晴夜「仮面ライダービルドであり、てぇんさい科学者の卵 桐ヶ谷晴夜は、マナ達ドキドキ!プリキュアの六人とその他大勢のライダーと協力し、ブラッド帝国の暗躍によりキングジコチューとなった国王を救い、世界を滅ぼそうとしたエボルトを撃破し、トランプ王国を復活させて世界を救った」
龍牙「そして数年が経った頃、キルバスが再び復活して全ての平行世界と心中しようとしていた!だが俺と真琴、謎の少女マユ、ついでに復活したエボルトの活躍によってキルバスは倒され、再び平穏な日々を取り戻したのだった」
エボルト「そしてなんだかんだで仮面ライダークローズ&キュアソード編も、今回でエピローグに入るぜ!さぁ、どうなるその5!」
晴・龍「「だからなんでお前が締めんだよ!!」」
「…んじゃあ一息ついた所で、マユ。お前は誰なんだ」
キルバスを撃破し終えた龍牙は、先程から気になっていたことを目の前にいる少女マユに訊ねた。
すると彼女は一瞬イタズラが親にバレた子供のようにビクッとするが、すぐに観念したようにため息をつく。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「私は・・・上城龍牙。あんたの娘よ」
「なーーーッ!?」
「む、む、娘ぇぇぇぇぇぇ!!?」
「まぁ〜♪」
「まさか……で、で、で・・・でも、それが本当なら、なんで!」
「まさか、タイムマシンですか!?」
それを聞いた和也は口をあんぐりと開け、ショックのあまり意識を遥か彼方へとぶっ飛ばし。六花は驚きのあまりに声を上げ、ありすは何故か嬉しそうに微笑み、真琴も自分の耳が信じられないと言わんばかりに絶句し、幻冬と亜久里は唖然としていた。
そして、当人である龍牙本人も驚愕の表情を浮かべていた。
それもその筈。彼は子供を作った覚えは愚か、そもそも結婚すらしていない。なのに突然現れたこの少女が自分の娘だと言われても、素直には信じられなかったのだ。
「ハァ……白いパンドラパネルの所為。って言えばわかる?」
龍牙が疑問を口にする前に、マユと名乗る少女はめんどくさそうな顔をしながら、そんな事を言い出した。
それを聞いた真琴達は、キルバスから取り返したホワイトパンドラパネルを改めて見つめると、まさかと呟く。
確かに、かつて平行世界と平行世界を融合させて新世界を創り上げる要因となったこのアイテムならば、時空を超える事も不可能ではないかもしれない。
「あたしは別に、行きたくてこの世界に来たわけじゃない。
でもある日、友達の部屋に飾られてあった白いパンドラパネルが光り出したの。
どうしてこの時代に飛ばされたのかはわからないけど、そのおかげであなた達と会えたって訳」
どうやら本当にマユは時を超えてやって来たらしい。
だがそれでもまだ納得出来ない部分があるらしく、今度は和也が彼女に質問する。
それは彼女がここに来た理由ではなく、彼女のもう一人の親についてだった。
「な、なあお前。お前の母親って、どんな人なんだ?ま、まさかとは思うが……」
「………あー、うん。取り敢えず言えることは・・・」
和也の問いに対してマユは目を泳がせながらしばらく沈黙した後、意を決したかのように耳元でこう言った。
───貴方が剣崎真琴のファンだって言うなら、聞かない方が良いわ。
それを言われた瞬間、和也の顔はみるみると青ざめていき、やがてカタカタと震え出す。
「あの……和也さん?どうしたんで──」
「うわばらっ!」
「ウワー!?かずやんが血を吐いてぶっ倒れたー!!」
心配して駆け寄った幻冬だったが、和也は口から大量の鮮血が流れ出して地面に倒れ伏してしまった。その様子に六花らは慌てふためくが、ぶっ倒れた理由はある程度察しがついてるので、特に驚くことはなかった。
「……あら?でしたら、何故貴女は龍牙さんにあのような態度をとったのですか?」
血縁的には親である筈の龍牙に対して何故あれほどまでに反抗的だったのか、ありすがそう不思議そうに訊ねると、マユは苦虫を噛み潰したかのような表情になる。
「……この人と、剣崎真琴さんと二人で話しがしたいんだけど。良いかな」
するとマユはそう言って龍牙と真琴を指差す。指差された真琴は少し驚いたような顔をしたが、龍牙は黙って首を縦に振った。
「えぇ、わかったわ。じゃあ私達は、先に晴夜君の方へ行こうかしら?」
「そうですね。和也さん!大丈夫ですか?」
「ったく!しっかりしなさいよ!」
六花はマユの提案を受け入れると、ショックで五体投地したまま失神した和也を幻冬とレジーナが引きずって連れて行きながら、ありすや亜久里も一緒に晴夜が居るであろう研究室へと向かっていった。
そして龍牙と真琴の二人がその場に残されると、マユは気まずそうな表情を浮かべる。
「・・・父さん」
やがてそう口を開いて龍牙らに近づいていった彼女の顔には、どこか気恥ずかしさと申し訳なさが感じられた。
「姉貴〜!何恥ずかしがってんだよ〜。さっきの勢いはどこ行ったんだよ〜」
「ッ!セイリュン〜・・・余計な事を言うな!」
そんなマユの表情を見たセイリュンはニマニマと笑い、まるで煽る様に彼女の周りを飛んでいた。余計な事を言うなと頬を赤くして叫ぶ彼女の姿を見て、真琴は龍牙と共にクスクスと笑みを浮かべながら、このマユの様子と態度を見て確かに龍牙に似ているなと思った。
「・・・よく聞かされたの。未来の晴夜さんから、父さんの事を」
「…未来の晴夜が?」
真琴がマユの言葉に反応して、思わず聞き返す。
マユは静かに頷いて、未来の母親と晴夜から聞いたという龍牙の話を聞かせた。
「昔の父さんは……とにかくバカで計画性のない、どうしようもないほど馬鹿な脳筋だったって、そう言ってた」
「ハァアアァァァッ!?アイツ、未来で俺の事なんて言いやがったんだぁああ!!?」
その話を聞かされると、龍牙は目を見開いて驚愕しながら、未来の晴夜は自分の娘にそんな事を話していたのかと怒り声を上げる。だが一方で、隣に立つ真琴は“確かに”と言わんばかりに口を押さえて笑いを堪えていた。
そんな二人の反応を見たマユは呆れた様な視線を向けつつ、話を続ける。
「──でも。人を守る為に何度も起き上がり、みんなを守ってきた、強い人だとも言っていた」
それを聞いた龍牙は、今度は真琴と顔を合わせて照れ臭そうに苦笑いをする。
「だから、本当かどうか見てみたかった」
すると、彼女は龍牙の顔をジッと見つめた。
その瞳からは、先程までとは違う真剣さが感じられる。
「…………なぁ、未来の俺は何してんだ?元気に、してんのか?」
何かを言いたげなマユの表情を見て、龍牙は恐る恐ると言った様子で彼女に訊ねてみた。その問いに対して、マユは小さくため息をつく。
「馬鹿みたいに元気だよ。あたしを置いてママと世界中を周るくらいにね」
その言葉を聞いて、もしかして未来の自分は死んでるのではないかと思った龍牙はホッとしたように胸を撫で下ろす。
だがマユの不機嫌そうな顔を見て、彼はすぐに察してしまう。
──彼女は、未来の娘は、親が自分から離れて世界中を周っている事に、寂しさを抱いているのだ。
その事に気づいた龍牙は、自分の不甲斐なさを感じてしまう。
「………言っとくけど、別にアンタが変に責任感じなくてもいいから。
別に不満を抱いてる訳でも、両親が嫌いなわけでもないし。
何より、もう慣れたから・・・」
「お前・・・」
急に下を向いて声から元気がなくなった彼女に、龍牙は心配そうな眼差しを向けると彼女の肩に手を置き、ゆっくりと語りかける。
「・・・親でもねぇ過去の俺が言っても、仕方ねぇかもしれねぇ。
だが、これだけは言わせてくれ。
──悪いな。親らしいこと、出来なくて」
彼の謝罪の言葉に対して、マユは静かに首を横に振る。
すると龍牙はフッと優しい笑みを浮かべて彼女を見た。
「ほら、笑えよ。会ってからずっとムスッとした顔ばかりしてよ、せっかくの可愛い顔が台無しだぞ」
「………余計な、お世話だし」
そう言って、龍牙は彼女の頭を優しく撫でる。
マユは口では憎まれ口を叩くが、その手を振り払う事はせず、ただ黙って受け入れる。
そして、少しだけ口角を上げて笑顔を浮かべる。
そんな彼女の表情を見て、龍牙はこう思った。
──やっぱりコイツの笑顔、真琴の笑った顔にそっくりだな。
そんな二人の様子を、真琴とセイリュンは微笑ましそうに見守るのであった。
「……なあ、マユ。未来の俺がお前をどう思ってるのかは、よくわからねぇ……
けど……お前は、お前のなりたい自分になれよ」
「えっ?」
ふと響いた突然の龍牙の言葉にマユは少し驚くと、龍牙は彼女の肩から手を離し自分の掌を見つめる。
「俺の中にはエボルトの・・・ブラッドの力がある」
自分の身体に流れるブラッド帝国の、世界を破滅させる力。
最初はその事を聞かされ、自分が人間じゃないと強く痛感し、酷いショックを受けた。
「けど俺は、この力を愛と平和を守る為の力に使う」
それでも、龍牙は戦うと決めた。共に戦う仲間が教えてくれたからだ。
──大切な人達の為に戦えるのなら、それが『人間』の証明だと。
だからこそ、彼は拳を強く握り締めて決意した様に語る。
「なんたって、それが仮面ライダーだからな!」
龍牙は親指を立てて強く叫ぶと、マユも自分の掌を見つめる。
そして彼女は、観念した様な笑みを浮かべて呟く。
──この人は、よくわからないと言っている癖に、あたしの体にも自身と同じ様にエボルト遺伝子がある事を、その呪われた血のせいであたしが辛い想いをした事を、だからその事を恨んで反抗的な態度を取っていたのだと察している。
その上で、私を励ましているんだ。
馬鹿なりになんとかしようと、頑張って励ましているんだ。
ならば、自分も覚悟を決めよう。そう思いながら、マユは真っ直ぐに龍牙の目を見て答えた。
「私も・・・やってみる」
龍牙……父さんが自分の呪われた力を受け入れ、仮面ライダーとして戦う事を決意しているのなら、あたしもそれに倣うしかない。
「私もプリキュアとして、みんなを守れるように戦ってみるよ」
「そうか」
真琴……ママの言う通り、こんな力でも誰かを救えるかもしれない。
そう思えば、今までは怖くてできなかった事も、今度こそできる気がする。
「ありがとう、父さん」
マユは穏やかな笑みを浮かべると、龍牙と真琴も釣られるようにニッと笑う。
それと同時にマユの身体が光り出し、足元から徐々に粒子となって舞い上がっていく。
「そろそろ時間みたいね……」
「そうだな。また会えたら、その時はもっと話そうな」
「うん。じゃあ、未来で会いましょう」
「──んじゃあ、俺からも最後に一言。
女子へのプレゼントにプロテインは辞めといた方が良いぜ?親父さん」
二人は別れの言葉を交わすと、マユはたった一言だけ告げ、セイリュンも龍牙へ警告をすると、マユは静かに龍牙と真琴の目の前から姿を消した。
──こうして、龍牙達は未来からの来訪者との邂逅を終えたのだった。
◆ ◆ ◆
──20XX年。桐ヶ谷家にあるイリアの部屋に置かれた白いパンドラパネルが、突如発光し出す。
「うわぁぁぁーーーっ!」
「ぐえぇーーッ⁉︎」
そして光が収まると、そこには二人の少女が地面に転がって倒れていた。
「いったぁ……! あ、戻って来たんだ……」
そのうちの一人であるマユは自分の部屋の床の上で辺りを見渡し、見慣れた光景に元の時代に戻って来れた事に気付く。
「マユ!大丈夫だった!?」
「うん、大丈夫……だけど。イリア・・・何その大量の袋?」
マユはそう言って、隣に倒れていたもう一人の少女・イリアの周りに転がった、ボトルフィギュアやBlu-ray&DVD 、ポスター等が入った四・五個の紙袋を見て呆然としていた。
すると彼女は起き上がり、自慢げに語り出した。
「うえっへへ〜〜!良いでしょこれ!今の時代じゃ売られていない限定品なんだ〜!
ホラ、コレなんか今じゃあネットオークションで10万以上もするんだけど、あの時代ではたった数千円で購入できるんだよ!コレはもうお買い得すぎて買わないわけにはいかないよね!!」
そう箱に入った美少女のフィギュアを持って興奮気味に話す、何よりもアニメや漫画が好きな彼女の瞳は、まるで宝石の如くキラキラと輝いていた。
「………イリア・・・いつもありがとう」
「えっ?なんか言った?」
「…何でもない!それよりも、もうすぐイリアが見てるアニメが始まる時間だけど、いいの?」
「え?……オ" ア" ァーー!ヤバッ!!忘れてたァァァ!?
行くよマユ!『キラッと☆フューチャー』が私を待っている!」
「はいはい」
マユはイリアと一緒に急いで部屋を飛び出しながら、いつもいじめっ子達を懲らしめている所為で嫌われている自分の側にいてくれる彼女へ。
そして、大切な事を教えてくれた過去の父と母に。
心の底から感謝を込めて、笑みを浮かべるのだった。
◆ ◆ ◆
──二度目のキルバス事変から数日経過した頃。晴夜は研究室に籠り、パソコンに向かってホワイトパンドラパネルの解析を続けていた。
「ふぅ……流石に疲れたな」
晴夜の目の下にはくっきりとした隈ができており、疲労が溜まっている事がわかる。
だが彼は、そんな事は気にせずにキーボードを叩く指を止める事はなかった。
(このパネルには、まだ判明していない機能が隠されている筈だ。
今の所判明しているのは、ワームホールの形勢機能を持つ黒いパンドラパネルと合わせることで別の世界と融合させて新世界を創造する機能と、未来からのタイムトラベル機能、ブラッド帝国の連中によるパンドラボックスの生成。
……前者二つの事を考えれば、ブラックパンドラパネルが次元に関わる力を持つと仮定して、ホワイトパンドラパネルの方は時空に関わる力を持ってる可能性が大きい。
だがもしかしたら、他にも何か未知の機能があるかもしれない)
新たな機能を解明しようと試みていると、研究室の入口からノックの音が聞こえた。
「晴夜!」
「差し入れよ!」
扉が開かれるとそこからマナとレジーナが現れ、二人はおにぎりが置かれたお皿を手に持って階段を降り、晴夜の元に向かう。
「体の方は大丈夫?」
「ああ、問題ないよ」
「そう言うけど晴夜、パンドラパネルの解明しようとしてずっと寝てないでしょ?そろそろ休んだら?」
「心配してくれるのは嬉しいけど、俺はまだまだ平気だよ」
「もう!いつもそう言って無茶ばかりして!無理しちゃダメだってば!」
「そうよ晴夜。少しぐらい休んでも良いんじゃない?ほれほれ、レジーナ様特製のツナマヨむすびぞよ〜!美味しいから食べなさい!」
レジーナはこの前喰らったキルバスの毒の影響はないかと聞くと、晴夜は何も問題ないよと答える。しかし、それでも心配なのかマナは頬を膨らませ、レジーナはおにぎりを差し出して無理やり休憩させようとしている。
「……わかった。それじゃあ、せっかくだし頂くとするかな」
「うん!」
「ええ、そうしなさい」
二人に説得されて渋々休むことにした晴夜は、椅子に座るとマナ達が用意したおにぎりを食べる。
「……そういえば、龍牙君は?」
「ああ。アイツなら今頃、まこぴーと二人で何処かに出掛けてる所だろうな」
三人がおにぎりを口に含んで咀嚼する中、マナはいつもならこの部屋にいるはずの龍牙がいないのを見て何処かと思いながらそう呟いた。
それに対して晴夜は、既に外出したであろう二人の姿を思い浮かべながらそう答えるのだった。
一方その頃、龍牙と真琴の二人は公園のベンチの上に座っていた。
空を見上げて黙り続けていると、しばらくして龍牙が口を開き始めた。
「なぁ、真琴。マユの言っていた事、本当だと思うか?」
「……さあね。でも、嘘だとも思えない」
真琴の言葉を聞いて、龍牙は「そうだな」と相槌を打つように返事をする。
「それにしても、まさか未来の娘と出会うなんて……本当にビックリだぜ」
「私もよ。しかもその娘が、まさかプリキュアだったなんて……」
「ハハッ!お前の驚いた顔、久しぶりに見たかもな」
「う、うるさいわよ馬鹿!」
「いてっ!?」
笑いながら言った龍牙に対して、恥ずかしくなったのか真琴は彼の背中を軽く叩いた。
「だけど、もしあの子があんたの娘って言うなら、その母親は誰なのかしら……?」
「……案外、お前かもよ?」
疑問の呟きを漏らす真琴に、龍牙は何気なく冗談交じりに答えてみる。すると、彼女は顔を赤くしながら慌て始める。
「ば、バカ!何言ってんの!じゃあ何⁉︎将来あんたと私が…その、結婚するって事!?」
「あ?………あぁ、そうなるなぁ・・・てか、バカって何だよバカって!?」
「ツッコミが遅いのよ!それに、あんたが変なこと言うからでしょうがこのバカ!!」
「あー!バカっつったーー!馬鹿って言う方が馬鹿なんだよ!友達に教わらなかったか〜?」
二人の言い争いは次第にヒートアップしていき、公園に来ていた周りの人達はその様子を見て呆れた表情を浮かべていた。
「そもそも!仮にあんたと結婚したとしても、本当に私で良いの⁉︎」
「あ"ぁ⁉︎ どう言う事だよ!」
「だって私、いつも誰かに護られてばっかりで、全然頼りにならないし、あんたの事を困らせてばかりで迷惑かけてるだけじゃない!」
「んなわけでねぇだろ!俺が仮面ライダーになるきっかけをくれたのも、晴夜達に会うまでいつも俺の事を気にかけてくれたのも、ずっとお前だ!
俺は、そんなお前だから好きになったんだ!」
「ッ!」
「それでも!お前がこれから先の未来、不安に思うってなら──」
突然の告白を受けて戸惑っていると、龍牙は真琴の手を握り締めて真剣な眼差しで見つめてくる。
そして、龍牙はこう言葉を続けたのだ。
「俺が!お前を守ってやるッ!
未来の娘を含めて、全部まとめて守ってやるよッッ!!」
龍牙の純粋な覚悟を聞いた真琴は、戸惑いに満ちていた顔を思わず笑顔にすると、彼の肩を思いっきり引っ張った。
「んっっ⁉︎」
そのまま、彼女は自身の唇と龍牙の唇を重ねた。
キスされた龍牙は驚きのあまり目を見開き、脳がフリーズしてしばらく動けなかった。
「子供の接し方もわからないあなたに出来るの?筋肉バカの上城龍牙君?」
笑顔で少し龍牙を揶揄う真琴。それに対し龍牙はポカーンと惚けるも、やがて彼女の言葉を理解し、口元をニヤけさせる。
「俺は筋肉バカじゃねぇ……プロテインの貴公子、上城龍牙だッ!!」
拳を向けながら自信に満ちた顔でそう答えると、真琴はこれから先の未来に期待を寄せながら、己の拳を龍牙の拳へとぶつけた。
Re.ドキドキ&サイエンス!After story
仮面ライダーグリス&キュアロゼッタ!不滅の心火! その1
おまけ
──とある街中の、とあるビルの屋上にて。
遮るものが何もない為に荒々しく吹き荒れる暴風をその身に受けながら、一人の青年が立っていた。青年は風によって激しく靡く髪を気にすることなく、ただジッと遠くを見据えている。
「……フゥン、なるほど。これが『エボルドライバー』って奴かァ……面白いねェ」
そう呟く青年の手の中には破損したエボルドライバーが握られており、彼は興味深そうな笑みを浮かべながらそれを眺めていた。
「さて、と……そんじゃまァ、このドライバーを治せる奴を探しに行きますかァ〜」
軽い口調で言いながら、青年はビルから飛び降りた。
「──ありがとう、マユちゃん。この俺を、この時代に連れてきてくれて」
その言葉を呟いた瞬間、強風と共に青年の姿が消え去った。
代わりに、一羽のカラスが鳴き声を響かせてながら羽ばたいていた──
完