ロイヤルクリスタル&レジーナ編』
第13話 唐突!マナ、弟子を取ります


清々しい平穏な日。学校の花壇の横を通過する1人の男子生徒が校舎の前に立ち止まって何かを決意すると、再び校舎へと向かって歩き出した。

 

 

その頃、校舎内では晴夜達が教室の隅で話をしていた。

 

「それにしても……この間は色々あったわね」

 

「まさか、アイちゃんに助けて貰うし、スタークの正体が晴夜君の叔父さんだったり……」

 

「でも、そのおかげでみんなさらに強くなったシャル!」

 

「だけど、喜んでばかりもいれない」

 

「ああ、早く王女様を探せねぇとな」

 

「そうだね」

 

五人が話し合っていると「失礼します!」と、一人の男子生徒が勢いよく叫びドアを開けた。

 

「な、何?」

 

その男子生徒はマナの元へと向かってきた。それを見たシャルル達は急いで晴夜達の後ろへと隠れた。

 

「あ、相田先輩!」

 

「は、はい」

 

「僕を弟子にして下さい!」

 

男子生徒はなんと、土下座をしてマナに弟子入りしたいと頼みこんできた。

 

「で……」

 

「弟子?」

 

 

 

それから少し経って、マナはその男子生徒から弟子入りしたい理由を聞いた。

 

「えーっと……一年B組の早乙女純君だよね……

あ、屋島さん、イス借りちゃってゴメンね」

 

「いえいえ」

 

マナは早乙女純にイスを貸してもらっているクラスメイトに断りを入れていた。

 

「あ、はい!この度は相田先輩に弟子入りしたく、お願い上がりました!」

 

「弟子って何ケル?」

 

「尊敬する人のそばについて、その人から色々な事を学ぶ人の事ビィ」

 

「またか……」

 

「また?」

 

六花のまたか、と言う声が聞こえ、晴夜はどう言うことなのか問いかける。

 

「またって事は、前にもあったのか?」

 

「実はね、マナに憧れる子はたくさんいるから……実はこういう事は初めてじゃないの」

 

「へぇー……」

 

「それで、どうして純君はあたしの弟子になろうと思ったの?」

 

「はい、それは昨日の事です…」

 

マナが質問したところ。純は昨日、大量の本を運ぶ時にフラフラで倒れそうになったがその時、偶然通りがかったマナが助けたらしく、その時のマナが眩しく見えたらしい。

 

「僕はその姿を見た先輩はとても力強く、頼もしく、まるで白馬の王子様の様でした」

 

「白馬関係無いし」

 

「そこは、突っ込まないでおこうよ……」

 

六花のツッコミに対し晴夜が純をフォローするように言うと、純は話を続けた。

 

「僕は、相田先輩のように、強く逞しい男になりたいのです!」

 

「マナ、男じゃないし」

 

「おい……」

 

とまた六花は突っ込んでしまった。

 

「お願いです!僕を弟子にして下さい!」

 

そう言って純はマナに頭を下げて、弟子入りを頼み込む。

 

「いいよ」

 

「「いいんだ……!」」

 

結構あっさりとマナは弟子入りを受け入れた。

 

「本当ですか?」

 

「うん。あたしに出来る事なら協力するよ」

 

「ありがとうございます!」

 

そう言って純はマナに一礼した。それを見た六花はマナに呆れていた。

 

「はぁ〜、また面倒な事を……」

 

「断らない。それがマナ……」

 

「マナらしいよ」

 

「早乙女純!弟子として精一杯頑張ります!」

 

純は立ち上がってマナに敬礼した。

こうして純は、マナの弟子となった。

 

 

それからしばらくして昼休みのチャイムがなると、食堂の方では人混みの嵐となっていた。

 

「いっぺんに言われても分からないよ、順番に並んで」

 

その為、食堂のおばちゃんがかなり困っていた。

 

「はぁ〜遅れた、焼きそばパン買えそうにないな」

 

男子生徒が呟くと、「焼きそばパン欲しいの?」と近くにいたマナが男子生徒に聞き、最後尾から跳ねながら、食堂のおばちゃんに注文する。

それに気づいたおばちゃんは、手が離せないなから手伝ってと、マナに頼み込む。

 

「わかりました!」

 

「えっ?あの、当初の目的とは違うような……」

 

マナは純の言葉を聞かず、人混みの中を潜り抜けおばちゃんの元へと向かう。純も続いて行こうとしたが、人混みの中を潜り抜けず、彼女の元へと向かえずにいた。

 

一方マナの方は売店に到着し、おばちゃんの手伝いを始めた。

 

「さぁ、ご注文をどうぞ」

 

マナはみんなの注文を聞き分け、みんなにパンを配布していく。しばらく経つと、食堂のパンは全部なくなっていた。

 

「完売でーす!」

 

マナが完売だと言うと、最後の焼きそばパンを欲しがっていた男子生徒に渡す。

 

「やった〜!ありがとう会長!」

 

マナは嬉しそうに帰っていく男子生徒を「毎度ありー」と見送ると、食堂のおばちゃんはマナにお礼を言う。

その様子を見ていた晴夜達だが、晴夜が「そういえばマナ、お前自分のパンはどうした?」と尋ねる。

 

「あ!」

 

「忘れてたのね。はぁ〜…」

 

六花は自分のパンを忘れてしまったマナに呆れる。

 

「さすが先輩、自分の分を人に譲ってあげるなんて!なんて心が広いんだ……」

 

一方、マナの行動に感動してる純だが、本人はそうじゃないかったので苦笑する。

 

「みんな〜!」

 

マナは晴夜達に両手を合わせて昼飯のお願いをする。

 

「はいはい、あたし達のお弁当分けてあげるわ」

 

 

その後も、マナは階段から落ちて怪我した生徒を保健室に運び、保健室からの資料を職員室を運んだり、学校内の喧嘩の仲裁をしたり、体育館の掃除、生徒会活動など。学校内での活動が終わると、放課後の校外でも小学生の安全運動など、多くの人を助けていた。当然、純もマナの弟子なので付いていった。

そして、晴夜や六花達もその様子をずっと見ていた。

 

次にソリティアに着くと、アイちゃんのお世話をしていた。

 

「ただいま〜、アイちゃん」

 

マナがアイちゃんをあやしてあげている様子を、純は横で見ていた。

 

「赤ちゃんのお世話までしてるんですか?」

 

「うん!純君も抱っこしてみる?」

 

「え?はい!お手伝いします!」

 

マナは純の腕にアイちゃんを移した。

 

「結構重いんですね」

 

「頑張ってるな彼……」

 

「そうね、大体の人はすぐに挫折しちゃうのに」

 

「そうなんだ」

 

純を見ていると突然、純がアイちゃんに頬を引っ張られていた。

 

「あいたたたたたた……!」

 

「ダメだよアイちゃん!」

 

マナが駄目だと言うと、アイちゃんは頬を引っ張るのやめた。

純は「いえいえ、何のこれしき」と平気そうに言うが、今度は純の髪を引っ張る。

 

「アイちゃん……」

 

「六花、アレを使うケル」

 

「うん」

 

そう言うと、六花はラビーズをコミューンにセットした。真ん中が点滅し始め、円を描くとガラガラが出てきた。

 

その後、純に変わって六花が、ガラガラを使ってアイちゃんをあやす。

 

「あ、純君疲れてるだろ?座ったらどうだ?」

 

「え?そんな悪いですよ、先輩!」

 

「気にすんなよ、ほら、ここ譲ってやるよ!」

 

「あ、ありがとうこざいます」

 

晴夜は立ち上がり、そこに純が座ると疲れが一気に来たのか一息をつく。

 

「疲れてるみたいだな」

 

「マナの手伝いをすれば……」

 

「疲れている時は甘い物が一番です。どうぞ」

 

「ありがとうこざいます」

 

ありすがそう言うと、純は飴を一粒とる。

その様子をマナはジッと見ており、それに純が反応する。

 

「あ、あの……何ですか?」

 

「純君って頑張り屋さんだね」

 

「え?あ、いえ。先輩に比べたらまだまだです。それにしても今日は大変でしたね」

 

「そうだね。でも、楽しいよ」

 

「楽しい?」

 

マナの言葉に純は首を傾げる。

 

「うん。だって、ありがとうって言ってもらえたり、喜んでもらえたりすると嬉しいじゃない」

 

「嬉しい……」

 

「うん!」

 

マナはそう言うが、純にはなぜそう思えるのかわからなかった。

その時、晴夜が語り掛ける。

 

「純君」

 

「はい?」

 

「俺もさ、誰かの役に立ってると心のそこで嬉しくなるんだ。そういうのが、いつも心の支えになっているんだ。それで人の笑顔を見ると、すげぇ嬉しいんだ」

 

晴夜がそう語ると、純が考え込む。

 

(僕はただヘトヘトで、そんな余裕……

それに桐ヶ谷先輩もそんな風になれるなんて……

僕は本当なれるのかな……先輩のように……

いや、頑張れば僕だって……!)

 

「そんな頑張り屋さんの君にこれ。君の望みが叶うように、このお守りラビーズをあげよう」

 

突然現れたジョーが純にラビーズを付けてあげた。

 

「あ、ありがとうこざいます・……」

 

そんな感じで一日が過ぎていった。

 

 

 

 

その頃、ジコチュークラブのボウリング場では…

 

「クソ、プリキュアにビルド、クローズ……」

 

全身に包帯を巻いたベールが現れた。

 

「随分、酷い姿だな〜!」

 

「黙れ!お前だって包帯巻いているだろ‼︎」

 

ベールの言う通り、総一郎もいくつか身体に包帯を巻いていた。この前のビルドの戦いでかなりのダメージを受けていたのだ。

 

「しかし、お前らビーストモードになるわ、ビルドにコテンパンにされるわ」

 

「随分本気出しちゃって」

 

イーラとマーモはベールと総一郎を嘲笑うような言い方をする。

すると、ベールが「もう後がないんだ。それはお前達も同じだろ」と口を開き、それを聞いたイーラ達が黙り込む。

 

「今まではちょっと遊んでやっただけさ」

 

「そうよ、パックで忙しいのよ」

 

何やら言い訳がましい開き直りのような発言をすると、総一郎が二人に忠告する。

 

「キングジコチュー様は大変お怒りのご様子だぞ。このままだと、お前らもただでは済まないかもな〜」

 

「いいさ。だったら……本気でやってやろうじゃん!」

 

イーラがそう言って立ち上がり、ボウリングの球を掴んで振り上げた。

結果はガターで、後ろにいたマーモが軽く笑っていた。

苛立ってイーラは今度は大量の球を振り上げ、ピンを全て倒す。

 

「ズル〜い」

 

「要は倒せばそれでいいんだろ。やってやるさ……プリキュアに仮面ライダー……絶対に倒す!」

 

 

 

 

そして、翌日。今日も純はマナの弟子として付いていた。

今日は学校の図書館で本を探すのを手伝っていた。ある程度の数を取ると、大量の本を机に置き始める。

 

「これ、全部読むんですか?」

 

純が本を積み上げながら尋ねる。

 

「うん。相談された事の参考になりそうだから一通りね」

 

「流石先輩!」

 

その後、純はメモに書いてあった本を見つけ、背伸びして取ろうとするも中々取れなかった為、マナが後ろからその本を取った。

 

「上の本は、あたしが取るよ」

 

「すみません……」

 

純は申し訳なく感じていた。その様子を晴夜達は見ていた。

 

「よく続くわね」

 

「あの子、努力家だわ」

 

「でも、あいつ元気が無いみたいだな」

 

「はあ……」

 

本棚を見上げた純が腰をおろし、ため息をつくその姿を見た晴夜は、彼の気持ちを察した。

 

 

そして、放課後なると。今度はテニスコートで、ジャージ姿のマナが対戦相手に強烈なサーブを放つ。

 

「だぁーっ!」

 

強烈なマナのサーブに、テニス部の部員は反応出来なかった。

 

「凄い……今度の試合の相手のサーブにそっくり……!」

 

「こんな感じー?」

 

「はい!お願いします!」

 

それを見ていた純は、マナの凄さを改めて感じた。自分には今のマナのような事はとても出来ないと思っていた。

 

その後、マナは道具を片付けて、鞄を持ちテニスコートを出ようとした。

 

「じゃあ、試合頑張ってね」

 

「あ、持ちますよ!」

 

「え?でも……」

 

純はマナの鞄を代わりに持とうとした。

しかし、マナの鞄は以外に重く、小柄な純には持ち上げる事が出来なかった。

 

「今日は重いから、自分で持つよ」

 

そう言ってマナは軽々と鞄を持ち上げ、先に歩いていった。

その姿を見た純は、自分とマナの差を日に日に感じていた。

 

 

その帰り道。純はマナ達五人の後ろを歩いていた。

 

「ありす」

 

「皆さん、ごきげんよう」

 

五人の前に、リムジンから降りたありすがいた。ありすは後ろに歩いていた純に気付き、軽く一礼して笑顔を作る。それに気付いた純も一礼した。

 

「今日もマナちゃんのお手伝いですか?」

 

「はい」

 

「それはお疲れ様です」

 

――お疲れ様。これを聞いた時、自分はマナの近くにいっても自分は何もしていないのではないかと感じていた。

すると、強い風が吹き、近くで遊んでいた女の子の帽子が飛んでいった。

 

「任せろ!」

 

晴夜は飛んだ帽子を追いかけ始め、純も帽子を追いかける。

だが、晴夜の方が足は速く、純は息を切らしていた。

次の瞬間、純は足を引っ掛けて転んでしまった。それと同時に晴夜は飛ばされた帽子を掴んむ、そしてそのまま掴んだ帽子を女の子に渡した。

 

「はい、もう飛ばすなよ」

 

「ありがとう!お兄ちゃん!」

 

女の子は笑顔で晴夜にお礼を言って、友達の元へと戻っていった。

 

「ナイスキャッチ!晴夜君」

 

マナは親指を立てて晴夜に言うと、晴夜も親指を立てて返す。

…しかし、その姿を見た純は晴夜にも差があるのだと感じていた。

 

(僕は……背も低くて、足も遅くて、力も無くて……

どんなに努力しても……僕は先輩達みたいにはなれない……

強く……大きくなりたい……!先輩達よりも……)

 

純が心の中で呟くと、彼の心のプシュケーが黒く染まりだす。

 

(なれるわけないか……)

 

しかし、そう呟くと心のプシュケーは染まらなくなった。

 

「なっちゃえばいいじゃん」

 

「え?」

 

突然、純の耳元で囁くイーラ。

 

「お前の望み、叶えてやるよ」

 

イーラは指を鳴らすと同時にプシュケーが真っ黒に染まり、純の心から取り出される。

 

「純君⁉︎」

 

「大丈夫か⁉︎」

 

マナと晴夜は倒れた純の元に向かう。

 

「さて、たまには気合入れなきゃな……

お前の闇を我に捧げよ!」

 

イーラはプシュケーに闇を加えて圧縮し、自らの口にプシュケー放り込んだ。

イーラがゾウのジコチューと一体化し、ビーストモードとなった。

 

「何だ?どうした?」

 

マナ達はビーストモードとなったイーラの姿にまじまじと見ていた。

 

「あれは……ゾウか?」

「ゾウね」

「ゾウですわ」

「ああ、黄色いゾウだな」

「か、カワイイ……」

「ゾウさんカワイイランス〜」

 

「……カワイくねえよ!」

 

真琴とランスはイーラのビーストモードとなった姿に見惚れていた。

イーラの今の自分の姿がカワイイと言われてるのを必死で否定する。

 

「みんな行くよ!」

 

晴夜と龍牙はドライバーを装着し、ボトルを取り出した二人はドライバーに差し込んだ。マナ達四人はコミューンになったシャルル達にラビーズをセットした

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』

 

音声が鳴り終わると二人はレバーを回し、ドライバーからアーマーが形成されると音声が響く。

 

『『Are you ready?』』

 

「「変身!」」

「「「「プリキュア!ラブリンク!」」」」

 

晴夜と龍牙の体にアーマーが装着され、変身を完了させ。マナ達四人は光が体を包み、プリキュアへと姿が変わった。

 

『ラビットタンク!イェーイ!』

『Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』

 

「みなぎる愛!キュアハート!」

「英知の光!キュアダイヤモンド!」

「陽だまりポカポカ!キュアロゼッタ!」

「勇気の刃!キュアソード!」

 

「「「「響け!愛の鼓動!ドキドキプリキュア!」」」」

 

「愛を無くしいた悲しいゾウさん!このキュアハートがあなたのドキドキ、取り戻してみせる!」

 

ハートは胸にハートマークを作り、ビーストモードのイーラに言う。

 

「ドキドキなんて、いらねえよ!」

 

鼻を振りかぶり、攻撃しようとしたが、ロゼッタが防ぐ。

 

「はぁぁぁ‼︎」

 

「オラァ‼︎」

 

攻撃を防いでいる隙にクローズとソードが繰り出すが、かわされて蹴飛ばされる。

 

「「グワァ‼︎」」

 

ダイヤモンドがすかさず攻撃しようとしたが、イーラはロゼッタを鼻で拘束し、盾にして攻撃を防ぐ。そして鼻を振り下ろしてダイヤモンドとロゼッタを吹き飛ばす。

後ろからハートが攻撃するも、反撃を受けて吹き飛ばされてしまった。

 

「ウワァ!」

 

「ハート!」

 

「ならば久しぶりにこいつだ!」

 

ビルドは2本のボトルを取り出し、ドライバーのボトルと取り替えた。

 

『ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!』

 

レバーを回すと、アーマーが形成された。

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

新たに二つのアーマーが装着された。

 

『ゴリラモンド!イェーイ!』

 

ゴリラモンドとなったビルドはイーラビーストの反撃を始める。

 

「がっ……!」

 

ビルドの攻撃が命中し、イーラビーストは態勢を崩した。

 

「この〜、お前も邪魔だ!」

 

イーラが叫んでから再び鼻を振りかぶる。

 

「ぐ……!」

 

イーラの攻撃をゴリラの腕でガードするが、後ずさってしまう。

 

「強い……」

 

「確かにゾウはかなりのパワーがあるからな」

 

「カワイイのに……」

 

「カワイイって言うな!」

 

「その姿で言われてもな……」

 

イーラはダイヤモンドの言葉を否定するが、説得力はないに等しい。

 

「言っとくけど、今日の僕は本気だぜ」

 

イーラが本気だと言うとハートが立ち上がる。

 

「当たり前でしょ!純君を助けなきゃ!」

 

「助けるも何も、僕はコイツの望みを叶えてやってるだけさ。なぁ?」

 

イーラはこれは純の望みだと語ると、純の心の声がハート達に聞こえた。

 

『強くなりたい……大きく、逞しく……!』

 

「ほらな。これがコイツの望みなのさ」

 

「違う!こんなやり方、純君の望みじゃない!」

 

ハートはこれは純の望みじゃないと否定するが…

 

『でも僕は……先輩みたいにはなれないんだぁぁぁーーー!』

 

純の心がそう言うと同時にプシュケーが赤く染まりだすと、鼻から水の弾が放ち、ハートを吹き飛ばす。そのまま後ろにいたソードにも水の弾を放つ。

 

「あなた、マナの何を見てたの!強ければマナみたいになれるの⁉︎……そうじゃないでしょ!」

 

手刀で水の弾を切り裂いたソードが叫ぶと、イーラビーストはソードを殴り飛ばす。

その隙にダイヤモンドの回し蹴りをしたが、イーラビーストも回し蹴りで受け止める。

 

「マナだって、最初からなんでもできたわけじゃない!

誰かの力になりたくて、頑張り続けたから、今のマナがあるのよ」

 

そう教えるダイヤモンドだが、イーラとの力勝負に負けて、蹴り飛ばされる。

イーラは今度はハートに向かって再び水の弾を発射した。するとロゼッタがハートの前に立った。

 

「出来る出来ないでは無く、大切なのは誰かの為に何かをしたいマナちゃんの心!強さとは、その事です!」

 

ロゼッタウォールで防ぎながらロゼッタが叫ぶと、次にクローズがイーラの前に現れ、力強い拳で攻撃しようとした。それに対しイーラも拳で応戦した。

 

「マナの事、俺はまだ会ったばかりでわからない所はあるけど、誰かの為に一所懸命なれるから、マナは強いだと俺は知った!」

 

クローズが叫びながら、イーラに力勝負に勝った。

そして、ダイヤモンド達の思いを聞いたハートは…

 

「みんな褒め過ぎ……」

 

「「「「えっ?」」」」

 

「あたしだってしょっちゅう失敗したり、落ち込んだりしてる」

 

と立ち上がり、ハートはジャンプしイーラに攻撃した。

 

「純君と同じだよ」

 

ハートが放った一撃をイーラは鼻で防ぐ。

 

「無駄さ。聞こえや―――」

 

『海賊!電車!ベストマッチ!』

『Are you ready?』

 

「あん?」

 

どこからか鳴り響く音声にイーラは戸惑い出すと、再び音声が鳴り響く。

 

「ハート離れろ!」

 

『海賊電車!発車!』

 

「どわっ!」

 

ビルドに言われ、ハートはイーラビーストから離れると、イーラビーストは後ろから攻撃を受け、前から倒れた。

ハートが攻撃した方をみると、海賊レッシャーフォームへと変わったビルドによるカイゾクハッシャーから発射された攻撃だった。

 

「純君……最初から完璧な人間なんてそうはいない、時には失敗したりする!

それに人の真似をしても、その人にはなれない!

それは、その人じゃないからだ!」

 

「うるっせぇんだよ!」

 

ビルドが説教するとイーラは怒り出し、ビルドに向かって連続で水の弾を放ち吹き飛ばす。

 

「ぐぅっ!」

 

「晴夜君!」

 

「他人に気を取られている場合か!」

 

イーラは鼻を振りかぶり、ハートも吹き飛ばす。

 

「トドメだ!」

 

イーラビーストの放った一撃がハートに命中したかに思えた。

――だがその一撃は、ギリギリの所で免れていた。

 

「は、外れた⁉︎」

 

「何で?」

 

「ええい!」

 

今度は踏み潰そうとするが、寸前で止まった。

それから攻撃しようとしたが、イーラの足は動かなかった。すると、純の心のプシュケーが白くなっていた。

 

「プシュケーが!」

 

「そうか!純君の心が抵抗してるんだ!」

 

「なるほどそういう事か……

(純君、どうやら君の心に届いたようだな)」

 

「ほら、やっぱり。あたしみたいにならなくても、純君はとっても素敵だよ」

 

ハートが感心していると、イーラは白くなった純のプシュケーを強引に再び黒く染める。

そして、今度こそ踏み潰そうとするが、ハート達四人に抑えられる。

 

「いつも頑張ってる純君にあたし……キュンキュンした!だから!君のハートは渡せない!」

 

ハートが足を抑えながら言うと、ハートはソード達三人の顔を見て首を縦に振る。

 

「純君を……返せーっ!」

 

四人はそのままイーラビーストを投げ飛ばした。

イーラが立ち上がろとすると目の前にビルドが立っていた。

 

「さて、覚悟はいいかな?」

 

ビルドがそう言うと、ラビットタンクスパークリングを取り出し、ドライバーに差し込んだ。

 

『ラビットタンクスパークリング!』

 

ドライバーのレバーを回すと、前後からアーマーが形成された。

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

二つのアーマーが装着されるとビルドの周囲から無数の泡が噴出され、音声が鳴り響く。

 

『シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イエイ!イェーイ!』

 

ビルドの新フォーム、ラビットタンクスパークリングが装着された。

 

「勝利の法則は、決まった!」

 

「これは……!」

 

「ハァッ!」

 

ビルドが決め台詞を言うと、そのままイーラビーストに攻撃し、イーラを吹き飛ばす。

 

「クソ……こいつがスタークが言っていた、ビルドの新たな力か……」

 

「よそ見している場合かよ!」

 

後ろから現れたクローズがビートクローザーを構え、ビートクローザーにロックボトルを差し込む。

 

『スペシャルチューン!』

 

ボトルを差し込むと、クローザーのグリップを2回引っ張った。

 

『ヒッパーレ!ヒッパーレ!ミリオンスラッシュ!』

 

ビートクローザーから出たエネルギーがイーラビーストを捉えて拘束した。

 

「今だ!」

 

「わかったわ!」

 

「「「「ラブハートアロー!」」」」

 

四人が叫ぶとラブハートアローが現れた。

ソードはラビーズをセットした。

 

「プリキュア!スパークルソード!」

 

クローズが動きを封じているうちにソードがスパークルソードを放つ。

水の中に封じ込めるとクローズは拘束を解除した。

 

「バカが!動けるようになればこっちのモンだ!」

 

今度は上にロゼッタが現れ、それに気づいたイーラビーストが水の弾を放つ瞬間、ロゼッタはラビーズをセットした。

 

「プリキュアロゼッタ!リフレクション!」

 

ロゼッタリフレクションを発動されて、水の弾を防ぎ、水の中に閉じ込める。その隙にダイヤモンドがラビーズをセットした。

 

「プリキュア!ダイヤモンドシャワー!」

 

ダイヤモンドがダイヤモンドシャワーを放ち、イーラビーストを水ごと凍らせる。

 

「何だよコレ!クソ!抜けねぇ!」

 

「ハート!ビルド!トドメよ!」

 

「ああ!」

 

「わかった!」

 

二人にそう言うと、ビルドはドライバーのレバーを回し、ハートはラビーズをセットした。

 

「行くぞ!」

「うん!」

 

ビルドがハートに言うと、高くジャンプした。

 

『Ready go!』

『スパークリングフィニッシュ!』

「プリキュア!ハートシュート!」

 

「強くなりたいって言う純君の思い、まっすぐな願い、それは決して、ジコチューなんかじゃない!」

 

ハートの放ったハートシュートとビルドのスパークリングフィニッシュがイーラに命中し、そのままジコチューは消滅し、プシュケーは純の元へと戻った。

 

「キュアハートめ……ビルドめ!」

 

負けたイーラはそのまま撤退した。

 

 

 

それからしばらくして、目を覚ました純はマナに膝枕されていたことに驚き、慌てて立ち上がった。

 

「あれ?僕は何を……」

 

「ちょっと昼寝してただけだよ」

 

「え?」

 

「? どうかした?」

 

「いえ……」

 

 

 

それから数日、純はマナの前に現れなくなった。

 

「最近来なくなったなあいつ」

 

「純君、どうしたのかな?」

 

「ん?」

 

「どうした?」

 

マナが急に立ち止まると、目の前によく手入れされた綺麗な花壇があった。

 

「気に入ってもらえました?」

 

「純君!」

 

花壇の後ろからエプロンを着ていた純が現れた。

 

「この花壇、もしかして純君が?」

 

「ええ」

 

「すごいな、お前!」

 

純は、自分にはやはりマナみたいに強くはなれなかった、と語る。

でも、自分の植えた花を誰かが見て、笑顔になったり、元気なってほしいと思い、花壇に花を植えた、とマナ達に伝えた。

その後、純はマナに弟子になりたいと言った事を謝罪した。

 

「ううん、スゴイよ純君!こんな花壇作れるなんて!あたし、感動した!」

 

マナがそう言うと純が照れくさい様子で微笑んだのだった。

その後、純は晴夜の方を見た。

 

「桐ヶ谷先輩!先輩が言っていた。人の笑顔を見ると嬉しい気持ちなるって、今ならわかる気がします!」

 

「そっか……最高な気持ちになれるだろー!」

 

「はい!」

 

(純君が笑顔になって、よかった)

 

マナは純の笑っている今の姿を嬉しく思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅーん、あれがプリキュアか」

 

…そして校舎の上で、謎の少女がマナ達を見て、そう呟いたのだった。

 


次回!Re.ドキドキ&サイエンス!

 

第14話 ロイヤルな発見⁉︎ 王女の手がかり

 

 




おまけ

純「弟子にして下さい!!」

マナ「わかったわ!」



翌日

マナ「違うわよ純君!もっと腰を下ろして、力強く叩いて!」〈ドンドコドコドン!〉

純「はい!!」〈ドンドコドーン!〉

龍牙「・・・なんで太鼓の演奏の練習をしているんだ?」

晴夜「知らないよ」

鍛えてますから!〈シュッ!〉

完
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