Re.ドキドキ&サイエンス   作:yu-ki.S

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前回までのあらすじ!

エボルト「前回の話を見ろ。以上」

晴夜「真面目にあらすじ紹介しろやエボルトォォォォォォ!!」

龍牙「えー、復活したキルバスをもう一度撃破する為に、俺達はエボルトを蘇られざる負えなかった。そんなこんなでキルバスと戦う中、剣崎真琴ことキュアソードは『キュアソード・ギャラクシードラゴンモード』、俺ことプロテインの貴公子仮面ライダークローズは『仮面ライダークローズエボル・ブラッド』へと変身したのだった」

エボルト「果たして、クローズとソードはキルバスを撃破することは出来るのでしょーか!」

マユ「ねぇねえ。いつも思うけど、なんで二人はコンビなのによく喧嘩するの?」

晴夜「それはこいつが馬鹿だから」

龍牙「バカってなんだよ!せめて筋肉つけろよ!」

真琴「また始まった……もうあんた達、そんな事をしてると時間ないわよ?」

マユ「じゃあ今日も二人で言おう」

真・マ・エ「「「では、続きをどうぞ!」」」

晴・龍「「何しれっと混ざってんだエボルトォォォォォォォオオオオオオオ!!」」


仮面ライダークローズ&キュアソード!最高と最凶のタッグ! その4

仮面ライダークローズエボル・ブラッドとなった龍牙を見て、ずっと彼らの行動を見ていたキルバスは満足げに笑い声を漏らした。

 

「ククク……ハッハッハッハハハハ!いいぞォ!

俺の力を高める、より最高のエネルギーになりそうだァ!!」

 

興奮するキルバスがクローズエボルとソードに迫って来る中、キュアソード……否、キュアソード・ギャラクシードラゴンモードはクローズの隣に立ち、共に戦う彼と同じくファイティングポーズを取る。

 

「──龍牙……ううん。クローズ、エボルト、行ける?」

 

「『当たり前だッ!!』」

 

「そう。なら……生き残りましょ、最後まで」

 

ソードの言葉に応じた二人の声が重なると、キルバスはクローズとソードに向かって殴りかかる。

だがソードはキルバスのパンチを受け流し、その隙にクローズはキルバスの顔と胸にパンチを繰り出しダメージを与える。

 

「オラァ!」

 

「はっ!フッ!」

 

「チィ!」

 

クローズの攻撃を腕でガードしながら、キルバスはもう片方の手で反撃を仕掛けるが、それを察知したソードは咄嵯に避けるとすぐ様エネルギー状の短剣を生成し、投げつける。

一方、攻撃を避けられてしまったキルバスは舌打ちをすると、短剣を叩き落としながら今度はソード目掛けて蹴りを放つも、彼女はその攻撃を回避し、逆にキックを繰り出す。

 

「ふっ!やぁあーー!!」

「グッ!?」

「ハァアアッ!!」

 

ソードの強烈な回し蹴りを受けたキルバスは吹き飛ばされるも、すぐに起き上がって体勢を立て直す。

 

「……アァ、イライラする。怒りが、治らねぇ……だが」

 

「「……ッ!」」

 

そう言ってキルバスは宙を引っ掻く様に手を振るうと、全ての指先から出て来た赤黒い糸が二人に向けて放たれた。

 

「不思議と、楽しくなって来たァ!ギャハハハハハ!」

 

キルバスが高らかな笑い声を上げると同時に、二人は素早く回避行動を行う。

二人が居なくなった場所には斬撃の跡が残り、それが更にキルバスの感情を昂らせる。

 

「ハァアアアーーッ!!」

 

そして彼は雄叫びを上げて再び駆け出すと、今度は両腕を広げて勢いよく振り下ろした。

すると、彼の動きに合わせて地面が隆起し、そこから巨大な岩石が飛び出して来た。

 

「「……ッ!!」」

 

それを見た二人は急いで横へ跳ぶ事で、どうにか避けたが、その際の衝撃で砂埃が舞う。

 

「アッハッハッハッハッハッハッハッハ!コレだよコレ!

戦いってのは、イラつきながら戦うもんじゃねぇ!楽しみながら殺り合うモン何だよォ!!

だからさァ、もっと、俺を楽しませてみろよォオ!!」

 

キルバスは狂喜乱舞しながら叫ぶと、両手を勢い良く合わせる。

すると大地から無数の鍵爪が出現し、それらは一斉にソードとクローズの方へと向かって行く。

 

「ちぃい!!」

『ボルケニックナックル!』

 

迫りくる大量の鍵爪にクローズは舌打ちすると、ドラゴンマグマボトルを装填したマグマナックルの表面部にある「ドラゴニックイグナイター」を長押しすることで必殺技を発動させ、迎撃態勢を取った。

 

「はぁあああっ!!」

 

一方のソードは、襲いくる鍵爪に臆する事なく突っ込み、手に持ったエネルギー状の剣を振り回して次々と破壊していき、クローズもドラゴン型の炎を纏ったパンチで次々と粉砕していく。

 

「フッハッハッハッハッハ!! いいぞォ!最高だァ!!

それでこそ!壊し甲斐があるってもんだァ!!」

 

そんな二人の戦いぶりを見てキルバスは歓喜の声を上げ、更なる攻撃を仕掛けようとする。

 

「すげえ・・・」

 

「……ちょっとエース。コレ、私達入る余地なくない?」

 

「えぇ、そうかも知れませんねジョーカー……少なくとも今は、目で追う事しか出来ませんからね」

 

その頃離れた場所で戦いを見守る和也達は、キルバスとクローズ&ソードの戦いを目の当たりにして、思わず感嘆の言葉を口にしていた。

そんな中、幻冬がクローズ達の後ろを振り向くと、ソードに殴り飛ばされた筈のデストロイスマッシュが背後から迫ってこようとしていた。

 

「クローズ!ソード!危ないっ、後ろからーッ!」

 

幻冬が叫んで危機に気付かせようとした時、クローズとソードの背後に一人の女の子…マユが立っていた。

 

「セイリュン!」

 

「待ってたぜ!姉貴ィ!」

 

マユが『セイリュン』と声を上げると、彼女の後ろから小さな影が現れた。

そして舎弟の様な喋り方で接し、口に棒突きキャンディをタバコのように咥えた、青っぽい色の小さいドラゴンの様な妖精は彼女の隣に並ぶ。

 

「妖精ッ⁉︎」

「なんでここに……」

 

「行くよ!セイリュン!」

 

「ああ!心が滾るリュン!」

 

突然現れた妖精に驚く一同。しかしそんな彼らに構わず、セイリュンと呼ばれた妖精は、その姿をマナ達が使うコミューンの形へと変化させる。

 

「プリキュア!ラブリンク!」

 

『L・O・V・E!』

 

そして彼女は蒼いラビーズを取り出し、ラブリーコミューンへ【L・O・V・E】という文字を描く。

するとマユの髪が青く染まり、前髪の方に金のメッシュが入る。更には袖が肘まで伸びたオープンスペンサーを模した蒼い服を白いサラシの上に羽織ったヘソ出しコスチュームになり、他にも白い指ぬきグローブを身に付け、スカートには炎の模様が刺繍、脚には青いサイハイブーツを履いていた。

 

「蒼き炎の拳!キュアサファイア!」

 

変身を終えたマユこと『キュアサファイア』は、目の前にいるデストロイスマッシュに向かって走り出す。

 

「プリキュア・・・」

「まさか、あの子が……」

 

「あいつは任せてッ!オッラァーーーーシャッッ!!」

 

それを見ていた和也達と、キルバスと戦っていたクローズとソードは『キュアサファイア』を名乗る全く知らないプリキュアに変身したマユを見て驚く一方、当の本人は飛び上がってデストロイスマッシュへと突撃する。それを見たデストロイスマッシュはパンチを繰り出すが、彼女は攻撃を見切って躱した。

だがそれだけでは終わらず、続けて繰り出したミサイルの嵐がサファイアに襲いかかる。

 

「天へ逝け!悪滅龍斬!」

 

すると彼女は両腕を広げ、掛け声と共に無数の炎の剣を生み出し、デストロイスマッシュの放ったミサイルへ飛ばす。

それにより、サファイアに被弾するはずのミサイルは、全て当たる前に空中爆破してしまった。

更にはミサイルの爆破で周りの視界が悪くなった所に、続いて背後から足元へと放たれた投剣がデストロイスマッシュの膝辺りへと命中し、まるで膝カックンの様に脚を下って体勢を崩した。

 

「おっシャアッ!いくわよ、『抜刀剣蝶龍』!」

 

バランスが崩れたのを見たサファイアは釘バットを模した棍棒…『抜刀剣蝶龍』と呼ばれる棍棒を手元に呼び出し、デストロイスマッシュの胸辺りに出来た凹みに向けて叩きつけた。

しかし、デストロイスマッシュには傷一つ付かない。

 

「なんて、装甲・・・」

 

「無駄だァ!そんな攻撃で、俺の擬態を倒せるかァ⁉︎」

 

キルバスはクローズ達と戦いながら、そんな攻撃ではデストロイスマッシュの体には傷一つ付かない傷つかないと嘲笑う。

 

「なら、これでどうよ!」

 

しかし、サファイアは蒼い竜の顔が意匠されたラビーズ『サファイアソードラビーズ』を取り出すと、それを抜刀剣蝶龍にあるグリップエンド状のダイヤルにセットした。

 

「ブッ潰れろ、東方蒼帝!」

 

すると彼女の持つ棍棒に蒼炎が纏われ、先程攻撃した所へと複数回攻撃を繰り出し始めた。

 

「よせ!お前の力じゃ無理だッ!」

「……いえ、待って下さい!あそこは…」

 

和也は攻撃を止めるように叫ぶが、何かに気付いたロゼッタはある事に気付き、同時にダイヤとエースも彼女の意図に気付いた。

 

「ハッハァ!無駄だとわかっているのに、諦めの悪い女だなァ!!」

 

キルバスは相変わらず余裕綽々な態度で戦いを見ていると……

 

「辟。鬧?□縺」縺ヲ……縺ゅl?」

 

「アァ?どうしたってんだ……何ィ⁉︎」

 

デストロイスマッシュの様子がおかしくなっている事を看破したキルバスがデストロイスマッシュの体を見てみると、サファイアが攻撃し続けている所から亀裂が入り始めていた。

 

「嘘だろ……俺達でも作れなかったヒビを、アイツの体に!」

 

「パワーアップしたソードでも、凹みを作るのが限界だったのに……」

 

それを目撃した和也と幻冬は、何故デストロイスマッシュの装甲にヒビを入れる事が出来たのかと驚愕の声を上げる。

だがダイヤモンド達は、彼女がどうやってヒビを入れたのか理解していた。

 

「あれは恐らく、全く同じ場所に攻撃し続ける事で、ダメージを蓄積させてヒビが入ったのでしょう」

 

「えぇ。オマケにあそこは、ジョーカーやエース、かずやんと幻冬君、ソードの攻撃を受け続けている」

 

「まさに『水滴石穿(すいてきせきせん)』……例え小さい力でも、積み重なれば強大な力になる。これが彼女が見出した、奴の攻略法という訳ですわ!」

 

ダイヤ達がサファイアの行動の意味を理解する中、デストロイスマッシュにヒビを入れた彼女は“ある事”を教えてくれた彼女の姿を思い出していた。

 

『どんなに硬い鎧でも同じ場所に狙って攻撃すれば、どこかで大きな一撃になるって。パパが教えてくれたんだ』

 

「ハハッ!あの科学オタクのうんちくも、たまには役立つじゃない!

さぁ、行くわよ───抜刀!」

 

そう言って彼女は、抜刀剣蝶龍のグリップエンドにあるダイヤル部分を回した。

すると棍棒の上が鞘のよう外れ、その中に収納されていた刀を出すと、ラビーズを再びセットする。

 

「ハァーーーー……ッシ!」

 

すると刀身が蒼い炎を纏い始め、彼女はまるで居合抜きの様なポーズを取ると、デストロイスマッシュに向かって駆け出した。

 

「細切れにぶった斬れろ!青龍偃月ッ!」

 

刀からドラゴンの姿を形作った炎が出現すると、そのドラゴンがデストロイスマッシュに喰らいつき、身体の亀裂を更に大きく広めた。

更には敵を攻撃し終えた炎のドラゴンが刀身に取り込むと、その亀裂の中心へ向けて蒼い炎の斬撃を繰り出した。

 

「縺ェ繧薙d縺ヲーー!?」

 

攻撃を受けたデストロイスマッシュの体は斬撃を受けた場所を中心に更なる大きさの亀裂を広げ、やがて上下真っ二つに別れると、そのまま爆破した。

 

「オイ………おいおいおいおいおいおいおいおいおいおい!なんであんな糞雑魚なんかに負けてんだよォ!?」

 

この結果にはキルバスも驚き、自分の分身でもあるデストロイスマッシュが倒された事に憤慨していた。

 

「おい!余所見すんな!」

 

「あなたの相手は、私達よ」

 

そんなキルバスの前にクローズとソードが、拳を握りしめてながら立ち塞がる。

 

「なーにが『俺の相手は私達よ』だァ!その減らず口、今すぐ黙らせてやるよ!!」

 

キルバスは怒りに任せるように叫ぶと、目の前にいるクローズとソードに向けて走り出し、二人の懐に飛び込んだ。

 

「オラァッ!」

「はぁっ!

 

「フンッ!」

 

二人は左右に分かれるように避けると、挟み込む様にパンチを放つが、キルバスが両サイドの脇下辺りから展開した蜘蛛の脚によって防がれてしまう。

 

「くそ……なんて硬さだ!」

 

「だったら、これはどう!?」

 

ソードは両腕に作り出した炎のエネルギーで作られた剣で斬りかかるが、キルバスは4本ある蜘蛛の脚を駆使してソードの攻撃を防ぎ続ける。

 

「ハッハァ!そんなチンケな攻撃じゃ、俺を倒す事は出来ねぇよ!」

 

「でしょうね!でも()()()()()()()()ことは出来る!」

 

「何言って……ッ!」

 

その言葉に疑問を持った瞬間、周りからの妙な気配を感じたキルバスが辺りを見渡すと、ナイフの形に固定化された炎のエネルギーが無数に存在していた。

彼女はキルバスが巨大な炎の剣に集中している隙に、密かに小型の炎状の剣を生成して大量に出現させていたのだ。

 

「喰らいなさい!オールスペースソード!」

 

ソードが広げた手をギュッと握り締めながらそう叫ぶと同時に、無数の炎の刃が一斉に襲い掛かり、キルバスの体に突き刺さり始める。

 

「ぐぅ……この程度で、俺がやられるかってんだ!」

 

だがキルバスは体からオーラを放出する事で身体に刺さった全ての剣を弾き飛ばすと、今度はソードとクローズの方へ両腕を向ける。

そして手のひらにオーラを集結させ、そこから無数の鋭い針のような物を大量に射出した。

 

「うわっと!?」

「危ない!」

 

咄嵯に避けた二人だったが、その内の一本が運悪くクローズの肩に突き刺さってしまう。

 

「痛っでぇ!」

 

「ちょっと、大丈夫!?」

 

「ああ、大丈……夫!」

 

心配して声をかけたソードであったが、クローズは肩に刺さった針を抜いて捨てる。それを見て彼女は出血の具合を確認するが、肩からは血が出るどころか既に傷がふさがっていた。

 

「ほぅ、自動修復機能か。流石はブラッドの力を得ただけはある様だなァ。

だが龍牙ぁ?随分と息が乱れているが、まさかもうバテてるんじゃないだろうなァ?」

 

「ハッ……大きなお世話だ。なんなら、漸く体が温まってきた所だよ」

 

「へぇ、そうかい。だったら、その体の芯まで熱くなるくらい焼き尽くしてやるよぉ!」

 

キルバスは両手から更に大量の針を発射してくるが、二人はそれを何とか回避し続ける。

だがその際に二人の距離が離れてしまい、先ずは体力限界のクローズから始末しようと狙いを定め、腕を振り上げた。

それに気づいたクローズはキルバスの拳を片手で掴んで止め、対する自分はもう片方の手で殴りかかるも、キルバスもまた片手のみで受け止める。

更には互いの力が拮抗してしまい、両者は一歩たりとも動けずにいた。

 

(コイツ……なんて馬鹿力だ!)

 

キルバスはクローズの握力を遥かに上回るパワーで、クローズを徐々に押し込んでいく。

このままではキルバスに押し負けてしまう。ソードがそう思って助けに向かおうとするも、地面から出現した蜘蛛の脚が行く手を阻む。

ならばとソードは再び炎のエネルギーの剣を作り出して斬りかかるが、蜘蛛の脚は上手くガードして防ぎ切っていた。

 

「オオオオオオオォォォォォォォォォォ!」

「アッヒャッヒャッヒャッーーー!」

 

ソードが攻めあぐねている中、クローズとキルバスの足元の地面がクレーターの様に亀裂が走り、踏ん張るたびにどんどん陥没していく。

このまま押し潰そうとしたその時、キルバスは自身の腕の異常に気付いた。

 

自分の腕が、震え始めていたのだ。

 

何故この俺の腕が、震え始めているのだ?

俺が、コイツに恐怖しているか?否、違う。

この星の気温で、寒気がしているから?否、それも違う。

この震えは、まるで重い荷物を長時間持ち続けた人間の腕の様ではないか。

そしてその人間の腕が震え始める条件として当てはまるのは、持ち切れない荷重に腕が耐え切れないか、体力が非常に消費し始めているから。

その瞬間!キルバスは自分の腕が震え始めた原因に気付いた!

 

(コイツ、吸い取ってやがる!俺のエネルギーをッ!)

 

クローズエボル・ブラッドの機能の中には、クリア・クリスタルクローズの時にも使っていた、エネルギーの吸収能力が備わっている。

それは相手のエネルギーを吸収して相手の体力を奪うだけでなく、失い始めていた自身の体力を回復させる効果を発揮させていたのだ。

その事に気が付いたキルバスが慌てて腕を引っ込めようとするが、それよりも先にクローズがキルバスの手を更に力強く握り、その場から逃げられない様にする。

 

「ハァッッ!」

「オラァッ!」

 

その間、蜘蛛の脚を駆逐し終えたソードがキルバスへと飛び掛かり、ある程度体力を奪う事に成功したクローズはキルバスの腕をいきなり離して一瞬のみバランスを崩させ、二人はそのままダブルキックで吹っ飛ばした。

 

「うおっ、グッ!……いいだろう!ならばこちらも、本気でお前らを潰すッ!!」

 

しかし体力を奪われ、それによってクローズとソードの方が押し始めている事を感じたキルバスが本気を出すと言うと、肉片として残っていたデストロイスマッシュの遺伝子を自分の体に戻し始めた。

 

「ハッハッハァ……さぁ、行くぞォォォォォォ!!」

 

「はぁ!」

 

本来の戦闘力へと戻ったキルバスと、クローズエボルとソードのコンビは空中に向けて飛び上がる。

 

「ふっ!はっ!」

 

「デァッハッハァ!ホッホホゥ!ハァ!──ぬぅん!」

 

「くっ!ぐぁ!」

 

クローズとソードはキルバス相手に、空中で高速のパンチとラッシュを繰り広げる。

 

「キルバス!アンタには聞きたいことがある!」

 

「何のために、ブラッド帝国を滅ぼした!」

 

その最中、ソードとクローズはキルバスにそう問いかけた。

彼らは気になっていたのだ、何故ブラッド帝国の王であるはずのキルバスが、自らの手で自分が生まれた国を滅ぼしたのかを。

それを聞いたキルバスは、高笑いしながら答えた。

 

「ハッ………ハッハッハッハッハッハッァ!

お前ら、そんなくだらないことが聞きたいのかぁ?」

 

「くだらない?」

 

「そんなの、俺が滅ぼしたかったからさ!」

 

「「「ハァ!?」」」

 

『……だろうなぁ』

 

これを聞いてクローズやソードだけでなく和也達も驚き、エボルトのみが予想通りだと言わんばかりに溜息を漏らす。

 

「俺はなぁ、あの有象無象共と共に、いろんな世界をぶっ壊して来た。

だが何かが足りねぇと思った。だから考えたんだよ、一体俺が何を壊し足りないんだろうってな」

 

そう言いながらキルバスは、自分がブラッド帝国を滅ぼすに至った経緯を語り出す。

 

「そこでふと思った。いつも色んな奴らを滅ぼして来た俺達の世界……ブラッド帝国を滅ぼしたいってなぁ!

いやぁ〜今思い出しても楽しい気分になれるぜぇ?あんな綺麗な花火は、生まれて初めて見たからよぉ!

そもそも、生きてる奴なんてのはいずれ滅ぶ!それが早かった!たったそれだけだろォ!?」

 

それを聞いたクローズとソードは、あまりの衝撃で言葉を失う。

確かにエボルト達ブラッド帝国の者達は、色んな世界を滅ぼして来たのだろう。

だからハッキリ言って、そんな彼らが滅んだとしても同情の余地があるはずも無く、それどころか自業自得という感想しか出てこない。

だがキルバスの場合は、ただ の気まぐれで、仲間達が住んでいた世界を滅ぼしたのだ。

その余りにも身勝手すぎる精神に、二人は怒りを通り越して呆れ果てていた。

そんな彼らの様子など知ったことではないキルバスは、クローズとソードに拳を振り下ろして地面に叩きつける。

 

「ぐあっ!」

「きゃッ!」

 

「ハッハッハァッ!!残念だったなぁ?俺の方が上だ!ハァ!」

『Ready go !』

 

キルバスはそう言ってドライバーのレバーを回転させ、手から放出したクモの糸でクローズとソードを拘束する。

 

『龍牙(君・さん)!まこぴー(真琴さん)!』

 

「デアァァァーーーーハッハッハハハハハハッッ!!」

『キルバススパイダーフィニッシュ!』

 

キルバスはクローズとソードの二人を引き寄せると、そのまま赤黒いオーラを纏った脚でオーバーベッドキックを決めようとする。

 

「はぁぁーーーッ!」

 

だがサファイアが刀で十字斬りの斬撃を放ち、クローズとソードを拘束していた糸を切り刻む。そしてキルバスの蹴りは空振りし、爆風を発生させるだけに終わった。

 

「──何が『滅ぼしたかった』よ。何が、『楽しい気分』よ・・・

ふざけんな!このクズが!」

 

「………屑。この俺がかぁ?」

 

キルバスは自分を睨みつけ罵倒してきたサファイアを見て、彼女の言葉を復唱する様に呟く。

 

「ハッハッハァッ!!面白い事を言うじゃねえか小娘ェェ!!」

 

「うるさい黙れ!」

 

キルバスの言葉に対して怒鳴り返すと、サファイアは抜刀剣蝶龍を構えて再び攻撃を仕掛けた。

 

「クズだからクズって言ったんだよ!アンタのような脳が腐ってるような初めてだよ!クズ!クズ!クズ!」

 

「小娘が・・・激昂するんじゃねぇよ」

 

キルバスにクズと何度も言うサファイアに全員が驚くも、罵倒された本人は気にせず4本の蜘蛛の脚でサファイアを攻撃し始める。

 

「くっ!」

 

「おい、大丈夫か!?」

 

攻撃された事でダメージを負ったサファイアに、クローズは心配の声をかける。しかし、彼女はクローズの声が聞こえない程に激昂しており、キルバスに向かって叫んだ。

 

「アンタは最低最悪のクズ野郎だ!絶対に許さない!私がここで倒す!」

 

「クズ野郎ねぇ〜……だったら〜?そんな風に戦う力があんのに、あん時コイツらと戦わなかったのは、どこのどいつだァ〜〜??」

 

「……え」

 

「戦う力があるくせに、臆病風に吹かれてぼーっと突っ立てただけの小娘は、何処の誰だろうなぁ〜?」

 

「あ……そ、それは……」

 

キルバスにそう言われ、サファイアは自身の弱さを思い出してしまう。

 

「ハッハッハァッ!!俺が『クズ野郎』ってなら、テメェは『ろくでなしのゴミカス女』だなぁ!? ハッ!ハッハッハッ!!アーーーハッハッハ!!」

 

「……」

 

キルバスの言葉で、自分があの時何も出来なかった事を思い出してしまったサファイアは、悔しさの余り俯いて黙ってしまう。その様子を見て、キルバスは高笑いしながら話を続ける。

 

「ハッハッハァーーッ!!まぁいい!俺には関係無いことだからなァ!

俺にとって大事なのは、全ての世界と心中する事ッ!そしてお前らを滅ぼすことだけだぁ!ヒャアッハーー!!」

 

「……ろくでなしなんかじゃ、ないわ」

 

「………あ?なんか言ったか?」

 

キルバスが叫び終わると同時に、ソードがポツリと呟いた。

 

「だってこの子が本当にろくでなしなら、わざわざ臆病風に吹かされたっていう貴方の前に現れて、龍牙の変身アイテムを持って来てくれたりしない!

この子がいたから、彼は貴方と渡り合える程の力を手に入れた!」

 

ソードがそう叫ぶと、キルバスは呆れた表情を浮かべる。

 

「ハッ。そんなもん、所詮誰でも出来る餓鬼のお使いだろォ?」

 

すると今度はクローズは口を開き、キルバスに反論する。

 

「確かに、ただのお使いなら誰でも出来る。

だがなぁ!ここは戦場だ!一歩間違えれば死ぬ、戦いの場だッ!

こんな所にまでお使いするには、それ相当の勇気がないと出来ねぇ!誰でも出来るわけじゃねぇ!!

それに、コイツはかずやん達でも倒せなかったデストロイスマッシュをぶっ潰した!そんなこいつが、『ろくでなし』だなんて言われる資格はねぇ!

それをテメェの理屈だけで、勝手に『ろくでなし』とか『所詮』で片ずけんなッッ!」

 

サファイアはそう叫ぶクローズの姿を見て、脳裏に“ある人物”から教えられた言葉がよぎる。

 

『人の価値を決める権利は、誰にもないぜ?みんな同じに見えて、色んな人がいるからな』

 

その人物は、自身の親友と同じくらいかそれ以上の変人で、だけどとても優しくて、自分の事を気にかけてくれる人だった。

 

「えぇ、龍牙の通りよ!」

 

「テメェのくだらねえ理屈で、これ以上何も滅ぼさせやしねぇ!」

 

ソードとクローズはそう言って起き上がり、サファイアの隣に並ぶ。

 

「あいつら……きっと」

「ここに居たら絶対……」

 

そう言って頭に浮かべるのは二人にとって、かけがえのない親友……

 

「誰かの平和を胸に生きている俺は…!」

 

誰かの力になりたいと思う正義と優しさ、勇気を教えてくれた相棒である晴夜。

 

「みんなへの愛の為に戦っている私は…!」

 

いつもみんなを優しく導き、どんな時でも前向きに笑みを浮かべ続けるマナ。

 

「「負ける気がしねぇ(ない)ッッ!!」」

 

そんな二人の存在を思い浮かべながら、クローズはレバーを勢いよく回す。

その間、ソードは光の剣を生やした収納状態のラブハートアローを構えて斬りかかった。

キルバスはソードの斬撃を受け止めるも、続けて放たれた短剣による一撃を受けて一瞬怯む。

 

『クローズサイド!』

『Ready go !』

 

ドライバーのレバーを回し終えたクローズの背後に、紅蓮の焔を纏う『ブラッドクローズドラゴン・ブレイズ』が召喚される。

 

「サファイア、合わせろ!ヤァァァ!!」

「ッ…言われなくても!おりゃぁ!!」

『マッスルフィニッシュ!』

 

ソードとサファイアがパンチを繰り出す動作を構えると、クローズドラゴンブレイズの口から開き、同時に二人のパンチを放つ動作と共に三つの炎が放たれた。

 

「こ、コイツは…ッ!」

 

「おっと、逃がさないわよ!」

 

キルバスは咄嗟に横へ跳んで避けようとしたが、短剣を両手に持ったソードによって足を地面に縫い付けられ、すぐさまその場を離れたソードと違い逃げられなくなる。

そのままクローズとサファイアの攻撃が直撃すると、凄まじい爆発と一緒に爆煙が巻き起こった。

 

「まだだ!畳み掛けるッ!」

『クローズサイド!エボルサイド!』

 

炎の弾を受けて足を折り体勢を崩しているであろうキルバスの方を見ながらクローズがレバーを更に回転させていると、ソードとサファイアがそれぞれ剣にパワーを纏わせて構えていた。

 

『ギャラクシーフィニッシュ!』

 

「ぐぅ!テメェ……ッ⁉︎」

 

クローズは懐に入り込んで殴りかかろうとした姿を見たキルバスは、素早く後ろへと下がって攻撃を回避しようとする。

しかしクローズの姿が突然消えた事に驚くと、突然背後から襲い掛かった衝撃に驚きの声を漏らした。背後を振り向いたキルバスの視線の先には、拳を突き出しているクローズの姿があった。

 

「コレは……ワープ能力かァ!」

 

「当たりだッ!」

 

かつてエボルトも使用していたワープ能力を発動させてい

たクローズを見て、キルバスは驚愕しながら目の前にいる敵へ殴りかかる。

だがクローズは再びワープ能力を発動させ、キルバスが攻撃を外した後すぐに下の方へと現れて、黒いブラックホールの様なオーラを纏った強力なアッパーカットを叩き込んだ。

 

「オラァ!!吹っ飛べぇッ!!!」

 

アッパーを受けたキルバスはそのまま上空へと打ち上げられると、空中で身動きが取れずにいる所へソードとサファイアが剣を構えて突撃する。

 

「はぁああああっ!!」

「いっけぇええー!!」

 

「チィイイッ!舐めるなァ!!」

 

キルバスは舌打ちをしながらなんとかソードとサファイアの剣を受け止めようとするも、二人を押し退ける事が出来ないまま地上に叩き斬られてしまった。

 

「グッ!……この俺が、押されてるだとォ?」

 

キルバスはそう呟きながら立ち上がると、地面を踏み砕いて衝撃波を放ち、二人は吹き飛ばされてしまう。

 

「認めるか……認めるかよォォォォォォオオオオオ!!!!」

 

クローズとサファイアが着地すると、起き上がったキルバスが怒りの雄叫びを上げる。その声には今まで以上の殺意と憎悪が込められており、まるで別人の様に感じられた。

 

「もういい!テメェら全員ブッ殺してやるッ!死ねェェェ!!」

 

キルバスは全身から禍々しいエネルギーを放出しながらドライバーのレバーを回し始めると、紫色のオーラが彼の体を包み込み、背中には鋭い刃状がついた八本の脚が生えていた。

 

「……ソード、サファイア。いけるか?」

 

「えぇ、勿論」

「言われなくても!」

 

クローズの言葉に対して横に並んだ二人が答えると、クローズは仮面の下で笑みを浮かべながらレバーを急速回転させた。

 

『クローズサイド!エボルサイド!ダブルサイド!』

『Ready go!』

 

そして必殺技の準備を終え、ソードとサファイアと共に高く飛び上がると、キルバスへ向けてライダーキックを食らわせようとする。

 

「無駄だァアアッ!!」

 

一方のキルバスは自身の前に禍々しく光る赤黒い糸の集合体を槍の様に放ち、三人のライダーキックを防ぐ。

 

「何やっても、無駄なんだよォ!無駄無駄無駄ァ!俺に勝つ事は出来ねぇんだよォ!!」

 

「それはどうかしら?」

 

「ハァっ⁉︎ どういう事だよッ!」

 

キルバスは自信満々に叫ぶが、ソードの言葉を聞いた瞬間に何かを感じ取ったのか、表情を変えた。

 

「あなたは確かに強いけど、今のあなたの力じゃ私達に勝てないってことよ!」

 

「黙れェ!お前らがいくら足掻こうが、テメェらの敗北は決まってんだろうがァ!」

 

「いーや、違うなッ!敗北が決まってんのは、テメェの方だキルバス!!」

 

サファイアの台詞に反論するキルバスだったが、クローズが逆に否定しながらキックの威力を上昇させる。

 

「「「だりゃぁああーーーーーッッッ!!」」」

 

それによって束になった糸はバラバラに引き裂かれ、三人のライダーキックはキルバスが咄嗟に前へ出した8本の蜘蛛の脚で受け止められるも、それも徐々にヒビが入り始めた。

 

「な、なんでだァ!またこの俺がッ!人間……如きにィィッ……!?」

 

『あの時も言ったはずだろ?』

 

少しずつ、しかし確実に己の運命が定まりつつある中で、いずれ訪れる自身の敗北を信じられずにいたキルバスは、クローズとソードの背後からエボルトの幻影を目撃していた。

 

『人・間・だ・か・ら、お前を倒せたんだよ……チャオ!』

 

『ブラッドフィニッシュ!』

 

そしてキルバスに向けて冥土の土産代わりに、再びそう静かに告げた。

 

『マッスルギャラクシーフィニッシュ!』

 

「「「てりゃぁぁあッッッッ!!」」」

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁあ!!」

 

クローズとソード、サファイアはそのまま蜘蛛の脚を粉砕しながらキルバスを吹っ飛ばし、ライダーキックを食らったキルバスは断末魔を上げる。

そのままキルバスは地上へと落下し、身体中から罅しい量の血を流して倒れた。

 

「ぐふッ……人間、だから……なんだってンだよ……

何だってンだよォォォォォォォォオオオオオオオオオ!!!!」

 

ソードとクローズ、サファイア、エボルトへの怨念を叫ぶキルバスには、エボルトの『人間だから自分を倒せた』という理由がわからなかった。

しかし、クローズとソードの隣にいるサファイア、その後ろにいる和也やダイヤモンド達の姿を見て、彼は思わず笑い声を上げた。

 

「フッ……クッ……ハッハッハッ!!……そうか、そういう事か……ッ!」

 

キルバスは突然大声で笑うと、体中の傷口から流れる血を眺めながら、納得した様に呟く。

 

「人間は、弱い生き物だ。

だからこそ、その弱点を補おうとする知恵と強かさを持っている。

生き恥を晒そうが生き残ろうとする必死さが、どの生命体よりも強い。

それが、全ての平行世界と心中しようとした俺との違い。

それが、生き残ろうと抗い続けた人間の強み、か……

ほんのすこしだけ、理解(わか)った、ぜ……」

 

その言葉を最期に、キルバスは爆裂霧散した。

それによりキルバスが作り出したパンドラボックスと、そのパンドラボックスから生成されたブラッドトリガーは分解され。パンドラボトルは元のホワイトパンドラパネルへと戻り、周囲の空間も元の公園へと戻りつつあった。

 

「……いいえ、キルバス。貴方は最後まで、何も分かっていない。

人間だからとか、関係ない」

 

そう呟くソードの姿は、いつの間にか元の剣崎真琴としての姿を取り戻していた。

 

「仲間と一緒に笑い、励まし、競い合う。

そんな風に明日を過ごせる世界を守りたい。

俺たち人間がお前を倒せた理由は、それだけだ」

 

クローズはそう言ってマッスルギャラクシーボトルを外すと、突然身体中に襲い掛かった激痛でぶっ倒れた。

元の姿に戻った龍牙が倒れたのを見た真琴とマユは、ダビィやセイリュンと一緒に慌てて駆け寄る。

 

「ちょっと、龍牙。大丈夫!?」

 

「あっ……クソッ。身体が、滅茶苦茶いてぇ……」

 

『だろうなぁ。あんな身体で無理矢理変身したんだ。ボロボロになって当然』

 

真琴に抱き起こされながらも苦しそうな表情を浮かべる龍牙に、エボルトが倒れた龍牙の体からフェーズ1の姿で出現しながら、呆れた様子でそう言う。

 

「でも、これで終わりだ。アイツの気配が微塵も感じられない今、キルバスはもう二度と復活する事は無い」

 

「……マユに手を出したのは、俺のハザードレベルを上げて変身させる為だったのか?」

 

「フフッ、礼には及ばない……」

 

「誰が言うか!」

 

龍牙の言葉に不敵な笑みを見せるエボルトだったが、そう怒鳴る龍牙に肩を竦めながらため息をつく。

 

「それで、あんたはこれからどうするの?」

 

その中で真琴はエボルトにそう質問すると、彼は少し考える素振りを見せる。

エボルトはキルバスを倒す目的の為、龍牙達に協力してくれた。だが当のキルバスがいなくなった今、もう協力関係ではない。

真琴が今後について尋ねるのも、当たり前の事であった。

 

「そうだなぁ……ぶらりと、コーヒー豆栽培でもするかなぁ〜〜!

出来たら飲ませやるよ。チャオ♪」

 

だが彼は今の所、特にやりたい事も対立する気も無いらしく。いつもの口癖を言って赤黒いオーラに包まれると、空へと向けて飛んで行き、あっという間に去って行った。

 

「飲まねぇし、二度来るんじゃねえ」

 

そして龍牙は小さく呟くと、マユが二人に近づく。

 

「龍牙、真琴、お疲れ様……」

 

「えぇ……」

「ああ。お前も、ありがとよ……」

 

三人はお互いに微笑むと、龍牙は痛みに耐えつつ起き上がり、真琴も立ち上がってから和也達の元へと歩いて行った。

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

とある建物の物陰に、去っていった筈のエボルトが隠れて自分の手を見つめていた。

 

「まぁ・・・仕方ねぇよなぁ〜」

 

「……晴夜達を散々傷付けた、貴方らしくないね」

 

そこへ晴夜とマナが現れ、溜息をついていたエボルトにそう言った。

 

「………何の事だぁ?俺は別に、何もして無いぞぉ?」

 

二人の姿を目に入れたエボルトは不自然な程の笑顔を見せながら、惚ける様にそう答える。

 

「しらばっくれるつもりならそれでも良いけど、俺達は分かってるんだよ……」

 

「あ?」

 

エボルトは怪しげに首を傾げるが、真剣な表情の二人を見てしらばっくれが通用しないと分かるや否や、観念した様にため息をついた。

 

「……はぁ〜……ホント、面白みのねぇ奴になったなぁ〜晴夜ァ……

俺はただ、俺が作り上げたものに磨きをかけた・・・それだけだ」

 

「その結果が、自分の体を保っていられなくなるような事になってもか?」

 

エボルトの体の異変に気付いていた晴夜がそう問い詰めると、本人は自嘲気味に笑う。

 

「あの変身、側から見ても相当の負担が掛かっていた。

いくら龍牙でも、あの消耗した身体では最悪死ぬ可能性があった筈だ。

……だが、龍牙は死ななかった。そこから考えれば、お前が何をしたのかはある程度察しはつく」

 

「へぇ……流石は、天才科学者の息子だけあるなぁ……」

 

晴夜の推理に感心した様子を見せた後、エボルトは両手を広げながら大袈裟にため息をつく。

晴夜の推理通り、クローズエボル・ブラッドの変身の為にボロボロになった龍牙の身体を、エボルトは自身の遺伝子を操る能力と自らの細胞を使って死なない程度に回復させていたのだ。

しかしその代償として残された力の殆どを使い果たしてしまい、更には強大な力を生み出す為に自身の遺伝子を多く消耗させてしまい、自分の存在を保っていられなくなっているのだ。

 

「だが、俺の遺伝子がある限り、俺の存在は残る・・・あいつらの娘にもな」

 

龍牙と真琴。そしてマユの姿を思い浮かべ、自分の存在は残ると言う。

 

「じゃあな〜。お前らも、精々抗ってみせろよぉ……チャオ!」

 

その言葉を最後に、エボルトは完全に消滅する。

後に残ったのは、確かにエボルトがいたという痕跡だけであった。

 


次回!Re.ドキドキ&サイエンス!After story

 

仮面ライダークローズ&キュアソード!最高と最凶のタッグ! その5

 

 




おまけ

【次回予告!】

「………ここは、どこだ」

ドキドキ&サイエンスの世界で消滅したエボルトだったが、なんやかんやあって異世界に転生を果たした!
しかし、そこは魔王が支配し人々は怯える世界だった。
エボルトはどうするのか? そして、その世界で出会う美しき少女とは……!?

「お前が戦わないのは勝手だ。だがな……そうなった場合、誰がこの国の為に戦うと思う?」

「……」

「バンジョーだ。アイツはお前を慕っている。だからこそ、自分が代わりに戦うと言うだろうさ。
だが、アイツはまだ子供だ。それに、アイツには帰るべき場所があるんだろう? ならば、お前がやるしかねぇんだよ!」

次回、転生したら丁度いいカモがいたので成り上がってみた件について
〜戦争中なので便乗して力を蓄えます〜

(嘘予告です)

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