Re.ドキドキ&サイエンス   作:yu-ki.S

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前回までのあらすじ!

拓人「仮面ライダービルドである桐ヶ谷晴夜は、拐われたマナ達を探すために色んな町を巡って廻っていたが、突然プリキュア達が襲い掛かってきた!」

総一郎「そんな晴夜の前に、エボルトと同じブラッド帝国の一人である伊能賢也が現れる。
そして伊能は洗脳したプリキュア達を襲わせて、晴夜を絶望させると彼の持つハザードトリガーのメーターが逆回転しだす!そしてそのハザードトリガーとグレートクローズドラゴン、コブラロストボトルを使って仮面ライダーブラッドへ変身した!」

拓人「ところで何故私たちがあらすじ紹介をしているんだ?晴夜と龍牙君はどうしたんだい?」

総一郎「晴夜達はなんか髪を切りに理髪店にいったそうだよ?確か『バーバー桐生』だった気がする」

拓人「なんか聞いたことのある理髪店だな・・・まあいいか。
それじゃあ、そろそろ第6話始めようか」


第6話 もう一人のビルドの世界

それは、ハピネスチャージプリキュアと一緒に夢の世界で戦いが終わり、目を覚ましたマナに会いに行った時。二人はいつもの景色が見える丘へとやってきた。

 

「ねぇ、あたしの夢を見たらしいね」

 

「えっ?いや、その興味本位でつい・・・」

 

夢の世界、マナや他のプリキュアの夢をユメタという妖精の案内で見せてもらった。

興味本位で見てしまった事は事実なので、晴夜は気まずそうに眼を逸らす。

 

「彼女が永遠の眠むりについてしまったのに、その彼女の夢を見るなんて・・・!」

 

「ご、ごめん・・・」

 

頬を膨らませながらわざとらしく怒るマナに、悪いと感じた晴夜は彼女の夢を勝手に見たことを謝ると、彼女は怒ったような表情から一変してクスりと笑う。

 

「嘘だよ」

 

「なんだよ・・・驚かせんなよ」

 

晴夜は嘘だと聞いてなんか力が抜けた後は、みんなが来るまでの中での話をしながら、今の学校でのことを話す。

 

「明日には・・・向こう帰っちゃうんだよね」

 

マナは明日には、戻ることを口にすると少し暗くなる。

 

「うん・・・向こうの学校でももうすぐ新学期が始まるから」

 

「そうか・・・また、しばらく会えないんだ・・・」

 

「マナ・・・」

 

帰ってほしくない、そんな顔を見せると、晴夜はすぐに口を開く。

 

「大丈夫。また、すぐに会いにここには来るよ」

 

「晴夜・・・うん、待ってる」

 

それを聞いて、マナの顔から笑顔が戻った。

 

「お父さんとは、ちゃんと時間作れてるの?」

 

「まぁ、向こうはトランプ王国だから話す機会が少ないけど、家に居る時は、なるべく時間作ってる」

 

「本当に?」

 

怪しいなって顔をするマナに何も言い返す言葉なかった。すると、髪につけていた髪飾りが取れた。

 

「あぁっ・・・」

 

「よっと」

 

その髪飾りを晴夜がなんとかキャッチした。

 

「はい」

 

「ありがとう」

 

晴夜から返してもらい、手に置かれた。

 

「取れやすくなったのその髪飾り?」

 

「うん。ちょっとね」

 

そう言ってマナは髪飾りをもう一度付け直す。

 

「ねぇ、晴夜は見てみたい夢はないの?」

 

「なんだよ。いきなり・・・」

 

「いやぁ〜、晴夜あたしの夢を見たって言うから、晴夜はどんな夢を見ているかなって〜」

 

今回の事件で経験したからか、晴夜もどんな夢が見たいのか気になっていた。

 

「夢か〜、目標にしてる夢ならあるけど、見てみたい夢か・・・」

 

頭を悩まして考えると、頭に手を置く。

 

「あんまり、わかんないや・・・」

 

しかしよく分からないと苦笑しながら、癖で髪を書き始める。

 

「見てみたい夢は探せばあるかもしれないし、面白いけど・・・」

 

そう言いかけるとマナの顔を見る。

 

「俺は見るんじゃなくて叶えたいんだ」

 

「あっ・・・うん!そうだね」

 

「叶えられるよう、頑張るよ。絶対」

 

「うん。待ってる・・・」

 

そして、マナは笑顔で待ってると晴夜に告げた。

 

 

 

だが、再び会いに行った日。彼女は敵となって晴夜を襲い、晴夜からビルドドライバーとハザードトリガーを奪っていった。

 

「うっ、うっ・・・やめてくれ・・・」

 

「晴夜・・・」

 

うなされる晴夜をシャルルが心配しており、隣に座っていた門矢士はじっと見ていた。

 

(相当な、精神的なダメージを受けたな・・・)

 

「あ・・・ぁぁぁぁ・・・」

 

晴夜はうなされながら夢を見ていた。

 

 

 

そこでは自分が必死に何から逃げていた。それをずっと繰り返されていた。

 

『頼む・・・もう、やめて・・・』

 

逃げながら、追ってくる者達に止めろと唄える。

 

『『『『殲滅!殲滅!殲滅!殲滅!』』』』

 

襲っているのは、昼間に追いかけてきたプリキュアのみんなだった。

 

『はぁ、はぁ、はぁ・・・』

 

息が切れ走るのも辛くなり、歩き前を向くと今度はドキドキプリキュアのメンバーが前へと構えていた。

 

『みんな・・・』

 

冷たい眼差しでこっちを見るみんなに、晴夜は足がすくむ。

 

『ビルド殲滅が世界の為』

『ビルドは私達の敵』

『世界の愛を奪うもの』

『みんなを傷つける』

『エボルトに作られた、偽りの存在』

 

『マナ・・・やめてくれ、もうやめて・・・』

震えながら、晴夜は頭を抑え下向きながら言うのをやめてくれと訴える。すると、周りからみんなの姿が消えた。

 

『いいザマだな。桐ヶ谷晴夜。傑作だな〜』

『信じた者達に裏切られる、あまりにも惨め結果ですね』

 

ブロス兄弟が現れ、晴夜の心をさらに落としめる。

 

『可愛そうな〜、ビルドちゃん』

『けど、これが現実や受け入れなきゃあかんで〜』

 

今度は岸波涼香と斗賀野光臣が現れ、さらに影に落とす。

 

『やめろ・・・やめろぉぉぉぉぉーーー!』

 

やめろと叫ぶと今度はフェルノ・ユウヤが目の前に現る。

 

『やめろ、これが現実だよ。エボルトに作られた偽物が!』

 

偽物。その言葉が、心を強く蝕む

 

『所詮、君は桐ヶ谷拓人と巧のコピーでしかない』

 

『!?』

 

後ろを振り向くと伊能賢也がいた。

 

『君のような空っぽな存在は誰かのコピーでしかない』

 

 

 

「―――はぁ!?」

 

そして晴夜はいきなり目を覚まし、疲れきった表情で起き上がる。

 

「はぁ、はぁ・・・ここは・・・」

 

周りを見ると何処の漁船に近い感じの船の中にいるのだと察した。

 

「晴夜!よかったシャル!」

シャルルが勢いよく晴夜に抱きつく。

 

「シャルル・・・ごめん心配掛けたな・・・」

 

心配を掛けたことを謝る。

 

「ようやく、目を覚ましたか・・・」

 

声が聞こえ振り向くと隣で座っている士に気づく。

 

「あなた・・・確か・・・」

 

晴夜は以前、士と戦い、最後に話をした事を思い出す。

 

「あなた前に俺の前にいきなり現れた・・・通りすがりの仮面ライダー」

 

「門矢士だ。そっちは覚えなくてもいい」

 

「この人が晴夜を助けてくれたシャルよ」

 

「別に助けたわけじゃない、自分のするべき事をしてるだけだ」

 

「俺は、確か・・・」

 

自分の身に起こった事を振り返る。伊能達に囲まれ、ハートにハートシュートを打たれたのを思い出し、腰に装着していたドライバーがなくなっていることに気づく。

 

「シャルル、俺のドライバーは・・・」

 

「・・・それは」

 

「奴らが奪っていたぞ、暴走装置も一緒にな」

 

言いずらそうなシャルルを見て、士がドライバーとハザードトリガーを取られたと晴夜に話す。

 

「・・・やっぱりか」

 

何となくだが、気を失う前にハートがドライバーを外し去っていくのは覚えていた気がする。

 

「晴夜が気を失っている間に、晴夜のドライバーを使って伊能が仮面ライダーに変身したシャルよ」

 

「そうか・・・」

 

「あ・・・ぁ・・・」

 

今の晴夜はドライバーが取られたよりも、みんなに一方的に責められるたのが一番の苦痛だった。

 

「しかし、見事に奴らの思うがままに動いたな・・・」

 

「どうゆうことです・・・」

 

士は晴夜に伊能達の思うがままに動いていたと告げた。

 

「奴らの狙いは最初からお前を倒すことじゃない、お前のあの暴走装置が狙いだったんだ」

 

「えっ?ハザードトリガーを?」

 

そしてハザードトリガーが狙いだと明かす。

 

「奴らはお前にあのトリガーのマイナスのパワーを引き出すのが狙っていた。そのために彼女達にお前を襲わせ、精神的に追い詰めようとした」

 

プリキュアのみんなを使い、晴夜を追い詰めさせようとしたのが狙いだった。

 

「そして、お前は彼女達に裏切られたと精神的に思い込み、絶望視した時にトリガーは逆回転を始めた」

 

あの時、ハートシュートが打たれた時、目の前に出現したエネルギー体の渦は、その前兆とも言えるものだった。

 

「後はお前のドライバーとお前の相方が持っていたガジェットで条件はクリアされ、あの仮面ライダーが誕生した」

 

「相方・・・まさか、龍牙も!」

 

相方のガジェットと聞き龍牙も狙われたのだと思い、士に問う。

 

「ああ・・・おそらく奴もやられたんだろう。ガジェットを持っていたのが証拠だ」

 

ガジェットを伊能が持っていた時点で龍牙もやられたことになる。

 

「それでも・・・俺はあいつらの思うがままに動いてしまったって事ですか?」

 

「まぁ、そうゆう事になるな」

 

晴夜は立ち上がり船から出ようとする。

 

「どこに行く?」

 

士がどこに行くと問い、晴夜は足を止める。

 

「決まってます。伊能達の計画を止めてくるんです」

 

「やめとけ、行ったところで無駄死にするだけだ」

 

「それでも、行かないと・・・」

 

行こうとすると、フラつき出す。やはりさっきの攻撃がまだ体から抜けてないようだ。

 

「晴夜、無理シャルよ」

 

「その妖精の言う通りだ」

 

シャルルと士が無理だと言っても、晴夜は行こうとする。

 

「はぁ〜・・・はっきり言うぞ、今のお前じゃあ、ブラッドどころかあのパルロってライダーにも勝てないぞ」

 

「!?」

 

勝てないと告げられると晴夜は足が止まる。

 

「それは、ビルドドライバーが無いからシャルよ!」

 

「今からまた作って用意します。それで・・・」

 

「いや、例えお前がドライバーがあるにしろないにしろ、今のお前自身が戦う事を恐れている」

 

ビルドドライバーがあったとしても、晴夜は戦いを恐れていると告げる。

 

「そんな・・・俺が・・・恐れてる」

 

「戦うのがいやなんだろ、プリキュア達と・・・」

 

「・・・」

 

その言葉が来た瞬間、晴夜は無言となる。

 

「この先、お前がブラッド達と戦うのなら、あのプリキュア達は容赦なくお前を攻撃する」

 

「そんな・・・」

 

また、晴夜の元に殲滅という二文字が降りかかるだろう。

 

「ブラッドを倒すなら、まずは彼女達を倒すしかない」

 

「それは・・・」

 

わかってる、ブラッドに辿り着くには避けては通れない道であることは…

 

「だが、お前は彼女らを傷つけたく無い、一方的にまた彼女達から罵声を受けたく無い。

違うか?」

 

「・・・」

 

晴夜は又もや黙りだす。

 

「図星のようだな」

 

「あんたに・・・何がわかるんだよ・・・」

 

「晴夜・・・」

 

「あんたに何がわかるんだよ!」

 

晴夜はいきなり士に向かっている叫び出す。

 

「俺は・・・あんたみたいに本物の仮面ライダーじゃない・・・エボルトと伊能に利用されるために作られて・・・」

 

そして、士の服を掴みながら言い続ける。

 

「何も知らず・・・奴らに手を貸していた・・・それに、やっぱり偽りなんだよ、俺の存在・・・はぁッ!?」

 

言いかけると士の目に押され、服から手を離す。

 

「・・・すいません・・・」

 

掴んだ事を謝ると晴夜は顔を下に向けて船から出て行く。

 

「晴夜・・・」

 

「ごめん・・・一人にしてくれるか・・・」

 

そのまま、外で雨が強く降り続ける中、晴夜は項垂れながら去っていった。

 

「はぁ〜、全くガキは面倒くさい・・・」

 

士は掴まれた服を直しながら、面倒くさいと呟く。

 

「だが、お前の気持ち俺にはわかる。俺にも似た経験があるからな・・・」

 

かつて、士にも今の晴夜と同様に似たような経験があるから、本当は気持ちはわかる。

 

「本当に今の晴夜じゃ、みんなを助けられないシャル?」

 

シャルルは本当にみんなを助けられないのかと質問する。

 

「ああ、間違いなく今のままではブラッド達に勝つのは不可能だ」

 

「そんな・・・」

 

「だが・・・あいつが覚悟を決めるならあるいは・・・」

 

「覚悟って・・・みんなと戦うシャルか!?」

 

「まぁ、そうゆう事だな・・・」

 

みんなと戦うことはパートナー妖精としては、避けた事だ。

 

「さあってと・・・」

 

士も起き上がると傘を持ち、漁船の外へと出る。

 

「どこ行くシャルか?」

 

「どちらにせよ、あいつを何とかしないといけない」

 

「晴夜をどうするシャル?」

 

「とりあえず、奴に会わせてみるか・・・」

 

傘を開いて、晴夜を探しにへと出かける。

 

その一方、強く冷たい雨が降り続ける中、晴夜はただどこへ向かえば良いのか分からずただ歩くしかなかった。

 

「俺の全部は全て・・・作られたものなのか・・・」

 

今までの思い出も、みんなとの出会いすら作りものだったと思い込まされながら、歩き続ける。

 

『その通りだよ・・・』

 

「えっ!?」

 

何処からか、声が聞こえ顔を上げる。

辺りを見るとここは、兄・・・桐ヶ谷巧との二人の記憶世界だった。

 

「兄さん・・・」

 

「久しぶり・・・」

 

そこに居たのは、もう晴夜の中から去ったはずの桐ヶ谷巧だった。

 

「どうして・・・」

 

「不甲斐ないお前を見てね。なんか、戻ってきた・・・」

 

晴夜の不甲斐ないさを見て、一時的に戻ってきたと言う。

 

「今でも、後悔してるよ・・・あいつに・・・伊能にエボルドライバーの在りかを話したことを・・・」

 

伊能にエボルドライバーのありかを教えた事を後悔していると語る。

 

「お前が今までの力は、全て奴ら用意してしたものだ・・・上城龍牙との出会いも・・・」

 

「・・・だよね」

 

やっぱり、龍牙との出会いも伊能達が仕組んだものだった。

 

「けど、お前と上城龍牙はその作られた力で明日を創ったんだろ」

 

「えっ?」

 

「お前、まさか・・・上城龍牙以外との出会いも全部用意されたものだったか?」

 

「それは・・・」

 

「お前は、僕とは違う・・・」

 

先に巧が口を開き、少し驚いた。

 

「お前は、人を信じ、不可能を可能にした。違うか?」

 

人を信じる事で不可能を可能にした。それはいつも自分が思っている事だ。

 

「キングジコチューとなった国王を救った。光と闇の二つを受け入れてプロトジコチューを、上城龍牙と二人でエボルトを倒した!」

 

「それは・・・」

 

「あれも作られたから出来たことなのか・・・」

 

「違う・・・」

 

それははっきりと言える。あれはみんなと出来てやった事、キングジコチューを助けたのも、プロトジコチューとエボルトを倒せたのも、全部用意されたものじゃない。みんなと作り上げたものだ。

 

「だったら、やって見せろ。不可能を可能にする。お前の力で奴ら計画を止めて見せろ!そして、お前のパートナーとの出会いは最高ものだと示して見せろ!」

 

巧の拳が晴夜の胸に当たる。

 

「僕の弟ならこれぐらい出来るはずだ・・・晴夜」

 

そう告げて目を開くと、そこには誰もおらず降りつづける雨が当たるだけだった。

 

「兄さん・・・」

 

胸に手を当てて呟く。

 

『お前は僕のコピーじゃない。その事を証明して見せろ』

 

すると再び、巧の声が聞こえた感じがした。

 

「コピーじゃないことを証明して見せろ・・・」

 

巧から聞こえた言葉が呟いて言う。

 

「よぅ〜少しは気分が良くなったか?」

 

後ろを振り向くと傘をさしていたら門矢士がいた。

そのまま二人は近くのトンネルの中へと入り、士は晴夜にタオルを渡す。

 

「随分と濡れたな。なんか、気分良くなったか?」

 

「そんな気分が良くなるわけ・・・」

 

「そうか・・・」

 

「あの・・・」

 

晴夜が士に声をかける。

 

「今の俺は・・・どうすればいいんですか」

 

これからどうすればいいのかと士に尋ねると、ため息を一息ついて話す。

 

「まぁ、どちらにせよ、このまま奴らの計画を野放しにするわけにはいかない。ここのままだと確実この世界は滅びの道を辿る」

 

「そのためには・・・みんなと・・・マナと戦わなければならないと言うんですか・・・」

 

「ああ」

 

「わかってます。計画を止めるということは、みんなと戦わなければならない。けどビルドドライバーも取られて・・・今の俺には・・・」

 

「わかってる。彼女達とは戦いたくない、そして、ドライバーもないから仮面ライダービルドとしても戦う力もない」

 

今の晴夜はビルドドライバーもハザードトリガーも失い、止めるどころか戦う力がない。

 

「確かに、ドライバーないからビルドにも変身も出来ない、今のお前じゃあ何も出来ない・・・今から作るんじゃ間に合うわけがない」

 

士の言うことも最もだ。今から新たな作っても間に合うわけがない。早くても一ヶ月は掛かる。

 

「そこでだ・・・」

 

士が手を振るモーションを取ると晴夜の周りに灰色のカーテンが現れ、晴夜を飲み込む。

 

「なんだ、これ・・・」

 

カーテンを叩くが壊れる感じはしない。

 

「だから、お前は奴に会って来るんだ」

 

「奴、誰にです?」

 

「もう一人のビルド・・・」

 

「えっ・・・」

 

もう一人のビルドと告げるとオーロラカーテンは前へと進み、オーロラカーテンが消えた頃には晴夜の姿はなかった。

 

「晴夜が消えたシャル!どこに行ったシャル?」

 

シャルルは士に何処に晴夜をやったのかと問う。

 

「会わせてやったんだよ。もう一人のビルドがいる世界へな」

 

「?どうゆうことシャル?」

 

「まぁ、どちらにせよ。全てはあいつ次第だがな」

 

そう呟き、晴夜がいなくなった跡を見る。

 

「さって、そこのお前ら、相手か?」

 

士が後ろにいる方へ声を掛けるとリモコンブロスとエンジンブロスが士に向かってきた。

 

「お前らが、俺の相手をしてくれるのか?」

 

「桐ヶ谷晴夜は何処だ?」

「話して頂ければ命を貰います」

 

ブロス達は士を始末するつもりの様子だ。

何処の世界に殺されると知っていながらペラペラと話す馬鹿がいるんだよ。

 

「お前は離れてろ」

 

シャルルは離れてろと言われ、士から離れると、士は白いバックル――ディケイドライバーを装着し、横に装備されてるライドブッカーから一枚のカードを向ける。

 

「変身!」

 

カードを腰に装着したドライバーに差し込み。サイドハンドルを操作した。

 

『KAMEN RIDE!DECADE!』

 

九つの影が一人となり数枚のプレートが現れ、その頭部を縦に貫きはめ込まれ、黒とマゼンタの仮面ライダーディケイド となった。

 

「行くぞ」

 

ディケイドはエンジンブロス、リモコンブロスへと向かって走っていった。

 

 

 

その頃、士に灰色のカーテンに取り込まれた晴夜は…

 

「ここは・・・」

 

晴夜が目を開くと、そこはさっきまでいた大貝町とはかけ離れた場所へと立っていた。

 

「どこだ・・・」

 

辺りを見回すと今までいた場所とは景色も街並みも違った。

 

「大貝町でないし、横浜って感じもしない・・・」

 

少なくても今まで自分が知っている場所ではなかった。

 

「一体、どこだよここは・・・」

 

辺りを歩いて見るが知らない場所が多く足を止める。

 

(そういえば・・・言ってたなもう一人のビルドって)

 

カーテンに包まれた時に士に言われた事を思い出す。とりあえず、龍牙かレジーナ達に連絡しようとビルドフォンで電話をかける。

 

「やっぱり、繋がらないか・・・」

 

ビルドフォンで掛けるが龍牙達と連絡は取れない。しばらく歩き続けると、噴水広場へと来ていた。

 

「はぁ〜これからどうすればいいんだよ・・・」

 

みんなとの連絡もつかない、何処なのかわからない場所で、方向すらもわからない事に翻弄されていた。

 

「さぁさぁ、寄ってらっしゃい!見てらっしゃい!今日は新商品も入った!ちょっとイかれた天才物理科学者作った作品がいっぱいあるよ!」

 

そこへ、客寄せの声が聞こえ、晴夜はそこへ振り返る。

 

「なんだろう、天才物理科学者って・・・」

 

気になって声が聞こえた方へと向かう。

そこでは、若い男女が二人で何かを売っていた。

 

「ねぇ、もう普通にも働けるのにまだやってるの?」

 

「うるせえ、あいつがまだ続けろって言うんだ仕方ねぇだろ」

 

二人が話していると一人の小さな男の子が商品を見る。

 

「おお、僕いいところに目をつけるね〜。それは今日は新商品だよ。その名も『蜘蛛型ペットロボ二号』!」

 

「こんなもん絶対売れる訳ねぇじゃ〜ん!バカーー!」

 

商品を説明すると、子供に売れるわけないじゃんと言われ、子供は去っていった。

 

「はぁ〜〜、ガキィィィィィーーーー!ッテェ!」

 

青いジャケットを着た若い男性がその子供に向かって叫ぶと後ろの女性に頭を叩かれる。

 

「イッテェ!何すんだよ!」

 

「そんな対応で、買ってくれるわけないでしょ!」

 

痴話喧嘩を始めると、晴夜はそこに置かれた商品に見覚えがある。

 

「あそこに置いてあるの、まさか・・・」

 

商品を見て何かを感じ、晴夜はお店に駆け寄る。

店の方は、女性方の方へと客寄せが変わっていた。

 

「はぁ〜、なんでお前のように上手く出来ねんだ・・・まぁ、それ以前に売れるだなんて思ってねえけど・・・」

 

「あの〜」

 

晴夜が商品を握ってが二人に声を掛けるて、男性が近づく。

 

「おぉ!お兄ちゃんお目が高いね!それは新発明品!その名も・・・」

 

「これ・・・ボトルとかもさせますか・・・?」

 

「「えっ?」」

 

晴夜はこの商品はガジェットではないかと思い、ボトルは差せるかと聞くと二人は驚いた顔をした。

 

「どうして、その事を知っている」

 

「持ってるからです・・・」

 

ポケットからラビットとタンクのボトルを見せる。

 

「どうですか・・・?」

 

「お前、これどこで手に入れた?」

 

「手に入れたって言うか・・・その・・・」

 

「お前、誰だ。まさか・・・エボルトの知り合いか?」

 

「えっ!?エボルトを知ってるんですか!?」

 

エボルトを知っているのかと聞くと広場の先から悲鳴が聞こえた。

 

「なんだ・・・」

 

悲鳴が聞こえた方を見ると多くの人がスマッシュから逃げ寄せ、こっちへ走ってきた。

 

「スマッシュ!?なんで、ここに!」

 

(こいつ、スマッシュの事も知ってのんかよ)

 

男性は晴夜がスマッシュを知っていたことにも驚く。

 

「由依!周りの奴らを逃がさせろ!」

 

男性は女性の事を由依と呼ぶと、女性は逃げて行く人を誘導する。

 

「わかった!皆さんこっちです!」

 

男性の方はスマッシュへと向かっていき、生身で戦いを挑む。

 

「ふぅ!オラァ!」

 

男性の繰り出した拳がスマッシュを後ずさりした。

 

「あの、パワー・・・」

 

男性のパワーを見て何か見覚えがあると感じた。そして、次に見せられたものに目を大きくする。

 

「ッ!?ビルドドライバー!」

 

その男性はビルドドライバーを腰へと装着し、クローズドラゴンが手に置かれドラゴンボトルを差し込む。

 

『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』

 

そしてドライバーにガジェットに差し込む。レバーを回し、スナップライドビルダーからアーマーが形成された。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

拳を手に当てたから構えるとビルダーから形成されたアーマーが男性の体に重なって装着され、煙が吹き荒れると音声が流れた。

 

『Wake up burning!Get CROSS-Z-DRAGON!Yeah!』

 

「仮面ライダー・・・クローズ・・・」

 

男性が龍牙と同じ仮面ライダークローズへと変身し、そのままスマッシュを圧倒していた。

だが、そこに逃げ遅れていたさっき商品を馬鹿にした子供の姿があった。

 

「はっ!?危ない!」

 

危険を感じた晴夜は咄嗟にラビットボトルを振り、一瞬のスピードで子供をスマッシュから遠ざけた。

 

「大丈夫?」

 

「お兄ちゃん・・・ありがとう」

 

「息子を庇って助けてくれてありがとう」

 

「早く逃げて下さい。ここは危ないです」

 

男の子は母親が連れて行くと、晴夜にお礼を言って去っていく。

 

「あいつ・・・」

 

クローズは晴夜を見て誰かの面影を感じた。そして、晴夜はスマッシュの方へと向かいドリルクラッシャーをガンモードにしてスマッシュに向けて放つ。

 

「おい!お前、なんでその武器持ってんだよ!」

 

「えっ?あの・・・自分で作ったからですけど・・・」

 

「マジかよ・・・」

 

攻撃を受けたスマッシュが起き上がり、油断していたクローズに襲いかかるが、難なく防御する。

 

「お前、よくそれ作れたな・・・」

 

クローズが呟くと、スマッシュを自分から離す。

 

「しゃあ!オラオラオラオラ!」

 

そしてドライバーのレバーを何度も回す。

 

『Ready go!』

『ドラゴニックフィニッシュ!』

 

背後から現れたドラゴンがクローズの右足にエネルギーが溜まり、高く飛躍してライダーキックをくらわせた。

直撃したスマッシュはそのまま爆破し、残骸が残った。すると、晴夜を包んだ灰色のカーテンが現れ、スマッシュの残骸を包んで消えていった。

 

「消えた・・・」

 

消えた事はさておき、晴夜はクローズに変身した男性に近づく。

 

「あの、もしかして・・・今の仮面ライダークローズですか?」

 

「お前、それも知ってるのかよ・・・」

 

クローズも知ってることにも男性は驚く。

 

「お前、マジで何者だ」

 

「桐ヶ谷晴夜。その、仮面ライダー・・・ビルドです」

 

「ビルド!?お前が・・・どうゆう事だよ」

 

ビルドと言うと急に混乱し出し、どうしたと思い込む。

 

「とにかく、あいつに聞いてみるか・・・」

 

「あの、あなたは・・・」

 

「俺は、万丈龍我。仮面ライダークローズだ」

 

男性は万丈龍我と名乗る。

 

「お前がビルドってのは、よくわかねえけど・・・悪い奴じゃないっていうのはわかるぜ!とりあえず、来いよ」

 

晴夜は龍我に案内され、歩き始める。

 

 

しばらく歩き続けると、どこか工場のような姿勢がいくつもある場所へとやってきた。

 

「ここは・・・」

 

「俺たちのアジトみたいなところだ」

 

アジトと言う一つの工場の前へと到着し、万丈が扉を開ける。

その中は、いくつも何かを作った跡が見られる光景だった。でも、その技術に晴夜は目を奪われていた。

 

「おお、おかえり、万丈〜」

 

そこに机の上で何かを作っている男性がおり。手には、はんだごてと鉛を持っていた。

 

「万丈、どうしたのその子は?お前が子供なんて連れてくるなんて」

 

「さっき、マーケット所で会ったガキでな、中々見所がある奴なんだ」

 

「へぇ〜」

 

「あの・・・」

 

晴夜は男性にもラビットとタンクのボトルを見せる。

 

「これ・・・わかりますか?」

 

「これ・・・」

 

それを見て男性はボトルを握る。

 

「・・・同じボトル・・・こんな子がどうして?まさか・・・」

 

男性は引き出しから何かを取り出した。それは、ビルドドライバーだった。

 

「ビルドドライバー・・・」

 

男性はラビットとタンクのボトルを差し込む。

 

『ラビット!タンク!ベストマッチ!』

 

ドライバーから兎と戦車のシルエットが浮かび、『R/T』と表示された。

 

「本物だ・・・」

 

ボトルが本物だと呟くと、男性の髪の毛が上がる。

 

「君は一体・・・」

 

「桐ヶ谷晴夜・・・仮面ライダービルドです」

 

「ビルド!お前が・・・どうゆうことだ?」

 

「あの、あなたは・・・?」

 

「桐生戦兎。俺も仮面ライダービルドだ」

 

「ビルド・・・あなたが、もう一人のビルド・・・ここは、まさか・・・平行世界」

 

もう一人のビルド、桐生兎戦とクローズ、万丈龍我との出会い。

士の言う、彼がもう一人のビルドとはこのことだと気づくのは、ある意味必然だった。

 


次回!Re.ドキドキ&サイエンス!last science!

 

第7話 受け継ぎしビルドの意思

 

 




おまけ

次回のRe.ドキドキ&サイエンス!last science!は――

「テンション上がるゥゥーーーーーーー!ヒャッホホホ!ヒャッホイ!!」
「戦兎ォ!千翼ォ!逃げるォ!!」
「みーーたーーーーーん!!今世でも来世でも俺と結婚してくれぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ふふっ…これで今週のファッションショーのトップは俺のものだ・・・」
「貴方にィィィ!忠誠おォォォォォ!誓おうゥゥぅぅぅぉぉぉぉオオオオオオ!!」
「あ〜あ〜、明日になったら究極態になって世界滅んで無いかな〜」

次回、「ふたりはビルド」 全てを破壊し、全てを繋げ!

完
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