晴夜「仮面ライダービルドであり、てぇんさい科学者の卵 桐ヶ谷晴夜は、拐われたマナ達を探すために色んな町を巡って廻っていたが、突然プリキュア達が襲い掛かってきた!」
龍牙「そんな晴夜の前に、エボルトと同じブラッド帝国の一人である伊能賢也が現れる。
そして伊能は洗脳したプリキュア達を襲わせて、晴夜を絶望させると彼の持つハザードトリガーのメーターが逆回転しだす!そしてそのハザードトリガーとグレートクローズドラゴン、コブラロストボトルを使って、伊能は仮面ライダーブラッドへ変身した!」
戦兎「そして門矢士によって別の世界へと送られた晴夜は、そこでこの世界の仮面ライダークローズ、万丈龍我と出会い、彼に案内されるがままにこの世界の仮面ライダービルドで、てぇんさい物理学者の桐生戦兎とも出会ったのだった」
万丈「さぁどうなる⁉︎ 第7話!」
龍牙「おい晴夜!この人達誰だよ!?」
晴夜「ちょっと黙ってなさいよ。仮面ライダービルド本編の人達の前だから!」
「あなたが・・・もう一人のビルド・・・ここって、もしかして平行世界」
「平行世界って、じゃあ、お前も違う世界から来たのか?」
「それって・・・アパレルワールド!」
ガクッと二人がなると、戦兎が万丈の頭を叩く。
「パラレルワールドだ!バカ!」
「バカってなんだよ!せめて筋肉つけろよ!」
痴話喧嘩を始める。だが、二人の痴話喧嘩を見ていた晴夜は、自分と相棒との痴話喧嘩の光景を思い出させた。
「あれ・・・」
すると晴夜は急にフラつき出し、目もぼやけ出し倒れた。
「おい、大丈夫か?」
倒れたことに気づいた戦兎が、晴夜の赤くなった顔を触る。
「こいつ、すごい熱だ!」
「マジかよ!早くこっちに寝かせろ!」
万丈が晴夜を抱えて晴夜をベットに横にさせる。
「戦兎、万丈、ご飯持ってきたよ」
そこにバスケットを持った一人の女性が入ってきた。
「美空!丁度いい手伝ってくれ!」
「えっ?どうしたのその子?」
美空と呼ばれた女性はベットで横になっている晴夜に気づき、晴夜の顔を触る。
「すごい熱・・・なんなのこの子?」
「広場であったガキでよ。こいつ仮面ライダービルドだって言うんだよ」
「はぁ?どうゆう事?」
「彼も以前会ったパラドと同じ平行世界から来たんだ!」
「でも待ってよ!こんな・・・まだ子供が仮面ライダー!?しかも・・・ビルドって・・・」
万丈と戦兎の話を聞いた美空は、晴夜の歳を考えてライダーなんてあり得ないないと不思議と思っていた。
その頃、晴夜がいた世界・・・
そこでは、門矢士がディケイドに変身し、エンジンブロスとリモコンブロスと戦っていた。
「中々やりますね」
「だが、俺達が優勢だぜ!」
「どうかな」
自信満々に戦いを繰り広げるブロス達に対して、ディケイドはライドブッカーから一枚のカードを取り出し、ドライバーへと差し込む。
『ATTACK RIDE!SLASH!』
ライドブッカーがソードモードへ変わり、刀身にエネルギーを纏わせると分身し、一振りで数太刀の斬撃を浴びせる。
「まだまだこれからだぞ」
『ATTACK RIDE!BLAST!』
別のカードを差し込み、ブッカーをガンモードと変えると、銃口を分身し発射され弾丸のエネルギー弾の掃射を浴びせ、それをモロに受けたブロス達は倒れた。
「残念だがお前らじゃあ、俺には勝てない」
ライドブッカーからさらにカードを取り出し、ドライバーに投入してハンドルを左右から押す。
『FINAL ATTACK RIDE!DE DE DE DECADE!』
音声が流れるとブロスとの間にカードが並び飛びあがる。するとカードもななめ一直線に並び、飛び蹴りの体制に入るとカードに引かれるよう、標的にめがけ一直線に降下した。
「ふぅ!はぁ〜、タァァァー!!」
カードの中を通り過ぎながらエネルギーを蓄えたキックはブロス達に叩きこまれ、ブロス達は変身解除した。
「おのれ・・・」
「ここは、一度退きますか」
スチームガンを周囲に放ち、ブロス兄弟は逃げていった。
ディケイドは彼らがいなくなるのを見てドライバーのハンドルの左右を引き、変身を解除した。
「逃げ足は相当早いな」
士が呟くとシャルルが晴夜がいなくなった場所を見つめる。
「晴夜・・・」
「心配するな、奴なら戻ってくる。たぶんな」
「たぶんってなんシャル!いい加減シャルよ!」
「慌てても奴は戻ってこないぞ。あのガキがどうにかしないと何も起きないぜ」
士の言うことも最もだが、どうにも説得力に欠ける発言である。
「それより、あいつの仲間の場所はどこか知ってるか?」
他の仲間の居場所がどこかシャルルに尋ねる。
「・・・ここから離れたぴかりが丘にある大使館・・・そこにみんないるシャル」
「なるほど、よし行くか」
「行くってどこにシャル!」
「そのぴかりが丘って所に決まってるだろ」
「マイペースシャル・・・」
マイペースな士にシャルルは振り回され、そのまま士をぴかりが丘へ案内する。
同じ頃、トランプ王国での孤児院の施設では、パルロとキュアソードにやられた龍牙がうなされていた。
『くそ・・・はぁ、はぁ・・・』
パルロに無すべなく倒れ、近くからさらに爆発が聞こえた。
それは、多くのプリキュアの攻撃を受け倒れていく相棒だった。
『晴夜・・・晴夜ァーーーーー!!』
相棒の名を叫び、龍牙は目を覚ます。
「はぁ!?」
「龍牙、気がついたのね」
「ダビィ・・・俺は・・・」
DBに支えられ、龍牙が起き上がる。
「パルロにやられて気を失って倒れていたのよ」
「・・・夢を見たんだ・・・晴夜が・・・真琴やマナにみんなに襲われている夢を見たんだ・・・」
「・・・」
「晴夜はどうなったんだ?あれから何か連絡があったのか?」
連絡はなかったかとDBに聞くと、言いずらそうな表情になった。
「・・・さっき、和也達から連絡があったの・・・探していたプリキュアのみんなが晴夜を襲い出したらしいの・・・」
「えっ・・・」
「晴夜は何かの手がかりを探しに行ってから連絡はないわ。和也達はハピネスチャージプリキュアのみんなが助けに来てくれたおかげで今はぴかりが丘に姿を隠してるって・・・」
「よし、俺達も行こうぜ」
DBに支えられながら、龍牙もぴかりが丘へ向かおうとする。
「待ちたまえ」
すると声が聞こえ、龍牙が振り向くと男性が立っていた。
「あんたは・・・」
「失礼な少年だね。せっかく助けてあげたのに」
助けてくれた。それを聞いてパルロから助けてくれたのかと察した。
「・・・もしかして、パルロから助けてくれたのアンタなのか?」
「海東大樹。通りすがりの仮面ライダーを追う者さ」
海東は一枚のカード――ディエンドのライダーカードを見せて龍牙に名乗る。
「礼ならいらないよ。それっと、これ代金ね」
「それ、俺のボトル!?」
海東が持っていたのは、龍牙のグレートドラゴンエボルボトルだった。
「貴重なお宝を頂いたよ」
「返せよ!」
龍牙がボトルを取り戻すために海東に突っかかるが、余裕で躱される。
「落ち着きたまえ、こっちは返してあげるよ」
そう言うと海東は何かを投げ、龍牙はそれをキャッチした。
「俺の・・・ドライバー」
それは龍牙のビルドドライバーだった。
「ドラゴンは?」
ドライバーに差し込まれてあるはずのクローズドラゴンがなかった。
「ドラゴン・・・あぁ、あのドラゴンロボットならキュアソードだけ、彼女が持っていたよ。あれも貴重なお宝だった」
「真琴が・・・」
なんとなくだが、覚えている。龍牙の、自身のドライバーを外したキュアソードの姿を。
「それと、これ!」
すると海東はまた何かを投げ渡す。龍牙が手に取ったそれは、まるでクリスタルのように光り輝いており、キャップ部は白銀色で中央にはクリアブルーで縦に∞の様な文字が描かれているボトルだった。
「ボトル・・・」
「クリスタルボトル、それは大した価値のないお宝だ。君にあげるよ」
「クリスタルボトル・・・あれ?」
龍牙はクリスタルフルボトルを見て顔を上げるが、既に海東大樹の姿はなかった。
「・・・どこ行ったんだ?」
「龍牙・・・あの人・・・」
「わかねえ・・・とりあえず、かずやん達のところへ行くぞ」
二人は急いでぴかりが丘にいる仲間のところへと向かった。
その頃、別の世界で熱を出した晴夜が石動美空に看病されていた。
「うっ・・・うっ・・・」
「どうだ、美空?」
「熱はそんな大したことはないみたい。でも、体にある傷は少し酷いみたい」
「何かと戦っていたのか?」
戦兎はそう推測すると、美空は目の前で寝込んでいる晴夜の体にできた酷い傷の治療を行う。
「うっ、うっ・・・やめてくれ・・・」
するとまた晴夜の口から、何かうなされているような声を漏らす。
『・・・みんな・・・かずやん!幻冬君!レジーナ!』
うなされるながら晴夜は和也達が倒れ、傷つけられている夢を見ていた。
そして、相棒の龍牙までもがパルロとブラッドに傷つけらていた。
『龍牙・・・龍牙ぁぁぁーー!!』
すると晴夜の前にブラッドが現れる。
『全ては君が招いた結果だよ。君と関わったから彼らはこんな事にならなかった』
『・・・俺は、俺は・・・う、うわぁぁぁぁぁ!』
みんなと関わらなければ、こんなことにはならなかったと自分を責めこむと晴夜は、自身の頭を抑え、発狂した。
「・・・大丈・・・大丈夫?」
だがその時、何処からか声が聞こえ、目を開く。
「あ・・・ぁぁ・・・・・・マナ」
「マナ?」
ぼやけていて最初は相田マナかと思ったが、違う人だった。
「はぁ!?すいません!あっ!」
起き上がろうとすると体の傷が痛み、力がうまく入らなかった。
「無茶しない方がいいよ」
「あなたは?」
「石動美空。戦兎の仲間だよ。よろしく」
「石動・・・!(俺の叔父さんと同じ苗字)」
「起きたか?」
美空の苗字が自分の叔父と同じだと思っていると、戦兎が晴夜に近づく。
「俺は・・・どうして・・・」
「お前、ここに来た後熱が出ていきなり倒れてんだよ。覚えてないのか・・・」
戦兎がそう尋ねるが、晴夜には戦兎と万丈の痴話喧嘩を見ていた後の記憶が無い。
「すいません・・・迷惑をかけて」
「気にするな、改めて自己紹介するけど、俺は桐生戦兎、仮面ライダービルドだ」
「仮面ライダークローズ。万丈龍我だ」
「桐ヶ谷晴夜です。一応、仮面ライダービルドです」
「ねぇ、桐ヶ谷君。仮面ライダーって言うけど、君歳いくつ?」
「えっ?14歳ですけど・・・」
晴夜の歳を聞いて、三人共目を見開き驚く。
「若ッ!そんな歳でライダーやってんのかよ!」
「その・・・色々あって・・・」
「まぁ、それは置いて。とりあえず、君はこことは違う平行世界の人間から来た人間だと思うけど、違うか?」
「えぇ、たぶん・・・いや、そうだと思います。俺はある人こっちに飛ばされてここに来たんです。その人に言われたんです。もう一人のビルドに会ってこいって」
「俺に・・・?話変わるけど、桐ヶ谷君。君は一体どんな世界から来たんだ」
自分に会いに行けと言う言葉に疑問を抱きながらも、戦兎は晴夜からどんな世界から来たんだと聞く。
「俺の世界では、仮面ライダーは俺の他に四人居て、仮面ライダーとは違った子達と一緒に戦ってたんです」
「違った子達?」
「プリキュアって女の子達なんです」
「プリキュア?しかも、女の子!?」
「えぇ・・・これが一応写真です」
戦兎達がまたもや驚いていると、晴夜は持っていたビルドフォンからみんなと一緒に戦った写真を見せる。
「なんか、凄えな・・・戦うのって男ばっかだと思ってたからよ」
「平行世界は、色々あるかららわからない事だらけだからな・・・
でも、この子達どうやって変身してんだ?ライダーシステムみたいに科学か?」
「科学というより、妖精の力です」
「よ、妖精!?」
晴夜は取り敢えず、プリキュアの変身の説明をわかりやすく三人に話した。
「どいうことか、さっぱりわかねえ・・・」
「・・・つまり、妖精と変身する子の思いが重なる事で変身することが出来る」
「まぁ、そういう事ですね」
「変身すれば、妖精の持つ力が増大し、巨大なパワーが生まれることもある」
晴夜の説明に戦兎は理解出来たようだ。
「でもなんか、みんな格好が凄えな・・・」
万丈はプリキュアの姿を見て、凄えと呟く。
「でも、妖精なんてすごく興味がある!」
戦兎が髪をかくと髪の毛の一部が逆立ち出す。
「この一緒にいる女の子達が桐ヶ谷君の仲間なの?」
テンション高く興奮している戦兎をスルーしながらも、ドキドキプリキュアと一緒にいる時の写真が多く、その姿を見て仲間なのかと美空が聞く。
「仲間・・・」
「どうした?」
「今は・・・」
晴夜は話した。今はブラッド帝国と言われる組織に狙われ、プリキュアのみんなが晴夜に襲いかかってきた。初めは自分を逃がすために仲間が逃してくれた。
でも、敵の罠にかかりビルドドライバーとハザードトリガーが奪われてしまった。その時、気絶していた自分をこの世界へと送った謎のライダーに助けられたと語った。
「酷い……そんな事が・・・」
「こいつを絶望させるために全員で襲わせる。ガキにそこまでやるのかよ・・・」
「相当・・・善悪がはっきりしてるな」
戦兎達がブラッド帝国に怒りを感じていると、晴夜は戦兎に口を開く。
「あの、俺からも聞いていいですか?」
「うん?」
「桐生さん達は、エボルトやスマッシュを知ってるんですか?」
「戦兎でいいよ。晴夜」
晴夜は広場で万丈がエボルト、スマッシュと言ってたので、何か知っているのかと考えていた。
「俺達の世界はスカイウォールという三つの壁によって日本は三つに分かれたんだ」
「三つに・・・」
「それをやったのが地球外生命体、エボルトだ。
俺と万丈に美空、それに他の仲間と一緒に奴と戦い、エボルトを倒し・・・この新世界を作った」
「新世界?それってパンドラボックスと黒と白のパネルとジーニアスボトルで作った世界のことですか?」
「知ってるのか」
「俺も相棒と同じ事をしたんです」
元の世界でも同じことをした事があると戦兎に話す。
「俺の世界は、エボルトは異世界の生命体だったです。俺達は滅亡した異世界を救うために戦兎さん達と同じような方法を取ったんです」
その時の影響で成分を無くしたジーニアスボトルを見せる。
「ジーニアスボトル・・・」
「でも、もう成分は無くなって使えないですけど・・・」
「そうか・・・とりあえず、今日はここに泊まれよ。その体じゃあ、今日はもう動かない方がいい」
「えっ?でも、迷惑なんじゃ・・・」
「気にすんなよ。ゆっくり休め」
結局この後、ここの戦兎の研究室で一夜を過ごした。
その頃、大使館で身を隠している和也達と妖精達はこちらもここで一晩を過ごすことになった。和也や幻冬に関しては怪我がまだ完全に治ってなく、看病されていた。
「いってぇぇぇ・・・もっと優しい頼む」
「文句を言わず!黙ってなさい!」
「は、はい・・・」
キュアフォーチュン、氷川いなおに看病され、ひめは幻冬からなぜこんなことになったのかと尋ねる。
「それで、なんでみんなが急に・・・」
「わかりません。でも、あのスマッシュになった人達は晴夜さんを落としめるためにとは言ってました・・・」
幻冬はシザースとゼブラのスマッシュ達が言っていた事を話す。
「大丈夫・・・」
「うん・・・でも、晴夜が心配で・・・」
「ねぇ、飴舐める?」
「ありがとう・・・」
レジーナはゆうこからの飴をもらう。
「あれから晴夜から連絡はないの?」
「あぁ、原因を探りに行ったきり・・・何の連絡もねえ・・・」
「もしかして・・・その桐ヶ谷君はもう・・・」
「そんな事はありません!晴夜さんは大丈夫です!何か情報を掴んで戻ってきます」
いなおは最悪の状況を思い浮かべたが、幻冬は晴夜が無事だと信じていた。
「信じよう!晴夜はこの間の事件だって解決出来たんだもん!」
めぐみも晴夜は無事だと信じていた。
「龍牙の奴も、無事だといいんだけどな・・・」
連絡のつかない龍牙も無事だと、和也は信じている。
「とりあえず、君達はゆっくり休んだ方がいい」
色々と問題が残ったまま、彼らの長い1日が過ぎっていった。
そして、ビルドの世界へと飛ばされた晴夜も1日が経った翌日。晴夜は机で作業をしていた戦兎に話しかける。
「おはようございます」
「おお、おはよう。熱の方は大丈夫か?」
「えぇ、もう大丈夫です」
「そうか・・・」
晴夜の体の調子が安定していると分かると、再び戦兎は机に体を向ける。
「万丈さんは・・・」
「ん?デート」
「へぇ・・・えぇぇ!?」
デートと聞いて驚いたが、戦兎さんを見て何かを思った。
「あの、実は気なっていたんですけど・・・」
「どうした?」
「戦兎さんは、科学者なんですか?」
「ただの科学者じゃない。天才物理科学者だ♪」
戦兎は髪をくるりと回し、自慢気に言う。
ちなみに“天才”の部分のアクセントは“てぇ↑んさい↓”である。
「天才・・・俺の父さんと死んだ兄さんも科学者だったんです」
晴夜は自分の家族が科学者である事を話した。
「じゃあ、晴夜も科学者を目指してるのか?」
「えぇ、一応・・・」
「なら、試しにやって見せてくれ」
そう言うと戦兎は自身の道具を晴夜に渡す。
「えっ?でも、それ売る商品なんじゃ・・・」
「お前の腕を見せてみろ」
晴夜は戦兎から出された道具を握り、今作っていた商品に手をかける。
「へぇ〜、中々上手いもんだな」
晴夜の器用な道具の使い方に戦兎が関心する。
「父さんや兄さんのやっていた事を、見よう見真似で覚えただけです」
そこから、いつもの癖で必死になって机に向かう。
「なぁ、俺も聞きたいんだけど、お前は何の為にライダーやってんだ?」
戦兎はふと、何のために仮面ライダーをやってるんだと聞くと、晴夜は口を開く。
「・・・最初は叔父さんからビルドドライバーを貰って、スマッシュからみんなを守るために戦ってました。そこからずっと一人で戦ってました。
そんな中、俺が転校して初日にキュアハート・・・マナに会ったんです」
「キュアハート・・・お前の写真によく写っていたあのピンクの服で金髪の髪の子のことか?」
戦兎はビルドフォンによく一緒に写っていた写真が思い出す。
「ええ、俺がエボルトに偽りのヒーローで利用されるだけの存在で、兄さんの代わりだって告げられ、何度も心が折れて立ち直れなかった時、いつも励ましてくれたんです・・・
でも・・・」
そのマナも他のみんなからも偽りのヒーロー・・・エボルトに作られた存在だから、敵だって言われたことを思い出す。
「でも奴らの計画にはまり、ビルドドライバーを盗まれた」
「はい・・・それで、わかんなくなったんです・・・自分が、何の為に戦っていたんだって・・・」
「・・・似てるな」
戦兎は今の晴夜を見て、何か面影を感じた。
「俺もエボルトに作られた仮面ライダーだ」
「え、戦兎さんも・・・」
戦兎も同じだと聞き、それに驚く。
「俺の本当の名前は葛城巧・・・桐生戦兎はエボルトが付けた名前なんだ」
「葛城巧・・・本当の名前があるなら、なんでそっちを名乗らないですか?」
本当の名前があるのに、何でそっちを名乗っていないのかと気になっていた。
「こっちでの俺は、ライダーシステムとスマッシュの開発を行った、悪魔の科学者なんだ」
「悪魔の科学者・・・」
それを聞いた晴夜は、父の行なっていたライダーシステムの開発と、兄の行なっていたスマッシュの開発を、一人でやっていたのかと驚くが、それよりも彼が『悪魔の科学者』と呼ばれていたことの方に驚いていた。
「その後、エボルトの計画を知った俺は、エボルトを倒そうとしたんだ。けど、簡単にやられて、エボルトに今までの記憶を消され今の顔を変えられたんだ」
「変えられた・・・ん?」
壁に貼られたポスターに目が映り、それに近づく。
一つは黒髪の格闘家の万丈さん。そして…
「ツナ義ーズ・・・戦兎さん!?」
そのバンドの中に戦兎の姿があり、これまた驚いた。
「佐藤太郎。俺はそいつの顔に変えられたんだ。その後、エボルトにビルドドライバーを渡され、仮面ライダーになったんだ。
でも、利用される偽りのヒーローだと俺も言われて、何のために戦うのかわからなくなった。けど、あいつが思い出してくれた」
戦う理由が見えなくなって迷っていた時、万丈に言われたことが支えになった。
『誰かの為に戦う!誰かの明日を守るために戦う!それが出来るのは葛城巧でも、佐藤太郎でもねえ!桐生戦兎だけだろうが!』
その言葉が、今も戦兎の心の支えとなっている。
「みんなを守って明日を創って、愛と平和のために戦う。例え、どれだけの人に嫌われても、存在を否定されても俺には戦うことでしかみんなを守ることができねえからな」
「嫌われても・・・否定されても・・・」
戦兎の言葉を聞いて、自分より高い存在だと実感する。
「俺は・・・情け無いです・・・みんなに殲滅や・・・これがみんなの意思だって言われて・・・そのせいで仲間や・・・友達にも迷惑を掛けてるだって・・・だから、俺はみんなの前から消えなきゃならないなんだって・・・」
あの時、一斉に殲滅と言われ、晴夜はどうすればいいのかわからなかった。
ただ、周りの言葉に押しつぶされそうになった。
「お前、本気でそう思ったのか?」
「えっ?」
「この写真からのお前とこの子と他の子達と一緒にいる時、みんないい笑顔で最高じゃねえか〜」
「・・・」
「それに、みんなお前が偽りだって最初に言われた時、冷たい視線を向けられたのか?」
「!?」
ある事を思い出した。初めてエボルトに偽りのヒーローだと言われた日のことを…
『叔父さんに、晴夜君は偽りじゃない、本物の正義のヒーローだってことを証明しよう!』
『マナ・・・ああ!今、最高にそう思っている!』
その時、彼女は――マナは自分を偽りじゃないって言ってくれた。
「(そうだ・・・偽りって事を知ってもみんなは俺と一緒にいてくれた・・・)バカだな・・・自分が知ってるものを信じられないなんて・・・」
晴夜は肝心なことを思い出し、癖で髪をかく。
「どうやら・・・答えが出たようだな」
「はい・・・戦兎さんに会えてよかったです。俺も・・・自分が信じなければものを信じますこれからも・・・」
晴夜の目を見て、もう大丈夫だなと感じた。
「そうか、ならこいつが必要だろ」
引き出しから何かを取り出し、それを晴夜に渡した。
それは、ビルドドライバーと色を取り戻したジーニアスボトルだった。
「ビルドドライバーにジーニアスボトル・・・」
「予備に作ったもう一台と、成分が抜けたジーニアスボトルに成分を戻しておいた。お前の自由に使え」
「いいんですか⁉︎」
「ああ、お前の守るべきものに使え。それと・・・これ!」
すると戦兎はもう二つ程、何か晴夜に渡す。
「これは・・・」
それは、黒色のウォッチのような形をしたデバイスだった。
「そいつは、お前に預ける」
「預けるって・・・」
何のためにと思うと戦兎が晴夜の肩に手を乗せる。
「それをいつか、ある奴に渡してくれないか?」
「誰にですか?」
戦兎は渡せと言うが、正直言って誰に渡せばいいのかわからなかった。
「その時、こう伝えてくれないか?過去の俺によろしくなって」
「過去の戦兎さん・・・?」
「いずれ分かるよ」
すると戦兎のビルドフォンから着信音が流れた。
「万丈・・・どうした」
『戦兎!すぐ来てくれ!』
いきなりの万丈の電話に出ると、その後聞かれた内容に驚く。
「えっ?それ本当かよ!」
「どうしたんですか?」
その後、二人は万丈が指示した場所へとやってきた。それを見て晴夜は目を見開く。
「スマッシュ!?」
それは何体ものスマッシュが町の中を大暴れしていた光景だった。既に万丈が一人でスマッシュと戦っていた。
「またか・・・」
「またって・・・新世界が出来たからもうスマッシュは作られなくなったんじゃないんですか?」
「正確にはそうなったんだが、最近になってクローンスマッシュが現れたんだ」
「誰かがまたスマッシュを開発したって事ですか?」
「おそらくな・・・手伝ってくれるか?」
「はい。泊めてもらった恩はここで返しますよ」
そう言うと晴夜は戦兎の横に並ぶ。
「「さぁ、実験を始めようか〜?」」
「同じこと言うのかよ〜」
二人が同じ決め台詞を言い、それを聞いた万丈が呆れると、三人はビルドドライバーを装着した。
『『ラビット!タンク!ベストマッチ!』』
『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』
ドライバーにボトルを差し込み三人はドライバーのレバーを回し、スナップライドビルダーが出現、アーマーが形成された。
『Are you ready?』
「「「変身!!」」」
『『鋼のムーンサルト ラビットタンク イェーイ!』』
『Wake up burning!Get CROSS-Z-DRAGON!Yeah!』
構えて叫ぶ三人の体にアーマーが装着され、体から煙が吹き荒れる。
「しゃあ!」
「行きますか!」
「はい!」
三人は勢いよくスマッシュの方へと走り勢いよく向かっていく。三人はパンチやキックを繰り出し、スマッシュを攻撃する。
「まだいるな。なら、これで行くか?」
戦兎は違うボトルを見せると、こっちも違うボトルを見せる。
「俺も行きますよ」
『海賊!電車!ベストマッチ!』
『忍者!コミック! ベストマッチ!』
二人が同時にボトルを差し替えレバーを回しランナファクトリーからアーマーが形成される。
『Are you ready?』
「「ビルドアップ!」」
『定刻の反逆者!カイゾクレッシャー!イェーイ!』
『忍びのエンターテイナー!ニンニンコミック!イェーイ!』
戦兎ビルドはカイゾクレッシャー、晴夜ビルドはニンニンコミックへとフォームチェンジし、カイゾクハッシャー、四コマ忍法刀を持ちスマッシュに向かっていく。
『分身の術!』
ニンニンコミックフォームのビルドが分身し、スマッシュに四方から連想攻撃を繰り出した。
『各駅電車!急行電車!快速電車!海賊電車!…発車!』
スマッシュが弱ってる隙にカイゾクレッシャーのビルドはカイゾクハッシャーを引き、エネルギー弾が三体のスマッシュに向けて放たれ破壊された。
「おぉ〜!流石、ビルドが二人いると凄え・・・」
二人のビルドの息の合ったコンビネーションにクローズは驚く。
「まだまだいますね」
「じゃあ、次はこれだ!」
『ライオン!掃除機!ベストマッチ!』
『パンダ!ロケット!ベストマッチ!』
二人は再びボトルを差し替えてレバーを回し、スナップビルダーからアーマーが形成される。
『Are you ready?』
「「ビルドアップ!」」
『たてがみサイクロン!ライオンクリーナー!イェーイ!』
『ぶっ飛びモノトーン!ロケットパンダ!イェーイ!』
今度は戦兎がライオンと掃除機のボトル成分を取り入れたライオンクリーナー、晴夜はロケットとパンダのボトルによるロケットパンダへとフォームチェンジした。
そして二人が同時にドライバーを回す。
『Ready go!』
まずはライオンクリーナーの吸引力によりスマッシュを引きつけさせ、ライオンの尻尾が捕獲した。そこへロケットパンダが放物線で囲い、スマッシュへと向かう。
『ボルテックフィニッシュ!』
二人の腕の爪がスマッシュに直撃し、こちらも撃破した。
「俺も負けてられねえ!」
クローズはビートクローザーを出現させ、ボトルを差し込む。
『スペシャルチューン!』
ボトルを差し込んだら、クローザーのグリップを二回引っ張る。
『ヒッパーレ!ヒッパーレ!ミリオンスラッシュ!』
ビートクローザーから出たエネルギーが残りのスマッシュを捉えて拘束した。
「行けえ!」
「行くぞ!晴夜!」
「はい!」
『『ラビット!タンク!ベストマッチ!』』
「「勝利の法則は決まった!!」」
二人はラビットタンクへと戻り、仮面の右のアンテナをなぞり上げながら右手を広げて、勝利の決め台詞を叫ぶとドライバーを回す。
『『Ready go!』』
二人のビルドから化学式の放物線が出現しスマッシュを挟む。そしてジャンプし、二人のビルドが図表に飛び乗るとスマッシュに向かって滑り降りてくる。
『『ボルテックフィニッシュ!』』
二人が同時に放ったボルテックフィニッシュが決まり、スマッシュは全て破壊した。それを確認し、三人は変身を解除した。
「どうやら、迷いは吹っ切れたようだな」
「はい、俺がやらないといけないことがわかりました」
すると晴夜のポケットが光りだし、それが何なのかを確認した。
「ロイヤルとシャドウのボトルが・・・」
それは、プロトジコチューの戦いで一度だけ使ったロイヤルとシャドウのボトルだった。
「そのボトル・・・」
「これは、俺の父さんが作ってくれたものなんです」
ロイヤルとシャドウのボトルは父が作ってくれたものだと話す。
このボトルは人の心・・・光と闇を表すものだということも。
「決心が出来たなら、早く元の世界に帰らねえとな・・・」
「あ、そういえば・・・でも、どうやって?」
その時、晴夜は肝心なことを思い出した。どうやって元の世界に戻ればいいか考えてなかった事を。
「私が連れて行こう」
そこに不気味なコートとハット、眼鏡をかけた年寄りの男性が現れた。
「あなたは・・・」
「私は鳴滝。はじめまして桐ヶ谷晴夜君、私は君の味方だ」
「味方・・・あなたが元の世界に連れてくれるんですか?」
「あぁ、君は彼を倒す逸材になるかもしれないからね」
眼鏡とハットを身につけた男性――鳴滝が手を挙げると、目の前に灰色のカーテンが現れた。
「灰色のカーテン・・・士さんと同じ・・・」
「さぁ、行くんだ。君がやらなければならない事のために、元の世界へ戻るんだ」
「戦兎さん!万丈さん!ありがとうございました!」
「あっ!ちょっと待ってくれ…」
晴夜は戦兎と万丈にお礼を言い、オーロラカーテンを潜って自分の世界へ戻ろうとすると、戦兎に呼び止められる。
「えっ?どうしたんですか戦兎さ――」
「ほらよ!」
「ぶわっ!?」
晴夜は自身の顔に向かって投げ渡された布のような物を取って見てみると、それはさっきまで戦兎が着ていた筈のベージュのトレンチコートだった。
「やるよそれ、結構似合うと思うぜ?」
「えっ、戦兎さん……でも、これって――」
「お前も俺と同じビルドなんだから、服装も一緒じゃないと、俺みたいなてぇんさい科学者にはなれないぞ!」
「なーにがてぇんさい科学者だよ、お前は只の自意識過剰でナルシストな科学バカだろ」
「うるさいよ!そういうお前は筋肉とプロテインだけが取り柄のバカの世界チャンピオンだろうが!!」
「バカの世界チャンピョンってなんだよ!?どうせならボクシングの世界チャンピョンにしてくれよ!」
「そういう問題じゃないでしょ」
そんな戦兎と龍我の痴話喧嘩を側から見ていた晴夜は思わず笑みを浮かべると、そのトレンチコートを着てみる事にした。
「あの……どうですか?」
「ん?……おお!似合ってるじゃん!流石もう一人のビルド!」
「いや、確かに似合ってるけど、あのコートだとちょっとデカくねぇか?サイズ合ってねえから結構ぶかぶかだぞ」
「おいバカ!こう言う時はそういう事言うんじゃないよ!」
「あー!またバカって言った!バカって言う方がバカなんですーー!!」
「そう言うお前はその三倍バカって言ったから、お前の方がバカなんですーー!」
一度止めた痴話喧嘩を再び始めながらも、晴夜はそんな二人は何処か楽しそうに見え、矢張りこれこそが二人が最高のコンビの証拠を表しているものだと言うのがわかる気がした。
「それじゃあ……行ってきます!」
「あぁ…頑張れよ!」
「向こうの敵と、ちゃんとケリつけろよ!」
「はい!お二人もお元気で!」
そのまま、鳴滝が作ったカーテンを潜り、晴夜は元の世界へ向かう。
晴夜の姿が見えなくなるとオーロラカーテンは消え、鳴滝の姿も無くなっていた。
「中々、根性もあるガキだったな」
「あぁ、あいつなら絶対にやれる。そんな気がするな、俺は・・・」
「さって、俺達もこれから頑張らねえとな〜」
「スマッシュが何処から現れたか、幻さんと調べねぇとな〜」
そして二人は、これからやらなければならないことを始めるために、行動に出たのだった。
次回!Re.ドキドキ&サイエンス!last science!
第8話 帰還の天才少年
おまけ
鳴滝「おのれディケイド!貴様が勝手に桐ヶ谷晴夜君をビルドの世界に送ったせいで私が迎えに行くことになってしまった!そしてもう少しでビルドの世界が破壊されるところだったぞ!」
もやし「知らん」
ディケイドアンチと世界の破壊者の会話。
完