サイコをスキャニングされちゃう被験者です♪   作:ゼノアplus+

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令和のこの時代にダンボール戦機が日間ランキングに載るとは……本当にありがとうございます。


紅白木偶合戦

3話

 

 

「うーむ……LBX反応なし。フライトデクーを帰還させるよ」

 

「ああ、よくやったレイ」

 

 

バンがエルシオンを組み立てている間に周辺の威力偵察をしていたレイは安全を確認してフライトデクーを手元に戻らせた。

 

 

「コブラさん、LBXのリペアキット持ってない?ちょっと無理させたからメンテナンスしたいんだよね」

 

「おう、あるぜ。品質はあんまり期待すんなよ?」

 

「工具があれば問題ないさ」

 

 

コブラからリペアキットを受け取ったレイは器用にデクーのメンテナンスをしていく。しかしその結果はあまり著しくないようだ。

 

 

「うげ、フライトユニット死んでるじゃん。やっぱ耐熱合金ケチったのよくなかったかな。拓也さん、今度このフライトユニットの量産案提出するから少し素材の融通してくれない?」

 

「それはこちらから頼みたいくらいだが、いいのか?」

 

「どうせそのうち、暇になるでしょ。LBX関連の業績ダダ下がりだろうし」

 

「……やはりそう思うか」

 

「売れば売るほどどこかでディテクターの兵器(おもちゃ)になるとか最悪すぎるね。クリスタ―イングラム傘下の神谷重工がマスターコマンドを一般発売してなくて本当によかったよ」

 

 

ディテクターが指令コンピューターを使って自由にLBXを操れるのなら世界でLBXの末路は目に見えている。企業としてやるべきことは一刻も早い原因の解明である。

 

 

「まあウチは外に電波が漏れないようになってる。逆もまたしかりだから通常営業なんだ。だから売れ残ったLBXは時たま買わせてもらうから」

 

「アングラビシダス会場のことか。我が社も重要施設はスタンドアローン化できるようにはしているがブレインジャックで物理的に攻め入られると面倒だな」

 

「暴走したLBXが自立できるか、電波遮断で無力化できるのかってのも重要になりそうだ」

 

 

レイ、拓也、コブラの三人が話し合っている。レイが仲介しているからか最初はコブラを疑っていた拓也も少し警戒心を薄ませているらしい。

 

 

「できた!!」

 

「うおお!!かっこいい!!」

 

 

どうやらエルシオンが完成したらしい。テンションの高いバンとヒロの声を聞いた三人はこれから始める作戦に気を引き締めた。

 

 

「へぇ、やっぱ実物は違うね。いい機体じゃないか」

 

「レイのおかげでチューニングもいらなそうだよ」

 

「そう?ならよかったさ」

 

「レイさんは優秀なメカニックなんだってバンさんから聞きました。すごい人なんですね!!」

 

「アッハハ!!まあわからないことがあったら何でも聞いてね。LBXを持つからには最低限自分の機体は面倒見れるようになってほしいし」

 

「はい!!よろしくお願いします!!」

 

 

(いい子だねぇ。バン君の一歳年下だっけ?ヒカリに会わせないようにしよ。年近いし惚れられたら消さないといけなくなるからね)

 

 

シスコンの気が出て少し冷たい視線になったレイにヒロが一瞬肩を震わせたが気のせいだと感じたようだ。

 

 

「よし、じゃあ作戦を説明するぞ」

 

 

拓也とコブラによって示された作戦は、敵LBXを撃破しながら旧シーカー本部までたどり着き指令コンピューターを破壊するというものだ。バンとヒロを主軸に、LBXの調子が悪いレイはその補助につくことになった。

 

 

「ヒロ君、バン君の言葉はちゃんと聞くんだよ?才能があるといってもキミは初心者。その点、世界大会優勝者のバン君をしっかり見習ってね」

 

「え!?バンさんって世界チャンピオンなんですか!!そんなすごい人と肩を並べて戦えるなんて感激です!!」

 

「あはは……それほどでもないよ。そういえばレイ、フライトデクーはどうするんだ?」

 

「ん-、ジェットガトリングは音がうるさいしフライトユニットを外して二丁拳銃にしようかな」

 

 

各々が準備を整えると、コブラからマイク付きの暗視ゴーグルが渡された。なかなか準備がいいらしい。

 

 

「それじゃ、行こっか」

 

「ああ!」

 

「はい!」

 

 

レイはバンについて行こうとしたが、ヒロが別方向へ走っていった。

 

 

「ヒロ?」

 

「カバンおきっぱなしなんです!!」

 

「そりゃ仕方ないね」

 

 

ヒロのカバンを回収した3人は通信機から聞こえてきたコブラの指示に従って地下駐車場へ続く階段へと向かった。

 

 

「ここから暗いな……暗視ゴーグルを使おう」

 

「お、おお……これ、凄いですね」

 

「……ごめん、少し別行動するよ。2人は先に行ってて」

 

 

レイが急に立ち止まり、2人に言った。

 

 

「どうしたんだレイ?」

 

「大丈夫ですか、暗い顔してますけど……?」

 

 

2人はレイの真剣な表情を見て何かあったのかと眉を顰めた。

 

 

「いやー、すっごくお手洗い行きたくってさぁ!!アッハハ!!」

 

「「えぇ……」」

 

 

沈黙が場を支配していた中、レイが少し大袈裟に答えた。2人はそれに若干引きながらも異性に対して流石にツッコミをし辛い内容だったため特に反論することなく受け入れた。

 

「何かあったらすぐ連絡入れてね。ヒロ君はバン君にボクのアドレス聞いておいてよ」

 

「分かりました」

 

「レイ、1人になるから気をつけろよ?」

 

「ボクを誰だと思ってるんだい?大丈夫さ」

 

 

そう言って2人は階段を降り始めた。

 

 

「と、言うわけでコブラさん、拓也さん、少し通信切るねー?」

 

『はぁ!?』

 

『危険じゃないか?』

 

「女の子のお手洗い盗聴する趣味でもあるのかい?」

 

『オッケーすぐ切れ!!いやこっちから切るわ!!』

 

『おいコブラ、何をしt……』ブチィ!!

 

 

ブチッ、っと強引に切断した音が聞こえた後レイは通路の奥に視線を移した。

 

 

「出てきなよ不審者さん。現場判断でキミをディテクターの構成員だと判別してもいいんだよ?」

 

「……ハッ、気づいてたか。流石はアルテミスファイナリスト、八神レイ」

 

 

レイの呼びかけによって通路の奥から現れたのは、囚人服のようなファッションの金髪の青年だ。

 

 

「ボクも有名になったもんだねぇ……まっ、色々やったしそれもそうだね」

 

「『白銀の戦姫』『二代目レックス』『デクー狂い』……噂はかねがね聞いているよ」

 

「ちょっと待って、最後の知らないんだけど!?」

 

 

まさか自分がそんなふうに呼ばれているとは思っていなかったレイが怪しい青年に叫んだ。余程驚きだったらしい。

 

 

「俺とバトルしろ、八神レイ」

 

「へぇ?今そんな場合じゃないんだけど?」

 

「知らないねぇ。本当は君達について行って邪魔者を排除してからゆっくりバトルするつもりだったんだ。八神レイと山野バン、君達を倒すためにね」

 

「大きく出るねぇ。ボクはともかく、バン君に勝つとか余程の自信家じゃないか。アッハハ!!いいね、面白いよキミ」

 

「俺の名前は風間キリト。そしてこれが俺のLBX、デクーOZ」

 

「んなぁ!?」

 

 

自身の名前を名乗ったキリトは掌に愛機らしい赤いデクーをレイに見せつけた。そしてそれに対しレイは大きく目を見開き、輝かせた。

 

 

「美しい、ボクが今まで見たデクーの中でいっちばん美しい!!!!その機体、もっと近くで見たいのにキミが不審者すぎて近づけない!!」

 

「ふっ……デクーOZの良さ、君なら分かると思っていたよ。俺の理念は一般機を極限までカスタマイズすること、中途半端なワンオフ機よりも全て俺の手でカスタマイズした機体の方が強いんだよ」

 

「分かる!!その気持ちすっごく分かる!!!!ああ、やっぱりキミとは良い友人になれそうだ!!!!今からでも遅くないからキミが持ってる全部の情報を洗いざらい吐いた後にウチでバイトしないかい!?」

 

 

少し気持ちが悪いほどテンションが荒ぶっているレイ。しかし脳内は意外と冷静なようで取引を持ちかけている。

 

冷静なだけで正常ではないようだが。

 

 

「(なんだコイツ)……お断りだ。茶番はもういいだろ?さっさと戦え」

 

「もちろん良いとも!!ストリートレギュレーションでいいよね。そんなに美しいデクーを破壊するなんて勿体無い!!あっ、後で写真いいかな!?」

 

「(……山野バンだけを標的にするべきだったな)……俺に勝てたらな」

 

 

そしてキリトはDキューブを投げた。本当はDエッグを使い逃げられないようにするつもりだったがレイの異常なやる気を見てその必要はないと判断したらしい。

 

ステージは地中海遺跡、ストリートレギュレーションで破壊は無しだ。

 

 

「デクーOZ」

 

「アッハハ!!フライトデクー、テイクオフ!!」

 

 

ステージに紅と白のデクーが降り立った。

 

 

「へぇ、君もデクーか。『デクー狂い』の異名は伊達じゃないらしいね」

 

「ちょっと嬉しい異名だからむず痒いなぁ。デクーOZとバトルするのに、全力を出せないのは勿体無いけどごめんね」

 

 

そう、フライトデクーはフライトユニットを外しているため、見た目は少し角ばったデクーC監視型と言ったところだ。そんなフライトデクーは単発式のエネルギーガン『ヘブンブラスター』を両手に構えている。

 

 

【バトルスタート】

 

 

「「行け!!」」

 

 

お互いにまっすぐ突撃。レイは射撃をしながら詰め寄っているが、ブロウラーフレームであるはずのデクーOZは一瞬機体が消えるほどの加速で華麗に銃弾を回避している。

 

 

「ッ!!いいね、ならこれはどうかなっ?」

 

 

見た目以上の俊敏さを見せたデクーOZに驚いたレイは口元をニヤけさせながら次の指示を出した。

 

フライトデクーは立ち止まり、迫り来るデクーOZに対し更なる射撃を始めた。

 

 

「期待はずれだな八神レイ、もしかしたら山野バンより強いんじゃないかと思ってたんだけど」

 

「アッハハ!!ボクは3位で、バン君は1位だよ?そりゃバン君の方が強いさ。でも……油断していいのかい?」

 

「何?……なっ!?」

 

 

全ての射撃を躱していたデクーOZだが、フライトデクーまで後数歩の距離で、()()からの射撃にヒットしてしまった。

 

 

「バカな、攻撃は全て回避したはず……」

 

「さぁ、どんどん行こうかフライトデクー!!」

 

 

『ATTACK FUNCTION BLOODY RAIN』

 

 

『ブラッディーレイン』を発動したフライトデクーは、その銃弾を実弾に変更しCPUによる補助を用いて跳弾による多方向からの射撃を開始した。

 

 

「くっ……型通りにしか使えない必殺ファンクションなんてなぁ!!」

 

「アッハハ!!楽しく踊りな!!」

 

 

360°から飛来する射撃を躱し、時に盾で受け止め、l片手剣で切り飛ばしながら、対処しているその様子を見てレイは改めて風間キリトが只者ではないと認識した。

 

 

「ッ、とった!!」

 

 

必殺ファンクションの銃弾を叩き落としデクーOZがフライトデクーの胸元にOZトマホークを叩きつけようとする。そして、デクーOZが吹き飛んだ。

 

 

「アッハハ、今のはちょっと……危なかったよ」

 

 

驚いて目を丸くしているキリトは、今何が起こったのか理解できなかった。すぐさまデクーOZのカメラをフライトデクーに向ければ……片手銃に殴られたのだと分かった。

 

 

「『ガン=カタ』って知ってるかい?まあ、どっちでもいいけどね」

 

 

そしてフライトデクーがデクーOZに向けて突撃を開始した。




レイ「フライト(しない)デクーだよ。通して」

フライトデクー「!?」


2丁拳銃殴りつけ→サマーソルト→射撃乱射→クレイジーサイクロン

小学生の頃無邪気にかっこいいからやってましたけど、今考えたらガン=カタですね……ガン=カタ……ですよね?

無印編終了後W編までの1年間を書き綴る予定ですが、原作通りW編を優先するか時系列順に書くかどうしましょうか。

  • 1年間を先に読みたい
  • W編を先に読みたい
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