Re.ドキドキ&サイエンス   作:yu-ki.S

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前回までのあらすじ!

晴夜「仮面ライダービルドことてぇんさい科学者の卵 桐ヶ谷晴夜 は、キュアエースこと 円亜久里 に出会い、なんやかんやあって野点をすることになりました!」

龍牙「するとそこへジコチューとブロス達が現れ、その戦いの最中、亜久里がキュアエースとして変身できるのは5分間だけだということが判明してしまいました!」

和也「それにしても、時間制限付きのプリキュアだなんて……まるでウルトラマンみたいだな!」

エース『シュワッチ!!』

あぐり「変な想像しないで下さる!?」

龍牙「そうだぞ!失礼だろ、ウルトラマンと比べるのは!ウルトラマンは3分しか活動できないけどキュアエースは5分も行動できるんだぞ!!」

晴夜「いや、そう言う問題じゃないから。
……さあ、ここにいる筋肉バカはほっといて、第32話始まるぞ!」


第32話 サマーエンジョイ!お祭りで大騒ぎ

夏休みが始まり、晴夜達は強くなるため体力作りのために全員でランニングに勤しむ。

 

「いくら何でも、毎朝ランニング十キロはキツくない……?」

 

既にヘロヘロになった六花が亜久里に尋ねる。

 

「何を甘えた事を言っているのですか!」

 

「分かってるって。あたし達はトランプ王国を救うために、もう一段上のステージに登らなければならない!」

 

「そのための強化トレーニング!」

 

「それも今日で十日日!遂に最終日です!」

 

「思ったより長かったな〜」

 

みんなは今日までの十日間、このトレーニングを続けてきた様だ。

 

「それに、これは桐ヶ谷さん、あなたのためでもあるんですよ!」

 

急に亜久里は晴夜の方を向き、これは晴夜の為でもあると語る。

 

「えっ?どういうことなの」

 

「あなたは、理屈で強くなろとするのが、いけません!

時には、体を鍛えて強くなってみてください!」

 

「は、はい……」

 

亜久里の発言に、晴夜は何も返す言葉がなかった。

 

「そうだよな、晴夜って理屈だけって時があるからな」

 

「お前の場合、だだバカなだけだろ」

 

「バカってなんだよ、バカって!!」

 

晴夜が龍牙に言うと走りながらいつもの口喧嘩が始まった。

 

「お前ら、走りながらよくできるな」

 

全員はゴールである学校へと到着した。

 

「あの子、また来てる……」

 

「森山さん―――」

 

その時、ゴール前の学校で一人の少女が走っている晴夜達を見ていた。

 

「やっと、ゴールだ……!」

 

ゴールの学校に着くと六花は疲れて倒れこむ。

 

「大丈夫六花?」

 

「大丈夫じゃないわよ……!」

 

「ほら、水だ」

 

和也がペットボトルの水を渡し、六花は渡された水を一気に飲む。

 

「生きかえる〜……」

 

「お腹空いた~!」

 

「では、私のお家で朝食をご一緒しましょうか」

 

「マジかよ!よっしゃあー!」

 

「なら今から―――」

 

みんなが四葉邸へ朝飯を食べに行こうとすると…

 

「ダメです!休んでる暇はありませんわよ!」

 

いきなり亜久里がダメと言い出す。

 

「最終日は夜までスケジュールがビッシリなんです!」

 

亜久里は晴夜達に、この後の予定が書かれたスケジュールの紙を見せる。

 

「えっ⁉︎ こんなにやるの?」

 

ビッシリ書かれたトレーニングメニューを見て、晴夜は驚くというか、これはやり過ぎだと思った。

 

「みんなで夏祭りに行こうと思ってたのに~!」

 

「トレーニング優先です!」

 

マナは祭りに行きたいと言うが、亜久里はトレーニングが優先と強く訴える。

 

「そんなぁ~!」

 

マナは涙目になると流石に他のみんなもやり過ぎだと思う。

 

「トレーニングには私も賛成だけど……」

 

「ちょっと厳し過ぎませんか?」

 

「うんうん!」

 

「いくらなんでも、ここまでやるのかよ……」

 

「俺でも、こんなには出来ねえよ」

 

龍牙達も無理だというと、晴夜は亜久里が用意したスケジュールの紙を取った。

 

「何をするですか?」

 

「亜久里ちゃん、理屈だけどあまりここまでやるといざ戦う時、身体が動かなくなるかもしれない……

たまには、身体を休めることもトレーニングだと、俺は思うけど」

 

「ですが……」

 

亜久里が言いかけると周りがボヤけて倒れてしまう。今日までの過度な運動のし過ぎで貧血となってしまったようだ。

 

「大丈夫⁉︎」

 

「亜久里ちゃん!」

 

晴夜達を見ていた少女が叫ぶと、倒れる寸前で晴夜が救う。

 

「あの……」

 

「大丈夫、多分疲れて倒れたんだと思うよ」

 

日影に場所を移し、亜久里をベンチに寝かせ、六花が水で濡らしたハンカチを額に乗せる。

 

「しばらく休めば、よくなると思うわ」

 

「良かった……」

 

亜久里は大丈夫だと言われ、少女はホッとする。

 

「起きたら水分補給させないとな」

 

「亜久里ちゃんのお友達ですか?」

 

「と、友達って言うか、同じクラスってだけなんですけど……」

 

彼女は亜久里のクラスメートらしい。

 

「お名前は?」

 

「森本エルです」

 

「エルちゃんか。亜久里ちゃんって学校ではどんな感じなんだ?」

 

「あたしにも教えて!」

 

晴夜とマナはエルに、亜久里は学校ではどんな感じかと尋ねる。

 

「はい!」

 

 

「亜久里ちゃんは普段からとっても大人ぽくて、相手が上級生でも、自分が正しいと思った事は堂々と意見する事が出来て、カッコ良くて……!」

 

エルは亜久里での学校での事をみんなに話す。

 

「あたし達といる時と一緒だね」

 

「だから、お姉さんとお兄さん達とも仲良しなんだと思うけど……同じ年の私達には興味が無いみたいで……」

 

「えっ?なんか気に触る事をしたとか?」

 

「いえ!無視するとかじゃないんです!

誰とだっておしゃべりするし、グループ活動だってちゃんとやるし―――

でもそれ以上、深くは付き合おうとしないって言うか……」

 

(もしかして、戦いに巻き込みたくないからなのか……)

 

晴夜は亜久里が学校のみんなと深く付き合わないのは、ジコチューとの戦いに巻き込こませたくないからというのが理由だと考えた。

 

「エルちゃんは、亜久里ちゃんと仲良くなりたいんだね」

 

「いえ、別にそんな……」

 

「そーゆー事なら、お姉さんに任せなさい!」

 

「出た、幸せの王子……」

 

「あんまり変な事するなよ?それで失敗した例があるからな」

 

「大丈夫だよ!」

 

和也の心配に対してマナが大丈夫だと自信満々に言うと、亜久里が目を覚ました。

 

「亜久里ちゃん!良かった……!」

 

「森本さん……」

 

亜久里が目を覚ますと、隣にクラスメイトである森山エルがいる事に気づく。

 

「亜久里ちゃんを心配して、一緒にいてくれたんだよ」

 

「わたくしはもう大丈夫です。特訓を再開しま―――」

 

言葉の途中で晴夜が亜久里の肩を抑える。

 

「さっき倒れたばかりだろ、これ以上やると本当に身体が持たないよ」

 

晴夜が亜久里に言うと、続けて六花達も語りかける。

 

「これ以上無理しちゃダメよ」

 

「調子の悪い時に無理したら、返って体に良くないわ」

 

「たまには息抜きも必要です」

 

「それに、飯を食べる事だって身体作りに大事だぜ」

 

「そうそう、『腹が減ってはなんとか』ってな」

 

「『腹が減っては戦は出来ぬ』だ。いい加減覚えろよ、バカ」

 

「バカってなんだよ!バカって!」

 

晴夜と龍牙の口喧嘩がまた始まった。

 

「と言うわけで、今日の特訓はこれでしゅーりょー!

今晩はエルちゃんと一緒に夏祭りに行くといいんじゃないかな!」

 

マナは今日の夏祭りに行こうとみんなに提案する。

 

「夏祭り……?」

 

「うん!花火大会もあるし、スーパースペシャルに美味しいスイーツもあるよ!」

 

「スーパースペシャルに美味しいスイーツ⁉︎

……そんな事で釣られるワケには行きませんわ」

 

亜久里はスーパースペシャルに美味しいスイーツと聞いて目を輝かせたが、すぐに正気に戻る。

 

「エルちゃんはどう?」

 

「あ、亜久里ちゃんが良ければ行ってみたいな……」

 

「じゃあ決定だね!」

 

「でも……」

 

「友達とのお付き合いも、大切な事だ」

 

「分かりました……」

 

「やったぁ!じゃあ七時にお祭り広場の階段の所に集合ね!」

 

「はい!じゃあ亜久里ちゃん、七時に!」

 

「気をつけなよー!」

 

エルはみんなに手を振って帰って行った。

 

「何故ですか……?」

 

亜久里が晴夜達にトレーニングを止めるのは何故と問う。

 

「わたくしもお友達と遊ぶ事は否定したりはしませんわ。

でも、今はそれよりも他に優先すべき事があるハズです!」

 

「もしかして、学校で友達を作ろうとしなかったのも、それが理由?」

 

「その通りです」

 

「まあ、戦いに巻き込ませたくない気持ちは分かるけど」

 

「昔の私もそうだった。もちろん、今でもトランプ王国の事は忘れてないわ。

……でもね、みんなと付き合う事で、多くの事を学んだの」

 

真琴がみんなのおかげで多くのこと学べたと言う。

 

「亜久里ちゃん、友達っていいものだよ」

 

「俺も友達ってのは最高のものだって、こいつに教えられたんだぜ」

 

龍牙も晴夜のおかげで友達を仲間の大切さを学べたと言う。

 

「分かりましたわ……」

 

「じゃあ腹も減ったし、朝ご飯も食べに行きますか」

 

「そうだね。そう言えば朝ご飯まだだったし」

 

「では行きましょうか」

 

朝食を取るために、みんなは四葉邸へと足を運んだのだった。

 

 

 

 

その頃、ジコチュークラブのボウリング場では、リーヴァが苛立っていた。

 

「キュアエースめ……!私の方が美しいのに、私より目立つなんて……!」

 

「ムカつくよな」

 

これまで自分達の邪魔をし、尚且つ自身よりも目立っているエースを邪魔に感じていた。

 

「それに、ビルドよ!あんなフォームをまだ持っていたなんて!」

 

更に前回の戦いで、ビルドがハザードフォームでブロス達を圧倒していたことにも悔しがっていた。

 

「キュアエースとビルドさえ葬り去ってしまえば、後はどうって事無いのよ……!」

 

「ムカつくよな」

 

「……さっきから何食べてんのよ」

 

「のびーるアイスだ」

 

「のびーるねぇ……そう!それよ!」

 

グーラのアイスを見てリーヴァが何かを閃いた。

 

「やらねーからな」

 

グーラが体を逸らし、アイスはやらないとリーヴァに言う。

 

「アイツがキュアエースでいられるのは5分だけ!

そしてビルドのあのフォームは時間になりさえすれば、あとは勝手に暴走する!

のびーるバトルで変身の解除と暴走をすればこっちのモンよ……!」

 

 

 

 

リーヴァの次の作戦が決まった頃、大貝町では、時が過ぎて夜の七時。晴夜達は待ち合わせ場所のお祭り広場の階段の所へと歩いていた。

ちなみにマナ達四人は浴衣姿だが、晴夜達三人はいつも通り私服だった。

 

「ちゃーんとぬいぐるみのフリをしてるのよ」

 

「「「「任せるシャル(ケル)(でランス~)(ビィ)!」」」」

 

シャルル達にぬいぐるみのフリをするようにと警告する。

 

「大丈夫かな……」

 

「多分大丈夫だと思うよ。誰も気にしてないようだし」

 

晴夜の言う通り、みんなはシャルル達をぬいぐるみだと思い込んでいる様子だった。

 

「エルちゃーん!お待たせー!」

 

先に来ていたエルを見つけ、手を振って声をかける。

 

「あの……亜久里ちゃんは?」

 

 

その頃亜久里は、先に祭りの中心である屋台に一人でいた。

 

「美味しそうなスイーツがたくさん!早く食べた~い!」

 

様々な屋台の食べ物を見て目を輝かせていた。

 

「円さん?」

 

亜久里が声が聞こえた方を向くと、一人の少年がいた。

 

「柴咲さん……」

 

彼の名は柴咲幻冬。亜久里とエルのクラスメイトの一人である。

 

「珍しいですね、円さんがこんな所にいるなんて」

 

「別にわたくしは……」

 

亜久里が言いかけると、一緒に来ていた友達が彼を呼ぶ。

 

「じゃあ、円さん。また……」

 

幻冬はそう言って亜久里と別れ、友達の方へと向かった。

 

「亜久里ちゃん見ーっけ!探したよ~!」

 

入れ替わる感じで晴夜達と合流した。

 

「皆さん遅かったですわね」

 

「何言ってんのよ、待ち合わせは階段の所でしょ?」

 

「え?」

 

「まあまあ。それより浴衣、気合い入ってるじゃん!」

 

「これはおばあ様が用意して下さったんです……」

 

浴衣の事を照れながらそう話す。

 

「亜久里ちゃん、浴衣可愛い!」

 

「ありがとう、森本さん」

 

「あの……」

 

「エルちゃんのも、可愛いよね?」

 

「ええ、可愛いですわ、エルちゃん。ところで、スーパースペシャルな美味しいスイーツって?」

 

亜久里は小声でマナ達に美味しいスイーツはどこで食べれるのか尋ねる。

 

「それもだけど、まずはお祭りを楽しもう!」

 

そんなこんなで、みんなで祭りの屋台を回る。

 

「あの、金魚すくいしない?」

 

「金魚すくい?」

 

みんなで金魚すくいの屋台へと向かい、先にエルが挑戦する。

 

「やったぁ!……あっ!」

 

出目金を掬うが、紙が破れてしまった。

 

「なるほど。金魚をすくうから金魚すくいですか……」

 

「この黒い出目金が欲しかったんだけどな……」

 

「それなら、金魚すくい荒らしと呼ばれたあたしに任せて!」

 

マナが腕を捲り上げて言う。

 

「ウチのは手強いよ」

 

「行くよ!」

 

マナが挑戦するが荒らしどころかすぐに失敗し、涙を流した。

 

「どこが荒らしよ……」

 

「一瞬だったな」

 

「よぉ〜し、今度は俺だ!」

 

今度は龍牙が金魚すくいに挑戦する。

 

「オリャァァァ!」

 

龍牙が勢いよく金魚を取ろうとするが、すぐに破け。あまりの勢いで水が飛び、和也と真琴に掛けてしまった。

 

「あれ?」

 

「龍牙〜!」

 

「俺とまこぴーにかけるって何考えてんだ、コラッ」

 

「わ、悪りぃ……」

 

この後、龍牙は二人にかなりしごかれた。

 

「では私が!」

 

「お嬢ちゃん、出来るね?」

 

今度はありすが挑戦する。一瞬ですくい上げ、他の金魚もすくう。

 

「すごいランス~!」

 

だがありすの頭の上に乗っていたランスが落ち、紙も破けてしまった。

 

「ダメだよ、ぬいぐるみ入れちゃ。しかし、近頃のおもちゃはよく出来てるねぇ」

 

金魚すくいのおじさんはランスの腹を押すと口から水が出て、店員の顔に掛かってしまう。

 

「次はわたくしが!」

 

「頑張って!」

 

「いい?水面に対し、45度の角度で抉るようにすくうのよ」

 

「わかりましたわ。いざ!」

 

「あんまり力入れ過ぎたら、すぐに破れちゃうから、気をつけて」

 

晴夜と六花のアドバイスを受け、亜久里が金魚すくいに挑戦する。

 

「たあああぁぁぁっ!」

 

やはり力を入れ過ぎてすくったので、紙は破け、亜久里とエルは濡れてしまった。

 

「亜久里ちゃんズブ濡れ……」

 

「エルちゃんもですわ……」

 

濡れたお互いの姿をみて二人は笑い合うと、今度は射的に挑む。

 

「当たった!……あ、残念!下に落ちなきゃダメなんだよね」

 

「よーし……!」

 

真琴も射的に挑戦する。

 

「まこぴーがまこぴートランプを狙ってる!」

 

真琴が自分の姿が写ったトランプを狙う。

狙い撃ったが、左に逸れてモグラのこけしに当たって落ちた。

 

「まこぴートランプは俺が貰う!」

 

まこぴートランプの欲しさに今度が和也が挑戦する。

しかし十発も挑戦するが、一発も当たらなかった。

 

「何故だ〜!何故当たらん〜」

 

「ただ狙うだけじゃダメよ。弾道を計算しないとね」

 

メガネをかける六花がカエルのぬいぐるみを狙う。

 

「早く撃ちなよー」

 

マナが肩を叩くと慌てて撃ってしまい、真琴と同じモグラのこけしが当たってしまった。

 

「そんな〜……」

 

六花が悲しむと今度は亜久里が挑戦する。

 

「わたくしがエルちゃんの雪辱を果たしますわ!」

 

「頑張って!」

 

「いざ!(エースショット!ばきゅ~ん!)」

 

一発でエルが当てたおもちゃを落とした。

 

「凄い亜久里ちゃん!」

 

「じゃあ俺もやるか」

 

晴夜も一発で当てた。ビルドで銃の扱いには慣れていた為であろう。当てたのはカエルのぬいぐるみだったが、晴夜はそれを六花に渡す。

 

「え?いいの?」

 

「これ欲しかったんだろ?あげるよ」

 

「何だか悪いわね」

 

六花は晴夜からカエルのぬいぐるみを受け取った。

 

「良かったケルね、六花」

 

六花がぬいぐるみを貰うといきなり和也が頼み込む。

 

「晴夜!頼む、まこぴートランプを取ってくれ!」

 

和也が晴夜に自分の欲しい下品を取ってくれと泣き寝入りする。

 

「いつものように心火を燃やして自分で取りなよ……」

 

呆れながら言うと、和也は本当に心火を燃やしてまこぴートランプを取ろうとまた挑戦するが、結局当たらずに終わった。

 

一通り回るとみんなは待ち合わせの階段に座る。

 

「あ〜……って、いつまで拗ねてんだよ」

 

まこぴートランプを手に入れなかった事に和也は暗くなっていた。

 

「何故だ、何故当たらなかった……」

 

和也が暗くなっている間にみんなはかき氷を食べる。

 

「美味しい~!……でも、これは普通のかき氷。スーパースペシャルに美味しいスイーツって……」

 

「食べる?」

 

「い、いえ……」

 

「はい」

 

エルが食べていた抹茶味を一口貰う。

 

「美味しい~!甘いあずきの効いた抹茶を包み込んで、ブラボーですわ~!

わたくしのも食べて見て下さい!」

 

「うん!」

 

亜久里はいちご味のかき氷をエルに分ける。と二人の顔から笑顔で笑い合う。

 

「いい笑顔だな」

 

「よーし!みんなで食べ合いっこしよー!」

 

「グッドアイデアですわ!」

 

「スイーツに関しては素直なんだから」

 

マナのアイデアでみんなでかき氷の食べ合いっこをした。和也もまこぴーのかき氷を分けて貰うと、ようやく元気を取り戻した。

 

「不思議ですわ。最初の一口より、皆さんから貰ったかき氷の方が美味しいですわ」

 

「それはね、みんなで食べてるからだよ」

 

「みんなで?」

 

「一人でより食べるよりもみんなで食べた方が美味しいだろ?」

 

「もしかして、スーパースペシャルに美味しいスイーツと言うのは……」

 

亜久里の質問にみんなは笑顔で返し、それに対して亜久里は理由を理解でき、それからしばらく、みんなでかき氷を食べていた。

 

 

その頃、花火大会が始まり出そうと考えたみんなが集まり出すと、一人の少年が不満そうな顔をしていた。

 

「チェッ、コイツらがいなけりゃ、花火大会を一人占め出来るのに」

 

そう呟くと少年のプシュケーが黒く染まり出す。

 

「でも、みんなで見た方が楽しいか…」

 

しかしそう呟くと、少年のプシュケーは黒く染まらなくなる。

 

「独り占めしちまえば」

 

「いいじゃない。あなたの望み」

 

「倍にして叶えてやる!」

 

突然現れたリーヴァ達二人が指を鳴らすとプシュケーが真っ黒に染まり、少年から取り出される。

 

「「暴れろ!お前の心の闇を解き放て!」」

 

「さらに、ブロスちゃん達もよろしく!」

 

闇を加えたプシュケーから祭りジコチューが生み出され、リーヴァのシルクハットからエンジンブロスとリモコンブロスが現れ、お祭りの会場で暴れる。

 

「ジコチューシャル!」

 

「亜久里は、エルちゃんと!」

 

「エルちゃん、逃げましょう!」

 

晴夜の指示でエルを亜久里に任せて逃がした。

 

「みんな!行くよ!」

 

「「うん!」」

「ええ!」

「「「ああ!」」」

 

マナが言うと、晴夜達はドライバーを装着し、ボトルを差し込む。マナ達四人はコミューンにラビーズをセットする。

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

『ドラゴンゼリー!』

『ロボットゼリー!』

 

三人はボトル差し込みドライバーのレバーを回し、下ろした。晴夜の前後からランナーが、龍牙と和也の下からビーカーが出現した。

 

『Are you ready?』

 

「「「変身!」」」

「「「「プリキュア!ラブリンク!」」」」

 

七人が叫ぶと晴夜達の身体に形成されたアーマーが装着され仮面ライダーへ、マナ達の身体が光に包まれ、光から現れると四人はプリキュアへと変身した。

 

『ラビットタンク!イェーイ!』

『ドラゴンインクローズチャージ!』

『ロボットイングリス!ブラァ!』

 

「みなぎる愛!キュアハート!」

「英知の光!キュアダイヤモンド!」

「陽だまりポカポカ!キュアロゼッタ!」

「勇気の刃!キュアソード!」

 

「「「「響け!愛の鼓動!ドキドキプリキュア!」」」」

 

「愛を無くした悲しい夏祭りさん!このキュアハートがあなたのドキドキ、取り戻して見せる!」

 

胸にハートマークを作り、リーヴァ達に名乗りを上げる。

 

「現れたわね、プリキュアに仮面ライダー!」

 

「俺達がブロス達が止める!ハート達はジコチューを!」

 

ビルドの指示により、ライダー組はブロス達を、ハート達でジコチューを止める。

 

「ん?ターゲットがいねぇぞ」

 

「ちょっと!キュアエースはどうしたのよ!」

 

「たとえキュアエースがいなくても!」

 

「私達だけで戦えるわ!」

 

「生意気な……!やっておしまい!」

 

水ヨーヨーをかわしてハートとダイヤモンドがダブルキックを放つが、跳ね飛ばされる。

今度はロゼッタとソードが迎撃するが、腕のライフルから放たれたコルク弾を受けてしまう。

 

(みんなが……)

 

「いたぞ!」

 

「ターゲットはここよ!」

 

階段の上の神社へと逃げる亜久里とエルはリーヴァとグーラに見つかってしまった。

 

「エルちゃん、逃げて!」

 

そしてジコチューが腕のニードルで亜久里に攻撃した。

当たらなかったものの、階段が崩れて落ちてしまいそうな状況となった。

落ちてしまいそう、と言ったのは、落ちる途中でエルが亜久里を助けたからだ。

 

「わたくしの事はいいから逃げて!」

 

ビルド達も、助けに行きたいがジコチューとブロス達が邪魔で亜久里を助けに行けない。

 

「今の内にトドメを刺すのよ!」

 

ジコチューが亜久里にトドメを刺そうとした次の瞬間、突然誰かがジコチューの攻撃から亜久里を守り、カウンターを与えた。

 

「あなたは……!」

 

「ローグ……!」

 

守ったのは、前にビルド達を助けた仮面ライダーローグだった。

 

「あの仮面ライダー、また邪魔を!」

 

『クラックアップフィニッシュ!』

 

ローグのパンチが祭りジコチューを吹き飛ばす。

 

「プリキュア!スパークルソード!」

 

その隙にソードがリーヴァとグーラに向けてスパークルソードを放ち、亜久里から遠ざける。

 

「手を離してエルちゃん!」

 

「離さない!私、亜久里ちゃんと友達になりたいんだもん!」

 

エルが亜久里の手を強く掴む。

 

「何でそこまで……?」

 

「亜久里ちゃんは私を助けてくれた!

私が気にしていたくせ毛を男子にからかわれた時、助けてくれた!

とっても嬉しかった!だから今度は私が助けるの!」

 

「わたくしの一言をそんなにも大切に……

愛が……溢れて来ます……!」

 

亜久里が呟くと今度はローグが亜久里の手を掴む。

 

「あなたまで……」

 

「見捨てたりしない!ここには君が必要な人が沢山いる!」

 

ローグとエルは力を振り絞り、亜久里を救った。

 

「ありがとう、エルちゃん」

 

「亜久里ちゃん……」

 

「それと、あなたもありがとうございます」

 

「早く逃げろ、ここは危険だ」

 

ローグは二人に早く逃げるように伝えると、戦いの方に向かう。

 

「エルちゃん、わたくしには秘密があるんです。でも、それが何かは言えません。それでもわたくしを信じてくれますか?」

 

自分を信じてくれるのかとエルに尋ねる。

 

「信じるよ!あたし、亜久里ちゃんの事信じる!」

 

「では、目を閉じて待っていてくれますか?」

 

「うん!」

 

エルは目を閉じて亜久里の無事を祈った。

 

「アイちゃん!」

 

「きゅぴ!」

 

「プリキュア!ドレスアップ!」

「きゅぴらっぱ~!」

 

アイちゃんから出た光から箱が現れ、その後七つの炎のシルエットに包まれると、姿も大きく成長し、炎から現れるとキュアエースとなる

 

「愛の切り札!キュアエース!」

「美しさは正義の証!ウインク一つで、あなたのハートを射抜いて差し上げますわ!」

 

いつもの決め台詞を言い、キュアエースが現れる。

 

「キュアエース!」

 

「現れたな!」

 

「5分後へのびーる攻撃よ!」

 

そう言ってからリーヴァは砂時計を反対に回し、エースに向けてヨーヨー攻撃、射的コルク、リーヴァとグーラの光線が放たれるが、エースは次々と躱す。

だが、隙を狙われて輪投げで拘束されたエースは悲鳴をあげ、地面に落ちてくる。

 

「「「「キュアエース!」」」」

 

「1分経過。あと4分で変身解除よ!」

 

「そしたらプリキュアを全滅させ、人間どもからプシュケーを抜きまくってやる!」

 

エースは祈るエルの姿を思い出す。

 

「エルちゃんはわたくしを信じて待ってくれています。その為に、わたくしは戦います!」

 

立ちあがるとエースは赤いオーラを纏い、リングを粉砕する。

リーヴァとグーラはそれを見て驚く。

 

「エルちゃんだけではありません。わたくしの大切なお友達に手を出したら……ただではおきません」

 

エースはジコチューに向かってジャンプをして殴り飛ばし、ジコチューは月をバックに舞う。

その影響で、ハート達の拘束も解除され、ブロス達と交戦中のビルド達が駆けつける。

 

「みんな、大丈夫!」

 

「うん、エースのおかげで助かったよ」

 

疲れた顔の四人を前に降り立つエース。

 

「わたくしを夏祭りに誘った訳が分かりましたわ」

 

エースが言うとみんなは顔上げて語る。

 

「これまでのわたくしは、自分の思いで一杯でした。

でも、私の事を大切に思ってくれる人が傍に居る事に気付かされました。そして、そのことが私に愛と力を与えてくれることも」

 

「そうだよ。でもね、最初にその事を教えてくれたのはキュアエースだよね」

 

「ああ、この最高に大事なことを忘れないでいれたのは、エースのおかげだよ!」

 

クローズ達も揃って笑って言うと、エースは嬉しそうな顔になる。

 

「教えていたつもりが、今回は皆さんにしてやられましたね」

 

エースはそう話すと、振り返って空から降って来るジコチューを見上げる。

 

「ここはわたくしにお任せ下さい!」

 

「……手を貸そうか」

 

ローグが手を貸そうかと言うと、「頼みますわ」とエースは了諾した。

 

「なら、俺達はコイツらをなんとかしますか!」

 

ジコチューはエースとローグに任せ、ビルド達は再びブロス達へと挑む。

だが、ビルド達三人はかなり手を焼いてる。流石にこちらのデータを持って戦っているだけはある。

 

「さあ、ビルド、早く暴走しちゃいなさいよ」

 

「残念だけど、その必要はない」

 

しかしビルドはハザードトリガーを使う必要がない言い出す。

 

「俺は何回も戦っている相手には研究するタチでね!こいつらの攻略はすでに出来ている」

 

そしてビルドドライバーに取り出したボトルを差し替える。

 

『クジラ!消防車!』

 

ボトルを差し込むと、ドライバーのレバーを回しアーマーが形成された。

 

『Are you ready?』

 

「ビルドアップ!」

 

形成された二つのアーマーがビルドに装着された。

 

「勝利の法則は決まった!」

 

決め台詞を言うと、消防車のアーマーのホースから水を放つ、するとエンジンブロスの動きが悪くなる。

 

「歯車ってのは、ちょっと水をかけると動きが鈍くなるモンなんだよ!」

 

ビルドが理屈を語っている間にグリスがエンジンブロスに攻撃する。

 

「んじゃ、カッコつけるために俺がトドメを刺す!」

 

グリスがとどめを刺すと言ってグリスさらにエンジンブロスに攻撃を仕掛ける。

 

「こっちも負けてらんねぇ!」

 

クローズも負けてられず、リモコンブロスに立ち向かう。

 

「無駄よ!アンタの攻撃でやられるブロスちゃんじゃあ…『オラッ!』なに!」

 

リーヴァが言いかけてる内にクローズがリモコンブロスを押し始める。

 

「どうした!そんなモンか!」

 

「行くぞ!今日は八つ当たりだ!」

 

グリスがドライバーのレンチを下ろし、高くジャンプした。

 

『スクラップフィニッシュ!』

 

グリスの肩のパーツから放たれた黒い液を加速に利用し、スクラップフィニッシュのライダーキックでエンジンブロスを吹き飛ばす。

 

『Ready go!』

 

「こっちも行くぜ!」

 

今度はクローズがツインブレイカーにクローズドラゴンを差し込み、ビートクローザーも出現させ、ロックボトルを差し込む。

 

『スペシャルチューン!ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』

 

グリップエンドを3回引っ張り、ビートクローザーは鍵の剣へと姿を変える。

 

「くらぇ!」

 

『メガスラッシュ!レッツブレイク!』

 

ビートクローザーから放たれたエネルギーをツインブレイカーから出現した龍との合わせ技をリモコンブロスにぶつける。

 

「バカな!ブロスちゃん達が!」

 

ビルド達三人の結束でブロス達は完全に機能停止した。

 

「あちら、終わったな」

 

「ええ!では、こちらも!」

「彩れ!ラブキッスルージュ!」

 

エースはルージュを唇に塗り、相手に向かってキスを投げると、前方にハート形のエネルギー体が生成される。

ローグは自分の銃に、ドライバーに差してあったボトルを差し込む。

 

『クロコダイル!』

 

「ん?あの武器、スタークが使っているのと似ている?」

 

ビルドはローグの銃を見て、スタークのトランスチームガンと似ていることに気づく。

ローグの持つトランスチームガンに似た、紫がメインカラーで金の装飾と緑の歯車の着いた銃――『ネビュラスチームガン』をジコチューに向ける。

 

「ときめきなさい!エースショット!ばきゅ〜ん!」

『ファンキーブレイク!クロコダイル!』

 

ローグとエースの技が同時に決まりジコチューは浄化され、元のプシュケーに戻った。

プシュケーが持ち主に戻ると同時に、周りが元に戻った。

 

「おいおい、3分も持たねぇ上にビルドは暴走しなかったじゃねぇか」

 

「うっさいわね!のびーる攻撃は失敗よ!」

 

作戦が失敗するとリーヴァとグーラは撤退し、ローグもこの場から去ろうとする。

 

「待て!お前、スタークとなんか関係があるのか?」

 

ローグの使った武器を見てスタークとなんらかの関係があるのかと思い尋ねるが、ローグはビルドの質問に答えず、結局そのまま去っていた。

 

「エルちゃん、もう大丈夫ですわ」

 

「亜久里ちゃん……!」

 

変身を解いた亜久里がエルの元に戻る。

 

「良かった……!無事で……!」

 

亜久里の無事を確認したエルは抱き着き、涙を流して喜んだ。

戦いが終わり、仲良く手を繋ぎ花火を見る亜久里の表情は、優しい少女の素直な笑顔だった。

 

 

 

 

そして、その様子を遠くから見ている少年がいた。

 

「円さんが、変身した”…」

 

柴崎幻冬、彼の手には紫のボトル――『クロコダイルクラックフルボトル』が握られていた。

 

「この力と何か関係があるのか?それとビルドが言っていたスタークって……?」

 

晴夜達が仮面ライダーローグの正体を知るのは、まだ先の話のようだ。

 


次回!Re.ドキドキ&サイエンス!

 

第33話 パートナーとしての役割

 

 




おまけ

晴夜「よーし、次はどれにする?」

エル「あっ!あれはどうですか?」

六花「へ〜型抜きね、みんなやってみる?」

和也「よっしゃ!やってやるぜ!!」

マナ「おじさん!2番の蛇の型ちょうだい!」

おじさん「はい、じゃあ2番の・・・

弁財天白龍王大権現ね

一同『出来るかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?』

難易度エクストリィィィィィィム!!

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