Re.ドキドキ&サイエンス   作:yu-ki.S

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前回までのあらすじ!

和也「キュアソードことみんなのアイドル 剣崎真琴 は、レジーナに自分達の想いを伝えるために新曲を作った!」

真琴「一方、仮面ライダービルドこと 桐ヶ谷晴夜 は、キングジコチューとエボルトを倒す為に、自分の父:桐ヶ谷拓人 を超えることを決意するのでした…」

和也「いや〜、なんか二人だと緊張するな……(そのせいか、余計にまこぴーからチューを貰った龍牙が羨ましい!!)」

真琴「今回の話では、沢田和也こと仮面ライダーグリスの進化が見られます。
それでは第48話、デュエルスタンバイ!」

和也「そして俺はまだ和也・・・くぅ・・・はやくかずやんって呼ばれたい! 」


第48話 夢を守るため、ゼロ度の約束!

ある日の地下室。

そこには龍牙と真琴がおり、エボルトの遺伝子の影響が無いか、龍牙の体に機械をつけて調べていた。

 

「どうだ?」

 

龍牙は自分の体に異常がないのか晴夜に聞く。

 

「大丈夫だ。お前の体の遺伝子はしっかり中和している」

 

「よかった」

 

何も問題無いと聞いて真琴がホッとすると、龍牙は体に付けられた機械を外す。

 

「ジーニアスとまこぴーの歌によって中和されたために、お前の力は更に上がったはずだ」

 

「マジかよ。よし、これでエボルトに倒してやるぜ!」

 

エボルトを倒すと意気込む龍牙。

 

「そういえば、あのロストボトルって何よ?」

 

真琴が聞くと晴夜は、この前の戦いで黒く染まったロストボトルを取り出す。

 

「そのボトルって、何だよ?」

 

「ロストフルボトル。フルボトルとは違って人工的に作られたボトルだ」

 

晴夜がロストボトルについて話しだそうとする。

 

「俺たちの使っていたボトルは、星のエレメントから生成されたものだと言われてる・・・だが、ロストボトルは人が手によって作られたボトル・・・」

 

「でも、なんで黒く染まっているの?」

 

「・・・あくまで、俺の仮説だけど。黒いプシュケーを取り込んだ事でボトルが変化したのかもしれない・・・」

 

晴夜が話していると真琴が時計を見て立ち上がる。

 

「龍牙!時間!」

 

「えっ⁉︎やべぇ!じゃあ、晴夜また後でな!」

 

真琴と龍牙は地下室を出ていった。一人残った晴夜は黒く染まったロストボトルを見つめる。

 

「兄さんは、どう思うんだ?」

 

晴夜は自分の中にいる巧に話しかける。

 

「俺は・・・父さんは何かを待っているんだと思うんだ」

 

すると晴夜は、巧と自分の二人の意識の世界へと移動する。そこで、巧に話しかける。

 

「父さんは、俺がボトルを握って金色になった時、何か嬉しかったように感じたんだ」

 

金色になったラビットボトルを見ながら自分の考えを呟く。

 

「それで、お前は父さんを信じてるのか?」

 

巧の質問に晴夜は首を縦に振る。

 

「・・・お前がそう思うけど、僕は信じない」

 

やはり、兄:巧は父親を信じないと言う気持ちを曲げるつもりはなかった。

 

「晴夜・・・」

 

自分が呼ぶ声が聞こえた為、晴夜は現実世界に戻り、後ろを振り向くとそこに和也がいた。

 

「和也どうした?」

 

深刻な顔をしていた和也が口を開き、要件を話す。

 

「晴夜・・・俺に強化アイテムを作ってくれないか?」

 

和也が強化アイテムを作ってくれと言うと、晴夜がパソコンの方へと体を向ける。しかし和也は話を続けた。

 

「時間がないのは、わかってる!もうすぐ、キングジコチューやエボルトとの戦いが始まるのはわかってる!けど・・・今の俺だと、みんなの足を引っ張ってる」

 

今の自分の力が晴夜や龍牙達と比べて弱いと感じていた和也は、晴夜に自身の強化アイテムを作ってくれと頼む。

 

「だから・・・」

 

和也が言いかけると、晴夜は龍牙のマグマナックルと同じ形をした水色のナックルを見せる。

 

「龍牙と同じナックル・・・」

 

晴夜は椅子を回転させ和也の方を向く。

 

「これは、お前のために作ったものだ。…だが、これを今のお前に渡すか不安だった」

 

晴夜が立ち上がって和也にナックルを渡し、氷の様な姿にロボットボトルのマークの他にキャッスル、クワガタ、フクロウのボトルのマークも描かれている、もう一つのナックル専用のボトルを渡す。

 

「このボトルには以前、お前が倒したスマッシュのデータを取り入れてある」

 

このフルボトルには、和也が自分達と初めて出会って倒したという三体のスマッシュとロボットスクラッシュゼリーのデータを入れていると晴夜が語る。

 

「だが、今のお前がこれを使ったら、ハザードレベルが人間の限界を超え、体がパンクするかもしれない・・・だから、あくまで武器として使ってくれ!」

 

晴夜が新しいナックルの説明をすると、和也はナックルを強く握る。

 

「世界を守るためなら、命を懸けて戦うのが仮面ライダーだろ・・・

俺がどうなろうと・・」

 

和也が言いかけると晴夜が和也の腕を強く握る。

 

「お前に何かあると、俺たちが困る」

 

真剣な眼差しで和也にそれで変身するなと強く言う。

 

「心配するなよ・・・」

 

和也が晴夜の掴んでいた腕を離す。

 

「こいつは、ビルドドライバーに差すもんだろ。俺、スクラッシュドライバーしかねえよ。

有り難く武器として使わせて貰うぜ」

 

和也が晴夜から貰った強化アイテムを持って、地下室を出ていった。

・・・そして、地下室を出ると携帯で誰かに電話しようとする。

 

「俺です。すみませんけど、頼みがあるんです・・・」

 

 

 

翌日、マナ達は四葉邸の花畑へと集まり、水をやってるありすと花畑を見て歓声をあげている。

 

「わぁ! 綺麗!」

 

「ありがとうございます。花達もとっても喜んでいますわ」

 

「ありすって学校でもずっと園芸部だよね」

 

「花を育てるのが好きなのか?」

 

「ええ、和也さんに花の育て方を教えてもらったのです。

幼い頃の夢はお花屋さんになることでした」

 

「今はどうなんですか?」

 

「お父様の仕事を継ぐ事になっていますので、その夢は叶えられなくなりました」

 

「そっか・・・」

 

ありすが言うとマナが何かを閃く。

 

「あ、だったら、その夢を叶えてあげるよ!」

 

「叶えるって、どうやって」

 

晴夜がマナが何をするのと聞くと、セバスチャンが現れて和也に近づく。

 

「和也様・・・これを」

 

セバスチャンは、和也に何かを渡した。

 

 

しばらくして、晴夜達は今日開かれるバザー会場へと赴き、何かのお店を準備する。

 

「「「「できた~!」」」」

 

「どう? ありすのお花屋さん!」

 

「フリーマーケットでお花屋さんをやるってのもいいアイディアだな」

 

「幼い頃からの夢が叶ってとっても嬉しいです」

 

「しっかりね、店長さん!」

 

「はい!」

 

「ランスも店長でランス」

 

「店長が何するか知ってるシャル?」

 

「知らないでランス〜」

 

店長が何かと聞かれたランスは知らないと返答し、妖精達に呆れられる。

 

「コスモスにゼラニウムにシクラメン・・・」

 

「もっと華やかな花も揃えた方がいいんじゃないですか?」

 

「いや、この時期はこの三つの花は最適だ」

 

「へぇ〜、そうなんだ」

 

「私も好きですわ。季節の花にはその季節に合った美しさがありますもの」

 

「コスモスは“謙虚”、ゼラニウムは“真の友情”、シクラメンは“はにかみ”って花言葉があるんだよ」

 

「流石、かずやん詳しいな」

 

とそこに、どこからか「おーっほっほっほ!」と高笑いが聞こえた。

それは聞き覚えのある高笑いだった。

 

「どこのお猿さんが迷い込んだのかと思ったら、ありすさんのお友達でしたのね」

 

そこにいたのは、かつて晴夜達がロイヤルクリスタルを集めていた時の手がかりになるバラを手に入れるために参加していたローズレディコンテストで妨害をしていた五星麗奈とその取り巻きだった。

 

「「どなたですの?(なんですか?)」」

 

亜久里と幻冬が誰なのかと聞く。

 

「四葉財閥より数字が一つ多い、五星財閥の一輪の薔薇。五星麗奈よ!」

 

彼女は久々の名乗りをして高笑いする。

 

「あの方とはお知り合いですの?」

 

「前にロイヤルクリスタルを集めてた時にちょっとね」

 

晴夜が小声で亜久里に伝える。

 

「妨害ばかりしてきて、大変だったんだよな?」

 

「うんうん」

 

麗奈が過去にやった妨害行為を思い出し六花が頷くと、ありすが笑顔で麗奈に聞く。

 

「麗奈さんもフリーマーケットに参加するのですか?」

 

「当然よ!あなたが花屋で人気取りするならソレを叩き潰すのが五星麗奈の役目よ」

 

ありすを潰すのは自分の役目と宣言する。

 

「この私が、超巨大ビニールハウスで育てた、豪華絢爛たる四季折々の花々であなたに勝負を挑むわ!」

 

(流石に・・・やりすぎだろ)

 

一回転し、巨大なビニールハウスを晴夜達に見せると、晴夜はやりすぎだと感じていた。

 

「あちらを御覧なさい」

 

麗奈が指差した先には“麗奈の超高級花セレブ”と言う名の花屋。ハウスの中には向日葵やバラなどが栽培されており、こちらとは違って、高級な花を安価で売っていた。

 

「麗奈さんと一緒にお花屋さんができるなんて嬉しいですわ」

 

ありすは嬉しいと言うが、麗奈にはそっぽむかれる。

しばらくしてバザーが始まり、ありすの花屋も動き始める。

 

「お花はいかがですか~?」

 

「「どうぞ~!」」

 

「「「見ていってくださーい」」」

 

「「季節にあった花はいいかがですかー!」」

 

客引きをするが誰もが足を止めようとしない。

 

「よ〜し、任せろ」

 

龍牙が任せろと言い出す。

 

「何か、案があるんですか?」

 

幻冬が聞くと龍牙が前に出て、すぅ〜と息を吸う。

 

「よってらしっしゃい!見てらしゃい!最高の花がいっぱいあるよ!」

 

龍牙が大声で大々的に宣言する。すると、若い男性が一人やってきた。

 

「お!お兄さん!いらっしゃい!」

 

お客さんが店の前に現れて龍牙は指を鳴らす。

 

「彼女の誕生日に花を贈りたいんだけど」

 

「それでしたら、こちらのゼラニウムはいかがでしょうか」

 

お客さんにゼラニウムの花を勧めるありす。

 

「お待ちなさい!恋人へのプレゼントなら真っ赤なバラが一番ですわ!」

 

ゼラニウムを見ていたお客さんにいきなり麗奈が割り込む。

 

「こちらでは超高級なバラを市価の30分の1で売ってるわ!」

 

そう言って麗奈は自分の店のバラを見せる。

 

「じゃあ、お願いしまーす」

 

麗奈にお客さんを奪われてしまった。

 

「またお越し下さい」

 

ニッコリとするありすと高笑いをする麗奈、麗奈は既に勝負ありって感じですわねと余裕の態度を見せる。

 

「あ〜!きたねえ!」

 

「あんな高価な花を激安で売るなんて!」

 

「そうよ、ずるい!」

 

「やり口が卑怯ですわ」

 

「人のお客さんを無理矢理奪うなんて!」

 

龍牙達は麗奈達のやり方にご立腹だった。

 

「さすが麗奈さん。何時見ても本当に綺麗な花達ですわ」

 

しかしありすは麗奈を怒るどころか、麗奈を称えていた。

 

「随分素直ね。そうよ、さすが私よ! ほめて、もっとお褒め!」

 

それから、バザー開始から二時間程経過した。

 

「「「お花はいかがですか」」」

「さあ、さあ見てってよ!」

 

マナ達は声を上げては客引きを続けるが、ありすの店に誰も足を止める者はいなかった。

 

「お客さん来ないですね・・・」

 

「隣があれじゃあね・・・」

 

こちらと違って、麗奈の店の方がかなりの大盛況でした。

 

「まぁ、そう言わず頑張ろうよ」

 

「じっくり待てば、誰か来てくれるだろ」

 

晴夜達は隣の麗奈の花屋に負けず客引きを続ける。

 

「どうですか、花見ていかないか?」

 

元気なさげに歩いてるサラリーマンに和也が声をかける。

 

「こんにちは。お花いかがですか?」

 

「花ねぇ・・・」

 

商品を見て乗り気ではなかったがありすを見て癒された様で、ちょっと見てみようかなと思いなおす。

 

「どうぞ、季節の花達です」

 

ありすが言うとコスモスをじっと見ているサラリーマンは「ほぉ〜」と感心する。

 

「コスモスです。私もこの花を見てると心がふんわりってなります」

 

ありすが言うとサラリーマンが頷く。

 

「じゃあ、これをお願いしようかな」

 

「はい」

 

「ありがとうございます」

 

嬉しそうに和也がお礼を言うと、お待たせしましたとありすが持ってくる。

 

「なんだか元気が出てきたよ、ありがとう」

 

サラリーマンはありすに感謝して、去っていく。

 

「ありがとうございます」

 

「やったね!」

 

「なんか本物のお花屋さんっぽかったよ!」

 

「ホントですか?嬉しいですわ」

 

「お花屋さんって花と一緒に愛も届けているのかもね」

 

「あたしもレジーナにそんな花を贈りたいな」

 

「マナ・・・送ろうぜ、いつかレジーナに…」

 

マナと晴夜はいつか、レジーナにも花を送りたいと話し合うと…

 

「花なんていらなーい」

 

「「レジーナ!」」

 

声が聞こえ上を見ると、レジーナがそこに浮いていた。

 

「けど、花を見ると笑顔にならないか⁉︎」

 

「言ったでしょ。許せないのよ、アタシより美しいものは全てね。それと、アンタもね!」

 

初めて会った時の言葉を言うと、どこかへと移動した。

 

 

「チェッ、フリマのせいでラジコン飛ばせないじゃん。あんな花、枯れちゃえばいいのに」

 

ラジコンを飛ばそうと来ていた青年が麗奈の花屋を見て、これでは飛ばせないと思い、枯れろと呟くとプシュケーが黒く染まり出す。

 

「でも、母の日に花をあげたら、お袋喜んでたな」

 

だが母の日のことを思い出しながら青年が呟くとプシュケーが染まらなくなる。

 

「花なんか全部、枯らしちゃえ。あなたを素敵なジコチューにしてあげる!」

 

すると青年の前に突如現れたレジーナの指から放った光線が、青年のプシュケーを黒く染めた。そして、取り出されたプシュケーがひび割れる。

 

次の瞬間、ありすが育てた花だけでなく、周りの花が全て枯れてしまった。

 

「花が・・・!」

 

「もしかしてジコチューが⁉︎」

 

「でも、闇の鼓動は聞こえないシャル!」

 

「どうなってるんだ?」

 

闇の鼓動も聞こえなければ、一体何処からジコチューが現れたのか検討もつかない。

周りの花が枯れて花を買っていった人々は暗くなっていた。

全てが枯れたかと思われていたが、ありす達は枯れていない咲いたばかりの芽を見つけた。

 

「私の大切な花達が・・・!」

 

一方麗奈は、自分が育てた花が全て枯れてしまい、悲しんでいた。

そこで和也とありすがもう一つの枯れていない、咲いたばかりの芽を見つけ出した。

 

「麗奈さん、緑の葉が一枚でもあるなら、まだ再生の可能性がありますわ!」

 

「急げ、応急処置をすればまだ間に合う!」

 

「ええ・・・」

 

和也とありすと麗奈が花の応急処置を始める。

 

「芽を水で綺麗に洗って―――」

 

「枯れていない根だけを残して、下部の負担を減らす」

 

「新しい土に植え替えるんだ―――」

 

「水をあげます」

 

次に新しい土に植え替えて水を上げる。

 

「後は、再生するのを信じて待つだけです」

 

後は成長して花が咲くのを待つだけだった。

 

「ええ。でも・・・何でなの?いつも意地悪ばかりする私に、何で?」

 

麗奈はどうしてありすと和也が、意地悪ばかりしている自分の為に花の応急処置をしてくれたのかわからなかった。

 

「この応急処置の仕方は、麗奈さんが教えてくれた事ですわ」

 

「それに、お前が花にたっぷりの愛情を注いでいる事をお前が売ってた花を見て分かったんだ」

 

和也は麗奈が売っていた花を見ていて、麗奈の花に対する思いやりを感じていた。

 

「私も初めて出会ったその日から知ってました。あの時から、麗奈さんもわたくしの大切なお友達ですわ」

 

「お友達・・・?」

 

「はい」

 

晴夜達はありすが今まで麗奈の意地悪に怒らなかった理由がわかった。それは、ありすが麗奈を自分の友達だと思っていたからだった。

 

「な、何をバカな事を・・・!」

 

麗奈はそう言うが、友達だと思ってくれていた事が嬉しいあまり、踵を返して泣き出した。

 

「何で泣いてるケル?」

 

「涙はね、嬉しい時にも出るんだよ」

 

「涙は悲しい時や悔しい時だけとは限らないもんさ。時には嬉しい涙があるんだ」

 

「お嬢様、花が枯れてしまう理由が分かりました」

 

近くにセバスチャンが現れる。

 

「四葉の人工衛星が捉えました。この町の成層圏上の映像です」

 

タブレット端末を操作すると、成層圏の近くに枯れ木ジコチューが映った映像が出た。

 

「成層圏か・・・通りで気付かない訳だ」

 

「このジコチューが花を枯らすジャネジーの種を振り撒いております」

 

「レジーナ!」

 

パネルをタッチすると、レジーナの姿が映し出された。

 

「遠過ぎて、ジコチューの闇の鼓動も届かなかったシャルか・・・!」

 

「急いで止めに行かないと!」

 

「ああ!急ごうぜ!」

 

「そう、上手くいくかな」

 

声が聞こえ振り向くとフェイズ1状態のエボルが現れた。

 

「エボルト!」

 

「よう!晴夜。今日はレジーナの指示でお前らを足止めさせてもらうぜ!」

 

「今はお前と構ってる暇はない」

 

晴夜がそう言うと、エボルは足下にある枯れた花を見る。

 

「・・・人間とはわからないもんだな、こんな下らん花なんてものを取り戻そうとするんだからな〜」

 

エボルがそう言いながら枯れた花を踏み付ける。

 

「!!…てめぇ〜、許さねえ!」

 

龍牙が前に出ようとすると、和也が先に前に出た。

 

「…ここは、俺に任せろ。お前らはジコチューの方に行け!」

 

「でも、エボルトに勝つには・・・『エボルトは!俺の怒りに触れた・・・行けえ!』

・・・わかった」

 

「和也さん、お願いします」

 

エボルトは和也に任せ、晴夜達はジコチューの方をなんとかしようとするため、エボルトから離れる。それを確認すると和也はスクラッシュドライバーを装着した。

 

『ロボットゼリー!』

 

スクラッシュドライバーにロボットスクラッシュゼリーを差し込み、エボルトを指差しながら叫ぶ。

 

「変身!」

 

和也が叫ぶと同時にスクラッシュドライバーのレンチを下ろすと、和也の周囲に巨大なビーカーが出現し、黄色い液体が和也を包む。ビーカーが割れると和也の体には、黄色いスーツとクリアブラックのアーマーが装着される。

 

『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボットイングリス!ブラァ!』

 

グリスへと変身すると、ブリザードナックルを取り出し、左手に装着する。

 

「かかって来いや!コラッ!」

 

ブリザードナックルを装着したグリスはエボルトに向かっていく。

 

 

その頃、晴夜達はジコチューを何とかしようと話し合っていた。しかし、成層圏にいるため行く手段に悩んでいた。

 

「一つだけ、手があります!」

 

ありすが一つだけ手があるというと、しばらくし、何やら飛行機に乗り込む。

発射態勢の四葉ジェットである。

 

『コンディションノーマル、システムオールグリーン』

 

「ありすって飛行機の操縦もできるんだ」

 

「ありす、どうにかして私達もいけないの?」

 

「この飛行機は一人乗りなんです」

 

優しく答えると飛行機のエンジンが点火し出した。

 

「いきます!」

 

発進した飛行機雲を残し成層圏を抜けようとする。

一方、麗奈はありすが乗ったジェットを地上から鉢を抱いて見送って、何かを決意する。

 

 

その頃、エボルと一人で戦っていたグリスはブリザードナックルを使い、仮面ライダーエボル・フェイズ1と互角に戦っていた。

 

『ボトルキーン!』

 

ボトルをナックルに差し込み、手にナックルのボタン『ロボティックイグナイター』を当てる。

 

『グレイシャル ナックル!』

 

吹雪に荒れるブリザードのようなエネルギーがナックルを纏い、攻撃を繰り出しエボルを吹き飛ばした。

 

「ほぅ〜、まさか、ここまでやるとは・・・なら、こっちも本気で行く!」

 

『オーバー・ザ・エボリューション!』

 

そこそこ強くなったグリスを見たエボルはエボルトリガーを起動させ、ドライバーへと差し込む。

 

『Are you ready?』

『ブラックホール!ブラックホール!ブラックホール!レボリューション!』

 

エボルトの完全体、ブラックホールフォームとなった。

フェイズ4のエボルは目でも追いきれない程のスピードでグリスを追い詰める。

 

「くぅ!早え・・・」

 

エボルは攻撃の手を止めず、グリスをさらに追い詰めようとする。

 

『ライフルモード!』

 

スチームブレードをトランスチームガンにセットしてライフルモードにしたエボルは、ラビットエボルボトルを差し込む。そのままラビットの素早いスピードがグリスの周囲を囲み、スチームライフルの攻撃を集中的に受けたグリスは膝をつき、変身解除となる。

 

「無駄だ。晴夜と龍牙ならまだしも、お前では俺に勝てない」

 

やはり、今の和也では完全体となったエボルトには歯が立たない。

―――そう、今のままでは・・・

だが和也にはある。エボルトに勝てるかもしれない、最後の可能性が・・・

 

「悪いな晴夜・・・約束破るわ」

 

和也はスクラッシュドライバーを外し放り投げた。

そして、和也は本来持ってもないはずのビルドドライバーを取り出し、装着する。

 

 

 

 

 

――それは、ほんのすこし前の記憶。

和也が農家の手伝いに行く前、彼は四葉邸に訪れていた。

 

「花の育て方を、教えて欲しい?」

 

「はい」

 

そこで和也は、ありすから花の育て方について聞いていた。

 

「それはいいけどよ……どうしてそんな事聞くんだ?」

 

「和也さんは確か、農家で野菜の他にも花を育てているそうですよね?」

 

「あぁ…でも、どうして俺なんだ?聞くなら、他の人でもいいと思うんだけど……」

 

「それは、わたくしが和也さんに聞くのが一番だと思ったからです」

 

「そうか・・・わかった、どんな花が良いんだ?」

 

「そうですね・・・それじゃあ……」

 

 

…そして、ありすと和也は四葉邸の花壇に花を植えながら話し合った。

 

「・・・私、小さい頃はお花屋さんになりたかったんです。

お花屋さんになって、たくさんの人を笑顔にしたくて…」

 

「へぇー、そうなんだ。・・・今はどうなんだ」

 

「お父さまの仕事を継ぐ事になってるので・・・」

 

「・・・なあ、知ってるか?花って……見ていると心がふんわりとするけど、

時々虚しくなるんだ」

 

「・・・それって、どんなに綺麗な花でも、いつか枯れてしまうからですか…?」

 

「あぁ・・・じゃあ、どうして虚しいって思うんだ?」

 

「それは、花には等しく、命が宿ってるからです」

 

「・・・昔、今まで大切に育ててた花が枯れた時、凄く悲しくなって、どうして花って枯れるんだと思ったんだ。そしたら、じいちゃんが言ったんだ…」

 

 

『――どんな花でも、どんな生き物でも、生きてる限り必ず終わりが来るものだ。

じゃがな、和也。終わりがあるからこそ、命あるものは皆、尊いんじゃ』

 

『……どうゆうこと?』

 

『花はいつか枯れる。だが同時に、その花が作り出した種は、いつか新しい花を、新しい命を生み出す。そうやって命のサイクルが繰り返され続けるんじゃ…

それは、わしらが育てている野菜にも、それを食べているわしらも同じなんじゃよ』

『じゃからな和也、お前も花の様に咲き続けろ。そして、生き続けるんじゃ。この花の分までな・・・』

 

 

「・・・いつか、新しい命を…」

 

「なあ、ありす」

 

和也の祖父の言葉を反復していたありすは、声が聞こえたため和也のほうを振り向いた。

そして和也は植えた花を、ピンクと黄色のコスモスを撫でながら話した。

 

「今はまだ、お前の夢を叶えるのは難しいかもしれねぇ。…だが、お前がいつか花屋をやりたいって言うなら、俺はお前の夢を、心火を燃やして応援する!」

 

「…えぇ。その時は、和也さん達と・・・・大切な友達と一緒にやらせて下さい!」

 

「あぁ!!」

 

ありすは花の様に綺麗な笑顔でそう言うと、和也も顔を『くしゃっ』としながら笑った。

 

 

 

 

 

――エボルト。奴は、ありすの夢をーーありすと麗奈の想いを貶した。

俺は、それが許せなかった。

 

和也は『ノースブリザードフルボトル』を一振りしてボトルのキャップを正面に合わせた後『グリスブリザードナックル』に差し込む。

 

『ボトルキーン!』

 

 

『今のお前がこれを使ったら、ハザードレベルが人間の限界を超え、体がパンクするかもしれない・・・』

 

 

――あぁ、わかってる。あの時はああ言ったが、俺だってまだ死ぬ気はねぇ…

死んだら、マナや六花、まこぴー、亜久里、龍牙、幻冬・・・

そして、ありすに顔向けができねぇからな・・・

 

そしてレバーを前に倒して、そのままドライバーに入れた。

 

『グリスブリザード!』

 

ドライバーから待機音が鳴ると、和也はドライバーのレバーを回し始めた。

すると、クローズマグマの変身時に出てくる、マグマライドビルダーに似たライドビルダーが出現して冷気が一面に漂い、和也の足を膝上まで凍結させる。

 

―――エボルトを、心火を燃やしてぶっ潰す。

―――そして、あいつらの為に、死ぬ気で生き延びる。

 

(―――両方やらなくちゃならないのが、仮面ライダーの辛いところだな・・・)

 

 

『Are you ready?』

 

 

「・・・出来てるよ!」

 

 

マグマライドビルダーに似たライドビルダーが、大量の液体窒素のような液体――『ヴァリアブルアイス』をぶちまけ、和也を氷塊状態にした。

そして、後ろから氷塊をナックル状のライドビルダー『アイスライドビルダー』が押し割り、変身が完了した。

 

『激凍心火!グリスブリザード!ガキガキガキガキガキーン!』

 

ボディスーツは金色から黒になっており、アーマーが氷を彷彿させるメタリックブルーとなり、水色の氷を印象づけるような冷気を周囲に纏ったグリス。腕にはロボットアーム『GBZデモリションワン』が装着されていた。

 

「ほぅ〜、そんなものを用意していたとは・・・だが、それでも勝てん!」

 

エボルがスチームブレードをグリスに向けて振り付け、グリスの肩に直撃させた。

 

「な⁉︎」

 

だが、グリスは一歩足りとも動かなかった。

 

「足りねえな!全然足りねぇな!」

 

グリスは肩に直撃したスチームブレードを掴み、エボルを振り払う。

 

「心火を燃やして・・・ぶっ潰す!うぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

晴夜が言ってた変身したら危険な姿、グリスブリザードとなったグリスが今、エボルに向かっていく。

 

 

一方、成層圏を飛行中のありすの乗った四葉家ジェットは、間もなく目標を示す。

 

「見えました!」

 

「ジコチューでランス~!」

 

「枯れちゃいな~」

 

枯れ木ジコチューから地球に向けて何か放たれていた。

 

「ランスちゃん、行きますわよ」

 

レジーナが枯れ木ジコチューと共に待ち構えていたのを確認し、ありすはコミューンにラビーズをセットした。

 

「プリキュア!ラブリンク!」

 

ありすの身体が光に包まれ、光から現れるとありすはキュアロゼッタへと変身した。

 

「陽だまりポカポカ!キュアロゼッタ!」

 

ジェットより脱出。戦闘機からジコチューの上にロゼッタが降り立つ。

 

「なーんだ、来たのは黄色いのか」

 

「レジーナさん!花を枯らすのは止めて下さい!」

 

「やーだよーだ」

 

「人間って、花を見ると元気になるんでしょ?何故だと思いますか?」

 

「はぁ?そんなの知らないわよ」

 

「そこに命があるからです!」

 

ロゼッタはそう言って透明な球に入った植木鉢をレジーナに見せる。

 

「花は枯れ果て、残ったのは小さな葉っぱだけです。でも、それでも必死に生きようとしています!その姿は、花と同じくらい美しいとは思えませんか?」

 

植木鉢の花を持ちながら花の美しさをレジーナに伝える。

 

「レジーナさんの中には、美しいものを素直に美しいと感じる心があるハズです!

わたくしはそう信じています!」

 

「ふーん、だったら何なの?」

 

「受け取って下さい!この愛を!」

 

カプセルに入った植木鉢をレジーナに渡そうとする。

 

「愛・・・?」

 

ロゼッタの花を見て一瞬心が揺れ、レジーナの目の色が赤から青に戻る。

 

「そんなもの〜!ジコチュー!愛と一緒にアイツらを消しちゃえ!」

 

だがすぐさま首を横に振り、レジーナの目がまた赤く変わり、ジコチューに命令を出した。

 

ジコチューは「枯れちゃいな~」と言いながらロゼッタを攻撃する。驚くロゼッタはジャンプで避ける。

 

「落ちちゃいな~!」

 

ジコチューが指先から発射した種マシンガンを背中に受け、ロゼッタは墜落しかける。

 

「そんなに愛が好きなら愛と一緒に消えちゃえ」

 

そう言うとレジーナはエボルドライバーを装着した。

 

『コウモリ!発動機!エボルマッチ!』

 

ボトルを2本差し込み、レバーを操作した。するとレジーナのドライバーから無数のパイプ線が現れた。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

レジーナの体にパイプ線が一瞬に纏わりつき、マッドローグへと姿を変える。

 

『バットエンジン!フッハハハハハ ハハハハハ!』

 

マッドローグへと変身したレジーナは、更にドライバーのレバーを回した。

 

『Ready go!』

 

高く飛び上がり、背中にコウモリのような翼――『マッドナイトフライヤー』を広げる。

 

『エボルテックアタック!チャオ!』

 

マッドローグのライダーキックを受け、ロゼッタは地上へ向け落ちていく。

 

「レジーナさん、ごめんなさい。私の愛の力が足りませんでした。せめて、このコスモスだけでも…」

 

申し訳ない顔で言うとその時、光るコスモスの芽を見た。

 

「・・・そうです。そこに命がある限り、諦めては・・・いけません」

 

キリッとした表情になると、どこからかによって奏でられるハーブの音が聞こえた。するとロゼッタに羽が生え、落下が止まる。

 

「これは・・・」

 

ロゼッタを呼ぶ声が聞こえ、振り向くとそこにはエンジェルモードのハート達四人にクローズマグマとローグが現れた。

 

「皆さん!どうやってここへ?」

 

ロゼッタがどうやって来たのかと聞くと、後ろを指差すハートの背後から聞き覚えのある高笑いと共に巨大な飛行機が現れた。

 

「麗奈さん!」

 

コクピットに寄ると乗っていたのは麗奈だった。

 

「ありす、いえ、キュアロゼッタ」

 

とコクピットから呼ぶ麗奈。

驚いた様子でこっちを見るロゼッタに頷くハート、それを見てロゼッタはどう言う事なのか察する。

 

「この五星麗奈、友の為なら世界の果てまでも飛べますわ。

しかも、この五星財閥のソーラープレーンなら全員乗ることができてよ!」

 

「ありがとうございます」

 

ロゼッタは嬉しそうにお礼を言う。

 

「お礼を言うのは私の方です。これまで私が意地悪をしていたのはあなたと友達になりたかったから・・・それなのにあなたは既に私を友達と思ってくれていた!」

 

…と、今までになく半泣きかつ優しい口調の麗奈。

 

「はい、初めて会った時から」

 

とニッコリとほほ笑むロゼッタを見て、麗奈は思わず泣いてしまう。

 

「皆さん! 私にはこの程度の事しかできませんが、私の大切な友をよろしくお願いいたします!」

 

「「「「はい!」」」」

 

「任せろ!」

 

「当然です!」

 

ソーラープレーンから離れ、ロゼッタはハート達に寄ってくる。

 

 

 

その頃、地上ではグリスブリザードが完全体のエボルトと激しい闘いが行われていた。

グリスはドライバーのレバーを一回転させる。

 

『シングルアイス!』

 

グリスはロボットアームをエボルに向ける。

 

『グレイシャルアタック!バリーン!』

 

そして巨大化した左腕のアームで捕まえたエボルを壁に叩きつける。

 

「はぁ、はぁ・・・くぅ」

 

グリスはエボルに技を決めると急に膝を折る、それを見て壁に叩きつけられたエボルが近づく。

 

「やっぱ、その力に体が耐えられないみたいだな」

 

グリスブリザードは限界だとエボルが言うが、それでもグリスは立ち上がる。

 

「まだだ、てめぇを倒すくらい全然問題ねえよ!」

 

「強がるなよ。もうそろそろ限界のはずだ。それに・・・」

 

エボルは指を鳴らす。すると、後ろから三体のスマッシュが現れた。

――その三体は、以前グリスが初めて倒したスマッシュ――キャッスルスマッシュ、スタッグスマッシュ、オウルスマッシュだった。

 

「ロストスマッシュって奴か・・・」

 

「残念だったな、これで終わりだ」

 

三体のロストスマッシュがグリスに向かってきて、まさに絶対絶命のピンチだった。

すると、長い足がグリスの前に現れ、スマッシュを蹴り飛ばした。

 

「⁉︎」

 

「馬鹿やろ!無茶しやがって!」

 

「晴夜!」

 

間一髪のところでビルドが現れ、グリスのピンチを救った。

 

「ジコチューは!」

 

「マナと龍牙達に任せた。お前が気になってな。セバスチャンさんから聞いたぞ、ビルドドライバーをセバスチャンさんに用意して貰ったってな」

 

「ったく、心配すんなよ」

 

グリスがフラフラとバランスを崩し出し、すぐさまビルドが支える。

 

「これ以上は危険だ!このままだとお前は・・・」

 

「俺は、守りたいんだ!」

 

「えっ?」

 

ビルドは危険だと言うが、グリスは守りたいものがあると叫ぶ。

 

「ありすと麗奈が大切にしている花を・・・それを踏み付けたあいつをぶっ倒す!」

 

「かずやん・・・」

 

「お前と龍牙は想いでハザードレベルを上げてきた。だから俺は、何かを守りたいって想いでハザードレベルを上げる!」

 

「わかった。なら、俺も付き合うよ。いくぞ、和也!」

 

「おお!」

 

ビルドはジーニアスボトルを取り出し、ボトルを起動させる。

 

『グレート!オールイェイ!』

 

音声が鳴ると同時にキャップを正面に回し、ビルドドライバーに差し込む。

 

『ジーニアス!』

『イェイ! イエイ! イェイ! イエイ!』

 

レバーを回し、プラントライドビルダーGNが精製された。

 

『Are you ready?』

 

音声が流れ、ビルドは白いボディースーツになると同時にボトルに成分が注入され、プラントビルダーから射出された60本のボトルが全身に装填される。

 

『完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!スゲーイ!モノスゲーイ!』

 

ジーニアスフォームへとフォームチェンジしたビルドはグリスと肩を並べ、エボルとスマッシュへと挑む。

 

「エボルトは任せろ。お前はスマッシュを頼む」

 

「了解」

 

エボルはグリスに任せ、ビルドは三体のロストスマッシュを引き受ける。

ビルドに三体のロストスマッシュが攻撃を始めた。フルボトルバスターを使いスマッシュの攻撃を防御する。

 

「こいつらが、ロストスマッシュなら、ジーニアスボトルで救えるかもしれない!」

 

スマッシュの攻撃をさばきながら勝利の法則を導き出すためにビルドとスマッシュの周囲から数式が囲まれる。

 

「いける・・・勝利の法則は、決まった!」

 

そう言ってビルドはドライバーのレバーを回した。

 

『Ready go!』

 

ビルドが右手をなぞり上げながら決め台詞を言うと、放物線がスマッシュを拘束し、高く飛躍した。

 

『ジーニアスフィニッシュ!』

 

後ろのボトルから放たれた虹色のエネルギーが加速となり、ビルドのライダーキックを三体のロストスマッシュへ放ち、浄化させた。

 

「チッ!やられたか…」

 

「余所見すんな!コラッ!」

 

グリスのロボットアームの攻撃がエボルに直撃した。

 

「バカな…ハザードレベルが上がってる。先までフラフラだった奴がなぜ!」

 

「言ったはずだ。心火を燃やしてぶっ潰すってな!」

 

グリスはレバーを回し、音声が鳴る。

 

『シングルアイス!ツインアイス!』

 

2回以上レバーを回すと、高く飛躍する。

 

『Ready go!』

 

グリスの繰り出すキックに吹き荒れる吹雪を纏う。

 

『グレイシャルフィニッシュ!バキバキバキバキ! バキーン!』

 

冷気を纏ったライダーキック。エボルを粉砕する程の勢いを繰り出し、エボルを吹き飛ばした。

 

「やってくれるじゃねえか〜!」

 

エボルが呟くと起き上がり始める。

 

「だが、目的は果たした」

 

エボルの手には、いつのまにか黒く染まった3本のロストボトルがあった。

 

「しまった!ロストボトルが!」

 

「あと2本、もうすぐだ。そうすればお前達は終わる。楽しみだな〜、チャオ〜!」

 

そう言うとエボルはロストボトルを持って去っていった。

 

(あと2本、もう8本ものボトルが黒く染まっているのか、しかも7本はエボルトの奴らの手にあるの・・・)

 

ビルドは向こうのロストボトルの数を推測する。

 

「かずやん大丈夫か?」

 

「ああ、何とか・・・」

 

グリスはそう言うが急に倒れ出し、変身解除してしまう。

 

「かずやん!大丈夫か!」

 

ビルドが倒れた和也の体を触る。

 

「まずい!ハザードレベルが急激の上がったために体が付いていけてなかったんだ!このままだと・・・」

 

グリスブリザードの影響により、和也の体が限界を超えたためにかなり危険な状態だった。すぐにビルドジーニアスの天才の知識を活かし和也を救うために数式が周囲を囲む。

 

(・・・ダメだ、龍牙の時とは違う。ただ中和するだけじゃあ・・・中和・・・

はっ⁉︎そうだ、これならいける!)

 

ビルドは和也を救う手段を思いついた。

 

 

その頃、成層圏ではマッドローグとなったレジーナと枯れ木ジコチューを止めようとしていた。

 

「ちょっとマナ~あたしの話を、聞いてくれる?」

 

「うん、幾らでも!」

 

ハートがマッドローグの方へと飛んで行く。

 

「あたしもレジーナといっぱいお話したいの。きっと、晴夜くんも」

 

「あたしね、そういう友達ゴッコ・・・一番ムカつくの!」

 

「えっ・・・?」

 

枯れ木ジコチューがハートに向けて指から種を連射した。

 

「ロゼッタリフレクション!」

 

しかし、ロゼッタがロゼッタリフレクションで種を防いだ。

 

「大丈夫ですか?」

 

「ありがとう!」

 

それを見て、仮面の奥でレジーナは悔しそうに歯を食いしばる。

 

「全部、消えちゃえ~!」

 

マッドローグが二人に向けてミラクルドラゴングレイブから光線を放つ。すると、クローズが前に出た。

 

『ボトル バーン!』

 

ナックルにボトルを取り出しもう一度差し込み、手に当てる。

 

『ボルケニック ナックル!』

 

マグマを纏ったナックルがドラゴングレイブの攻撃をぶつけ掻き消そうとする。

その隙にエースがラブキッスルージュを手にしてマッドローグと戦い競り合う。だがエースの方が押され出し、負けて殴り飛ばされる。

 

「エース!」

 

「ありがとうございます」

 

間一髪のところでローグがエースを庇った。

だが、今度はジコチューの根を覆っていた岩盤を粉砕しハート達にぶつける。

 

「やったね!今度は特大の種で地球上の花ぜーんぶと、プリキュアと仮面ライダーをしわくちゃにしちゃって~!」

 

「任せちゃいな」

 

ジコチューが用意すると傷だらけの体でロゼッタがラブハートアローを構えようとする。

発射するジコチューに気合の声と共にリフレクションで受け止める。

 

「無理しちゃって・・・でも、どこまで持つかしら」

 

「いけません!それ以上パワーを使い続けたら、キュアロゼッタの生命エネルギーまでもが・・・失われてしまいます!」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

エースの発言を聞いて全員が驚く。

 

「私は・・・負けません!」

 

「バッカみたい! それじゃ守るだけで何にもできないじゃん」

 

「それでも構いません」

 

「はぁ~?」

 

「花はそこにあるだけで人々を笑顔にします。マナちゃんに晴夜さんや麗奈さん達は私にとって花と同じ。ならば、私にできることは全力でその花を守り抜くことです!」

「そして、レジーナさんも守るべき花の一つなんです!」

 

ロゼッタはレジーナも、マナや晴夜達と同じ友達だと思っていた。

 

「あなたに、コスモスの花言葉を送ります。花言葉は『乙女の純心』、本当のあなたは、純真な心を持っています。そして、その心は愛に溢れています!」

 

叫ぶと同時にロゼッタリフレクションが広がり、コスモスの芽が育って花が咲いた。

 

(まただ・・・胸がチリチリして熱い・・・!)

 

咲き誇ったコスモスを見て、変身解除したレジーナの胸が熱くなった。

そして種にヒビが入って砕け散り、ジコチューの表情が歪んだ。

 

「みんな、いくよ!」

 

ハートの声と共に、クローズとローグの二人はドライバーのレバーを回し、下ろす。

 

『Ready go!』

 

「「「「「プリキュア!ロイヤルラブリーストレートフラッシュ!」」」」」

 

ハートがマジカルラブリーハープの弦を爪弾くと、空中で組み立てた陣形の中央から、ロイヤルラブリーストレートフラッシュを放たれた

 

『ボルケニック アタック!』

『クラックアップ フィニッシュ!』

 

さらに、クローズとローグのライダーキックで追い討ちをかけ、ジコチューは浄化された。

 

「レジーナさんの心には、やっぱり愛が溢れていました」

「むかつくむかつくむかつく!」

 

彼女は悔しそうに手足をバタバタさせながら逃げて行った。

 

地上は元通りになり。ありすと麗奈の店で花を買ったサラリーマンと男性客の花も元通りになり、ラジコン青年のプシュケーも元に戻った。

 

 

 

それから夕方になり、バザーも無事に終わった。

 

「う・・・」

 

「気がつきましたか?」

 

「ありす・・・俺はどうして?」

 

グリスブリザードから強制解除し、倒れた和也が目を覚ました。

 

「お前の体を中和したんだ」

 

「えっ?」

 

晴夜が現れジーニアスボトルとマジカルラブリーパットを見せる。

和也の体は急激なレベルアップにパンク寸前だった。そのため、ジーニアスでも治せるか不安があった。

だが真の力に目覚めたマジカルラブリーパットのエネルギーをプラスし、ジーニアスの中和力をさらに高めた。それより、和也の体をさらに強くさせ、パンクを防いだ。

 

「話が複雑過ぎてどう突っ込んでいいのかわからねえ・・・」

 

「とにかく、今のお前ならブリザードの力を最大限に引き出せるはずだ」

 

晴夜がこれからも安全にグリスブリザードを使えるという。

――すると麗奈が現れ、バラの花の鉢を二つ持ってきた。

 

「受け取って。友情の証よ。それとあなたもどうぞ」

 

「ありがとうございます。わたくしからも」

 

ありすと麗奈が、コスモスとバラが咲いた植木鉢を交換する。

 

「良かったシャルね~!」

 

「でも、ありすの一番の友達はランスでランス~」

 

「お花屋さん、楽しかったね!」

 

「はい!そして今回、新たな夢を持つ事も出来ました」

 

「新たな夢?」

 

新たな夢と聞いて、和也はどういうものなのか気になった。

 

「はい。これまでは漠然と、人々の笑顔を守りたいと考えていましたが、それには、大いなる愛の力が必要だと分かりました」

 

「大いなる・・・」

 

「愛の力・・・?」

 

大いなる愛の力と聞いて、真琴と亜久里が呟く。

 

「か弱くても、そこにいるだけで人々を笑顔にする花のような存在を、大いなる愛の力で守り抜く。そのためにわたくしは、四葉財閥を、更に大きく育てて行きます」

 

「お嬢様・・・!」

 

セバスチャンがありすの成長に涙を流す。

 

「ありすならきっと出来るぜ。そういう俺も夢を決めたぜ」

 

「夢ですか?」

 

「俺はもっと花を育ててみたいと思う。今日のありすと麗奈のようにな」

 

バラの咲いた植木鉢を持ちながら、和也が自分の夢を話す。

 

「私も手伝わせて下さい、和也さんの夢を」

 

「ありがとう」

 

「あたしもいつか、愛の力でレジーナを」

 

「俺も、必ず父さんを超えてみせる」

 

「はい。私も全力でお手伝いさせていただきますわ」

 

まぶしいくらいの笑顔になったありすは、新たなる夢への第一歩を踏み出し。和也も新たな力――グリスブリザードの力をものにした。

 


次回!Re.ドキドキ&サイエンス!

 

第49話 祝おう!プライムで特別な誕生日

 

 




おまけ

もしも、前回の話の予告編が遊○王風だったら。

真琴「やめて!今の和也がグリスブリザードになったら、人間が持つハザードレベルの限界を超えて消滅しちゃう!

お願い、死なないで和也!あなたが今死んだら、ありすや晴夜、お爺さんとの約束はどうなるの!?まだグリスのままでも勝機はある!ここを耐えればエボルトに勝てるんだから!!

次回、「グリス、死す」。デュエルスタンバイ!!


晴夜「死なせちゃったよ…なんでそんなネタバレ残していったの…」

かずやん「推しに看取ってもらえるなんて、幸せ者だな……あいつらに、あいつらに自慢してやんねえとな…」

晴夜「そう言う問題じゃないでしょ」

これぞまさにグリスショック。

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