サイコをスキャニングされちゃう被験者です♪   作:ゼノアplus+

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非日常、ミソラタウンにて 後編

3話

 

 

前回、2分もかからずに3機のLBXを瞬殺したレイは、バン達を唖然とさせていた。

 

 

「店長さん、LBXありがとう……すごくいい子だったよ」

 

「あ、ああ……どういたしまして?」

 

 

損傷のないグラディエーターを店長に渡したレイはまだ笑顔だ。店長は、あまりのバトルにそれを為したレイを驚愕の表情で見ている。

 

 

「それでレイ、何か欲しいものはあったのか?」

 

「あっ……バトルに夢中で見てなかった。でもそこまで気になる子もいないし、ボクは別にいいかな」

 

「そうか……しかし、何か買わなければただの冷やかしになってしまう。何かないのか?」

 

「うーん……」

 

 

真崎の言葉で再び悩むレイ。その間に、今のバトルに唖然としていた3人も復活したようだ。

 

 

「すっげぇ!!なんだったんだ今の……カズ、アミ、あの子すごいや!!」

 

「あ、あぁ……あんな奴がいるんだな……」

 

「すごい操作技術……自分のLBXじゃないのに……」

 

 

3人はレイの操作技術に感動しているようだ。そこで真崎はジオラマの中で倒れ伏すアキレスを見ながら考える。

 

 

(……ブレイクオーバーしている。今ならデスロックを発動させずにプラチナカプセルを回収できる?……いや、真野さんにあそこまで啖呵切ったし、そもそもここで取ったらただの強盗だ。流石に辞めとくか。八神さんも強盗犯が部下にいたくはないだろうしな)

 

 

プラチナカプセル……真崎達が所属する組織が現在最も欲しているものだが、この時の真崎の決断は英断だったと言えるだろう。

 

 

「あっ。じゃあDキューブを買おうかな。売ってる?」

 

「おう、種類は少ないが置いてるぞ。この中から選んでくれ」

 

 

店長が提示したキューブは全部で5種類。『砂漠』『地中海遺跡』『南極』『城砦』『月面』だ。

 

 

「ふむふむ……そうだねぇ……『城砦』にしようかな。はいお金」

 

「毎度あり。お嬢ちゃん、今後ともキタジマ模型店をご贔屓にな!!」

 

「ふふっ……是非ともね」

 

 

レイはDキューブを一つ買うと、真崎と共に店を出た。

 

 

「あっ!!」

 

「どうしたのバン?」

 

「……あの子に名前を聞くの忘れてた」

 

「あー……確かに」

 

 

店の中から聞こえてくる間抜けな声にクスリと笑うレイだが、すぐに真顔に戻った。

 

 

「そんなもの買ってどうするつもりだ?実験をするなら『闘技場』で十分だが?」

 

「いやいや、地形が変わったから負けました。とか洒落にならないからさ。少しずつジオラマを変えた方がいいと思わない?少なくともボクはそう思うんだけど」

 

「まぁいいだろう。使うかどうかを決めるのは奴らだからな」

 

 

商店街を歩きながら2人は話す。

 

 

「それにしても、あの3人組はどうだった?お前には雑魚同然だったろうが」

 

「うーんとね、発展途上かな。あれならもうちょい訓練したら今のユウヤ君には勝てるんじゃない?」

 

「ほぅ……(脅威としては十分……か)」

 

 

ヘラヘラと語るレイに真崎は興味深そうに首を縦に振っている。

 

 

「あの子達になんかあるのー?別に気にするほどじゃないと思うけど。あぁ、珍しい子を使ってたね」

 

「あの白いLBXがAX−00だ」

 

「ッ……なるほど。あの子が噂の山野博士の子供ねぇ……山野バン君、だったかな。アレ……プラチナカプセルを回収しなくてよかったの?」

 

「……今日はお前の監視任務以外、実質非番だ」

 

「アッハハ!!いっけないんだぁ〜」

 

「うっせ」

 

 

周りのカフェやコンビニ、本屋やゲームセンターなど、レイは真崎と会話しながらも初めて都会に来た人のように目を輝かせながら眺めている。

 

 

「腹減っただろ。適当な店に入るから選べ……それとさっきのことは黙ってろ」

 

「はーい……じゃああの店で。雰囲気良さそうだし」

 

 

レイが指を指したのは、ブルーキャッツという喫茶店だ。

 

 

「……お前、コーヒー飲めるのか?」

 

「ひどくない?ボクだってもう一人前のレディだよ。コーヒーくらい飲める」

 

「そうかよ」

 

 

真崎の訝しげな目線を無視しながらレイは店のドアを潜る。

 

 

「いらっしゃいませ。何名様でしょうか」

 

「2名です」

 

「お好きな席へどうぞ」

 

 

出迎えたのはマスターらしき男の人。小さいサングラスのようなものをかけている。

 

 

「軽食は取れるでしょうか?この街に来るのはなにぶん初めてでしてね」

 

「多少はメニューにありますよ」

 

 

人の良さそうなマスターはスッとメニューを渡してくれた。2人はメニュー表を眺めながら悩んでいる。

 

 

「レイ、選んでいいぞ」

 

「じゃあこのオリジナルブレンドコーヒーとサンドイッチ」

 

「俺も同じものにするか」

 

「畏まりました」

 

 

レイは雰囲気の良い店内を見渡している。普段が檻の中のような部屋だから珍しいのは仕方がないだろう。5分ほど待つと、サンドイッチとコーヒーが出てきた。

 

 

「美味しそ〜!!いっただっきま〜す!!はむ……むっ!!ねぇこれ……」

 

「あぁ……美味いな……コーヒーも絶品だ」

 

「喜んでいただけたようで何よりです」

 

 

料理とコーヒーに舌鼓を打つ2人。レイも問題なくコーヒーを楽しんでいるようだ。

 

そんな時カランカランと入店時の鈴の音が響いた。2人が扉の方を向けば、先ほどの少年達3人だ。

 

 

「へぇ……面白い巡り合わせだね」

 

「気を付けろ。俺達の最優先目標だ、油断するなよ」

 

 

3人は店に入ると迷わずマスターの方に向かって行った。マスターも彼らの名前を呼んでいるあたり、常連か知り合いなのだろう。そして、もともと店内にいた金髪の男の元に行ってジュースを飲みながら話し始めた。

 

 

「……ッ、なるほど。キミ達がねぇ……アッハハ。そっか、つまりボクの敵か。楽しみだねぇ」

 

「はぁ……楽しみがあるならいつもの生活も頑張れるってもんだろ?」

 

「それとこれとは話は別さ。どうしようもないから仕方なくやってるんだよ。組織の崇高な未来って奴のためにね」

 

 

どうやら2人とも実験生活には不満があるらしい。無い方がおかしいが。しっかりと5人の話を盗み聞きしたレイと真崎は檜山と呼ばれたマスターにお金を払って店を出ようとした。しかし……

 

 

「ねぇ!!さっきキタジマにいた子だよね!!」

 

「んん?ああ、さっきの騎士君じゃないか。それに狼君とクノイチちゃんも」

 

 

バンがレイに話しかけた。

 

 

「よぉ……さっきぶりだな」

 

「わざわざどうしたの?もしかしてナンパ?アッハハ!!可愛い子がいるくせにまだ足りないのかな?」

 

「かわっ!?……むぅ」

 

 

アミを見ながら言ったレイに、アミは頬を染めて膨らませた。

 

 

「違うよ。その……君の名前を聞いてなかったなって思って。あ、俺は山野バン。こっちは相棒のアキレス!!」

 

「俺は青島カズヤ。コイツはハンターだ。狼君じゃねえよ」

 

「私は川村アミ。この子は……って知ってるわよね。クノイチよ」

 

 

3人がそれぞれ自己紹介をする。レイは心の中で、苗字考えてないんだけど……と思うが、まあいいだろうと楽観的に考えて自己紹介を始めた。

 

 

「ボクはレイだよ。一人称はボクだけどちゃんと女の子だからよろしくぅ〜」

 

 

軽く挨拶して手をヒラヒラさせている。

 

 

「バン、知り合いなのか?」

 

「宇崎さん。さっきキタジマでバトルしたんですけど、すごく強くて!!」

 

「まさか3対1で負けるとは思わなかったよな〜」

 

「なに?……彼女はそんなに強いのか」

 

「いやいや、ボクだって負けることはあるよ。あの子の性能も良かったからね」

 

 

あくまでグラディエーターの性能がいいという事実を主張するレイだが、その操作技術はすでに映像として保存されているので説得力がない。もちろんそんなことをしたのはアミである。

 

 

「ほぅ……レイはどんなLBXを使うんだ?

 

 

店のマスター、檜山が興味深そうにレイに聞いてくる。もうすでに呼び捨てなのはご愛嬌だ。

 

 

「アッハハ、ボクはLBXを持ってないよ。普段はレンタルしてるからね」

 

 

笑いながら語るレイにどうやら皆の毒気も抜かれたようだ。

 

 

「レイ。そろそろ行こう」

 

「あ、はいは〜い。じゃあ皆さんそういうことで。じゃ、()()()♪」

 

 

意味深にレイが最後を強調しながら店を出た。その顔はやはり笑顔だ。店を出ればまた真顔に戻ったが。

 

 

「海道さんにこのこと言わなくていいの?普通に裏切りじゃない?ボクまだ死にたくないんだけど」

 

「うるせぇ。俺達黒の部隊は、八神さんについて行ってんだよ」

 

「八神さんねぇ……ちょっと正義感が強すぎる気がするよ。ああ、もちろん良い意味でね」

 

「そうかよ……それで?今日の出来事でなんか思い付いたか?」

 

「まっかせてよ。戻ったら速攻で開発部だね」

 

「頼もしいこって……」

 

 

真崎はやれやれと首を振りながら、真野達が待つ車まで2人で歩いて行ったのだった。

 

 

 

 

〜いつもの部屋〜

 

 

 

 

「たっだいま〜。うん、やっぱボクの部屋はこうでなくっちゃ!!」

 

「それはそれでだいぶ終わってんぞお前」

 

 

レイの自室に戻ってきた本人はすでに患者服に着替えている。着ていた服は真野に預けたようだ。

 

 

「んじゃ、開発室に行くぞ。ちなみになにを思い付いたんだ?」

 

「ん〜?デクーのバリエーション機だよ。今は軽装型と監視型しかないでしょ?監視型は重要施設の警備用。軽装型は一般隊員の訓練用。ノーマルはいつも通り。なにが足りないと思う?」

 

「知るかよ。俺は実行部隊だっつーの。頭使うのは得意じゃねえんだ」

 

「アッハハ!!お馬鹿さーん。えっとね、指揮官機並びにそれに伴う随伴機が必要だと思うんだ」

 

「……はぁ?」

 

 

レイの主張に首を傾げる真崎。よく分かっていないようだ。

 

 

「例えばウチってさ、部隊ごとにリーダー機に随伴機が全部デクーじゃん。それをリーダー機だけ特殊なLBXにしたら部隊っぽくていいんじゃないかな〜って。あとは……雑に姿勢制御を強化してランチャーとかの反動がでかい武器を携帯しても問題ないようにする。なんかな〜って思ってたけど、あの子達のLBXを見て思いついたよ。ウチのLBXには彩が足りないッ!!」

 

「なるほどな……お前、義務教育も終了してねえのによく思いつくな」

 

「勉強は関係ないよ。パッと思いつくだけさ。それを形にするのは技術班の仕事だからね。あれれ、もしかしてボク天才だったりする?」

 

 

ハッとした表情でレイは真崎に問いかけた。若干ニヤニヤとしているが。

 

 

「こんなところにいると宝の持ち腐れだけどな。ほら、着いたぞ。行ってこい」

 

「あいあいさ〜」

 

 

レイは自動扉の奥に消えていく。技術班と変態トークでもしているのだろう。技術面で。

 

 

「全く……この組織がクソ共の集まりだってことは知ってるよ。お前みたいな奴が、お前みたいな性格になる程のことをされてるんだからな」

 

 

真崎は拳銃のトリガーに指をかけクルクルと回しながら呟いている。

 

 

(八神さんはどうして気づかない?……まぁ、俺は俺の仕事をこなすだけさ。いつか八神さんが変なこと企んでたらアイツも参加させてやろう)

 

 




レイ達が去った後のキタジマ模型店店内は、レイのバトルのことで盛り上がっていた。そんな中、店長はレイより返されたグラディエーターをチェックしていた。


「おいおい……こんなことが……」

「どうしたの店長?」

「コアスケルトンの関節がイカれてるんだ。恐らくレイの操作に機体が耐え切れたかったんだろうな。はぁ……また直さないと……」

「ホントに強いのねあの子……」

「もしアイツが俺達みたいに自分の……自分用にカスタマイズしたLBXを使ったら……」

「まさしく、世界クラスだろうな」

「「「………」」」

「私達も結構強くなってる自信はあったけど……」

「上には上がいる……カズ、アミ、俺もっと強くなりたい」

「ああ!!」

「ええ!!」

「そうと決まれば」

「もう一回バトルだ!!」

一回の戦闘シーンは長い?

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  • もっと細かく描写して欲しい
  • トロイ弱体はよ
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