――そして、もう一つの「ドキドキ!プリキュア」…
――もしかしたら、あったかもしれない、2つの…もう一つの物語…
プロローグ
そこは、地獄だった。
本来ならば青い空が広がっているはずが、今は赤くなっており。地上には人が住んでいる町だったものが、瓦礫としてあたり一面に広がっていた。
もし、それだけだったのならばまだどれほど良かったものだろうか。
空には巨大なコンドルやカラスの様な怪物が飛んでおり、地上にはこれはまた巨大なクモやゴリラ、イカ等といった怪物がうじゃうじゃいた。
しかし、奴らの周りには、人一人居なかった。
……いや、訂正しよう。二人だけいた。
そこにいた一人は紫色のコスチュームを着た少女で、もう一人は仮面の人物であり。
そこで彼らは、一緒に巨大な怪物達に囲まれて戦っていた。
「はぁぁぁ!!」
「オラァ!!」
「ジコォ!?」
紫色のコスチュームを着た少女、『キュアソード』は『ジコチュー』と呼ばれている怪物に向かってキックを食らわせており、
仮面の人物、『クローズ』はジコチューに向かってパンチを繰り出していた。
「どけぇ!邪魔だぁ!!」
敵のあまりの多さに苛立ったのか、クローズは腰に付けていたドライバーのレバーを回した。
『Ready go!』
『ドラゴニック フィニッシュ!』
するとクローズの背後に蒼い龍のエネルギー体が現れ、そのままクローズに向けて火炎を吐くと、それに乗ったクローズはジコチューに向けてキックを叩き込んだ。
「「オ〜〜〜マイ〜〜〜ガ〜〜〜‼︎」」
それによってクローズの周りにいたジコチュー達は浄化され、そこから羽根の付いた小さいハートのようなものが出てきて、そのまま何処かへ飛んで行った。
一方、キュアソードも“コミューン”と呼ばれるものにキュアラビーズをセットする。
「閃け!ホーリーソード!」
キュアソードが光の剣を無数に放ち、それがジコチュー達に直撃すると、ジコチューは次々に浄化されていく。
そして、ジコチュー達の目はハートに変わった。
「「ラブ!ラブ!ラ〜ブ!」」
そう言って、ジコチューの姿は小さいハートへと変わり、そのまま飛んで行った。
――しかし、それでも敵は全く減らない。
「くっ!!」
「クソッ!キリがねぇ!何匹いんだよ!?」
二人は顔を歪ませながら、そう愚痴っていると…
『よっ‼︎ 張り切ってるじゃね〜か「キュアソード」……そして「クローズ」?』
「「!?」」
突如、キュアソードとクローズの背後から、頭から煙突のようなものが突き出ていて、血の様に赤いワインレッドのコブラがモチーフの怪人が現れ、二人に話し掛けた。
「あ…あなたは一体……」
『俺か?俺の名は「ブラッドスターク」、以後お見知り置きを……』
ソードは突然現れた怪人に驚いていた。そして同時に警戒心を高めた彼女へ、怪人は自らをその様に自称した。
それを見ていたクローズは、直感的に相手が只者でない事を悟った。
「……ソード、先に宮殿に行っててくれ」
「!? 何言ってるの!!こんなところにあなたを置いていけないわ!」
先に宮殿という所に行くように促すクローズに、ソードはクローズとまだ一緒にいると言うが…
「ダメだ!」
「!?」
そんなソードにクローズはダメだと言った。
「あっちには王女様もいる、お前は王女様を助けに行くんだ!!」
「ッ!……わかったわ」
ソードはクローズの言う通り、王女と言われた人物の所へ行くことにした。
「…………必ず戻って来てね」
「当たり前だ!」
彼女はそれだけ呟くと、王女の下へと行くべく、その場をクローズに任せて離れていった。
その様子を、ワインレッドの怪人『ブラッドスターク』は感心しながら見ていた。
『ほぅ〜、お前一人でここに残ることになったか〜』
「……お前は一体なんなんだ」
『おっと!そんな怖い顔するなよぉ〜、ちょっとお話をしようと思っただけじゃねぇか〜
……それとも、こんなダンディーな声をした俺が怪しいって思ってんのか?』
スタークはそう言うが、怪物がうじゃうじゃいる所を平然と歩いている時点で怪しさ満点である。
「うるせぇ!なにもんだお前は!!」
クローズは怪人が何者なのかもう一度問い正した。
『……俺が何者なのか?そうだな〜…』
そう言うとスタークは、手に持っていたライフルのような武器をクローズに向けた。
『スチームショット!コブラ!』
ライフルから音声が鳴ると、そのままクローズに向かってエネルギー弾を撃ち出した。
クローズはそれを避けようとしたが、弾は不規則に動いてクローズを翻弄しているため避けることが出来ず、そのまま当たってしまった。
「ぐあぁ!!?」
『「キングジコチュー」の側近……と言った所だなぁ』
ずっと怪物達と戦い、疲労が溜まっていた影響もあってか、スタークの攻撃によってクローズはそのまま変身が解除され、少年の姿に戻ってしまった。
「ぐっ………うぅ…」
『悪いな〜こんなことして。
……だが、これも俺の計画に必要なことなんだ』
「くっ…そぉ…」
『だが安心しろ』
そう言うと怪人は少年の近くまで近づいてこう言った。
『お前の相方には手を出さないでいてやる……今はなぁ〜』
それを聞いた少年は怪人に攻撃しようとしたが、ダメージが大きかったのか動くことができなかった。
「くっ……ま……こ…………」
最後にそう言い残した少年は、次の瞬間から目の前が真っ暗になった。
―――そしてその日、一つの国が滅びた。
……それから数日後、横浜某所のとある工場跡地。
ここに一人の少年が一体の怪物に立ち向かっていた。
「……こんな奴、本当に倒せるのかよ?」
目の前にいる怪物を倒せるのか不安だった少年は、2本のボトルを取り、振り出した。
すると、少年の周りからいくつもの化学式と数式が現れた。
「さぁ、実験を始めようか……」
突如現れた化学式と数式に驚きながらも、少年はボトルを腰に付けていたドライバーに差し込む。
『ラビット!タンク!ベストマッチ!』
音声が鳴り終わるとベルトのレバーを回した。それに対応するかのように歯車が回り、前から赤いプラモデル部分のようなものが出てきて、さらに青い同型が後ろから出てきた。
そして、再び音声が流れた。
――まるで、その少年に問いかけるかの様に……
『Are you ready?』
「えっ? えっと……変身!」
二つのアーマーが合体し、少年の体に装着された。
その瞬間、音声が鳴り響く。
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!』
「えっ!すげぇ……」
この初めての変身が今後の彼の人生を大きく変える出来事だった。
――それから、1ヵ月の時が経った。
次回!Re.ドキドキ&サイエンス!
第1話 ベストマッチな奴とハートの誕生!
…というわけで原作者のユート氏から許可を頂いて、 書かせていただきました。
ユート氏の作品はストーリーなどは私的には面白いかったのですが、誤字脱字が多かったので誠に勝手ながらやらせていただきましたぁん!(ジョセフ並感)
ユート氏、この度は誠にありがとうございました。orz