幻冬「トランプ王国を滅ぼしたキングジコチューの正体がアン王女の父親であることが判明!更に亜久里ちゃんとレジーナ、アイちゃんが元々アン王女で、一つの存在であったことに僕たちは驚きを隠せずにいた。そして遂にキングジコチューが復活、人間界の侵略を開始したのだった」
人間界のクローバータワー付近にキングジコチューが現れた事で、町中の人々がパニックに陥っていた。
トランプ王国でキングジコチューが復活し、黒いパネルの力を使い人間界へとワープして侵略を始めようとしていたのだ。
「キングジコチュー様、復活おめでとうございます。我々はこの日が来るのを心待ちにしておられました」
「調子いい事言っちゃって」
「やな感じ」
ベールがキングジコチューにお世辞を言ってるのが、イーラ達はやな感じと気に入らなかった。
「これより、人間界を攻略する。刃向う者は全て消し去れ!」
「承知致しました。今日こそ邪魔なプリキュア共と仮面ライダーを始末して見せましょう」
キングジコチューの周りにトランプ王国から連れてきた大量のジコチュー軍団が現れてくる。
「よろしいですね、レジーナ様?」
「当然よ。行きなさい」
「ハッ」
ベールがレジーナの前から去る。
「フン、素直じゃねーな」
「何の事?」
「別に」
すると今度はレジーナの元にイーラが近づき、素直じゃ無いなと言う。
「アタシはパパのために生きるって決めたのよ」
「ふーん、ならいいけど。でも、お前のプシュケー、萎れててみっとも無ぇぜ」
そう言ってからイーラも移動した。
その時、マスコミのヘリコプターがキングジコチューが現れたクローバータワー上空を旋回していた。
『大変な事態です!付近の住民は大至急非難を・・・!』
ヘリコプターに乗っていたレポータが住民に避難をするよう上空から伝える。
『あら・・・?あれは一体・・・』
ヘリコプターに乗ったレポーターがハート達に気付く。
「さあみんな、行こう」
空中を翼を広げたエンジェルモードとなったハート達が強い決意を宿す瞳で、キングジコチューたちを見据える。
地上の方では最終フォームへと変身したビルド達四人もキングジコチューを見据える。
「行くぞ!」
ビルドが叫ぶと共に四人は走り出し、ビルドからグリスとローグに向けてUFOボトルの円盤が二枚出現し、二人が乗り上空へと向かう。
ビルド達がジコチューを迎撃しながらキングジコチューの方へと向かう。
「ときめきなさい!エースショット!ばきゅ~ん!」
『クロコダイル!ファンキーショット!』
「プリキュア!スパークルソード!」
「はぁ〜オラァァァァァ!」
エースショット、ファンキーショット、スパークルソードを放ち、最後にクローズの放たれた炎のエネルギー波がジコチューを一掃する。
だが、それだけではジコチュー軍団は一向に減りはしなかった。むしろ、更に戦略を増やし九人を潰しに現れる。
「とにかく、キングジコチューの所へ行こう!」
「あぁ、こんな事すぐに止める!」
「とは言え、これじゃあ中々・・・」
無数とも思えるジコチューが向かって来るため、ビルド達はキングジコチューの元へとなかなか迎えなかった。
「泣き言を言っても始まらないわ」
「そうね。プリキュア!ダイヤモンドスワークル!」
ダイヤモンドスワークルを放って地上のジコチューを一掃すると、今度は上空からかなり巨大なカラスジコチューが向かってくる。
「邪魔すんな!」
グリスはブリザードナックルを外し、ボトルをもう一度差し込む。
『ボトルキーン!グレイシャルナックル!ガチガチガチーン!』
グリスが円盤から飛び、グレイシャルナックルを繰り出しジコチューの妨害を防ぎ、吹き飛ばした。
『これは映画ではありません!今まさに起っている現実なのです!海から現れた巨大生物達を喰い止めるべく、五人の少女達と四人の謎の存在が必死に戦っているのです!』
ヘリに乗っているアナウンサーがその状況を町中に伝えていた。
『何者かは分かりませんが、ただ一つ言える事は、彼らは命がけで我々を、この世界を守ろうとしてくれているのです!』
そんな状況を、大貝第一中学校では晴夜達の担任の城戸が見ていた。
「先生!俺達も早く避難しないと!」
「そうしようと思った所だ」
「あっ!あれ!キュアハートよ!」
「それに、仮面ライダービルドも!」
城戸のパソコンに付いたテレビに、以前文化祭で助けられた仮面ライダービルドとキュアハートが映し出される。
「僕達をいつも守ってくれるあの人は一体、何者なんでしょう・・・?」
当然、ビルドとハート達の正体を知らない十条は、彼らが誰なのかどうか考えながらそう呟いていた。
町中の人達が九人を戦いを見ている中、ビルド達はジコチューの多さになかなか先に進めずにいた。
「キリがありませんわ!」
「ホントに・・・!」
「こうなったら、一気に行くしかない!」
ビルドが言うとベールが現れて指から電撃を放つ。ビルドとハートはこれをかわす。
「ベール!」
「よう、プリキュア共とライダー共よ。お前達との腐れ縁も今日が最後―――のわっ!」
ベールが言いかけると剣の形をしたエネルギーと炎のエネルギーがベールの横を通り過ぎる。そして、クローズとキュアソードがビルド達の前に現れる。
「ソード!龍牙君!」
「ここは私達に任せて、みんなは先へ!」
「お前ら早く行くんだ!」
ビルドとハート、エースにキングジコチューの元へ先に行けと言う。
「お前達二人でこの俺を止められるのか?」
「いいえ!」
「そいつらだけじゃねえ!」
「僕たちもいる!」
「何・・・ギャース!」
グリスとローグが不意打ちでベールを殴るとロゼッタが放った四葉状のエネルギーがベールに直撃し、ビルの壁に叩きつけられる。
「二人ではありません!」
「まこぴーファンを舐めるな!」
「僕達を入れて五人だ!」
「かずやん!幻冬君!ロゼッタ!」
グリス、ローグ、ロゼッタもベールの前に現れ、クローズとソード共にビルド達の道を守る。
「わたくし達の思いは一つ!」
「さあ!行ってください!」
「ここは、俺達が心火を燃やして通さねえよ!」
「ありがとう!」
この場をグリス達に任せ、ビルド・ハート・ダイヤモンド・エースの四人が先へ向かう。
「情けないわね。そんなんであいつらを倒せるの?」
「倒す必要など無い!」
「へっ?」
「奴らは自ら滅んで行く。そう、愛などと言う下らない幻想に縛られているせいでな」
ベールが彼らは自ら滅んでいくと言うが、マーモにはその意味がわからなかった。
その頃、先に進んだビルド達は更なるジコチューの群れが現れる。
「まだ、いるのかよ・・・」
「ここは、私に任せてハートと晴夜君、エースは先に行って!」
「わかった!行こう!」
「すみません!」
「頼む」
ビルド、ハート、エースの三人は先へと進み、ダイヤモンドは一人でジコチューの相手をする。
「煌めきなさい!トゥインクルダイヤモンド!」
トゥインクルダイヤモンドを放って地上のゴリラジコチューを凍らせて砕く。
着地と同時に鳥ジコチューが口から光線を放とうとしていた。
だがそのジコチューは、突然消滅された。
「プリキュアを倒すのは、この僕だ」
そこにイーラが現れた。
「イーラ・・・前にもこんな事があったわね」
「覚えてねーな」
「そう、残念」
「キングジコチュー様が復活した今、お前達に勝ち目は無ぇぞ。なのに何でまだ戦うんだ?」
「確かに厳しいけど、諦める訳には行かないから」
「そうか・・・それなら―――!」
瞬間移動したイーラの拳から一撃が繰り出されるが、ダイヤモンドは両腕で防ぐ。
「お前だけは、ここで僕が倒してやる。キュアダイヤモンド!」
「いいわ。でも、あなたに私は倒せないわよ」
「なっ、それはどう言う意味だ?」
「知らないのなら教えてあげる。ダイヤモンドは、傷つかないのよ」
その頃、マーモの攻撃を受けたロゼッタが吹き飛び、グリスとローグが後ろに回ってビルの屋上の床に叩きつけられるのを防ぐ。
「ホントしつこいわね、アンタ達。この状況で何が出来るって言うのよ」
「分かりません。でも、みんなで頑張ればきっと道が切り開ける。そんな気がするんです」
「気がする?それだけ?」
「それだけで十分だ!」
「僕達にとってはそれだけで可能性が広がる!」
「それがわたくし達の、カッチカチの絆なんです!」
そう叫び、両手にロゼッタウォールを展開させる。
「下らない!」
マーモが鞭を放つとローグが背中のマントを使いロゼッタを守ると、グリスがロボットアームで反撃に出る、マーモは両腕を使いその攻撃を防ぐ。
「その上、今日は俺達かなり燃えてんだよ!」
「いつも以上に!」
二人が言うと多数のジコチューが向かって来るが、グリスとローグはドライバーのレバーを回す。
『グレイシャルブレイク!』
『プライムスクラップブレイク!』
二人で同時にカウンターキックの衝撃波を放ち、ジコチューを一掃した。
一方、ソードが連続でベールに攻撃を仕掛けるが、次々とかわされる。
「どうしたキュアソード?そんなんじゃこの俺は切れんぞ」
ベールが反撃に出て、ソードに攻撃しようとする。
「私が切るのは、あなたじゃ無い!」
そう言ってソードはベールの攻撃を避ける。
「何っ⁉︎」
『ボルケニックナックル!アチャー!』
ソードが避けるのと同時にクローズがボルケニックナックルを放ちベールを吹き飛ばす。
「断ち切るのは弱さ!切り開くは未来!心を繋ぐ勇気の刃!それが私!王女様から貰った名前!キュアソードよ!」
「そして、こいつの手助ける相棒は、誰にも負ける気がしねぇ!この俺、仮面ライダークローズだ!」
「ナマクラ共がぁ!」
ベールが怒りを感じ、クローズとソードに向かってくる。
みんながジコチュー達を足止めしてる中、ビルドとハートとエースは先へと進む。
「みんな・・・」
「ありがとう・・・」
「晴夜!ハート!」
三人がキングジコチューの傍に辿り着くと、そこにはレジーナが待ち構えていた。
「レジーナ・・・」
「晴夜、マナ、あなた達はどうしていつも・・・アタシはもう、あなた達の顔なんて見たくないのに」
「言ったろ、最高の法則を見つけて見せるって」
「・・・」
最高の法則を見つける、そう答えたビルドをレジーナは睨みつける。なんでそんなこと言えるの?見つけられるわけないのに。と言わんばかりの、どこか辛そうな顔で。
それを見たハートも彼女に向けて口を開く。
「それに、約束だから」
「えっ・・・?」
「落ち着いたら、一緒にお父さんに会いに行こうって言ったじゃない。ちょっと予想外の形になっちゃったけど、今がその時だよ」
以前したレジーナの約束を今ここで叶えると言うと、キングジコチューに目を向ける。
「キングジコチューさーん!あたしの話を聞いて下さーい!」
「やかましいわ!」
ハートがキングジコチューに向けて叫ぶが、やかましいと返される。
「私の前から・・・消えろ!」
左手で薙ぎ払うと同時に突風が起こってビルドとハートとエースが吹き飛び、地面に叩きつけられてしまった。
三人が起き上がろうとするとキングジコチューは三人を踏み潰した。
「ほら見なさい。あなた達の声は、パパには届かないのよ」
ビルド達の声は届かないと言われると、キングジコチューの足が少しずつだが浮かび上がる。
「そんな・・・!」
三人はどうにか抑えて、踏み潰されていなかったようだ。
「例え、今は俺達の声が届かなくても、俺は諦めない!」
「何っ⁉︎」
しかも、踏み潰されされるどころか三人はキングジコチューの足を持ち上げていく。
「少しは・・・!人の話を・・・聞きなさい!」
「あたし達は、みんなの笑顔を守りたいだけなんです!」
「守る?そんなちっぽけな力で何が守れる?」
「確かに、俺達の力はちっぽけで弱いものかもしれない。それでもかけがえのない人の笑顔を守って見せる!」
「この世界も・・・トランプ王国も!」
「レジーナも・・・あなたの笑顔も!」
「「「守って・・・みせる!」」」
三人が叫ぶとビルドは片手でキングジコチューの足を抑えながら、ドライバーのレバーを回す。
『ワンサイド!Ready go!』
ビルドの右側にある有機物のボトルが光り出す。
『ジーニアスアタック!』
ビルドのジーニアスアタックで三人はキングジコチューの足を押し返した。
それを離れた所から見ていたイーラとマーモは驚く。
「凄ぇ・・・アレを押し返すのかよ・・・!」
「だが何をした所でもう遅い」
ベールは一人冷静でいた。
「どういう事⁉︎」
「何が遅いんだよ⁉︎」
「この世界はもう終わる。お前達もすでに知ってるだろ?トランプ王国が滅んだ日の事を」
『⁉︎』
ベールの発言を聞いてクローズ達は思い出す。
トランプ王国が滅んだのは人がジコチューとなり、ならなかった人は命を落とし、その繰り返しがトランプ王国の滅亡を導いた。
「それまでは仲睦まじく暮らしていた国民達は恐怖の余り豹変し、自分だけは助かりたいと言う思いで醜い行動を取り、自らジコチューと化した」
その時の事をベールが語り始める。
「そして今、あの時と同じ事がこの世界にも起きようとしている。トランプ王国と同じように、この世界も愛を失うのだ」
もうすぐビルド達以外はジコチューになりトランプ王国と同じ運命を辿ると言った、
ベールは既に勝利宣言をしてるような口調で高々と笑う。
「そんな事無い!お前は人の気持ちをわかってない」
「何っ?」
だがビルドはその言葉を否定し、その様なことにはならないと語る。それを聞いたベールは笑みを止め、どう言うことなのか疑問に思った。
「愛の力は、何にも負けないってあたしは信じてる。今だってきっと、愛の力で支え合っているよ!」
「そんな奴が一体どこにいる?」
「いるよ。確かに感じる。みんなの、ドキドキするような愛の鼓動を!」
ハートが胸に手を当てて感じる。今この状況の中でも感じる愛の鼓動をーー
その時、ベールの言う通り、自分だけが助かりたい、邪魔をするなと言った人が現れていた。だが、そうでない人もいた。
「すいませーん!誰か手を貸して下さーい!ケガをして、動けない人がいるんです!誰か手を貸して下さい!」
逃げ遅れて怪我をしてしまった人を見つけた純は、誰か手を貸してくれないかと助けを求める。すると彼らの前に二階堂と桃田の二人がやって来た。
「おい!ケガ人はどこだ!」
「早くしないと逃げ遅れるっスよ!」
「先輩!ありがとうございます!」
「すぐ案内しろ!」
「はい!」
「俺も手伝います!」
「私もだ!」
純達が怪我人を避難所に運んでいると、逃げていた二人の男性も手伝う。
「ありがとうございます!」
「困った時は助け合いっスよね!」
大貝第一中学の生徒が、必死に逃げ遅れた人達を助けていた。
大貝大学病院でも、マナの家族達が手を貸しながら病院内も混乱なく回っていた。
「大丈夫ですよ。すぐ助けが来ますからね」
「すみません、手伝って貰っちゃって」
「いえ、気にしないで下さい。こう言う時ですから」
健太郎達が病室にいた患者を励ます。
そして、四葉邸でもセバスチャンが救助した人達を病院へと運ぶ。
「皆様!お待たせしました!搬送が必要な方から、順番に救助を開始します!」
そこに、もう一つヘリが現れた。
「おーっほっほっ!この五星麗奈も、及ばずながらお手伝いさせていただきますわ」
そのヘリは五星財閥の所有するものだった。
ハートは感じていた。みんなの流れる鼓動はとても優しいもので、ジコチューになることないと。
「ほら、聞こえるよ。愛の鼓動が」
「確かに感じる。誰かを思いやる優しい音色」
「決して希望を捨てない、優しい音色」
「互いに支え合い、響き合って―――」
「ハーモニーを、奏でています」
ハート達のように鼓動は感じないが、みんなの想いはビルド達にも強く感じていた。
「みんなの優しさの気持ちが」
「俺達にも伝わる」
「みんなの想いが、俺達の心に響き」
「僕達の力となる!」
九人の戦う覚悟は更に強く、力を強く押してくれるものだった。
「下らん!ならばその愛の鼓動とやらを、止めてやる!」
キングジコチューが口元にエネルギーを溜め、光線を放とうとする。
『フルフルマッチ デース!』
ビルドがフルボトルバスターを取り出しフルフルボトルを差し込むと、虹色に輝くエネルギーが収束されていきトリガーを引く。
『フルフルマッチブレイク!』
フルボトルバスターから放たれたエネルギー砲はキングジコチューの光線を打ち消し、キングジコチューに直撃した。
「ぬおっ!」
「パパ!」
フルボトルバスターの攻撃を受けたキングジコチューが後ずさる。
「それだけは、絶対にさせない!必ず守りぬいて見せる!」
「小うるさい奴らめ!」
そう叫んだキングジコチューが起き上がる。
「これ程の力の差がありながら、まだ刃向おうとするお前達は恐れを知らぬのか!」
そう叫ぶが九人は動じず、恐れずにキングジコチューを見る。
「怖くなんかないわ!」
「俺達はあんたの本当の気持ちを知ってるからな!」
「ええ。エターナルゴールデンクラウンが教えてくれた」
「あなたは、レジーナさんのお父様ですから」
「そして、エースのお父さんでもある!」
「幻冬・・・」
「そう、だからこそ絶対に分かり合える!ハズなんです!」
「もういいわ」
レジーナが声が聞こえるとエネルギー波が九人に向けて放たれた。
「レジーナ!」
そこにミラクルドラゴングレイブを九人に向けたレジーナが現れた。
「どうしてもパパの邪魔をすると言うのなら、アタシが相手よ!」
そう叫んだレジーナはエネルギー刃を放ち、ハートに命中させて吹き飛ばす。
「ハート!レジーナ!」
ビルドが叫ぶとレジーナは更にハートにキックを繰り出してダメージを与え、崩壊したタワーに入る。
『ラビット&ラビット!』
「ビルドアップ!」
『紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!ヤベーイ!ハエーイ!』
ラビットラビットフォームとなったビルドはタワーの方へと向かう。
「ハート!」
「来ないで!」
すると、エース達に向けて光弾が放たれるが躱す。
「よそ見してる場合か?」
「忘れて貰っちゃ困るわね」
エース達の傍にイーラ達が現れる。
その頃、タワーの中に入っていったハートとレジーナ。中は煙で覆われていた。
「レジーナ!」
「やぁぁぁーー!」
レジーナがミラクルドラゴングレイブをハートに振りかかる。ハートは腕を出して防ごうとすると、何かが当たり火花を散らす。
「「晴夜!」」
振りかかる瞬間に、ラビットラビットフォームへとなったビルドがフルボトルバスターでミラクルドラゴングレイブの攻撃を止めた。
レジーナはそのままビルドとハートから離れた。
「何のつもり晴夜!アタシをバカにしてるの!?」
ジーニアスからラビットラビットフォームになった事に疑問があることを叫ぶと、ミラクルドラゴングレイブにエネルギーを溜める。
「邪魔しないでよ!」
レジーナの攻撃を受け、二人とも吹き飛ばれてしまった。
「何よ、もう終わり?こんな痛い目に遭っても、まだアタシやパパと話が出来ると思ってんの?」
レジーナは近づいてきて槍を二人に向けると、ビルドがハートの前に出る。
「・・・どうしてやり返してこないのよ!」
「これが、俺の償いなんだ!」
「えっ⁉︎」
ビルドは償いだと言い、それを聞いたレジーナは驚く。
「あの時、俺はハザードトリガーを使ってその力が制御出来ずお前を傷つけた・・・
だから、俺にはそのお前の痛みを受ける責任がある!」
ラビットラビットで現れたのは、レジーナを心の奥底まで傷つけたハザードトリガーを使用した自分への罪を償うためだと、その為にこのフォームで現れたと言う。
「何よ・・・そんな事・・・」
今さらそんな事だと言うと、ハートが起き上がってレジーナに語りかける。
「あたし・・・レジーナとは戦わないよ」
「何でよ!」
「友達だから」
友達だからと言うと、レジーナは槍を二人から離す。
「友達との約束は、守らなきゃ」
「いい加減にして!そんな約束、もう意味なんて無い!アタシ達はもう友達なんかじゃ・・・!」
レジーナはミラクルドラゴングレイブをビルドとハートの顔近くに突き刺して叫ぶ。
「友達だよ」
「レジーナ、もう苦しむ必要ない。お前の苦しみは俺が、俺達がいくらでも聞くし、受け止めてやる」
「あ、アタシは苦しんでなんて・・・」
レジーナが言いかけるとハートが口を開く。
「レジーナ、泣いてたよね」
ハートとビルドは、レジーナがトランプ王国の惨劇の真実を知った時、涙を流していたことを思い浮かべた。
「あれは嬉し涙なんかじゃ無い。行き場を無くして溢れた悲しい涙」
本当の事を言われたレジーナは動揺を見せ、図星だと言う事がハートとビルドは分かっていた。
「俺はレジーナのそんな顔を見たくない。俺はお前の笑顔が見たい。あの時、三人で町を歩いた時の笑顔を」
初めてレジーナと友達となり、一日中振り回されたが、その時の笑顔はとても優しいものだと感じていた。だから、そんな顔を見たくないと語る。
「何で・・・何でよ・・・!何なのよ!アンタ達なんか、アタシの家族でも何でも無いクセに、他人のクセに!」
叫び終えるとハートがレジーナを抱き締める。
「好きだから。あたし、レジーナが好きだから。それだけじゃ、ダメかな?」
抱きしめながらハートはレジーナの思いを受け止めようとする。
「レジーナが好きだから、レジーナが愛するパパも好きになれる。分かり合いたい。だから、もう一度話そうレジーナ?あたしと、あなたと、あなたのパパで」
ハートの言葉がレジーナの心に強く響く。
「レジーナ。もう一度話そう」
ビルドがレジーナに手を差し向ける。
「黙れぇ!そんな戯れ言に耳など貸すなレジーナ!レジーナを・・・惑わすな!」
そう叫んだキングジコチューが口から光線を放とうとした。
「また、あれを撃つの!」
「お前ら避けろ!」
キングジコチューはビルドとハートに向けて光線を放とうする。
「止めて!」
しかし、光線から二人を守ろうとレジーナが前に出た。
するとその時、レジーナの持つミラクルドラゴングレイブが輝き出す。
「槍が!」
「これは・・・」
光り出したミラクルドラゴングレイブがキングジコチューの光線を無力化し、槍の先端が紫色から黄色へと戻った。
「どうして・・・」
レジーナは槍を見つめていると槍から何かが出現した。それはエースのラブアイズパレットになって、更に変身アイテムに緑色の変身ラビーズが現れた。
「それって、パレットにラビーズ!」
「レジーナ!もしかしてなれるんじゃない!」
レジーナの手に二つのアイテムが置かれた。すると、アイちゃんが三人の前に現れた。
「アイちゃん・・・」
「きゅぴ!」
アイちゃんはやる気だと感じ、レジーナもそれに気づき頷く。
「プリキュア!ドレスアップ!」
「きゅぴらっば〜!」
アイちゃんから放たれた光はエースの時と違い緑色だった。
パレットにラビーズをセットし、エースと似た手順を取るとレジーナが緑色の光に包まれ、姿を変える。
「運命を変える切り札!キュアジョーカー!」
光から現れたレジーナの服装がエースより背丈が短い姿になり、頭の赤いリボンには銀の線が加わり、黒の服には緑色が混じり、髪色も深緑色へと変わった。
それを遠くから見ていたクローズ達、全員も驚いていた。
「れ、レジーナが・・・!」
「プリキュアになった・・・⁉︎」
「こんな事が・・・」
「そんな馬鹿な・・・!」
「おいおい、どーなってんだよ⁉︎」
「あの子がプリキュアになっちゃったわ!」
「ま、マジかよ⁉︎」
「新しいプリキュアの誕生なんて初めて見ました」
「それを言うなら俺もで、驚いて何も言葉が出ねえよ」
レジーナが新しいプリキュア――キュアジョーカーになった事に驚いていると、キングジコチューの叫びを促す。
「何故だレジーナ!何故お前がプリキュアなどに・・・!何故私に逆らう!」
キングジコチューの悲しみの叫びが自分に逆らうジョーカーに向ける。
「まさか、またお前の心に愛が芽生えてしまったと言うのか・・・!」
「パパ・・・ううん、違う。そうじゃないよ」
キングジコチューの発言にジョーカーは首を横に振る。
「愛は、最初からアタシの中にあったんだよ。パパだってアタシ、パパの事大好きだもん」
キングジコチューの事が大好きと言うとジョーカーはビルドとハートの二人を見て手を握る。
「でも、でもね―――やっぱりマナと晴夜も好き!パパと同じくらい!どっちかなんて選べない位!マナと晴夜が好きなの!」
マナと晴夜が好きとジョーカーは叫ぶと二人は嬉しそうに呟く。
「レジーナ・・・」
「ようやく、本音が聞けたよレジーナ」
「ううん、今のアタシはキュアジョーカーよ」
今はキュアジョーカーと言うとビルドは手を頭に乗せて癖で自分の頭をかく。
「へへ〜ん♪最高だなー!」
口癖の最高だなとビルドが呟く、ジョーカーは笑顔で頷く。
一方でベール達は何がなんだかわからなかった。
「何だそりゃ・・・」
「それってある意味究極のジコチューじゃない」
「でもよ、アイツのプシュケー、すっかりピチピチのプルプルに戻ってやがる」
イーラから見えるジョーカーのプシュケーはピンク色だと語る。
「これっていけない事?」
今の自分のやっている事はいけない事なのかと二人に聞く。
「そんな事無いと思いますわ」
「大切なのはその気持ちに素直になれるかですよね」
「あぁ、本当の気持ちにいいも悪いもねぇよ」
「私も。前は王女様しか見えて無かったけど、今は、ここにいるみんなが大切に思える」
他のみんなも現れ、今のジョーカーの行動は決して間違いじゃないと言う。
「黙れ!レジーナ!お前は私だけ見ていれば良いのだ!」
「そう思う気持ちは分かるわ。私も、その気持ちに覚えがあるから」
マナと真琴が仲良くなって羨ましいがっていた、あの時の自分と同じだとダイヤモンドが言う。
しかし、ダイヤモンドはハートとビルドを見ながら話し続けた。
「でも、好きな誰かを独り占めするよりも、好きな人が好きな人を、自分も好きになって、そうやって人の輪が広がって行く方が何か、いいじゃない?」
「それでそいつの事を知ればもっとそいつのが好きになって、人との繋がりが更に広がる」
クローズも、もう一人の相棒の晴夜と会って人の事を知れば繋がりが広がるものだと話す。
「黙れ黙れ黙れ!」
「もう、お止め下さい。人と人との繋がり、それが愛!愛の戦士たるわたくしの使命は、あなたを倒す事では無く、愛する事だったと、ようやく分かりました」
エースもビルドとハートの姿を見て、自分が本当にするべき事は何かと気づく。
「そして、今にもそれが出来ます。何故なら、あなたはわたくしにとっても、お父様だから!さぁ!今こそ目を覚まして下さい!お父様!」
「パパ!」
エースとジョーカーがお父さんと言うとキングジコチューの瞳に二人が映る。
「アン・・・レジーナ・・・」
その時、キングジコチューが苦しみ出した。
「何だこれは・・・!この胸に湧き上がるこれは何だぁ!」
キングジコチューが必死に胸を抑える。それがなんなのかビルド達は気付いていた。
「それだよ、キングジコチュー。気付いたか。いや、思い出してくれたか?」
「「それが・・・!」」
「愛だよ」
「認めぬ・・・!愛などいらぬ・・・!愛などあり得ぬ・・・!愛など・・・消し去ってくれる!」
苦しみながらもキングジコチューがハート達に向けて拳から攻撃を繰り出した。
「止めて!パパー!」
だがその攻撃は外れ、ビルド達はすぐさま距離を取るようにして回避すると、すぐに集まった。
「今、キングジコチューの攻撃が鈍ったような・・・!」
「愛の鼓動が聞こえた!キングジコチューは、完全に闇に支配されている訳じゃない!
あの中には、まだ王様の心が残ってる!お願いラブリーパッド!王様の心を見せて!」
ラブリーパッドが見せたキングジコチューの心には、国王が取り込まれていた。
「ここはキングジコチューの心臓・・・!」
「取り込まれてるんだわ・・・!」
「となると、体の中に入る必要があるって事か?」
ラブリーパットを見ていくつか推測を立てる。
「けど勝利の法則は既に決まった」
ビルドが勝利の法則は決まったと言うとみんなが驚く。
「えっ?もう、出来てるんですか?」
「どうすんだよ?」
「それは・・・」
「「「それは・・・」」」
勿体ぶるように言うとビルドはその法則を話す。
「あの中に突入すれば完成する」
「「「えっ?ええっ⁉︎」」」
まさかのキングジコチューの中と聞いて驚く。
「よし!あたしも一緒に王様を助けに行く!」
「「「ええっ⁉︎」」」
ハートもキングジコチューの中に入ると聞いてダイヤ達が驚く。
「正気かよ⁉︎」
「本気かお前ら⁉︎」
「冗談じゃないですよね⁉︎」
「助けに行くってつまり・・・!」
「飛び込むって事ですか?キングジコチューの中に」
「いくら何でも無茶よ!無茶!って、止めても無駄よね・・・」
「出来るのですか、本当に?そんな事が」
「ああ!俺は二人の天才科学者の息子で弟だから・・・いける!勝利の法則は決まった!」
ビルドは、二人の科学者の弟と息子であるからいけると叫ぶ。
「それにあたしを誰だと思ってるの!大貝第一中学生徒会長!相田マナよ!」
ハートの正体はマナだと自分から話し、マナを知っている町の人達は、一斉に驚きの声を上げたのだった。
そして、ビルドが導いた勝利の法則とは――
次回!Re.ドキドキ&サイエンス!
第55話 王様を救え!ハザードの真の力
愛に狂った
――さぁ、これで決まりだ!
おまけ
レジーナ「アタシとあなた達は、戦うことでしか分かり合えない!!」
ハート「あたし・・・レジーナとは戦わないよ」
(^U^)「後悔するぞ、彼女を倒さなかったことを」
新たなる戦いが、今始まる―――
パンツ「嘘でーす!」
(OMO)「デタラメを言うな」
完