サイコをスキャニングされちゃう被験者です♪   作:ゼノアplus+

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競馬場から抜け出せない、どうも作者です。狩りの支度は出来ません、お金と時間がないから。


DAYBREAK FRONTLINE

27話

 

 

コンコン

 

 

「どうぞ〜」

 

「失礼するよレイ君」

 

「師匠、ちゃんとお話しするのは久しぶりですね」

 

「元気そう……では無いが、五体満足で何よりだ」

 

 

1人、思考を続けていたレイの元に訪れたのはLBXの生みの親である山野淳一郎博士。その手には修理を終えたイプシロンもあった。

 

 

「このイプシロンが君の力になったようで、私も嬉しいよ」

 

「ブレイバー……さっき調べました。ボクにはとても似合うような言葉じゃありません」

 

「いいや。君は間違いなく、灰原ユウヤ君にとってもあの少女にとっても、自分を救ってくれる勇者だった。それは謙遜するべきでないぞ」

 

「………」

 

 

黙りこむレイに、山野博士はイプシロンを渡した。

 

 

「イプシロンは、本当はアキレス、オーディーンと続くバンの3機目の機体として設計していた。もちろん機体性能はオーディーンに引けを取らないし、その分癖があった」

 

「ッ!!」

 

「しかし、君は使いこなしてくれた。それは間違いなく君がイプシロンを信頼し、イプシロンもまた君を選んだからだと私は考えている」

 

「事実と結果を追い求める研究者の言葉じゃ無いですね。それにボクはやはりイプシロンに相応しくありません。これ以上はもう……」

 

「時に君は、『日の出』と言うものを見たことがあるかね?」

 

「……日の出?」

 

 

レイは山野博士の言葉に、想像力を働かせるが基本太陽の当たらない室内でしか生活したことのないレイには見当がつかなかった。

 

 

「夜明けの際に水平線に現れる太陽はとても美しい。オレンジ色に輝く太陽は雲の形を含めるとさらに仰々しく、美しくなる。イノベーター研究所に幽閉されてからはしばらく見ることのなかった景色だよ」

 

「はぁ……?」

 

 

レイは山野博士が何を言いたいのか理解できず困った顔をしている。

 

 

「ここしばらく身を潜めていた私はまだ日の出を見ていなくてね。久しぶりに見てみたくなったのだよ。それにここは雲の上だ。遮るものが一切ないからきっと、レイ君の目にもそれは美しく見えるだろう」

 

「へぇ……」

 

 

レイの口元が僅かに緩む。自分が師匠と呼ぶほどに尊敬する山野博士がそこまで言う『日の出』、生来、まともに『綺麗』、『美しい』といったものを知らないレイは少し興味が出たようだ。それをみた山野博士も計画通りと言わんばかりの表情でレイを眺めている。

 

 

「見たくなっただろう?」

 

「うん、ちょっと面白そう……でも師匠、分かってる……分かってるんです。そのために、戦えって、言うんでしょう?」

 

「ああ」

 

 

急に表情を戻したレイの言葉に山野博士は同意した。色々遠回しにした彼だが、言いたいことはその通りだったからだ。

 

 

「これから行われる作戦は『オペレーション デイブレイク』。私達の戦いが終わる頃には、夜明けを迎え日の出が見られるだろう。例えそれが、檜山君の計画を阻止しようと、出来なかろうとだ。君も分かってはいるだろう?君にとっては世界のリーダー達などどうでも良いかもしれないがサターンほどの質量と、映像で見た大量のフェアリーに搭載されたメガトン級爆弾ドングリの爆発によるNシティの被害予測が、どれだけのものになるのかということを」

 

「ッ……」

 

 

A国の中でも特に大きい都市。もちろんそこに住む人々の数は計り知れない。檜山の計画でどれだけ多くの人が命を落とすのか、それは頭の良いレイには痛いほど理解できている。

 

 

「無論、君がいなくても作戦は実行する。しかし君がいればこの作戦の成功確率は飛躍的に上がる。それに君には、話をしなくてはいけない人物がいるだろう?」

 

「……真崎さん」

 

「そうだ。君は何年彼に世話になった?君と最も接してきたのは彼だ。そんな真崎君が、今檜山君と共にサターンに乗り込んでいる。『レイが行かないのであれば、私が行く』と、八神君も言っていたよ」

 

「……………はぁ」

 

 

山野博士の説得に、レイは大きなため息をついた。山野博士はそれを見て語るのをやめて黙った。レイの反応を待っているのだろう。そして、レイは徐にイプシロンを目の高さに持っていき、機体を弄り出した。

 

 

「四霊神達につけられた傷やマグマのダメージがまるでなかったみたいに直ってる。それに関節の動きがより滑らかに、少し無駄のあった摩擦が無くなって今まで以上に滑らかな動きが期待出来るね。それにデータを見る限り、サイコスキャニングモードとブレイバーモードの重複発動による負荷もほとんど無くなって実質デメリット無しだ。この短時間で修理……いや、アップデートとも言えるほどのチューニングをするなんて……」

 

「よく分かったな。どうやら、さらに腕を上げたようだ」

 

 

山野博士がイプシロンに施した事を完全に見抜いたレイに、山野博士はどうやらご満悦のようだ。

 

 

「サイコスキャニングモードを前提にしたイプシロン。この子はもう……完全にボクのLBXになった。そう言う事で良いんですよね師匠?」

 

「無論だ。今となってはイプシロンが1番似合うのはレイ君、君しかいない」

 

「……ここまでしてもらって何もお礼せずただ受け取るなんて出来ないよね、イプシロン」

 

「レイ君……」

 

「ありがとうございます山野博士。()()()LBXを直してくれて」

 

「ふっ、礼には及ばないとも。さあ、行きたまえ」

 

「はい!!」

 

 

そう言ってレイは部屋を出て駆け出した。恐らく司令室、八神の居るところだろう。作戦への参加を伝えるために。

 

 

「レイ君にああ言った手前、私もやるべき事を果たさなくてはな(LBXの発明によって起こったことの贖罪のためにも)」

 

 

山野博士は再び白衣のポケットに手を入れ、部屋を出た。

 

 

 

 

 

〜数十分後〜

 

 

 

 

 

「わぁ〜!!これがコントロールポッド!!ねぇねぇ、あとで分解して良いかな!?」

 

「やめてくれ……一応我がタイニーオービット社の技術の結晶だ」

 

 

司令室にて騒いでいるのはもちろんレイ。全天周囲方モニターに映るLBXの視界や、レバーやペダルを用いての操作、さらにはCCMを使用するよりも圧倒的に広い操作範囲を可能とするコントロールポッドに興味津々のようだ。

 

 

「ちょっとレイ!!調子が戻ったのは良いけど、もう少し緊張感を……って、レイには無駄よね」

 

「アッハハ!!アミちゃんもやっとボクの事が分かってきたんだね。うんうん、ボク嬉しいよ♪」

 

「つ、疲れる……」

 

 

気怠げそうなアミに絡むレイ、そして後方では男子達がそれを眺めていた。

 

「レイ君、元気そうで何よりだ」

 

「そうだなジン、俺達も頑張ろう」

 

「おいおい、俺達のことも忘れんなよ」

 

「おいお前、まさか俺達ってのに俺を加えてねぇだろうなぁ?」

 

「あぁん?一度は俺の舎弟になったくせに舐めた口聞くんじゃねえよ」

 

「「…………あぁ!?」」

 

「郷田も仙道も作戦前くらい仲良くしろよ!!」

 

「「出来るか!!」」

 

「コイツらッ、めんどくせぇ……」

 

 

バンとジンは平和そうだが、無謀にも郷田と仙道のいがみ合いを仲裁しようとしたカズヤに飛び火してしまい面倒なことになっている。

 

 

「LBXの準備ができた。出撃の準備をしろ!」

 

 

今回の作戦では、特殊なブースターや、防御装備が必要となる。それを待っていたLBXプレイヤー達だが、準備ができたらしい。八神が号令をかけ、次々にコントロールポッドへと乗り込んでいった。

 

 

「コントロールポッド起動!!」

 

 

レイがCCMをコントロールポッドに差し込み、起動させた。それと同時にモニターにレイの駆るLBXの視界が映る。

 

 

「ぉ……ぉ……おお〜〜〜〜!!!!」

 

「うるせぇ!!」

 

 

テンションが振り切れたレイが叫ぶ。声が大きすぎたのか隣のポッドにいる仙道がわざわざ通信で文句を言ってきたが今のレイには何も聞こえない。ただ純粋にコントロールポッドに感動しているのである。

 

 

「よし!!行こっかトロイ!!」

 

 

レイの呼びかけにトロイがモノアイの点灯で応える。今回、レイが降下に使用するのは火力制圧が得意なトロイだ。デスバレルから放たれる大量の弾丸に貫けないものはない。

 

 

「トロイ、出…撃ッ!!」

 

 

レイが両手のレバーを倒し、ブースターを吹かしトロイを出撃させた。そして視界に広がるのは暗闇の中に映る大空や雲。

 

 

「これがトロイから見る世界ッ!!いい……良いよトロイ!!アッハハ!!空と雲の間を飛ぶなんて、最高じゃないかトロイ!!」

 

 

縦横無尽に大空を駆け回るトロイ。レイだけはものすごく楽しそうにトロイを操作しており初めてながらもその動きは熟達したそれに見える。LBX操作の才能はやはり抜きん出ているといってもいいだろう。

 

 

『対空砲撃くるぞ!!』

 

 

八神からの号令で、レイを含む全LBXが回避行動に移った。

 

 

「3番隊、全機トロイ後方に直列に並ぶように。少しでもズレたら落ちると思って」

 

『『ラジャー!!』』

 

 

先ほどとは一転、真面目な声音で同部隊員に命令したレイはデスバレルを構え発射。対空砲撃を撃ち落とすという荒技も荒技で被害を減らしている。後ろに構えるグラディエーターやウォーリアーは盾を構えてなんとか持ち堪えている。

 

 

「アマゾネスは左にバレルロール、ブルド改少し上昇!!」

 

『『了解!!』

 

「クイーン降下、マッドドックとナズーはそのまま直進!!」

 

『『『おうよ!!』』』

 

『ありがとよレイ!!テメェら、気張っていくぞぉ!!』

 

 

郷田が先陣を切って前に出る、しかし被弾していないのはひとえに郷田の操縦技術だろう。ミカやリュウ達に指示を出す余裕があるのはもちろんレイだ。彼らもそのおかげで被弾を減らせている。

 

 

『7番隊全滅、9番隊被害甚大!!』

 

 

味方機が次々に撃墜されていく中、更なる悪夢がシーカーを襲う。

 

 

『サターン外周部に高エネルギー反応!!』

 

『フェンスがくるぞ!!全機、アンブレラ展開!!』

 

「早くないッ!?トロイ、アンブレラ展開ッ!!」

 

 

サターンの強力な対空兵器である『フェンス』。エネルギー兵器による全方位への砲撃に耐える手段はLBXにはない。しかし、強化ダンボールの開発者である霧島がTO社と協力してフェンスに対抗できるようになったのが、強化ダンボールの繊維をエネルギー状に展開する防御兵装、『アンブレラ』だ。無論、急造品であるため確実にフェンスに耐えられるわけではない。

 

シーカーのLBXの前面にライトグリーンのエネルギーシールドが展開された瞬間、サターンから赤い光が放たれた。

 

 

『きゃぁぁぁぁぁ!?!?』

 

『なんつー威力だ!?』

 

『うわっ!?』

 

「はっ!?いつのまに……くぅ!!気合いで耐えてよトロイッ!!」

 

 

気がつけば、子供達以外のLBXはほぼ全て大破している。フェンスが止まってからの被害報告は止むことがなく、残りのLBXの数も少ない。

 

 

「か、掠った時はやられたと思った……」

 

『ッ!!サターン後方にLBXの反応、その数約50機!!デクーカスタム砲戦型の模様です!!』

 

『なんだと!?砲戦型にそこまでの飛行能力は……真崎かッ!!』

 

「真崎さんッ!?」

 

 

フェンスを抜けたと思えば新たにやってくるデクーの大群。残りブースター容量も少なくなり、この状態ではエネルギー切れでの落下や撃墜の未来しか見えない。

 

 

「……仕方ない、か。オーディーン、ゼノン、パンドラ、フェンリル、ハカイオー絶斗、ナイトメアは先に進んで。ミカちゃん、リュウ君、他の3人も、覚悟決めてくれる?」

 

『……郷田さんのため。やる』

 

『うぅ……アミちゃんが無事にいけるように、やるしかないよなぁ!!』

 

『『『リーダー、後は頼みましたッ!!』』』

 

 

トロイ、アマゾネス、ブルド改、クイーン、マッドドッグ、ナズーがオーディーン達を遮るようにデクーとの間に展開。射撃装備を構えた。

 

 

『レイ!!皆!!』

 

『お前ら……頼むぞ!!』

 

『チッ………おいレイ!!お前のトロイは俺が倒す。やられるんじゃねえぞ!!』

 

「ダイキ君……アッハハ!!ここは任せて、先に行けってね♪」

 

 

 

『レイ……お前が相手でも容赦はしないぞ』

 

「ッ……真崎さん。アッハハ!!さぁて……全機、迎撃開始!!一機たりとも逃すんじゃないよ!!」

 

『『『『『応ッ!!』』』』』




マッドドッグ「俺、クローだけで射撃出来ないんですけど」

作者「ゲーム版でエネルギー弾撃てただろ頑張れ」

マッドドッグ「そんなぁ……_:(´ཀ`」 ∠):」


デクーC砲戦型『『『『『『出番……俺達メインの出番……』』』』』』

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