シャングリラ・フロンティア ~Side:Alinoiyu~   作:ゆくゆく

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初書きです。


進め、忌まわしき記憶を越えて
運命の分岐点


  アラブからの転校生。そんなあり得ない存在が私の仮初めの日常を壊し、そしてあの日以来逃げ続けていたあの世界に戻るきっかけとなったのだった。

 

 

 ◆ 

 「ねえねえ、聞いた?今日転校生がくるんだってさ!」

 

 「へぇ、学期始めでもないのに珍しい。どんな子なんだろ」

 

 「うーん、それがどうも石油王の息子だって言う噂が…」

 

 ちょっと待て、なんだそれ。

 

 「え、石油王?マジで!?」

 

 「やー、ホントかどうかはわかんないけどさ、もしそうだったら夢があるよねぇ」

 

 私の親友、井上真理佳が軽い調子で言っているけどそんな軽いことかなぁ…

 

 「ねえねえそれより昨日の世界百景見たー?いやー、まさかナマコがあんな風になるなんて…」

 

 え、もう石油王の話終わりなの…?ていうかナマコがどうした。

 

 「なにそれ、詳しく」

 

 「えーっとねぇ…」

 

 「おら、お前ら席つけー、今日はなんとアラブからの転校生がくるぞー」

 

 「あ、先生来ちゃった。じゃあまたあとでねー」

 

 「えっ、あっ、ちょっ!」

 

 流石にこの状態で放置は生殺しが過ぎるんじゃないだろうか、とはいえ転校生の話も気になるし…

 

 「おーい、入ってきていいぞー」

 

 先生の声を受けて開かれた扉から入ってきた少年をみてクラス中が凍りついた。何故かって?そりゃあインド系のとんでもないイケメンがこれまためちゃくちゃ綺麗な執事さんに連れられて入ってきたんだから。

 

 「うん、じゃあ自己紹介を頼む」

 

 「ええ、分かりました。クラスメイトの皆!私の名前はアーキル・ザーイド。気軽にザーイドと呼んでください。」

 

 そんな言葉と共に放たれた優しいスマイルにやられた女子たちの黄色い悲鳴がクラス中に響く。…まぁ、私も上げてるんだけど。

 

 「ん、ありがとう。まぁ、細かい質問とかはあとで勝手にやっとくれ。じゃあ席だが……有野の横が空いてるな。ザーイド、そこに座ってくれないか?」

 

 うえっ!?

 

 「有野さん、だっけ?よろしく」

 

 「えっ、あっ、はい!よ、よろしくお願いします!」

 

 ヤバい、超どもってる。うわー、近くでみるとキラキラがすごい、キラキラが。うわー、すげー、うわー…

 

 「ザーイドはまだ教科書がないから有野は見せてやれ、じゃあ今日のHRは終了!一限の準備しろー。」

 

 ……ハッ!あまりのキラキラオーラに思考が飛んでた。一限は確か数学だったかな…

 

 「ねぇ、有野さん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」

 

 ゑ?

 

 「シャングリラ・フロンティアって知ってるかな。」

 

 え……?何でその名前を?どうして私に?私のことを知っているの?そんな無数の質問が頭のなかで浮かんでは消えていく。思考がまとまらない。とりあえずなにか答えなくちゃ……

 

 「……えっと、うん。知ってるよ…」

 

 なんとか絞り出した答えを聞いた彼は嬉しそうに、しかし私にとっては残酷にある提案をしてくる。

 

 「じゃあさ、私と一緒にシャンフロをプレイしてくれないかな。」

 

 今度こそ私の思考は完全に停止した。

 

 

 

 





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