サイコをスキャニングされちゃう被験者です♪   作:ゼノアplus+

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アングラビシダス3回戦 バンVS箱の中の魔術師

6話 

 

 

「一回戦突破おめでとう3人とも。良いバトルだったね!」

 

「…………ありがとう、レイ」

 

「おやおや〜?あんまり嬉しくなさそうだね……ああ!敵のボクに祝福されても嬉しくないか。アッハハ!!気づかなかったよ、ごめんね〜……あだっ!?」

 

「お前天然で煽ってんのか」

 

 

いつも通りケラケラと笑いながら祝福をするレイにゲンコツをお見舞いした郷田。若干涙目のレイは真崎に目を向けた。

 

 

「ちょっと、ちゃんと助けてよ!!」

 

「いや……お前が悪いだろ。今のはただのじゃれあいだ」

 

「なっ……職務放棄!!八神さんに嘘8割で密告してやる!!」

 

「マジでやめろよ!?絶対に会わせねぇからな!?」

 

 

ギャイギャイと騒ぐ2人に唖然とするバン達。

 

 

「……本当にイノベーターなのかしら……なんか」

 

「ああ、どっちかっていうと……いとこ同士みたいな?」

 

「あのおっさん話がわかるじゃねえか」

 

「あぁん?俺はまだ27だ!!」

 

 

ふと郷田の零した『おっさん』に反応した真崎が郷田を鋭い目で射抜く。郷田はスッと目を逸らした。

 

 

「アッハハ!!アラサーなのに恋人もいないおじさん……うん……なんかごめんね」

 

「うるせぇ!!そんな哀れみの目で見るな!!あとおじさんちゃうわ!!」

 

「バン……とりあえずアキレスをどうにかしましょう」

 

「あ、ああ……そうだねアミ」

 

 

まだ騒いでいる2人を置いて、バン達は右腕の無くなったアキレスを取り出した。そのままどうするか悩んでいた3人のところに、郷田は近づいて……

 

 

「これを使えバン」

 

「郷田……これは……ハカイオーの腕。どうして……」

 

「パーツ交換はLBXバトルの醍醐味だぜ……俺のハカイオーの腕を使うんだ。絶対勝てよバン」

 

「……ああ!!ありがとう郷田!!」

 

 

アキレスにハカイオーの右腕を取り付けた。そんな彼らの元へ、喧嘩が終わったレイと真崎が近づいてきた。

 

 

「あれ?……パーツの交換したの?アッハハ!!アンバランスだけど、逆にそれがいい味を出してるね!二回戦も頑張ってね3人とも」

 

「いや、バンは3回戦からよ」

 

「およ?」

 

 

アミがレイにタブレットを見せる。どうやらトーナメント表らしい。そこには、二回戦でバンと戦う予定だった選手の両名が同時に破壊されたことによるバトル続行不可能で、バンが三回戦へ不戦勝になったことが書いてある。

 

 

「アッハハ!!不戦勝か〜。運も実力のうちってね♪流石バン君。もってる〜」

 

「おい、近寄るな」

 

 

レイがバンの肩を叩こうとしたのを見て郷田が止めた。

 

 

「むぅ……まだダメか〜。まあ良いや、じゃあアミちゃん、カズヤ君頑張ってね〜」

 

『二回戦出場選手はステージにお集まりください』

 

 

アナウンスが響きアミとカズヤがステージに行った。

 

 

「どもどもバン君。解説のレイです〜よろしくね♪」

 

「はぁ……?」

 

「さっきもこんな調子だったから気にすんなバン」

 

 

観客席でレイ、郷田、バンは並んでステージを見下ろす。すでにジオラマの前には選手がスタンバイしている。アミの相手はジンのようだ。

 

 

「海道ジン……秒殺の皇帝……流石のお前でも、あれの解説は出来ないだろ?」

 

「アッハハ!!舐めてもらっちゃ困るよ……といっても、大型メイスを片手で振り回すのに耐え得る強度のアーマーフレームとコアスケルトン、そしてモーターを搭載してること。あとは……CPUとCCMの反応速度が速いことくらいしか分からないよ。あ、本人の技量もすごく高い」

 

「それくらい見りゃ分かるっての……まぁしかたねぇか」

 

 

『バトルスタート』

 

 

MCの抑揚のない声でバトルが始まった。しかし……

 

 

『クノイチ、ブレイクオーバー 勝者海道ジン』

 

 

「クノイチが……」

 

「あらら……だからこの前言ったのに」

 

 

バトルが始まったと同時に、アミの操作するクノイチはジンのジ・エンペラーに向かって突撃。一撃で勝負を決めようとしたが当たり前に躱されて反撃の一撃でブレイクオーバーしてしまった。

 

 

(……バトルを楽しむ気がないみたいだね。所詮は君も、誰かの言いなり……やっぱりボク達と同じ操り人形か。バトルのセンスは良いみたいだけど)

 

 

レイは目を細めてジンを見る。無表情で観客席にも戻っている。隣にいる白い執事の服を着ている老齢の男性がレイを見ると少し会釈してきた。レイを小さく手を振って返すとバン達の方を向き直した。

 

 

「次はバン君の出番だね。相手は誰?」

 

「仙道ダイキ、通称箱の中の魔術師。3体に分身するジョーカーを使うわ」

 

「分身?ふぅん……キミ達以外にもそんな面白そうな人いたんだ」

 

 

興味深そうに口元を歪ませてデータを眺めているレイ。やはり悪側の人間のような表情をしている。すでにバン達の中で普通に打ち解けているが。

 

 

やがて2回戦の全てのバトルが終わり、3回戦が始まろうとしていた。

 

 

『3回戦を開始します。出場選手はステージへお集まりください』

 

 

「行ってくる」

 

「海道ジンが相手か……まぁ、軽く捻ってくるよ」

 

 

バンとカズヤがステージに向かった。

 

 

「おい、カズは勝てるのか?」

 

「無理だね。相性が悪いってのもあるけど、操作技術が違いすぎるよ」

 

「ちょっと!!勝手に決めつけないでよ!!」

 

「まあまあ、見てれば分かるさ」

 

 

アミがレイを非難するが、レイはなんてことなさそうな顔でステージを見るよう促した。

 

 

『バトルスタート』

 

 

MCの声でバトルが始まった。もちろん、バンと仙道ダイキのバトルもだ。

 

 

「9秒とちょっとだね」

 

「え……何がよ……ッ!?」

 

『ハンターブレイクオーバー 勝者海道ジン』

 

 

レイが呟き、アミが問いかけた瞬間ハンターの首元にジ・エンペラーのメイスが突き刺さりハンターは倒された。

 

試合終了の時間はレイの宣言通り、9.9秒だ。

 

 

「うそ……カズがあんな簡単に……」

 

「簡単だよ。ハンターが銃弾を発射してから避けたんだ。確実に当たったと思い込んだカズヤ君の負けは当然さ」

 

「銃弾を……発射してから……?そんなことができるわけ……ッ!!レイ……確か貴方……」

 

「思い出した?そうだよ……ボクはあの時、ハンターが放った銃弾が発射されてからアキレスの盾を奪って防いだ。アッハハ!!出来る人は確かに少ないかもしれない……でも、可能なんだよ」

 

 

この結果は当然だ。とでも言うような言い方でレイはアミに告げる。

 

 

「おい、バンを見ろ……押されてやがる……」

 

「「え?」」

 

 

郷田の言葉でバンのフィールドを見る。するとそこには、アミの言った通り3体に分身してアキレスを追い詰めているジョーカーの姿があった。

 

 

「へぇ……あれがジョーカー。カッコいい子だねぇ……で、分身って何?」

 

「はぁ?見たら分かるでしょ。今まさにジョーカーが3体に分身してるじゃない」

 

 

アミが指をさす。ジョーカーは走りながら突然3体になり順々にアキレスに攻撃している。攻撃が終わればまた一体に戻り、動き出せばまた3体に……その繰り返しだ。アキレスはなすすべもなさそうに攻撃を受け続けている。確かにどう見ても分身しているようにしか見えない。

 

 

「どこが?ただ同じLBXを3体同時に操作してるだけじゃないか」

 

「「……え!?」」

 

 

レイのなんてことはなさそうな発言で郷田とアミが叫ぶ。信じられなかったらしい。

 

 

「アニメとか特撮でよくある分身っていうのは、1人の人物が高速で移動して何人にも増えたように見えるだけ。つまり、オリジナルの1人以外は全てほんの少し動作に遅れが生じるんだよ。誰かLBXのカメラ機能で見てみなよ。寸分違わず動いているから」

 

「ウッソだろ……おいアミ、どうなんだ?」

 

「本当だわ……完全に同時に動いてる……まさか、3体同時に操縦するなんて……」

 

 

掌にクノイチを立たせ、その目のカメラ機能でジョーカーの動きを追っている。

 

 

「単調な動きでいいならボクも出来るよ。今のところ最高は5体までかな。それ以上はCCMが処理できなくてぶっ壊れちゃったっけな」

 

「……もう貴女のことで驚かないわ」

 

 

どうやらレイの次元の違う発言にアミは諦めたらしい。郷田も頭を押さえている。

 

その時、バンのフィールドが光り輝いた。

 

 

「ッ!!……これが……これがVモード。すごい……ここまで機体性能が上がるなんて……!!」

 

 

フィールドでは、ダメージを積み重ねられたアキレスが急に輝きだし黄金の光を纏った。それに伴ってバンのCCMからスクリーンが展開された。レイはその光景にいつもの口調を忘れて子供のようにはしゃぐ。技術者としての一面もある彼女には凄まじい光景だろう。

 

Vモードを発動したアキレスは、バンの操作を受けつけることなく自立稼働しジョーカーに攻撃を加えていく。そして分身攻撃を全て受け止めて吹き飛ばした。

 

 

「……3体とも本物、レイの言う通りだった」

 

 

3体のジョーカーは全員、機体からスパークが迸った。

 

 

「アッハハ!!良いね……強いプレイヤーがカスタムしたLBX3機を同時に圧倒。しかもアキレスは片腕のバランスが違うと言うのに……そして、問題は一つ。プレイヤーが操作できないということのみ」

 

 

ニヤッと笑いながらレイは分析する。その情報は全てレイがしっかり記憶している。長所も短所も何もかも。

 

そのままアキレスとジョーカー3体は拮抗した戦いを見せる。しかし、流石のアキレスにも限界が来たのか、岩に背を向けて3体に囲まれてしまった。そして……

 

 

「やっとかいバン君。ヒーローは遅れてやってくるっていうけど、ちょっと遅いかもね」

 

 

レイに呟きに呼応するように、赤く光っていたアキレスの目が正常な色に戻った。

 

 

「行くぞアキレス!!」

 

 

バンが叫びCCMを操作し始めた。どうやらアキレスのコントロールが戻ったらしい。

 

 

「終わったかな。アッハハ!!決勝戦は見逃せないねぇ……」

 

 

レイはバトルの終了を宣言。そして、アキレスの『ライトニングランス』が3体のジョーカーを同時に貫き爆散させた。

 

 

『ジョーカーブレイクオーバー 勝者山野バン』

 

「バンが勝った!!」

 

「ナイスよバン!!」

 

 

郷田とアミがバンの勝利を喜ぶ。

 

 

「うんうん……そうこなくっちゃ。アッハハ!!今なお成長している……最高の観察対象だね」

 

 

残るバトルは、山野バンVS海道ジン。シーカー対イノベーターの代表戦だ。

一回の戦闘シーンは長い?

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