晴夜「人間界で発見されたパンドラボックスから復活した、異世界の生命体エボルトが引き起こした戦いから2年が過ぎた。
仮面ライダービルドであり、てぇんさい科学者の卵 桐ヶ谷晴夜は、マナ達ドキドキ!プリキュアの六人とその他大勢のライダーと協力して、ブラッド帝国の暗躍によってキングジコチューとなった国王を救い。世界を滅ぼそうとしたエボルトと、その一味だった仮面ライダーブラッドもとい仮面ライダーエピオンを倒し、世界を救ったのだった」
龍牙「おい!その他大勢のライダーって何だよ!もっとちゃんと紹介しろよ!」
晴夜「えぇ〜……じゃあ、筋肉バカの上城龍牙とまこぴー大好きドルオタ沢田和也、それと小学生ナスビライダー柴崎幻冬にツンデレ蝙蝠ライダーでジコチューなイーラと力を合わせて・・・」
龍牙「どんな説明だよ!ていうかイーラの場合、エピオン達と戦った時の一回しか共闘してねぇのに、なんで俺たちの仲間みたいな扱いしてるんだよ!」
晴夜「そういう細かい事いちいち気にすんなよ。脳筋のくせにそんなんだから、いつまでたってもお前は筋肉バカなんだよ」
龍牙「脳筋は関係ねぇだろ!それと俺の肩書きは…
『トランプ王国最後の戦士にして、プロテインの貴公子・・・上城龍牙!』
…こうだ!次回からは筋肉バカじゃなくてこれにしろ!」
晴夜「毎度毎度うるさいよ!・・・ったく、この物語は俺達が高校生となった時に起こった話だ。それじゃあまずは、クローズ&ソード編をどうぞ!」
龍牙「オイ!それは俺のセリフだろうが!」
仮面ライダークローズ&キュアソード!最高と最凶のタッグ! その1
時は20XX年。人々はそれなりに平和な日々を過ごしていた。
その間、世間ではヴァンパイアハンターが主人公の漫画が大ヒットを記録して社会化現象を起こしたり、新型ウイルスが蔓延したりして沢山の人を苦しめたが割と早く鎮火したり、ウイルスの影響で人手不足になった社会で多くの人型ロボットがお仕事の手伝いをし始めたり、とにかく時代が移り変わり続けた。
「おい!やべぇ!逃げろ!」
「何だよこいつ⁉︎ 強すぎだろ!」
「だから言ったんだよ!コイツに喧嘩売るなってよォ!」
そんな時代の中、何処にでもいるようなチンピラ不良達を、一人の少女が無手であるにも関わらず無傷のまま返り討ちにしていた。
「ふん!弱いのにでしゃばるな!このクズ!」
一房の三つ編みに青いメッシュが入ってる茶髪のショートヘアで、白いTシャツの上に青いジャージを羽織り、ロングスカートを身に付けた強気な少女が舌打ちをしながら、チンピラ共に向けて唾を吐いていると、人気のいない公園に一人残っていた彼女の元へ一人の同年代の少女が走って向かっていた。
「マユ!」
不良少女をマユと呼ぶ少女は、ピンクのパーカーとスカート、スパッツを着ており、レッドピンクの長髪をミドルツインテールで留めていた。
「イリア・・・」
二人はどうやらお互い知り合いのようで、その後マユは床に置いておいたスポーツバックを持ち、イリアと呼ばれた少女に引っ張られる形で『桐ヶ谷』と書かれた表札がある家にやってきた。
「ただいまー」
「……お邪魔します」
玄関を開いて靴を脱ぎ、家の地下室の階段を降りてドアを開くと、いくつもの機械の資材や道具がある研究室の様な部屋へ入っていった。
その部屋は、スパナやドライバーは勿論溶接機といった工具が机の上に乱雑しており、それ以外の所にはいくつもの使用法不明な機器が置かれていた。
そのせいか、部屋の壁に飾られている、まるでオカルトショップとかで売られている様な、何かを装填する為のスロットが設けられた一枚のいびつな四角形を形作っている白いパネルは、特に強い存在感と違和感を露わにしていた。
「はぁ……マユ、なんでまた喧嘩したの?いい加減にしないと、また学校で・・・」
「あいつらが先にやってきたのを、ちょっと返り討ちにしただけだし」
作業椅子に腰掛けたイリアは階段の上に座っているマユを見ると、また不良達と喧嘩していた友達の心配をしていたが、当の本人は馬耳東風。そっぽを向いてチューイングガムを膨らませながら素っ気ない言い方をする姿にため息を吐く。
「マユ、そんな事してるとあなたのお母さんとお父さんに・・・」
「二人は関係ないでしょ!」
「ごめん・・・」
「・・・どうせ、あたしは……」
そう言って親の事を引き合いに説得しようとするが、ツンツンしていた態度から一変して急に怒り出したマユに思わず謝ってしまい、2人の間に気不味い空気が漂い始めた。
──カッ!
「「えっ───」」
その時、壁に置かれた白いパネル…ホワイトパンドラパネルが光を放ち始めた。
光は悲鳴をあげるイリアとマユの二人を、いとも簡単に飲み込んでいく。
そして光が収まる頃には、二人の姿は何処にも見えなくなっていた。
◆ ◆ ◆
「やばい!遅刻だ!?」
「ったく!お前があんな時間まで実験するからだろ!」
「だって早く完成させたかったんだよ!お爺ちゃん、お婆ちゃん!行ってきます!」
とある民家にて、慌てて学校の支度をする二人の青年…桐ヶ谷晴夜と上城龍牙の姿があった。
横浜の中学を卒業し、大貝町の高校への進学を期に春に大貝町へと戻ってきた二人は、中学二年の時にお世話になった母の実家にあった研究所も兼ねた地下の部屋から出て、母型の祖父母に挨拶をすると、二人は家を出て全速力で走っていった。
「おはよう!」
「晴夜君!龍牙君!」
「おはよう!二人とも!」
しばらくして、大貝町の中で一番有名な公立高等学校…大貝高校へ無事に到着して教室へと向かった二人に近づいてきたのは、背中まで伸びていたロングヘアーをポニーテールにした菱川六花と2年前と比べて少し長髪になった相田マナの二人だった。
「晴夜ーーー!」
「うわぁ!レジーナ!」
そして相変わらずの御転婆っぷりを見せる女の子、レジーナは勢いよく晴夜の背中に飛びつき、背中から受けた衝撃で廊下にキスをしそうになるもなんとか踏みとどまっていた。
そんな彼女にマナが注意をしていると、六花がふと思い出した様に龍牙の方へと顔を向ける。
「そういえば、まこぴーから連絡あった?」
「あぁ、明日にはこっちに戻るってよ」
「本当に⁉︎ やったー!」
この高校には五人の仲間であるキュアソードの剣崎真琴も通っている。
今はアイドルとしてコンサートツアーの最中で今は学校にはいないが、もうすぐ帰ってくると聞いたマナはウサギの様にウキウキと飛び跳ねながら嬉しそうにしている姿を、晴夜は笑って見ていた。
「そろそろ、ホームルームが始まるから行こう」
『うん(おぉ!)!』
晴夜達はホームルームが始まる前に急いで教室へ向かった。
──仮面ライダービルドとキュアハート。
二人の戦士が仲間と共に繰り広げた戦いから、2年の月日が流れた。
来月には二年生への進級を控える五人以外に。彼らの仲間である四葉ありすは麗奈と一緒に、お金持ちが集まる有名な高校へと進学。沢田和也は推薦で農業専門高校へ入っていた。
その日の帰り、晴夜達はいつもの通での帰り道を通る中、懐かしい場所を横切っていた。
「大貝第一中学校・・・」
「そういえば亜久里ちゃんと幻冬君も、もうすぐここに通う事になるのよね」
「いよいよ、幻冬君に亜久里ちゃんも中学生か〜」
「なんか、感無量って感じだな〜」
そこは去年までマナ達が通っていた学校で、晴夜と龍牙にとってもみんなと通った思い出が沢山ある場所でもあった。
今は小学6年生の亜久里と幻冬の二人もあと一ヶ月すればあの学校に通う中学生になるのかと、時間の流れの速さにしみじみしていた晴夜達。
(ん〜……折角のパーティだから、なんかプレゼントとか用意した方がいいよな〜。
問題は何を渡すかって話だが……チョコ味のプロテイン1キロとかで良いか?)
「あ、そうそう。龍牙、後で地下室に来いよな」
「あ?…おう、わかった」
そんな彼らを横目に、さっきまでマナ達と次の休日に真琴のお帰りパーティーをする予定を立てていた龍牙が彼女にあげるプレゼントについて考えながら帰路に着いていたが、道中で晴夜から地下室に呼び出されていた。
相棒の言う通り地下に赴いた龍牙は、いくつかの発明品が詰め込まれた段ボール箱を受け取った。
「ほいこれ!俺が作った試作発明品ね!」
「………うん。で、なんだよこれ?」
「売ってきて」
「はぁ?なんで俺が?」
「頼む。今月の所ちょっとピンチなんだ。今日大貝町のフリーマーケットだろ。頼むよ!」
「てめぇの小遣い稼ぎかよ!」
今日の大貝町で行われるフリーマーケットで、晴夜が作ってきた試作品を売ってこいと言われた龍牙。高校生になってからさらに試作品を多く作り出した所為で、資金不足となったのだと話す晴夜に少々呆れていた。
「てかコレ、売れるのかよ?」
「売れるに決まってるだろ!例えばほら、このクモ型ペットロボット2号とか!」
「オイオイオイ、何不謹慎なもん作ってんだよ!ハルモニアの件でこのガジェットに何一ついい思い出ねぇのに、なんでまた新しいの作ってんだよ!」
「いいから行きなさい!これもマネージャーになる為の勉強になるからさ」
「しょうがねえ〜な・・・今度、飯奢れよな!」
以前作ったガジェットと何が違うのかとため息を吐きながらも、龍牙は渋々と試作品などが入った段ボールを持ち上げると、仕方なくフリーマーケットへと向かう。
そんな彼の姿を見ながら晴夜はコーヒーを入れようとしていると、地下室に飾ってあった白いパンドラパネルに異変が起こり始めた。
「ん?」
何かの違和感を感じ取った晴夜が後ろにあったパネルを見ると、後ろにある白いパネルから青色の液体が漏れ始める。
「──ここが、エボルトが倒された世界かァ〜」
白いパンドラパネルから現れた液体は、謎の物体に驚いた晴夜の体に飛びつく。
晴夜の身体を一瞬のうちに包み込み、すぐに離れたその液体は徐々に人の姿へと変わっていき、晴夜の姿へと完全に擬態した。
「お前の記憶と体をコピーさせて貰った」
「なっ!何者だ⁉︎」
「オウオウ、この声を忘れ……あ〜そういやぁ、お前には自己紹介してなかったなァ・・・
んじゃ改めて、俺は『キルバス』。エボルトとは昵懇の仲でねぇ、あの時の借りを返すついでに、あいつが俺から奪ったパンドラボックスを取り返しに来た」
キルバスと名乗った人物に晴夜は即座にドライバーを構えようとするが、キルバスは瞬時に毒を撃ち込んで変身を阻止する。
「ぐっあぁ!!」
晴夜がキルバスに撃ち込まれた毒にもがき苦しむと、彼が倒れた拍子に落ちたテレビのリモコンが反応して、画面にダンサーの映像が映った。
それを見たキルバスの全身が再び青いオーラに包まれると、テレビに映ったダンサーと同じ姿に擬態し直した。
「んあぁ〜……やっぱこんなクソ餓鬼の身体なんかより、こっちの方がクールだなぁ〜!」
そう言ってキルバスは白いパンドラパネルを壁から取り外すと、晴夜のビルドドライバーを拾い上げる。
「さぁ・・・エボルトを狩るかァ!」
「晴夜!」
一瞬にして悶え続ける晴夜の前から去って行ったキルバスと入れ替わるように、真琴のパーティについて話し合おうと晴夜の住む家に来ていたマナとレジーナの二人が地下室に現れた。
「これは・・・レジーナ!」
「えい!」
「ぐっあぁ……っ!」
「大丈夫晴夜!何があったの!?」
レジーナは机に置いてあったジーニアスフルボトルを掴み取り、晴夜に差し込む。
そしてジーニアスフルボトルの浄化機能によって毒を解毒して一命をとりとめた晴夜に、マナは何があったのかと問う。
「き、キルバスが・・・」
「えっ……?」
「早く、龍牙に・・・」
そんなこともつゆ知らず、大貝町の公園には二人の少女が周りを見回していた。
「何処なの、ここ……⁉︎」
「あっ……あれ見て!」
少女が見回す中、もう一人の少女が近くの電柱の貼られたポスターに目を向ける。
そのポスターにはスーツを着た初老の男性が描かれており、下に『より良い未来へ』という文字が刻まれていた。
「……この人って確か、3年前に癌で死んだ町長だった筈よね…?
ーーもしかして、ここは過去なの?」
「それって・・・もしかして!」
それを見て何かに気づいたミドルツインテールの少女は目を輝かせると、そのまま何処かへ走り出していった。
「あ、おい!何処行くんだよ!『寄ってらっしゃい!見てらっしゃい!』ッ!」
それに気付いた茶髪のショートヘアの少女は彼女を追いかけようとしたが、大貝町のフリーマーケットにやって来た龍牙が商品を並べていた姿を見て、思わず足を止めた。
「今日はちょっとイカれた天才科学者の卵の発明品がいっぱいあるよ!」
一人の少女が睨む様に見てる事にまだ気づいてない様子の龍牙が大声で客寄せしていると、小さな男の子が彼の前に置いてある商品を見る。
「おお、僕いいところに目をつけるね〜。それは今日は新商品だよ。その名も『蜘蛛型ペットロボ二号』!」
「こんなもん絶対売れる訳ねぇじゃ〜ん!バカーー!」
「ハァァァーー⁉︎ もういっぺん言ってみろやガキィィィィィーーーー!」
龍牙が商品を説明するが、その子供は売れるわけないじゃんと馬鹿にする様に言い、龍牙の怒りの叫びを聞きながら走り去っていった。
「ったく・・・」
「そんな態度と接客だと誰も買ってくれないわよ。おバカなお兄さん」
だからこんなの売れるわけねぇんだよと頭をかいているとそこへ、帽子とサングラスをかけた女性が声をかけた。
「誰が馬鹿だよ!って、お前・・・・」
「声ですぐに気づきなさいよ」
女性がサングラスを外し素顔を見せると、そこにはコンサートツアーから帰って来ていた真琴がそこに立っていた。
「まッ………いつ、帰ってきたんだよ」
「つい先よ。ほら、あそこにダビィもいるわ」
思わず人が居るところで彼女の名を言いかけた龍牙が小声で彼女に話をしながら後ろを振り向くと、そこにマネージャーのDBへと変身している真琴のパートナー妖精であるダビィがいた。
「そんな事より、そんな態度じゃ売れないわよ」
「・・・まず、これが売れると思うか?」
龍牙がシートに敷いている商品を見て売れるかと聞くと、真琴は首を傾げながら「確かに無理かも」と思った。
フリーマーケットでこんな使い道もよくわからない機械を買う人がいるとすれば、それは余程の物好きくらいだ。
「あの・・・」
「…んあ?何だいお嬢ちゃん?」
そんな風に考えていると二人の前に、スポーツバックを肩にかけた茶髪ショートヘアの少女がやや吊り目な顔で近付き、龍牙が売っていた蜘蛛型ロボットを指差した。
「・・・この蜘蛛のロボット、ドラゴンの奴は無いの?」
「……はぁ?なんでそこでドラゴンが出て・・・ちょっと待ってろ」
少女に問いかけたその時、龍牙の携帯から電話着信音が入ってきた。
「なんだよ晴『逃げろ!龍牙!』…あ?」
すぐに電話を出ると晴夜からいきなり逃げろと伝えられた龍牙は、困惑した様子を見せながら電話に耳を傾ける。
「何言ってんだよお前、いきなり逃げろとか……」
『あいつが・・・キルバスが復活した!』
「……は?」
それを聞き、二年前に倒したはずのあのキルバスがまだ生きていたのかと驚き、一瞬なんの冗談かと思いかけていると……
「見ぃつけたぞォ〜……エボルトォォォォォ!」
「ッ!」
「え、誰?」
「……なにあの変人」
テレビに出たダンサーの赤い服に身を包んだ男性がジワジワとこっち近づいてきた。
そしてそれを見た龍牙は、彼から浮き出る殺気とオーラの感じから、晴夜の言っていたことが真実であるとすぐに理解した。
「キルバス・・・」
「っ!? そんな、だって・・・あの時・・・!」
キルバス…それは、一万年前に封印された異世界生命体にして、ブラッド帝国の王。
だがハルモニアと呼ばれる王国で開かれたプリキュアのカーニバルにて、ある盗賊にその封印を解かれたキルバスは、地球殲滅の前にハルモニアを滅ぼそうとした。
しかし、プリキュア達が披露した歌とダンス、龍牙が覚醒したクローズエボルと真琴のソード・クリスタルモードによって倒された……筈だった。
「ハッハッハァ!!お前らのその顔を観れただけで、異世界中に潜んでた俺の遺伝子をかき集めた甲斐があったってもんだぜェ!」
だからこそ、真琴は目の前にいる男がキルバスだという事を、信じる事が出来なかった。
「おい!あれダンサーの…!」
「柿崎だよね!」
「………少しうるさいなァ〜」
だがそれを知らない周りの人は今キルバスが擬態している姿を見て、有名ダンサーだと騒いでいた。
キルバスはそれを鬱陶しそうな顔でうるさいと呟くと、手から赤いエネルギー弾を作り出した。
それに気付いた真琴がキルバスにやめてと、龍牙が外野に逃げろと叫んだ時には、もう既にキルバスは光弾を放っていた。
「え───」
──そして運悪くその光弾に直撃した男性は、一瞬にして物言わぬ肉片になった。
爆風に巻き込まれた周りの人は、阿鼻叫喚の合唱を奏でた。
飛ばされて怪我をしただけの人もいれば、これまた運悪く瓦礫などが頭に直撃して血を流し気絶した人、またある者は慌ててその場から逃げ出していた。
(──あ、アイツ……やりやがった。人をまるで、虫を殺すようにッ!)
そんな地獄のような光景を目にした少女は、まるで周りを飛ぶ蚊に向けて殺虫剤をぶちまける様に光弾を放って人々を傷付けたキルバスに、怒りをも上回る恐怖を抱いた。
「てめぇ・・・真琴!」
「えぇ!ダビィ!」
対する龍牙はキルバスの暴虐に怒りながらガジェットにボトルを差し込み、そのままドライバーに差し込み構える。同じく怒りを滾らせる真琴は、コミューンにキュアラビーズをはめ込む。
『ウェイクアップ!クローズドラゴン!』
『Are you ready?』
「変身!」
「プリキュア!ラブリンク!」
龍牙の体にライドビルダーが重なり、真琴の身体が光に包まれ。二人は仮面ライダークローズとキュアソードへと姿を変える。
『Wake up burning!Get CROSS-Z DRAGON!Yeah!』
「勇気の刃!キュアソード!」
「クローズ・・・キュアソード・・・!」
クローズとキュアソードが変身完了した姿を見た少女は二人の名を、まるで初めからわかっていたかの様につぶやいていた。
「そうだよなぁ……そうだよなクローズゥ!キュアソードォ!それでこそ、殺しがいがあるってもんだァ!!」
一方のキルバスは狂った様な笑みを浮かべると、足元に転がっていた蜘蛛型ペットロボ二号を手に取って力を注ぎ込み、赤いガジェットへと変貌させる。
『ビルドドライバー!』
『キルバスパイダー!』
そして晴夜から奪ったドライバーを腰に巻きながら自らの力で赤いボトル『キルバススパイダーフルボトル』を生成しガジェットのスロットに挿すと、そのままガジェットの脚を上げながらドライバーに装填してレバーを回転。
前後に赤いクモの巣のようなランナーが形成される。
『Are you ready ?』
「へぇん…しんッ!」
『スパイダー!スパイダー!キルバススパイダー!!』
呟きが放たれると同時にランナーが重なって、中心の空間がキルバスの姿と一緒に歪んだと思うといきなり蜘蛛の脚が出現。それが身体を覆いながらアーマーを形成し、そのまま血の様に真っ赤な姿、仮面ライダーキルバスへと変身した。
「だから不謹慎だって言ったんだよ……ハァ!うりゃ!」
晴夜の作った蜘蛛型ロボがまたキルバスの変身アイテムへと変貌したのを見て、クローズがそう呟きながらパンチを繰り出していたが、キルバスは相変わらずに余裕で躱す。
「こっちよ!」
背後を取ったソードが放った手刀をキルバスが後ろへジャンプして避けるも、その着地地点にはクローズが待ち構えていた。
だがキルバスはクローズの繰り出した拳を掴み、悠々と攻撃を止めた。
「よう!あん時は驚いたぜ!まさか、生きていたとはなァ〜!」
「はぁ?」
「エボルトォ!その中にいるんだろォォォッ!?」
するとキルバスがクローズ……もっと言えば彼の中にいる
「何言ってんだ!エボルトはもう三年前からいねぇよ!」
クローズは振り払おうとするがキルバスは離そうとはせず、手からエネルギー弾を作り出し至近距離で放った。
「うわぁぁぁぁーー!」
直撃したクローズは地面を勢いよく滑りながら吹き飛ばされ、その影響で変身解除した龍牙は直撃部位を抑える。
「龍牙!はぁぁーー!」
「おっと……今度はお前かァ!」
後方へと飛ばされた龍牙を助けようと、今度はソードがキルバスに挑もうと前に出たが、キルバスはソードが繰り出す手刀とキックを躱しながらドライバーのレバーを手に取る。
『Ready go!キルバスパイダーフィニッシュ!』
「ッ!ぐっ…あぐあぁ!?」
赤いエネルギーを纏ったキックがソードに炸裂。彼女は咄嗟に腕を前に出して防いだが、キルバスの強烈な一撃に耐え切れず後方へ飛ばされる。
「さぁ、今こそ……甦れぇぇぇぇぇぇッッッッ!」
ソードの邪魔を払い除けたキルバスは龍牙に近づき腕を掴むと、叫び声を上げながらホワイトパンドラパネルへ無理矢理触らせる。
「何すんだ!」
「パンドラボックスのぉ……復活だァ!」
龍牙の手がホワイトパンドラパネルに無理矢理当てがられると、パネルから強い光が発せられた。
「あ、ぐっ………な、何が・・・」
そして白いパンドラパネルがより一層光を増していくと、そこから六枚のパンドラパネルが出現し、新たなパンドラボックスが形成された。
「パンドラボックスが……」
「もう一個……現れやがった」
「あの箱…イリアのお父さんの……」
龍牙とソードはパンドラボックスの出現に動揺し、少女は見たことがあるかのような様子で驚いていた。
「箱は完成した。貴様の力で、パンドラボックスの復活だァーーー!」
現れたパンドラボックスにテンションを上げるキルバスだったが、龍牙が立ち上がったのを見て鬱陶しそうに拳を繰り出した。
「アァ?」
「ふっ!はぁ!」
だが突如、龍牙の目が赤く光ったかと思うと、キルバスの攻撃を受け止めそのままパンチで吹っ飛ばした。
「龍牙……いや、違うッ!」
それを目にしたソードは、今あそこでパンチを繰り出した彼が、龍牙であって龍牙ではないと感じ取った。
そして彼から浮き出るそのオーラを、彼女はこれまで一秒たりとも忘れた事はなかった。
やがて龍牙の体から出現した紅いオーラは一つにまとまり。二人にとって──いや、誰も彼もが決して忘れることの出来ない、これまで戦ってきたモノの中で断トツに邪悪な怪人が姿を現す。
『───よっ!相変わらず馬鹿みてぇなツラしてんなぁ〜龍牙ぁ?』
「「エボルト!」」
幾つもの人々の人生を引っ掻き回し、晴夜と龍牙を私利私欲の為に仮面ライダーとして利用し、自らの復活と世界の滅亡を目論んだ揺るぎ無き外道……エボルトが、今ここに復活の産声を上げた。
「やっと現れたかぁ……会いたかったぞォ!!」
仮面ライダーとしての力を取り戻す為に使っていた力であるブラッドスタークの姿をしたエボルトにキルバスは連続で殴りかかると、エボルトもといスタークはそれを受ける寸前で避ける。
『・・・ハァ。俺は……会いたくなかったよ!』
スタークは反撃として回し蹴りを食らわそうとするが、キルバスはそれをしゃがんで避けると、手元に出現させたカイゾクハッシャーをスタークに突き付ける。
そのままカイゾクハッシャーをゼロ距離でスタークに食らわせ、大きく後退させた。
「デァァァ!!」
『ぬぅん…てやぁぁ!』
「オォォォ?」
続く様にカイゾクハッシャーを降りかかるが、スタークは高い反射神経で避けた。
『ハァァァ!』
「ヌォォ!?」
本来の力から大きく弱体化したとはいえ、ブラッド帝国の一員としてキルバスを大きく後退させる程のパンチを喰らわせると、スタークは龍牙達の居る所へとバックステップをする。
「何がどうなってるんだよ!?」
『話は後だ……ずらかるぞ!』
「え、ちょ、何であたうグッ⁉︎」
スタークがそう言って手元に生成したスチームガンで煙幕を放出し、龍牙とキュアソード、更に一緒にいた少女を(腹パンで黙らせながら)巻き込んでその場から姿を消した。
「……何をしようと無駄だ。お前は、俺から逃れられない」
煙幕が晴れ、エボルト達を見失ったにも関わらず全く悔しがる様子を見せないキルバスは、新たに作り出したパンドラボックスを掴む。
しかし此処でキルバスは、手元にあるパンドラボックスにある違和感を抱いた。
「ん、ン〜?……ハハハッ!エボルトの野郎、俺に一杯喰わせるとは、相変わらずセコい弟だなァ!」
そう言って彼はパンドラボックスに力を入れると、石の様な表面が赤い肉片の様なものに変化し、風船が割れるが如く木っ端微塵に破裂した。
どうやら今此処にあるパンドラボックスは、エボルトが煙幕を張って彼らの姿を見失った隙に突貫で作った偽物だった様だ。
それでもなお悔しがる様子を見せないキルバスはホワイトパンドラパネルを体内に収納させると、腰に装着していたビルドドライバーを外し、後ろへ投げ捨てた。
まるで、もう使う必要が無いと言わんばかりに。
龍牙とソードの二人がキルバスの戦闘からエボルトと共に離脱した一方で、晴夜、マナ、レジーナは龍牙の元へ向かっていた。
「龍牙の奴、電話に出ねぇ……」
そして晴夜は走りながら龍牙らに電話をかけ続けるが、連絡は一向に取れなかった。
「早くしないとまこぴーも!」
「あぁ、早く龍牙とまこぴーを探さないと!」
急ぐ三人だったが、マナの妖精シャルルがコミューンに変わり連絡が入った。
◆ ◆ ◆
「───牙…………龍牙……龍牙!」
「あ………あぁ……真琴。ここは…何処だ?」
自分の名を呼ばれ続けた龍牙が目を覚ますと、キルバスの戦闘から逃れた龍牙と真琴、ベンチで横たわる少女はよくわからない場所へと連れて来られていた。
『ここは以前、伊能達と使っていた実験場だ』
「エボルト!」
此処がどこなのかと思っていると、龍牙と真琴の耳に声が聞こえ。振り返るとそこには、引き続きブラッドスタークの姿になっていたエボルトがいた。
「なんで、お前が・・・生きてるんだ…ッ!」
『忘れたのか?俺が遺伝子を操れるのをよ』
「けどお前のその力は、最後の戦いの時に無効にしたはずだ」
『あぁ、確かにアレのせいで、俺は最終的にお前と晴夜に倒された。
だが晴夜の奴に切り離れた直前、お前の体内へ俺の遺伝子をほんの僅かばかり忍ばせたんだ』
エボルトが遺伝子を自由に操れるのは知っている。しかしそれはクローズビルドとの最後の戦いで無効したはずだと話す龍牙に、スタークは龍牙の体内に潜り込ませた極小の遺伝子が、自身が撃破されて新世界が創造された後も残っていた事を指摘する。
『だが所詮は残骸みてぇなモン。あんな状態じゃあ復活なんか出来るわけねぇし、遺伝子を操れる訳でもねぇ。このまま何もなければ、復活する筈もなかった。
それが、今回の新たなパンドラボックスの誕生で覚醒したってわけだ』
そして、自分が今回新たに生まれたパンドラボックスの影響で復活したのだと話す。
「あの、キルバスって奴……あなたの兄らしいわね。しかも、ブラッド帝国の王だったんでしょ」
『あぁ…今思い出して虫唾が走るぜ!』
スタークはベンチに転がる石を一つ掴み投げ、語り出した。キルバスとの関係について。
『お前ら、2年前にキルバスから聞いただろ?
あいつはな、俺達の国『ブラッド帝国』を滅ぼした諜報人だ!』
次回!Re.ドキドキ&サイエンス!
仮面ライダークローズ&キュアソード!最高と最凶のタッグ! その2
おまけ
〜天使と悪魔と〜
幻冬「あっ、500円玉落ちてる。交番に届けなきゃ……」
悪魔「フッハッハッハッハ!そんな事しなくても、小銭くらいネコババしちまってもかまわねぇよなぁ〜〜!」
幻冬「あ、アンタは悪魔!?」
天使「ダメです!500円が無くて困ってる人だっているんだから、直ぐに交番に届けないと!」
幻冬「今度は天使!」
「やれやれ……また君達かい?」
幻冬&悪魔「「えっ?」」
天使「この声……まさか!」
「久しぶりだね、天使くん、そして悪魔の子よ」
幻冬「え、どちら様……?」
天使「神父様!!」
幻冬「神父!?」
天使「幻冬、彼は私の古い友人だよ」
幻冬「えぇ!?神父さんが?!」
悪魔「なんだお前ら知り合いだったのか?」
天使「はい、以前僕を助けてくれた命の恩人です」
幻冬「そうなの!?」
悪魔「あー実は俺達、今度結婚式を挙げるんで、その相談をしようと思って」
神父「そうなのか。それはめでたいことだな。では、私からも祝福させて頂こう」
悪魔「ありがとうございます!神父さんのおかげで俺たち結婚できます!」
幻冬「悪魔と天使の禁断の恋!?」
天使「神父さんは教会に住んでいる方なのです。それで私たちの事を知っています」
幻冬「そ、そういうことだったんですか……ん?でもどうして神父さんがここに?」
神父「君達が結婚したいと聞いたので、式場を用意しに来たんだよ」
悪魔「マジですか!?神父さん最高です!!大好きです!!!」
天使「神父様!ありがとうございます!」
幻冬「……なんか話があるすごい方向へ進んでるんだけど」
「神父さーん!こんにちわー!」
神父「おや、君は……誰だい?」
幻冬「えっ。今度は誰?」
小柳「私、小柳です!」
幻冬「小柳!?」
天使「こやなぎちゃんだー!」
幻冬「こやなぎちゃん!?」
天使「はい!天使さんのお友達の小柳です!こやなぎちゃーん!」
小柳「わーい!」
幻冬「えぇ……どういう状況……」
悪魔「どうしたんだ、幻冬?顔色が悪いぞ?」
幻冬「いえ……なんでもないです……(もういいや)」
天使「それじゃあみんなで幸せになりましょうねー!」
神父「うむ、そうだな」
幻冬「…………500円玉、交番に届けるか」
完