Re.ドキドキ&サイエンス   作:yu-ki.S

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前回までのあらすじ!

晴夜「仮面ライダービルドであり、てぇんさい科学者の卵 桐ヶ谷晴夜は、エボルトの仲間であるブラッド帝国の卑劣な作戦によって大ピンチを迎えてしまった。
…ですが!イケメンで超天才な晴夜君は突如閃いた反撃のアイデアによって、ブラッド帝国の野望を打ち砕き、無事に奴らとの戦いに勝利したのでした!」

龍牙「おいおいおい!お前だけで倒したわけじゃねぇだろ!何一人だけの手柄にしようとしてんだよ!!」

晴夜「……じゃあ、筋肉バカの上城龍牙とまこぴー大好きドルオタ沢田和也、それと小学生ナスビライダーの紫崎幻冬、その他諸々の活躍により〜〜」

龍牙「おい!筋肉バカは余計だろ!あと途中から説明が雑すぎんだろ!!」

晴夜「うるさいよ!……ったく。そんな感じで俺がメサイアニックビルドの力でみんなの洗脳を解いた後。なんやかんやあって俺と龍牙がフュージョンした奇跡のフォームであるクローズビルドの更なる進化、ゴールデンシルバー・クローズビルドへと変身してブラッドことエピオンを撃破。
戦いを終えた俺たちはそれぞれ帰路に着いたり新たなる目標を見つけたりと以下割愛」

龍牙「割愛すんなよ!……そんにしても、この話を出すのにどんくらい待たせてんだよ!もう忘れ去られたのかと思ったぞ!?」

晴夜「しょーがないでしょーが!『HUGっとジオウ!』とその続編の『HUGっとジオウ!FINAL TIME編』とか、新掲載の『ヒーリングONE』の連載とか、原作者の慣れない引越し事情とかが重なりに重なって忙しかったんだから。あっちの都合も考えてやれよ!」

龍牙「リアルなメタ発言やめろよ!あと何回オリジナルフォームに変身してんだよ!計4つとか、流石に多すぎんだろ!?」

晴夜「お前が言い出したんだろうが!後、オリジナルフォームが多いに越したことはないから!……えー。それでは皆さん、こんな脳筋ライダープロテインでも主人公になれる仮面ライダークローズ&春のカーニバル編をどうぞ!」

龍牙「いや、脳筋ライダープロテインってなんだよ!」


特別編 仮面ライダークローズ&春のカーニバル!前半戦

「お遊びは終わりだぜェェェ!!ヒャッハハハハハハ!!!」

 

時は遡る事、約一万年前──プロトジコチューとエボルトが封印された時代。

そんな遥か昔の時代で、荒れ果てた土地の上で全身を赤く染めた蜘蛛のような姿をした怪物が、古代日本の巫女装束をモチーフにしている水色と赤いコスチュームを身につけた二人の少女をエネルギー状の糸で拘束し、背中から生えた蜘蛛の足状の鍵爪で二人を串刺しにしようとしていた。

だがその時、彼女達の前に一人の男が現れて蜘蛛の足を切り裂き、物言わぬ亡骸になる筈だった二人を救った。

それに気付いた怪物はさっきまで高まらせていた感情を萎えらせると、斬撃が飛んできた方へと顔を向ける。

 

「……誰だ、お前?」

 

怪物の視界に映った男は、見方や角度によっては白銀に輝いて見える白い鎧を纏い、右手には普通の片手剣とは違う巨大な剣が握られていた。

 

「私は……弱き者に勇気を与える者」

 

「カッコつけるなよ!」

 

赤い蜘蛛の怪物は怒り心頭のまま白い剣士へと向かって、瞬時に作り出した針状の赤いエネルギー塊を無数に放つが、その進路を妨害するかのように怪物の目の前に巨大な剣が現れて、彼の殺意が篭った攻撃を防ぐ。

 

「グウォォォーーーッ!」

 

怪物が見上げるとそこから、人型に近い姿を持った体にトゲトゲしい鱗や牙の様な角を生やした赤い竜が、背中から生えた2枚の大きな翼を羽ばたかせながら現れた。

 

「何だお前はぁ……?邪魔するなァ!」

 

怪物は背中から蜘蛛の足を再び展開するとそれを巨大な竜に向けて放つが、竜は巨大な剣を振るって怪物の鉤爪を打ち払い、更に口から炎を吹き出す。

たまらず避ける怪物だったがしかし、そこには既に白い剣士が待ち構えていた。

 

「フッ!」

 

「ぐッ!?……て、テメェ……俺のドライバーを……ッ!」

 

白い剣士の放った素早い剣筋は、怪物の腰に装着していたワインレッドや藍色に金という派手なカラーリングのデバイスを破壊。

怪物はそれに驚きつつもカウンターで剣士の腹部にエネルギー針を放って距離を取るが、怪物の体が剣士の攻撃を受けた事でふらついた隙に更なる攻撃を仕掛ける。

 

「これで終わりだ!」

 

そう言って白い剣士は自身の持つ剣を『ガション!』という音と共に展開させると、それによって生じた刃の隙間から青緑色のエネルギーを巡らせながら輝く剣を地面に突き刺す。

すると地面から白い電流が発生し、デバイスを破壊されたことによって弱体化を起こした怪物に直撃させる。

 

「ぬうぉ⁉︎……ッ、お前ら……許さん……!……覚えてろォォォッ!」

 

それを受けた赤い怪物の身体は、まるで封印されるかの様に一枚の石版へと変化した。

怪物の姿が石版に変わったのを最期まで見届けた白い剣士は、腹部に刺さったエネルギー針を引き抜きながら、赤い怪物との戦いの末死んだ様に眠る二人の少女の仲間である緑髪の少女を打倒せんと、無数の怪物が彼女に猛威を振るっている所へと顔を向ける。

 

「……残りは、アイツらか。

……私が来るまで、二つの怪物を封印し、満身創痍の中よく戦ってくれた。あとは任せろ」

 

剣士は患部にエネルギーを当てて焼灼止血しながら少女達にそう言い残すと、彼女らを赤い竜に任せてもう一人の少女が戦っていた怪物達のところへ行き、奴らをあっという間に一掃した。

全ての怪物達が剣士によって撃破されたのを確認した巨大な赤い竜は、すぐに石版を球体のバリアで包んで持ち上げる。

 

『こいつは俺が、誰にも手を届かない場へと封印する。後は頼むぞ』

 

「あぁ……頼む」

 

その球体を持ったまま赤い竜が飛び立っていくと、白い剣士もその後を追おうと試みる。

 

「待って!」

 

するとそこへ、白地にピンクの装飾が施された巫女装束をイメージさせるコスチュームを身につけた緑髪の少女…キュアエンプレスが現れた。

 

「……助けてくれて、ありがとう」

 

「……礼には及ばぬ」

 

エンプレスは白い鎧を纏う剣士にお礼を言うが、男はそれだけを言い残すと巨大な剣を握り直し、すぐ様彼女の前から去ろうとする。

 

「ねぇ、名前教えて?」

 

しかし満身創痍の中、ブラッド帝国から自分達を助けてくれた彼に対してお礼の言葉しか言えていないエンプレスの心には申し訳なさだけが広まり、せめてこの活躍を残すために名前だけでも聞こうと呼び止める。

 

「……………私の名は……アメー……メサイアと名乗っておこう」

 

それに対し、一度本名らしき名を言いかけるも直ぐに口をつぐんだ白い剣士は、エンプレスに向けて自らを『メサイア』と名乗り去って行く。

 

「……また会える?」

 

「………運命に抗う力が、残っていればな……」

 

キュアエンプレス達を助けた、巨大な剣を持った白い剣士。

彼がどこで生まれ、どこから現れ、何のために戦うのかは未だにわからない。

しかし、この剣士はトランプ王国の隠れた伝説の剣士として語り継がれる事となるだろう。

 

◆ ◆ ◆

 

それから時は一万年後の21世紀。

一万年の時を得て復活したブラッド帝国が、伝説の戦士・プリキュアを洗脳した。

それに立ち向かう為、仮面ライダー達はプリキュア達の洗脳を解放し、世界の滅亡をかけた仮面ライダーブラッドもとい仮面ライダーエピオンとの激戦を繰り広げ、遂に彼らは平和を取り戻した。

それから世界を救った二人の仮面ライダーは、その内の一人が住む家の隣に作られた研究室にいた。

 

「此処の声はマナに喋ってもらって、この辺は真琴に喋ってもらうとして、エボルトの声はどうすっかなぁ……イーラ達の声優も見つかってないし、ブラッド帝国の戦いの台本も作らなきゃならないし……はぁ〜……」

 

その中で何かの台本片手に疲労のため息を漏らす少年、桐ヶ谷晴夜。

彼はブラッド帝国との戦いの中で桐生戦兎からビルドドライバーを貰い、伝説の剣士『メサイア』の力を受け継いだ、仮面ライダーの一人であった。

そんな彼の居る部屋の中では様々な資料が存在してあり、晴夜の近くにはボイスレコーダーが一台置かれていた。

 

「よしっしゃ!ここでの登場シーンはこうだ!」

 

そのボイスレコーダーに向けて無駄に元気な叫び声をあげる茶髪の少年は、晴夜の相棒であり親しき友でもある、異世界の生命体エボルトの遺伝子を持った戦士、仮面ライダークローズ。

又の名を──

 

「俺はトランプ王国最後の戦士にして、プロテインの貴公子……上城龍牙だぁ!」

 

今二人は研究室で、自分達のこれまでの記録をまとめた内容計画『ドキドキ&サイエンス』の収録を行っていたのだ。

 

「……よし。今のセリフ、丸々カットな」

 

「……はあぁぁ〜!?なんでだよ!ここは俺の登場シーンだろうが!」

 

「お前はサブキャラだから、主役の俺より目立ったら駄目だろうが!」

 

「はぁ〜〜ッ!!??」

 

龍牙は手に持った台本を机に叩きつけながら難儀を表すが、対する晴夜は龍牙では主役にはなれないと暗に言っていた。

 

「あとその『プロテインの貴公子』って台詞、第8話のあらすじ紹介でも言ってたんだからもうちょっと控えろよ。使い回しだと思われるだろ」

 

「良いじゃねぇか別に!ていうかそれ言ったら、お前の『てぇんさい科学者の卵』とかの部分なんか毎回言ってるじゃねぇか!」

 

「俺は良いんですぅ〜〜!何故なら主人公ですからぁ〜〜!!」

 

相変わらずのように痴話喧嘩をする光景から、普通に仲が悪いように見えてしまうが、これこそ二人しか出来ない『ベストマッチコンビ』の証拠でもあった。

 

「……しっかし、平和だな〜」

 

「だな〜」

 

だがここしばらくは目立って大きな事件もなく、あれ以降戦うことの無い二人はこの落ち着いた日常に安らぎを感じていた。

 

「試しに今度のフリマで、これでも売ってみるか?」

 

「んぁ?新しいガジェットか?」

 

「あぁ!名付けて蜘蛛型ペットロボ!」

 

そう言って晴夜が取り出したのは、先程彼が気分展開がてら完成させた蜘蛛型のガジェットだった。

 

「名前そのまんまじゃねぇか。てか、売れるのかよ?」

 

「売れるよ!これはクローズドラゴンよりも───」

 

「晴夜ーーー!龍牙君!」

 

「ハルモニアのカーニバルに行かない?」

 

「「……ハルモニア?」」

 

二人が他愛も無い会話をしているとそこへ、『ドキドキ&サイエンス』収録の為に呼んでいた相田マナと剣崎真琴の二人が研究室の扉を開き、晴夜と龍牙にハルモニアへのカーニバルへ行かないかと誘っていた。

 

◆ ◆ ◆

 

そこは、とある海沿いの陸地に近い島にあると言われる、有名な進学校であるノーブル学園。その全寮制の学園は、50年前に“望月ゆめ”という元絵本作家によって建設されたと言われている。

校風としては「生徒の自主性」を強く重んじ、伝統と風紀を守るための厳格なルールがあるとされているが、生徒達がルールを破らない限りは大体の事が学校側から認められている為。数多くの有名人を排出して来たエリート学園としては、比較的自由度の高い分類に入る学園であるとも言える。

ちなみに学内では男女共同で参加する交流イベントも多彩となっている。

そんな学園にある庭園から、楽しそうな歌が大きな声で奏でられていた。

 

「はーるーの♪おーがわはー♪さーらさーらいくよー♪」

 

庭園には二人の少女と二匹の小動物が存在しており、その歌の源はその内の一人の少女の口から響いていた。

その少女の名は春野はるか。

栗色の髪をお団子ヘアーに纏めた彼女には、遥か過去の時代に大いなる闇を封じた神姫の力を継承した『プリンセスプリキュア』としての姿を持っていた。

そんなはるかの歌う「春の小川」を、その隣で青緑のロングヘアの一部から伸びる三つ編みを揺らす少女が笑いながら聴いていた。

 

「楽しそうね。はるか」

 

その少女、海藤みなみが楽しそうに歌っているはるかを尋ねると、彼女は先程よりも嬉しそうに振り向いて応える。

 

「だって!3人でお買い物ですよ!楽しくないわけないじゃないですか♪」

 

どうやらはるかは、みなみともう一人の友達と一緒にお買い物に行ける事をとても嬉しく感じたらしく、そのおかげで思わず歌を歌っていたらしい。

 

「きーしの♪すみれや♪れんげの花に♪」

 

「パーフ♪パーフ♪パーフ♪パーフ♪」

 

そんなはるかの歌を聴いて、長くフワフワした耳のようなピンクの髪の毛を鳥が羽ばたくように動かす、『ロイヤルフェアリー』と呼ばれる子犬の様な妖精・パフも踊りを加えながら、彼女に続くように「春の小川」を歌っていた。

 

「パフはダンスも上手ロマ~♪」

 

薄紫のインコの様な姿をした妖精にしてパフの兄・アロマは、そんなパフを暖かい目で見守りながら見惚れてしまうのであった。

彼ら兄妹は『ホープキングダム』と呼ばれる国からやって来ており。絶望の魔女によって夢も希望も失われてしまった王国を取り戻すために人間界に訪れた二匹は、プリンセスプリキュアの後継者である三人の少女と共にホープキングダムを救う為、12本のドレスアップキーを集めているのだ。

それはそうと、この兄妹全然似てないな。

 

「フンフン♪フン♪──パフ?」

 

「ろ、ロマ!?ロマロマ~~~~」

 

しかしパフは踊りに夢中で自身の長い髪を誤って踏んでしまい、転んだ拍子にアロマを下敷きにしてしまった。

 

「パフ~……ごめんパフ」

 

「ごめ~~~~ん!」

 

パフがすぐに離れて兄に謝っていると、ここに居ない少女の声が聞こえた。

みなみが振り向くとそこから、リボンで長い茶髪を整えたツリ目の少女、天ノ川きららが急いでこちらへ向かって来ていた。

どうやら遅刻していたらしく、息を整えながらはるか達に遅れてきてしまったことを謝罪する。

 

「遅くなっちゃった~……って、はるはる何歌ってんの?」

 

「きららちゃん」

 

はるかもきららが来た事に気付いて振り向くと、彼女がはるかの歌を聴いて何かを思い出していた。

 

「あっ。もしかして歌のテスト?」

 

「え?………歌の……テスト?

……………あーーーーーーっ!!??」

 

はるかはきららの言葉を聞いてきょとんとしていると、突如何かを思い出したのか大きな声を出す。

 

「「?」」

 

「しょぼ~ん……」

 

それを聞いた二人は首を傾げる、はるかは急に落ち込み始めた。

 

「どうしよう!すっかり忘れてた……来週の歌のテスト」

 

どうやらはるかは、来週に行われる歌のテストの事をすっかり忘れていたようだった。

 

「おうた歌うの、いやパフ?」

 

「さっきは、あんなに楽しそうに歌ってたロマ」

 

「鼻歌とテストじゃ全然違うの。

クラスメイトのみんなの前で歌うなんて…緊張しちゃうよ~…」

 

アロマを乗せて歩くパフは、さっきまで歌っていたはるかを見て尋ねるが、本人は人前で唄うことになれていないせいか、クラスメイトの前で歌う事を考えると自信を持てなくなってしまう事を告白する。

 

「テストくらいで大げさ。あたしがランウェイを歩くときだって、そこまで緊張しないよ?」

 

するときららは呆れた表情を浮かべ、自分がランウェイで歩いている姿を想像させながらはるかにそう答えていた。

 

「うっ……に、人気モデルにそれ言われちゃうとなぁ…」

 

はるかはきららの言葉を聞いて落ち込むが、みなみはそんな事はないとフォローをする。

 

「ふふっ♪そんなに気負うことないわ。心を込めて大きな声で歌えば大丈夫よ」

 

「あっ……は、はい…」

 

みなみに励まされたはるかだったが、まだ自信がないのか憂鬱にため息を吐くばかり。

そんな中、パフは「はるか、おうた歌ってパフ」と言って少しでも元気付けようとする。

 

「い、いいよ…今から練習しないとね」

 

はるかはパフの言葉を聞いて少し元気になると早速、歌の練習を始めようと気を取りなおす。

 

◆ ◆ ◆

 

同じ頃、東京都練馬区の何処かに位置する街『ぴかりが丘』にある、ブルースカイ王国の大使館の居間では……

 

「は~~るが来た来た♪ポカポカわっしょい♪お花も蝶々も♪踊るよダンシング~♪」

 

濃いピンク色の髪をポニーテールにした少女・愛乃めぐみが元気よく歌っていると、そんな彼女の歌を聞いていた白雪ひめ、大森ゆうこ、氷川いおなの3人は静かに聞き入っていた。

 

「ポカポカわっしょい!」

 

するとひめがめぐみの歌につられるように、シアンのロングヘアーを揺らしながら歌っていると、隣に座っていたゆうこはクスクスと笑っていた。

 

「めぐみちゃん、ずいぶん楽しそうに歌ってるね」

 

「うん♪またまた春が来たから、ウキウキしちゃって〜♪」

 

「そういえば、幻影帝国を倒して初めての春休みだもんね」

 

ゆうこが当時の事を思い出しながらそう語る、『幻影帝国』というキーワード。

それはかつて「世界を最悪の形に変えて、全人類を不幸にする」をスローガンに、世界中で怪物『サイアーク』を暴れさせていた悪の組織である。

元々は『アクシス』と呼ばれる禁断の箱に封印されていたのだが、とある理由からその箱が開けられてしまった事を起点に、彼らを封印していた国『ブルースカイ王国』はあっという間に乗っ取られてしまった。

そしてハピネスチャージプリキュアによって上層部が撃破、もとい和解を果たすまで大規模な悪事が行なわれ、ブルースカイ王国を含めた様々な国が彼らによって支配されていた。

 

「うんうん!今日はスプリングパーティだよーーー♪」

 

ちなみに彼らによって支配されていたブルースカイ王国は、此処で大喜びしながらめぐみと歌っていた、ブルースカイ王国の王女でもあるひめの故郷でもあった。

 

「それじゃあ、一緒に歌おう♪」

 

「うん♪」

 

様々な苦難や後悔の末、幻影帝国によって支配されていた故郷が自身の仲間達の活躍によって解放されたひめの喜びは、今の姿を見てわかる通り、めぐみとデュエットを組んで相当嬉しい事だというを表すかの様に歌うのだった。

 

「二人とも、浮かれすぎ」

 

「でも、こんなに楽しい春なんて久しぶりですわ」

 

「二人とも、よほど嬉しいんだぜ」

 

いおなは楽しく歌うめぐみとひめを見て呆れているが、リボンとぐらさんの言葉に同意する様に柔らかい笑みを浮かべる。

 

「みんな〜お茶が出来たわよ」

 

「あっ!お姉ちゃん」

 

するとドアを開ける音と共に、いおなの姉である氷川まりあが人数分のティーカップセットと紅茶を入れたティーポットをお盆に乗せて居間の部屋に入ってきた。

 

「今日はさくらんぼの紅茶よ」

 

「やったー♪」

 

「私、それだーい好きー♪」

 

まりあの紅茶が出来た事を聞きつけためぐみは真っ先に手伝いに入った。

 

「桜もウキウキ♪幸せパンク~♪ああしてこうして、やり放題~♪」

 

「めぐみちゃん達、楽しそうね」

 

そしてめぐみは、まりあの持って来たティーカップセットを手に取り、歌いながら順序よく置いていった。

その様子を見たまりあは、彼女を微笑ましい笑みを浮かべながら話しかける。

 

「だって、今日はとっても楽しみで〜♪」

 

「こっちまで歌いだしそうなくらい」

 

ゆうこもまりあと一緒に紅茶を淹れる準備をしながらめぐみの話を聞き、自身もそんな楽しそうな友達につられて歌い出したい欲求に駆られている事を話す。

 

「春だからって、浮かれすぎるのもどうかと思うけど……」

 

「うふふ♪それほど、歌うのが好きなのね」

 

いなおはそんなめぐみを見ながら浮かれ過ぎだと呟くが、姉は浮かれ過ぎる程にワクワクが止まらないのだなと思っていた。

 

「春~♪ウキウキ~~~♪」

 

「ねぇねぇ!あの歌をもう一回聞かせて!」

 

「うんいいよ♪では、僭越ながら。愛乃めぐみ!みんなのアンコールに答えるべく、今一度歌を歌っちゃいまーす♪」

 

「イェーーーイ!」

 

まりあによって全員分のお茶が注がれると、めぐみは気分良く歌っていた歌にアンコールがかかり、アンコールをかけたひめの掛け声と共にもう一度歌う事となった。

 

 

 

「コホン…は~~る~~の!」

 

同じ頃。はるかはさっきとは違って、やや緊張して張っている声で歌う。

 

 

「は~~るが来た来たーー♪」

 

 

「おーーがーーわーーは!」

 

 

「ポカポカわっしょい♪」

 

 

めぐみは陽気に楽しく歌って、同じ時にはるかも歌いだしたその時、二人が歌っていた場所の空から、手紙らしきものが舞い落ちてきた。

 

「「え?」」

 

めぐみ達が突然舞い落ちてきた手紙を掴み取り、同じくはるかも咄嗟に舞い落ちてきた手紙を手に取って、全員が首を傾げながらも手紙を見てみると、手紙の裏には2匹のドラゴンが顔を見合っている絵に、『“Invitation Letter”』という文字が書かれていた。

 

 

「い、イン?……」

 

「インビテーション。招待状という意味よ」

 

「招待状?空から?」

 

「こ、これは!!」

 

「ロマ!」

 

はるか達が何処からの招待状なのかと思っていると、同じ様にその招待状を見たパフとアロマはひどく驚いていた。

 

 

 

「これは、ハルモニアの国王様からの招待状ですわ」

 

「「「ハルモニア?」」」

 

ブルースカイ王国のリボンは驚きながらも、この手紙が何なのかをめぐみとゆうこ、いおなに説明していた。

 

「……どこ?そこ?」

 

「ひめは前にお勉強をしたハズですわ!」

 

「あはははは……そうだったっけ?」

 

目を逸らしながらそう呟くひめの姿を見る限りすっかり忘れていたようだったので、ぐらさんはひめへの復習を兼ねて解説を続ける。

 

「ハルモニアは、1年中お祭りをしている妖精の国なんだぜ」

 

「1年中お祭り!?楽しそう♪」

 

「それにしても、どうしてそのハルモニアから招待状が?」

 

「しかも、その王様からのだなんて……」

 

めぐみは毎日の様に祭りをしているという国だと聞いて、なんて楽しそうな国だと目を輝かせる。

対するゆうこといおなは突然の事に疑惑を抱くも、すぐさま「心配ご無用だぜ」と語るぐらさんと共にリボンが寄り添う。

 

「ハルモニアから招待される事は、本当に名誉ある事ですわ」

 

「そうなの!?」

 

「散々教えましたわ!」

 

そんなに凄いなの⁉︎と驚くひめと、本当に覚えてないんですね!と怒るリボンを横目に、いおなはハルモニアの招待状を見ながら「そんな凄いものが届くなんて……」と実感を湧けずにいた。

 

「まさに、ハンバーグの中に半熟卵が入っているくらいラッキーなことだね♪」

 

「あのね……」

 

いおなは相変わらず食べ物で例えようとするゆうこに呆れるも、まりあはそんなゆうこを見て笑っていた。

 

 

 

「ハルモニアの春のカーニバル!?」

 

「そうロマ」

 

「パフ♪」

 

アロマとパフからハルモニアの事を説明を聞いたはるかの顔は、既に抑え切れぬ程の満面の笑顔で包まれていた。

 

 

「「むむむむむむむ……行きたーーーーーい!!!」」

 

 

そして、我慢に我慢をしてきて気持ちを一気に爆発させた両者の叫び声は、遠く離れていても尚、見事にハモるのであった。

ちなみにこの招待状は、プリキュアオールスターズそれぞれに送られていた。

 

「妖精の国ハルモニア。そのお祭りの中でも春のカーニバルは……最高のお祭りなんだロマ♪最高の歌とダンス!それを目当てにみんな、世界中から集まるロマ♪」

 

◆ ◆ ◆

 

同じくハルモニアから送られた招待状の存在を知った晴夜と龍牙、和也、幻冬のライダー四人も、四葉邸へと場所を変えた。

 

「ハルモニアのカーニバル…」

 

「面白そうじゃねえか!」

 

「俺も歌ってみるかな〜!」

 

「でも、これって招待されてるのプリキュアですよね。僕達が行っても大丈夫何ですか?」

 

晴夜たち三人は未知の国で繰り広げられるカーニバルに期待を膨らますが、幻冬の言う通りあくまで招待されているのはプリキュア。全くジャンルの違う戦士である仮面ライダーである晴夜達が、そのカーニバルに参加してもいいのかと質問する。

それに対してマナは大丈夫!と言って、晴夜達も参加しても大丈夫だという事を伝える。

 

「問題ないでしょ。これまでみんなと関わっているんだから、ハルモニアだって許可してくれるわ」

 

「それに皆さんも会えますし、この前の事件の事で話せるんじゃありませんか?」

 

六花に続いてありすの言うこの前の事件とは、勿論ブラッド帝国との戦いの際にプリキュアのみんなが洗脳されて晴夜達と戦った事を指すのだが、此処では詳しい内容はすでに把握していると判断して省略する。

 

「いいじゃねぇか!行こうぜ!」

 

閑話休題。ありす達の言葉を聞いた龍牙は、ハルモニアで祭りを楽しむ事を心待ちにしていた。

 

「だな。なんか、最高なものが観れるかもな!」

 

「やったーーー!もうキュンキュン〜♪」

 

そんな龍牙と同じく祭りを心待ちにする晴夜に、マナが勢いよく彼の腕にしがみつく。

 

「もう、マナったら〜」

 

「晴夜と一緒に行けるのが余程嬉しいんですね」

 

(う、羨ましい……)

 

好きな人と一緒に行けるその喜びに歓喜するマナに、幼馴染二人はそれぞれ嬉しく微笑み。もう一人の幼馴染である和也は仲睦まじくイチャつく二人を見て、自身と永遠のアイドルであるまこぴーとの関係が一向に発展せず、それどころか龍牙に遅れを取っている事実を再確認しながら羨ましそうにしていた。

 

「幻冬。あなたは私の近くにいるのですよ」

 

「えっ?」

 

そんなかずやんの心情は置いといて、亜久里は幻冬の袖を掴みながら近くにいる様に言い。それを聞いた本人はなんで近くにいなければならないのだと問おうとするが、亜久里は異論は認めんと言わんばかりに顔を近づける。

 

「私が貴方を守る為です。い・い・で・す・ね〜〜っ!」

 

「は、はい……」

 

今にも亜久里と鼻がくっつきそうな距離感にドギマギしながらも、有無を言わせぬ雰囲気に萎縮する幻冬からは、どこか満更でもない笑みがこぼれていた。

それよりも、何故亜久里がこんな事を言っているのかというと、ブラッド帝国の事件に洗脳されたプリキュアを解放した後のヘルブロスの戦闘時にプリキュアを守った行動が高く先輩プリキュアに評価されて、彼女らからちやほやされたからだ。

身も蓋もないことを言えば、要するに嫉妬心から生まれた行動である。

というわけで晴夜達仮面ライダーも、ハルモニアの春のカーニバルへと向かうことになった。

 

「……あれ?でもハルモニアって、何処にあるのかしら?」

 

一方で、みんなが春のカーニバルで大騒ぎする中、レジーナはマナから取った招待状を見ながら、そもそもハルモニアは何処にあるのかと疑問に思っていた。

 

◆ ◆ ◆

 

「春の〜♪カーニバル〜♪最高の〜♪歌とダンス~♪ふふっ♪」

 

はるかはアロマの説明を聞いただけでも嬉しさとウキウキに酔い浮かれて、鼻歌とダンスをしながら楽しみにしていた。

しかし、木陰からはるかを見ている者がいる事をはるか達は知らない。

 

「その春のカーニバルにプリキュアと妖精を招待したいと、この招待状に書いてあるロマ」

 

「妖精達もパフ?」

 

「へぇ~面白そうね。どうする?」

 

「行く行くーーー!絶対!行くーーーー!!」

 

きららが聞くと、はるかは真っ先に近寄って興奮しながら即答で答えるのであった。

 

「王様に招待されて、歌とダンスを楽しむ♪

それも素敵なプリンセスへの第1歩だよーー♪」

 

「ええ。それに、歌のテストの良い勉強になるかもしれないわね」

 

「うっ。うぅ……!」

 

はるかは招待されて歌とダンスを楽しむと同時に、自分達の課題であるプリンセスへの道の第1歩だと示し、気合と楽しさを全開にしながらウキウキと身体を揺らす。

だがそんな中、招待状の内容をしっかり見直していたみなみの一言で、一気に消沈してしまう。

 

「はぁ~~」

 

「もう、さっきまで楽しくしてたのどこに行ったのよ~?」

 

「だって…」

 

「よーし!そうと決まれば!ハルモニアに出発ロマーーー♪」

 

再び憂鬱な雰囲気を纏うはるかだったが、祭りに行けばそんな気持ちも吹き飛ぶと判断したアロマは早速ハルモニアへ行こうと張り切る。

しかしある事に気付いたみなみは、招待状を持ったまま周りを見渡していた。

 

「でも…この招待状には、地図も何も書いてないわよ?」

 

そう。招待状には、ハルモニアまでどうやって行くべきかが書いていないのだ。

 

「「えっ?………えーーーーーー!?」」

 

 

「えーーーーーー!?それじゃあ、これどうやって行くの?」

 

そしてブルースカイ王国大使館にて、同じくその事実に気付いたひめも同様に大声でシャウトしていた。

 

「う~~~ん」

 

「この招待状…地図も何も書いてないけど…」

 

「どうしたら行けるの?」

 

めぐみ達4人は招待状を前にして悩み、場所は変わってはるか達も同じ状況に陥って困惑を露わにしていた。

 

「言われてみれば、確かに書いてなかったロマ」

 

「そ、そんな~~~~~!せっかく、招待されたのに…」

 

せっかく楽しみしていたハルモニアへどうやって行くべきなのかわからないと、はるかは青ざめた表情で意気消沈する。

 

 

「うぅ…」

 

めぐみもはるかと同じく気持ちになり、天井へ向けて大きく息を吸って──

 

 

「「ハルモニアまでは、どうやったら行けばいいのーーー!!」」

 

二人は見事に息ピッタリ、同じ言葉をハモるのだった。

 

 

『心配いらないわ。その招待状が、ハルモニアまで案内してくれますわ』

 

「…え?」

 

だがその時、どこからともなく大声で叫んでいたはるかに加えて他二人と二匹の耳に何者かの声が聞こえ、三人はすぐに辺りを見渡すも周りには自分達と二匹以外には誰もいなく、木々が風に揺れる音だけが聴こえていた。

 

「……きららちゃん、何か言った?」

 

「え?言ってないけど?」

 

「それじゃあ、みなみさん?」

 

「いいえ…でも、この招待状が?」

 

さっきの声に疑問を持ちながらも、三人は招待状を再度見渡した。

 

 

「ふふふ。心配しなくても、もうすぐわかるわよ」

 

同時刻、ブルースカイ王国大使館にて、まりあが困り果てるめぐみにそう言って忠告する。それと同時に招待状が突如光り出し、招待状が光の球体となって空へと打ちあがって地面へと着地する。そして光が弾けると同時に招待状は変化──はるか達の前には2頭の馬付き豪華な馬車が現れ、めぐみ達の前には大きな5羽のツバメが現れた。

 

「おおおおお!?」

 

「なんぞ!?」

 

「つばめさん?」

 

「招待状が…」

 

めぐみ達は突如招待状かた変化した5羽のツバメに驚くも、これでお祭りに行けると喜びながらツバメに乗ってハルモニアへと向かった。

 

 

「はぁ~~~♪」

 

はるかは興奮するも、すぐさま馬車へと乗り込む。

招待状から変化した馬車がはるか達が乗った事を確認すると、馬車をリードする2頭の馬が走り出して空を待って走り出すのだった。

はるかは2頭の馬の手綱を握って、馬車をハルモニアへと直進させる。

 

 

 

他のオールスターズも招待状から乗り物へと変化して、それぞれハルモニアへと向か。

当然晴夜達も…

 

「すげぇ!招待状がカメになるなんてーーー!最高だーーー!」

 

招待状が変化したことにハイテンションの晴夜は、いつもながら科学で測れないようなものが起こると髪をかいて興奮していた。

そんなこんなで晴夜達は二手に分かれ、2頭のウミガメに乗りながらハルモニアへ向かう。

 

◆ ◆ ◆

 

そこは、海に囲まれた島国。

地球上にあるのか、異世界にあるのかは不明だが、半島のような外観となっている土地の空には、複数の虹が常に出ていた。また島の上には王族が住まう城のほか、大きいドーム状の施設が建設されている。

この島こそ、歌とダンスの国・ハルモニア。

この妖精の国では愉快な事に、1年中音楽祭が行われている。

だが今日開催される『春のカーニバル』は特に最大級の規模を誇る祭りである為か、辺り一面には風船が空を覆いつくさんとばかりに散りばめられ、妖精の姿をしている街の住人達も楽しく、忙しく、今回の祭りの準備に取り掛かっていた。

しかし…

 

「……というこった。理解してくれますよね?国王様」

 

ハルモニアの王様らしき、王冠を被った灰色の長髪とヒゲを生やした長身の男が、鯰のような細長い髭を生やした人相の悪い尖った耳の男と一緒に屯している、首に赤いスカーフを身に付けて額にDと一本眉、丸い口髭が書かれた顔にサングラスを付けた戦闘員らしき藁人形“ドロボーン”が大量に威嚇されていた。

 

「あ、あぁ……っ」

 

「……は、春のカーニバルは、ハルモニアの守り神に歌とダンスを捧げる祭り。

そのカーニバルを中止したら、どんな災いがあるか…」

 

「守り神だと?バカバカしい!」

 

その隣で自身の娘──ピンク色のドレスと白色の長い手袋を着用したハルモニアの王女が怯えているのを見ながら、王様は何とか説得して彼らに立ち去ってもらおうとする。

しかし男は王様達の忠告も聞かず、剣を突きつけて黙らせた。

その剣を突きつけている男・オドレンは、王様が黙ると持っていた剣を鞘へと戻して話題を変える。

 

「まぁ、安心しな。カーニバルは予定通り開催してやるよ!俺様がこの国を盗んだことを祝う最高のカーニバルをな!

 

「アニキーーーーー!!」

 

するとそこへ、タヌキの尻尾を付けた小柄な男・ウタエンが、招待状と鎖で縛られた宝箱を持ったまま慌ててオドレンの元へと駆けつける。

 

「大変っす!!」

 

「どうした?」

 

「こいつら、春のカーニバルにプリキュアと妖精を招待してるっすよ!」

 

「え!?マジで?」

 

ウタエンの話を聞いたオドレンはさっきまで自信満々だった表情から少し焦りだし、相方の持つ招待状を見ていた。

 

「参ったなぁ~…なんで、よりにもよって、こんなタイミングで…」

 

「とりあえず、逃げるっすか?『何言ってやがる!』──もが!」

 

ウタエンは不安そうに逃げるかどうか聞いていると、オドレンに丸めた招待状を口に放り込んで拍子に転ぶ。

そしてプリキュアが来ることを知ったオドレンは不安になるどころか、逆に自信満々になっていた事にウタエンは疑問を抱いていた。

 

「上等じゃねぇか!これはプリキュアどもを、まとめてつぶすチャンスだぜ!」

 

「ええ!?」

 

「ふふふふ……さぁ来い!プリキュアども!楽しいカーニバルの始まりだーーーーー!!」

 

プリキュアを返り討ちにしてやると意気込む相棒に驚愕するウタエンを他所に、悪知恵を働かせるオドレンの不吉な笑いが城内に響き渡る。

 

『面白そうな事してるな〜♪』

 

そんな陽気で不吉な笑い声を遮る様に、何者かが愉快そうに呟いた声がオドレンの近くで響き渡る。

 

「ん?………お前、何か言ったか?」

 

「えっ?俺は何も言ってないすよ?」

 

「……まぁいい、行くぞ。お前らはそいつらを牢にでもぶち込んでおけ!」

 

オドレンは急に聞こえた不気味な声を気にしたが、気のせいだと判断した二人は気にせずドロボーン達に王様達を捕らえさせる。

 

『いいねぇ〜……このまま待っていれば、俺が殺り損ねたプリキュア供を滅ぼす事が出来るってもんだ』

 

しかし、此処にいる奴らは愚か、ここに訪れるであろうプリキュア達も知らなかった。

さっき彼が聞いた声が、この地に災いを引き起こす存在だという事を。

 

 

 

「うーし、とーちゃーく!」

 

「うぇるかむ、とぅー、ハルモニアぁ〜〜!」

 

その頃、何も知らない晴夜達は無事にハルモニアへと訪れていた。

晴夜達は先に降りて大はしゃぎする龍牙とレジーナを見ながらハルモニアの地に足を付けると、ウミガメが光を発すると元の招待状に戻ってしまった。

 

「うぉお!?今度は元に戻ったぞ!一体どんな仕組みなんだこの手紙〜?

……よし、ここは一度バラして──『させねぇよ科学バカ!』うわばきッ⁉︎」

 

「………マナ。晴夜には絶対に持たせられないから、代わりに持ってて」

 

「あはは………うん、わかったよ六花」

 

帰る時にも使うであろう招待状を色々弄ろうとする晴夜にドロップキックを喰らわせる龍牙を背景に、六花はキックを喰らった衝撃で手放されて宙を飛ぶ招待状を手に取り、その招待状を彼女から渡されたマナはそれを大事に仕舞う。

その後、色んな屋台を見て回ろうと走っていったレジーナを追いに行った和也達と別れた晴夜と龍牙、マナ、真琴の四人がハルモニアを見て回っていると、この街は既にお祭りムードになっており。妖精達が春のカーニバルの飾り付けを行なっているのを見ているだけでも、彼らがとても楽しそうなのが伝わってくる。

 

「へ〜……ここがハルモニアか〜!」

 

「色んな奴がいるな……おい見ろよ晴夜、あそこで上半身裸の上に赤いジャケットを着ている男が妖精達の前で踊ってるぞ!しかもあっちではピエロがジャグリングをやってるな!」

 

「みんなすっごく楽しそ〜♪」

 

「流石、一年中お祭りをしている妖精の国って言われるだけはあるわね」

 

妖精達以外にも、ここに招待されたであろう人間のエンターテイナーもいる事を確認したりして四人がハルモニアを見て回っていると、プリキュアオールスターが集まっている場所を見つける。

その中で見覚えのある人物がいる事に気付いたマナは、その人物に向けて手を大きく振りながら声を上げる。

 

「めぐみ!ひめ!」

 

「晴夜!龍牙!マナちゃん!真琴さん!」

 

そして自分達を呼ぶ声が聞こえた二人……めぐみとひめは晴夜達の方へと振り返り、四人も彼女達の元へ駆け寄った。

 

「久しぶり。えっと〜……」

 

晴夜がめぐみ達に挨拶していると、初めて見る顔……はるか達プリンセスプリキュアの方を見る。

 

「ごきげんよう」

 

「えっ?あっ……どうも、ごきげんようです」

 

するとはるかから普段の生活では受けない慣れない挨拶をされた晴夜だったが、とりあえずごきげんようと返す。

 

「私達はプリンセスプリキュア」

 

「俺は桐ヶ谷晴夜。よろしく」

 

「俺は上城龍牙だ」

 

「私は相田マナ。キュアハートだよ」

 

「剣崎真琴、キュアソードよ。よろしく」

 

軽く自己紹介を済ませたはるか達は、マナと真琴がプリキュアだと気付くが、その隣に居る晴夜と龍牙は何者なのかと疑問に思っていた。

ここに招待された人物のほどんどが女の子である為、男の子がここにいるのは珍しい…というか確実に浮いている。居心地悪く無いのかな?

 

「晴夜君達もプリキュアなの?」

 

「俺と晴夜……あと2人いるけど、俺達はプリキュアじゃなくて仮面ライダーって言うんだ」

 

「「「仮面ライダー?」」」

 

「簡単に言えば、プリキュアと一緒に戦う存在かな。

今日はマナ達に便乗して、カーニバルを見学に来たんだ」

 

晴夜ははるか達に仮面ライダーの存在についてそう説明するが、正確には仮面ライダーはプリキュアと一緒に戦う為の存在ではない。この世界ではある意味大体合っているが。

再び閑話休題。何者かの足音が自分達の方に近づいていることに気付いた全員が顔の向きを変えると、そこには足音の主であるオドレンとウタエンの二人が立っていた。

 

「よく来やがっ──ゔぅんっ……おいでくださいました。プリキュアと妖精の皆様」

 

「あなた達は?」

 

「私はハルモニアの大臣、オドレンと申します」

 

「おいらはウタエンっす!みんな来てくれてありがとうっす!!」

 

初対面な二人に対してゆうこが尋ねると、オドレンは冷静になって自己紹介。ウタエンも続いて自己紹介をする。

 

「こちらこそ、お招きいただきありがとうございます」

 

「カーニバル、すっごく楽しみです♪」

 

「私も!!ハルモニアのお祭りの中でも、このカーニバルはすごごご~く有名なんでしょう!?」

 

「それを今から見られるなんて…幸せハピネス♪」

 

目の前に居る二人が大臣とはほぼ遠い盗賊だなんて知る由もないプリキュアメンバー…上からみなみ、はるか、ひめ、めぐみは、この国で行われるカーニバルを楽しみにしていると伝える。

そんな彼女達の様子を聞いたオドレンは「それなのですが…」と言い、ワクワクの絶頂にいたはるか達は一体どうしたのかと疑問符を浮かべ、いなおは「ですが?」と彼の言葉を反服していた。

 

「プリキュアの皆様に、1つお願いがあるのです」

 

「「「「お願い?」」」」

 

「プリキュアの皆様もステージに上がって…」

 

「歌って踊ってほしいっす!」

 

オドレンの口からお願いがあると聞き、プリキュアメンバーは何をするのかと頭を傾げていると、オドレンとウタエンは彼女達に顔を近づけてそう叫ぶ。

それを聞いたプリキュアメンバーが『えっ?』と困惑の言葉をこぼす中、真っ先に驚いたのはプリンセスプリキュアの一人であるはるかだった。

 

「なんで!?どうしてなんですか?」

 

「元々春のカーニバルは、まぁ…なんやかんや色々やってたんですが……

今回はなんと!妖精達へとの感謝祭なのです!」

 

納得いかないはるかに対してオドレンは少々難しい表情を浮かべた後に語られた言葉に、首を傾げていたプリキュアメンバー全員が驚いてしまう。

 

「妖精達への──」

 

「感謝祭?……………ジトー……」

 

すると、ひめは真っ先に隣にいたリボンを見つめていた。

 

「な、なんですの!?その目は!!」

 

「え?あっ、いや~……いつもありがとうって思ってるよ……心の中で」

 

ひめは一点の曇りもない清清しい目でリボンを見るが、どうも怪しかったのでそれを聞いたリボンは怪訝そうにしていた。

 

「……思っているだけじゃ伝わらないっすよ。感謝の気持ちは外に出して欲しいんっす」

 

そんなひめの姿に何か思うところがあったのか、ウタエンは彼女に近付いてそう優しく説きかける。盗賊のくせに、人付き合いに関してはしっかりした考えを持ってるらしい。

 

「はぁぁぁぁぁ♪」

 

めぐみはそんな彼の話を聞いて妖精達の事を思うと、リボンやぐらさんを加えた妖精達に伝えたい気持ちを膨らませていた。

 

「ねぇ!どうする!?歌って踊っちゃう?」

 

「勿論♪リボンとぐらさんには、すごーくお世話になってるからね!!」

 

同じく妖精達への想いを募らせたひめからの突然の誘いにめぐみは即刻乗っかり、ステージに上がって歌って踊る事を決めるのだった。

 

「そうね。感謝の言葉を表現するのは大事な事よね」

 

「ご飯を食べる前は“いただきます”、食べた後は“ご馳走様”」

 

「それじゃあ!歌の練習しないとね!」

 

「うん!行こうひめ!」

 

「「感謝のー♪気持ちをー♪歌って踊って♪ババババ~~ン♪」」

 

「……歌うのは、まだ早いわよ?」

 

いおなとゆうこからも賛同を得たひめとめぐみは、早速ステージの上に立つ事を想定しながら肩を組んで楽しそうに歌っていた。

いおなが既にステージに上がっている気になっている二人に呆れている姿を見ながら、龍牙は笑みを浮かべながら真琴の隣に移動して、同じくステージに上がる気満々な彼女の肩を叩く。

 

「歌なら真琴の出番だな!」

 

「うん!このハルモニアと妖精達に私の歌を届けるわ!」

 

「よーし!あたしも張り切って頑張らなきゃ!」

 

「「「え"っ」」」

 

張り切る真琴を見たマナも張り切って歌おうとするが、それを聞いた晴夜と龍牙と真琴は変な声を漏らしながら硬直する。

 

「ん?どうしたの三人共?」

 

「え、あ……うん!大丈夫!なんとかなる……だろ?」

 

「は、え……あー、うん。そうだな」

 

「うん!なんとかなるなる!」

 

(多分ね……)

 

真琴なら大丈夫だと思う晴夜と龍牙だったが、微妙な表情を浮かべながら心中で呟く真琴を含めて、張り切るマナには不安しかない。

何故なら彼女本人は気づいてはいないが、マナはオン・・・歌が微妙だからだ。

 

「やる気満々になってくれて良かったっす」

 

「他のプリキュアども…ううん!じゃなくて、プリキュアの皆様にも既にオーケーをいただいているのですが……

先程から気になっていた…いましたが、男のあなた方二人は?」

 

ウタエンがステージに立つ気になってくれた事を喜んでいると、オドレンはさっきからプリキュア達と一緒に居た二人の男が誰なのかと問いかける。

それを聞いた晴夜と龍牙は、それぞれオドレン達の前に出て自己紹介を行う。

 

「初めまして、俺は桐ヶ谷晴夜です」

 

「上城龍牙。よろしくな」

 

(……き、き、桐ヶ谷晴夜ァァァアアアアーーーッッ!?)

 

「どうした?」

 

晴夜の名前を聞いたウエタンが凄い勢いで額に汗を掻き始めると、後ろを向いて小声で晴夜を知らないオドレンに彼らについて話す。

 

「桐ヶ谷晴夜って、妖精界ですごい噂ですよ」

 

ウタエン曰く。晴夜は妖精界ではブラッド帝国の事件で世界とプリキュアオールスターを救った救世主の逸材と騒がれいるのを含め、様々で話題になっている模様。

 

「ヤバいっす。あいつは一番ヤバいっす!」

 

「ふん。それなら、俺の最強伝説がより素晴らしい結果になるじゃないか」

 

しかし、オドレンは晴夜の事を聞いても焦っている様子はなかった。

 

「ど…どうします?」

 

「パフとアロマには、日ごろの感謝を伝える良い機会だわ」

 

他のプリキュアメンバーが次々と参加を希望する中、はるかはみなみときららに参加するかどうか尋ねると、みなみは既に参加するという答えを出していた。

 

「で…でも…私、ちゃんとできるかどうか……」

 

「はるはる、こういうことは上手か下手かなんて関係ないよ」

 

「うぅ…」

 

「きららの言うとおりロマ。僕達の為に頑張ってくれる、その気持ちが嬉しいんだロマ」

 

きららの言葉に戸惑うはるかに、アロマが肩の上に乗って励ます。

 

「パフ、はるか達のお歌とダンス見たいパフ♪」

 

更にパフが嬉しそうにして、はるかに歌とダンスを見たいと言い出していた。

 

「アロマ…パフ…」

 

期待してくれている二人に対して、人前で歌う自信のないはるかは申し訳がたたなかったが、そんな彼女を元気つける様にみなみときららが檄を飛ばす。

 

「ねっ。二人もこう言っているんだし」

 

「パフとアロマに楽しんでもらえるように頑張りましょう」

 

「……はい!」

 

そして二人に励まされたはるかはパフとアロマの期待に応えるべく、春のカーニバルで歌って踊る事を決意するのだった。

 

「よーし!やる気満開!春野はるか歌って踊っちゃいまーーーす!!」

 

「「感謝のー♪気持ちをー♪歌って踊って♪ババババ~~ン♪」」

 

めぐみとひめ、そしてはるかはやる気と気合満々にするのだった。

 

「まこぴー!私達も負けないよう!きゅんきゅんに頑張ろうーーー!!」

 

「えぇ!もちろん!(マナは頑張りすぎないようにね……)」

 

みんながやる気全力全開になっているのに対して、晴夜はオドレンとウエタンの事がずっと気になっていた。

 

「晴夜?どうした?」

 

「いや、何か変な人だなって……」

 

ファントムにエボルト、ブラッド帝国の戦いで妖精界で名前が知れ渡っているとは聞いていたけど、あんなに動揺されるとは思っていなかった。

感じる限り、何かを隠しているのか、それとも…

 

(カーニバルか……面白い事をするんだな〜)

 

そんな中で晴夜達のいる庭園を、青いスライム状の液体が不穏な考えを構築させながら観察していた。

 

 

そして晴夜達はカーニバル会場へと向かい、多くの妖精達が期待に満ちた表情で空中に浮かぶ観客席に座っている中、四人は人間専用の観客席へと座る。(後、ドロボーン達も団体になって観客席に座っていた。なんでそこにいるんだお前ら)

客席に座った龍牙が会場を見渡していると、此処の天井からは太陽の光が差し込み、晴れた天気、綺麗な夜空、虹のかかった大空といった、その場に合わせた雰囲気が出るようになっているデザインが描かれていた。

また司会席の周りにはプリキュアオールスターズが歌う為に用意したステージがあり。ステージの真ん中あたりには13個の各プリキュアの紋章があり、その中央には巨大なドラゴンの紋章が描かれた。

 

「うわぁ……すごい……こんな綺麗なステージ、見るのは初めてです……」

 

観客席でプリキュア達が踊ったり歌ったりするであろうカーニバル会場を見ていた幻冬は、テレビなどでしか見たことがないステージ舞台を始めて生で見て、その盛大さに思わず感動していた。

 

「ヒャッホッホーーイッ!!まこぴー!うららちゃんー!」

 

「……それ、何処から持ってきたんですか?しかも、真琴さん以外のグッズまで……」

 

だがそんな彼を現実に引き戻す様に放たれた大声を聞いた幻冬が横を見ると、隣ではアイドルグッズフル装備の和也が、右手に四色のペンライト、左手にはアイドル衣装の真琴の写真が貼られた応援うちわを振って応援していた。

相変わらずドルオタ全開の和也に、それを見た幻冬は呆れた目でそう呟いていた。

 

「おぉ!もうすぐだな!」

 

「えっ……うん」

 

そして龍牙が真琴達の登場を心待ちにしながら晴夜に声をかける中、隣に座っていた晴夜は何故か一人、司会をしているオドレンとウエタンをじっと見ていた。

 

「んあ?……おい晴夜、あいつらがどうかしたのか?」

 

「まぁ、何となくな……」

 

晴夜があの二人に何かを感じる中、ステージと入り口の間から光る橋が出現すると共にブザーが鳴り響き、カーニバルが始まる合図が観客席に知らされる。

 

『これより、プリキュアオールスターによる春のカーニバルを開幕を致しします』

 

『わぁーーーーーーーー♪』

 

妖精達の拍手が喝采すると、オドレンとウタエンが先ほど出現した光る橋を渡って妖精達に手を振る。

 

「司会を務めますのは私、オドレンと──」

 

「ウタエンっす!」

 

『ドロボーン♪』

 

そしてドロボーン達も、司会席に向けて歩くオドレンとウタエンに拍手を贈り始める。

妖精とドロボーン達による拍手喝采と興奮を全身に受けたオドレンとウタエンは、普段盗賊として活動する中では決して受けることはないであろう感覚に、司会席の上で立ちながら清々しい気分を満喫するのだった。

 

「いやいや~どうもどうも〜!……拍手っていいものだな。クセになりそうだぜ」

 

「普段は隠れてコソコソしているっすからね」

 

「むっ!人をコソ泥みたいに言うな!」

 

「あいた!!」

 

余計な事を言われて腹が立ったオドレンは、取り出したハリセンでウタエンをたたいて地面に叩きつけた。

 

「ったく……えー、それでは改めまして。

プリキュアオールスターズの入――場―――!です!!」

 

『わぁーーーーーーーーー♪』

 

観客達の歓声と共に音楽が流れ始め、更に観客の頭上から巨大なスクリーンが現れる。

そこから“キュアブラック”と“キュアホワイト”、“シャイニールミナス”といった3人の名乗りシーンと共に、最初のプリキュアである“ふたりはプリキュア”のメンバー、なぎさとほのか、ひかりの三人が入場する。

 

『歌わないなんてありえな~い!断然ダンシング!ふたりはプリキュアMAX Heart!』

 

妖精達からの歓声が高くなると、なぎさが手を振って返事をするのだった。

 

『ぶっちゃけ、はっちゃけ、ときめきパワーで歌もダンスも絶好調なり!ふたりはプリキュアSplash☆Star!』

 

続いてウタエンの解説と共に入場する咲と舞の二人は少し照れるが、互いを落ち着かせて手を振って返事をする。

次にのぞみ、りん、うらら、こまち、かれん、くるみのプリキュア5も入場。

 

『今日は歌にダンスにがんばっちゃうぞ~!けってーい!Yes!プリキュア5!!』

 

オドレンがそう言ってYes!プリキュア5の紹介をし終えると、入り口からフラッシュプリキュア、ハートキャッチプリキュア、スイートプリキュア、スマイルプリキュアの4組が続々と現れてきた。

みんなが入場と共に観客席にいる妖精達を見渡して、嬉しそうに手を振ったりアピールを

していた。

 

『春のカーニバルでもキュンキュンさせてくれるんスよね?モチのロン』

『ドキドキ!プリキュア〜!』

 

次にウタエンの解説と共に現れたドキドキ!プリキュアメンバー。

六花と真琴が手を小さく振り返す中、レジーナは全員に見えるようにあっちこっちに大きく振っていて、最後にマナが大きく手を振るのだった。

 

『さぁ、みなさんお待ちかね。幻影帝国の魔の手から世界を救いやがった。この人達に登場していただきましょう』

 

『お腹いっぱい幸せチャージ!妖精のみんなにハピネス注入!無敵だワッショイ!ハピネスチャージプリキュア!』

 

『わぁーーーーーー♪』

 

めぐみ、ひめ、ゆうこ、いおなのハピネスチャージプリキュア!とウタエンが叫ぶと、妖精達とそれを暖かく見守るまりあの歓声と共に入場する。

誇らしくもめぐみは大きく手を振り、妖精達からの歓声も更に高くなる。

 

『そしてそして!彼女達が新たな平和のカギになるのでしょうか?満を持しての登場です!!』

 

オドレンの言葉と共に変身BGMと共に名乗りシーンが映し出されたのは、新しく誕生したプリキュア“Go!プリンセスプリキュア”である。

 

『妖精の皆様、ごきげんよう!我らが戦うプリンセスは今日は歌って踊っちゃうっすよ!強く!優しく!美しく!Go!プリンセスプリキュア!!』

 

ウタエンに紹介されて、堂々としているきららとみなみだが…

 

「うぅ…」

 

はるかだけがガチガチに緊張していて、冷や汗もびっしゃりとかいていた。

 

「わぁーーーーー♪」

「プリンセスプリキュアーー♪」

 

妖精達は新しく誕生したプリンセスプリキュアに歓声がどんどん高まると同時に、はるかの緊張もドンドン高まっていた。

 

「こ、こんなにたくさんのお客さんなんて聞いてないよ〜!」

 

予想以上観客の多さに、ただでさえガチガチに固まっている緊張が更にガチガチになっていたはるかは、ついには首を何度も振って「むむむ無理無理!絶対に無理―――!!」とシャウトしていた。

 

「やる気満開はどうしたのよ?」

 

「うう~~~~だって~~~~~」

 

『観客席の皆様、そしてプリキュアと妖精の皆様』

 

はるかがきららの言葉に項垂れている間に、各プリキュアが立つ14のステージが一斉にライトを浴びながらプリキュアオールスターズが勢ぞろいすると、オドレンとウタエンは客席に顔を向けながら観客席にお辞儀をする。

 

『今日は心行くまで、プリキュアオールスターズによる歌とダンスをお楽しみください』

 

観客の妖精達が興奮で拍手喝采を浴びせている間。トップバッターで歌とダンスを披露するプリキュア組は準備万端だった。

 

『それでは、最初の1曲目にいきましょう!』

 

オドレンの掛け声と共に、いよいよカーニバルが始まった。

ステージでプリキュア達の歌とダンスが始まり会場は活気が上がるのは勿論。それぞれの想いは輝ける光のごとくに輝いていて、はるかはそれを感動していた。

そして彼女達の歌とダンスがある程度区切りがついた後、はるかはみなみに自身が感じた感想を思うがままに伝えていた。

 

「すごいステージだったね!みんなキラキラ輝いていた♪」

 

「ええ。次の曲が楽しみね」

 

「あたし達も負けてらんない!!ぬぬぬぬぬぬ!」

 

「き、きららちゃんが燃えている!」

 

きららも先ほどの歌とダンスを見て負けていられない意地と闘志に火が付き、目に炎を灯す彼女の闘志にはるかは思わずたじろいてしまう。

一方で、客席に座る龍牙達も盛り上がって応援していた。

 

「凄ぇ!みんな凄ぇ!なぁ、晴夜!──あれ、晴夜?」

 

龍牙は彼女達の姿に興奮しながら晴夜が座っている筈の席に視線を向けるが、いつの間にか晴夜の姿が消えていた。

 

「あいつ、どこに行ったんだよ?」

 

 

龍牙が晴夜の姿を見回していたその頃、その消えていたご本人はカーニバル会場を出て城の中へと入っていた。

 

(何か変だ……大臣にしても、たった二人でこれだけのカーニバルを動かせるわけがない。そして、何故このハルモニアの国王達がいない)

 

晴夜はこのカーニバルに不審感しかなかった。

というのも、大臣というあの二人が変に怪しく胡散臭い。そして何より、プリキュア達を招待した筈の国王達が姿を出さない。

そんな感じで城の中を回っていると何かに気付いたのか、急に曲がり角に体を隠して曲がり角の向こう側をチラッと覗いてみる。

そこには扉の前に立つ二体のドロボーンがいた。

 

「あれは……」

 

扉の前に立つ二体を怪しいと思った晴夜は、ドリルクラッシャーを取り出す。

 

『スパイダー!』

 

そしてスパイダーボトルを差し込みドロボーンの前に飛び出すと、彼らに向けてトリガーを引いた。

 

『!?』

 

いきなり蜘蛛の糸を放たれたドロボーンは吹っ飛ばされ、何が起こったのか分かぬまま蜘蛛の巣に拘束されてしまう。

 

「地下室……」

 

ドロボーンを退かすことが出来た晴夜が扉を開くと、そこは地下室だった。

念のためにビルドドライバーを装着し、警戒しながらそのまま下に降りる。

 

「これは……」

 

そのまま地下に降り終えた晴夜の目に移った鉄格子から、この地下室が牢屋だという事を知ると、そこには三人の人物が中に閉じ込められていた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「……君は?仲間か?」

 

牢獄の中にいた男性…ハルモニア王国の国王は晴夜を見て、オドレン達の仲間かと警戒する。

 

「僕は、桐ヶ谷晴夜です」

 

「桐ヶ谷晴夜……おぉ!じゃあ君が、噂の仮面ライダー……」

 

「はい、そうです。このハルモニアの国王ですね」

 

晴夜はこの人が国王と思い声をかけると、国王はそうだと首を縦に振る。

そして彼からハルモニアのカーニバルがあの二人に乗っ取られた事と、その二人の正体について聞かされた。

 

「じゃあ……あいつらは……」

 

「頼む!早くしないと!この地が……」

 

「わかりました。とにかく今はまだここにいて下さい」

 

晴夜は国王にそう言うとここを出て、急いで会場へと急ぐ。

一方、ステージを終えたプリキュアオールスターズは舞台裏の廊下へと移動していた。

 

「私達の歌とダンス、どうだった?」

 

「すっごく良かったメポ♪みんな、ありがとうメポー♪」

 

「まぁ」

 

「お礼を言うのは、私達のほうよ」

 

「ふたばが私達を見て緊張していないか心配です……」

 

「大丈夫だって~つぼみよりかは緊張してないよ」

 

「もう~~えりかったら…!」

 

「おや、妖精の皆様。ちょうど良かった」

 

メップル達がなぎさとほのかとひかりに歌とダンスの感想を伝え、つぼみとえりかは楽しそうに雑談していると、そこへオドレンが現れてメップル達に会えた事を嬉しそうにしながら近づいていった。

 

「あちらの部屋にお飲み物を用意してあります。プリキュアの皆様はお疲れでしょうから、取ってきてあげては?」

 

「もちろんメポ」

 

メップルがオドレンの提案に応えると、他の妖精達もそれに続いてそれぞれのパートナーの為に飲み物を取ってくる為に走り出すのだった。

 

「わぁ、ありがとうございます!」

 

「あたし冷たくてシュワシュワしたやつねー♪」

 

「それなら、私達も行くよ」

 

「そうだね。行こ行こ!」

 

えりかが炭酸飲料を注文している近くで、のぞみとみゆきも妖精達と飲み物を取りに行こうとするが、オドレンが彼女達の前を阻んで制止させてしまう。

 

「「お?」」

 

「……いえいえ。妖精の皆様もきっと、何かお礼がしたいと思われているはずです。そのお気持ちをくんでみてはどうでしょうか?」

 

「そっか…それもそうだね」

 

「ふっ…」

 

プリキュアが妖精達と一緒に行くと都合が悪いのか、オドレンがそう言って促す。

彼の話を聞いて、それもそうだなと一同は納得していく中、オドレンは思い通りに事が進んでいることに不適な笑みを浮かべていた。

 

「次のステージが始まるっす!!どいた!どいたーー!!」

 

「わっ!」

 

「きゃっ!」

 

すると、ウタエンが大慌てで走り出して来てプリキュア達の間を通り抜けると、直ぐに何処かへと走り去って行くのだった。

 

「ビックリした…凄く慌ててたけど、なにかあったのかな?」 

 

「ううん、これが普通なんだよ。舞台裏ってバタバタしてるんだよ」

 

「へぇ~」

 

「ラブさん詳しいのね」

 

「はい。ダンスする時に舞台裏覗いてますから」

 

「そっか」

 

ラブの話から先程の慌てている訳を知ると、次のステージが開幕しようとする合図のブザー音が鳴った。

 

「次のステージが始まるよ。行こう!」

 

「よーし!みんなをいっぱい応援しちゃうぞ!けってーい♪」

 

「こうしてはいられません!早速、行きましょう」

 

なぎさとのぞみ、つぼみ達は次のステージに供えてメップル達が待つのを後にして、席に急いで戻るのだった。

 

「……ウタエン…やったか?」

 

そして全員がステージへと向かった事を確認したオドレンは、この場に誰もいない事を確認すると、どこかへ去っていった筈のウタエンが段ボール箱を持って走ってきた。

 

「楽勝っすよ。どわっ!!」

 

ウタエンが躓き、その拍子でダンボール箱が散乱してしまう。

そのダンボールの中から飛び出したものを見てみると、プリキュア5のキュアモ、スマイルプリキュアのスマイルパクト、フレッシュプリキュアのリンクルン、ハートキャッチプリキュアのココロパフューム、ハピネスチャージプリキュアのプリチェンミラーといった、プリキュア達の変身アイテムが転がっていた。

 

「あっ!」

 

「バカ!!」

 

オドレンはすぐさまウタエンの元へと駆け寄ると、すぐに変身アイテムをダンボール箱へと戻した。

 

「誰にも見られてねぇな?」

 

「たぶん…あっ!!」

 

するとウタエンは真っ先にこの画面へ指を指した。

……おい、こっち見んな。何普通に第四の壁を超えてきてんだよ。

 

「ヤバイっす!こっちを見ているやつがいるっすよ!アニキ!」

 

「うん?……げっ!!シーーッ!」

 

こちらに向けられた視線に気付いたオドレンは、すぐさま人差し指に口を添えて黙っておくように指示を出した。

……いや、そんなジェスチャーされても、俺らが彼女らと話すことなんぞ出来ないんですけれど。

 

「おい、いいか?プリキュアには絶対に教えるなよ。秘密だからな!ったく…

ウタエン!気をつけろって言っただろうが!!」

 

「ご、ごめんっす」

 

ハリセンでウタエンを叩くも気を取り直して、ウタエンはオドレンに尋ねていた。

 

「でも、この作戦…本当に上手くいくんすか?」

 

「おいおい。俺様を誰だと思ってるんだ?そう!俺様こそ!いずれ世界を盗む男!盗賊オドレン様だ」

 

自らを盗賊と名乗ったオドレンは、ウエタンに思い通りに進んでいるのだとご機嫌そうに笑みを浮かべるのだった。

 

「なるほど、そういう事ね……ようやく、正体を見せたか」

 

「えっ…………き、桐ヶ谷晴夜ァァァーー!?」

 

だがこの部屋には既に、一人の男──ここに来るだろうと思い、少し前から待ち構えていた晴夜が立っていた。

 

「さぁ、これ以上は───ッ!?」

 

そう言ってドリルクラッシャーを構えたその時、背後からいきなり何か攻撃を受けてしまい、体がよろめきだした。

 

「……こいつが、エボルトの選んだガキの一人か」

 

振り向くとそこにいたのはドロボーンで、棒のような物を持っていたのが見えた。

 

「よくやった!オラァ!」

 

「くぅ!」

 

態勢を崩された所にオドレンが晴夜を蹴り飛ばし、晴夜の懐からビルドドライバーとジーニアスボトル、開発中の蜘蛛型ペットロボが落っこちてしまう。

 

「……み、みんな……」

 

「ガキが邪魔しやがって!おい!こいつも牢へ連れて行け!」

 

「う、うっす!」

 

オドレンの命令で、ウエタンが気絶した晴夜を国王が閉じ込められた牢へ連れて行く。

 

「お前も良くやったな。アッハッハッハーーー!」

 

オドレンは晴夜を気絶させたドロボーンの肩を叩いて機嫌よく会場へと戻ると、そのドロボーンはビルドドライバーと彼が開発した蜘蛛型ペットロボを拾う。

 

「フン。こっちこそありがとうよ、俺をあそこからだしてくれて。

………それにしても、この姿はイマイチしっくり来ない....』

 

そのドロボーンは晴夜が落としたクモ型ロボットを手に取っていじりながらそう言うと、全身が青いオーラに包まれ、全身に赤いスーツを纏った青年の姿へと擬態する。

 

「う〜し、こっちの方がクールだよなァ?」

 

そして手に取ったクモ型ロボットを軽く握ると、次の瞬間ロボットは赤く変化し、青年は蜘蛛ロボットにそっとキスをした。

 

 

 

そんな出来事をつゆ知らず、カーニバルはさらに進んでいった。

 

「おっ!真琴達だ!」

 

「まこぴー!まこぴー!L・O・V・E!まこぴー!」

 

「亜久里ちゃん!レジーナさん!頑張れ!」

 

龍牙達はマナ達の出番になったので応援すると、そのまましばらくして無事にマナ達のステージも無事に終わった。

 

「ふふふ♪楽しかったね♪」

 

「本当だよ~~♪ここでアイスが出ればもっと最高なのに♪」

 

「アイスって…」

 

「ふふふ」

 

「こっちでーす。ささ、どうぞ~」

 

マナと六花、咲と舞の2組が雑談をしていると、ウタエンが飲み物がこっちにあると妖精達に伝えると、フロルが先頭に行って妖精達は嬉しそうに駆け寄るのだった。

 

『わぁーーーー♪』

 

妖精達はウタエンの元へと駆け寄り、付いて行くのであった。

 

「あたし、喉カラカラなんだ~あたしも行くー!」

 

「それなら、私達も──」

 

「だ、ダメっすよ~」

 

レジーナと咲も飲み物と聞いて、カラカラになった喉を潤す為に追いかけようとするが、ウタエンが真っ先に止めるのだった。

 

「な、なんでよ~~~」

 

「ああ……皆様にはお伝えしておりませんでしたが、妖精の皆様もプリキュアのみなさんに何かお礼がしたいそうなので」

 

「お礼…ですか?」

 

「そんな事は聞いてないけど?」

 

オドレンの急な言葉にやよいや舞達は戸惑うが、マナ達は真っ先にその意味を察して納得していた。

 

「確かに。ラケル達ってそういう所があるから、ありうるかも」

 

「うんうん♪シャルル達も隅に置けないね~♪」

 

マナ達の推測を聞いた咲達も、次第に納得してゆくのだった。

 

「そうだね。ここはフラッピ達のわがままにも付き合ってあげよう」

 

「ええ。今日は妖精みんなを感謝しなくちゃいけない日だものね」

 

「うん…」

 

「それでは、ごゆっくりカーニバルをお楽しみください」

 

「席はこちらっす」

 

Splash☆Starの二人が仕方ないと呟き、やよいがどこか不安ながらも取り敢えず納得する中、オドレンとウエタンがシャルル達を連れて行こうとする。

 

「ん?これ……晴夜のジーニアスボトル!」

 

だがマナが六花達と移動していると、反対の方に何か落ちているのに気付いた。

その何かを拾ってみると、それは晴夜しか持っていない筈のジーニアスボトルであった。

 

「晴夜……もしかして……」

 

それを拾ったマナは何か晴夜の身に何か良くない事があったのではと、会場に姿がなかった理由を察して不安を露わにしていた。

 

 

その一方、会場にいる龍牙も中々晴夜が戻らない事に違和感を感じ出していた。

 

「かずやん。俺、ちょっと晴夜探してくる」

 

近くに座っていた和也に幻冬とここにいてくれと頼み、龍牙も会場を出て晴夜を探そうとする。

 

「龍牙?」

 

そこへ真琴が現れ、何処かに行こうとする龍牙にどうしたのかと問いかける。

 

「晴夜が戻らねぇんだよ……」

 

「晴夜が?じゃあ私も探すわ」

 

「いいのかよ!」

 

もうステージも終わったので時間が空いていた真琴は、龍牙と一緒に探そうと言う。

そのまま二人は会場を出ていき、城の中へ入って晴夜を探そうとする。

 

「それにしても、なんで晴夜がいなくなったの?」

 

「わかんねぇよ。いや……あの司会のあいつらを見てから、何か様子が変だったような……」

 

龍牙の言う通り、真琴もあの司会のオドレンとウエタンに会ってから晴夜の様子がおかしいと感じていた。

あの二人なら何か知っているかと龍牙が考えていたその時、二人の前にエネルギー弾が放たれた。

 

「真琴!」

 

爆風で二人が倒れると、すぐさま龍牙は真琴に駆け寄る。

 

「大丈夫!それより!」

 

両者無傷だった事を安堵しながら二人は放たれた方を向くと、全身赤色のスーツを纏った青年がこっちに向かってきた。

 

「てめぇ!誰だ!」

 

あんな攻撃を出来たのを見て只者じゃない敵と判断した龍牙は構える。

それに対して、誰かと聞かれた青年は口元を吊り上げながら龍牙を睨みつける。

 

「俺かぁ?俺は〜〜キルバスッッ!ブラッド帝国の……王だ!」

 

「ブラッド帝国だと!?」

 

キルバスを名乗った男の口からブラッド帝国と聞いた龍牙は、すぐさまビルドドライバーを装着。自身の手に置かれたクローズドラゴンガジェットに、一振りしたドラゴンボトルを差し込む。

 

『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』

 

そしてドライバーにガジェットに差し込むとレバーを回し、ランナファクトリーからアーマーが形成された。

 

『Are you ready?』

 

「変身!」

 

拳を手に当てながら構えると、スナップライドビルダーから形成されたアーマーは龍牙の体に重なり装着され、煙が吹き荒れると音声が流れた。

 

『Wake up burning!Get CROSS-Z-DRAGON!Yeah!』

 

ドラゴンがモチーフのライダー、仮面ライダークローズへと変身した龍牙は、キルバスへと向かっていく。

 


次回!Re.ドキドキ&サイエンス!

 

特別編 仮面ライダークローズ&春のカーニバル!後半戦

 




おまけ

未公開カット

はるか「あっ!」

パフ「見えたパフ!」

呑気にハルモニアへと向かっていたはるか達の乗る馬車の先頭に座っていたパフがそう叫ぶと、目の前にはハルモニアが見えていた。

みなみ「あれがハルモニア」
はるか「うわ~~♪綺麗♪」

はるかはハルモニアに近づいてきている事を実感し、嬉しさのあまり頬を赤く染めながら満面の笑みを浮かべていると、何か近づいてきている事をアロマは気付くのだった。

アロマ「何かきたロマ!」
はるか「え?」

はるかはアロマの言葉に上を向くと、大きなツバメがはるか達の乗っている馬車を通り越そうとしていた。

めぐみ「うわぁ~~~♪」
いおな「あれが妖精の国、ハルモニア」
ゆうこ「見ているだけで本当に楽しそう♪」

それは、めぐみ達ハピネスチャージプリキュアの乗っているツバメだった。
彼女達はハルモニアに近づいているという嬉しさで、今にも心が躍りそうだった。

ひめ「あれ?誰だろう?」
めぐみ「うん?」

はるか達の乗る馬車に気付いたひめがそう言うと、同じ様にめぐみも気付いた。
二人ははるか達の乗る馬車に近寄ると、めぐみははるかを見ていると感じ取っていた。

めぐみ「もしかして、あなた達もプリキュア?」
はるか「ええ!?ということはあなた達も?」
めぐみ「うん!そうだよ」

すると、めぐみは横を見ると指を指していた。

めぐみ「ほら、見て」

めぐみの指を指した先にははるか達とめぐみ達以外のプリキュアオールスターズがそれぞれの乗り物でハルモニアに向けているのだった。

みなみ「あれは?」
めぐみ「私達みーーんなあなた達と同じプリキュアだよ」
 
はるか「えええええええ!?」

はるかは自分達以外にも、めぐみだけではなく大勢のプリキュアオールスターズが居たことに驚きを隠せない。

きらら「1,2,3…って、どんだけいるわけ?」
はるか「プリキュアがあんなにたくさん…」
みなみ「みなさんもハルモニアに?」
いおな「それじゃあ、あなた達も?」
みなみ「ええ」
ゆうこ「また会いましょう」
めぐみ「じゃあね」
ひめ「おさきにーー!」

めぐみ達は一足早くはるか達を追い抜いて、ハルモニアへと向かうのだった。

アロマ「ああーーー!追い抜かれちゃったロマ」
パフ「はるか、急ぐパフ」
はるか「うん!」
みなみ「ふふふ。楽しそうね」
きらら「どんな子達なんだろう」

馬車を先導する馬達を急がせると、はるかは楽しみだった。

はるか「うん♪もう~~~楽しみ過ぎるよ~~♪」

それは、めぐみや他のオールスターズと会うのが楽しみで仕方なかった。

めぐみ「よっと!」
ひめ「ほっ!」
ゆうこ「ツバメさん、ありがとう」

すると、ツバメが光を発すると元の招待状に戻ってしまう。
まりは元に戻った招待状を手に取ると、大事に仕舞うのだった。

いおな「元に戻った?」
はるか「元に戻っちゃった!」
アロマ「きっと、帰る時はまた乗せてくれるロマ」
みなみ「それまで、私が預かるわ」

招待状はみなみが預かりポケットへと仕舞う。

はるか「えっと…あっ!」
めぐみ「おーーーい!」

先に降りていためぐみ達を見つけはるか達はめぐみ達と合流する。

めぐみ「それじゃあ改めて紹介するね」

めぐみが先頭を切ると、お互いの自己紹介を始めるのだった。

めぐみ「私達はハピネスチャージプリキュア」
はるか「それじゃあ…」

すると、はるか達はスカートの両端を軽く指で摘んで、低くして挨拶をするのだった。

はるか「ごっきげんよー♪」
み・き「ごきげんよう」
め・ひ「え?」

めぐみとひめははるか達の行動が理解できず、ゆうこといおなは頷いてお辞儀をすることにした。

ゆ・い「「ご…ごきげんよう」」
めぐみ「えっと…ひめ、お姫様だよね?こういう時どうしたらいいの?」
ひめ「うえ?」
リボン「うん」

リボンがアイコンタクトをとると、前に出て見本をしめそうとするが・・・

ひめ「ご…ごきげんようでございますわー!」

いかにも不自然な挨拶の返し方だった。

リボン「ひめ…」
めぐみ「ああ~…ごっきげんよーー!!でございますわー!」
リボン「マネしなくていいですわ!」
めぐみ「それで、あなた達は?」
はるか「私達はプリンセスプリキュアです」
ひめ「プリンセス!?」 
めぐみ「え?プリンセス?」
ひめ「おおーーー!」

すると、ひめもプリンセスなのでプリンセスと聞いて真っ先にはるか達の前へ出る。

ひめ「私も♪私もプリンセス♪」
きらら「あなたも?」
ひめ「うん♪私はブルースカイ王国王女ヒメルダ・ウィンドゥ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイ」

ひめの長すぎる本名に、はるかは戸惑っていた。

はるか「ヒメ……なんだっけ?」
きらら「諦めるの早すぎ!!えっと…ひ、ヒメル…なんだっけ?」

きららもひめの長すぎる本名に戸惑うが、みなみは堂々としていた。

みなみ「よろしくお願いします。ヒメルダ・ウィンドゥ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイ王女」

「「「「おおおお~~~~!!」」」」

ひめの長すぎる本名をさらっと言えたみなみの記憶力に、この場にいる全員が一緒に驚くのだった。


…以上、本編でカットしたワンシーンでした。

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