シャングリラ・フロンティア ~Side:Alinoiyu~   作:ゆくゆく

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ツチノコの輝き

 

 「ふぅ・・・」

 

 上がっていた動画を見終わって、自然と息が漏れる。動画には、シャンフロプレイヤーのひとつの到達点がまざまざと映し出されていた。数多の強力な武具、大量のスキル、そして最後に抜かれた太刀『覇国兇嵐(アガトレオ)』。シャンフロをやっているならどんなプレイヤーでも驚く新情報の数々。

 

 でも私の目はサンラクというプレイヤーの決して折れない不屈の心に惹き付けられた。オルケストラが生み出した分身と戦う中で幾度となく防がれた攻撃。本人は忖度ガードって言ってたっけ・・・私だったら2回目くらいでもう諦めてしまっているだろう。

 

 けれど、()は諦めなかった。幾度の攻撃、防御を超えて見事ユニークモンスターを打ち倒した。

 

 何で?どうして?そんな疑問が浮かんだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?益体もない思考が頭を突く。ここで考えていても解決することは無い疑問。それが頭の中でぐるぐると回っている。何故?どうして彼はああも輝いているの?私がかつてその輝きを汚したはずなのに・・・

 

 何をすればいいのか、何が出来るのか。答えの無い問いが溢れる。・・・だけど、もし今のわたしにできることがあるのなら、それはあの世界に再び赴くことなのだろう・・・

 

 

 結局、私はまたこの世界に戻ってきた。彼・・・ザッド君はいるだろうか。事前に連絡をしたわけでもなければ、約束をした訳でもない。それでも何故だろうか、ここでなら会えるという予感がする。

 

 「・・・・・・あっ・・・・・・」

 

 この声は・・・

 

 「有野さん・・・?どうしてここに・・・」

 

 待って、『会えるという予感がする』(アンニュイ) (ちょっと浸ってる) みたいなことを考えていたとはいえいくらなんでも早すぎやしないだろうか。心の準備が出来てないんだけど・・・!

 

 「・・・えっと、ここにいたらザッド君に会える気がして・・・」

 

 ううう、恥ずかしい・・・でもここで言わなきゃ一生仲直りは出来ないだろう。頑張れ私。というか、最終的にあの妖怪ハンラトリアタマに謝ることを考えるとこの程度出来なくてはお話にならないのでは・・・?

 

 そう考えると楽になった。少なくともザッド君は訳の分からない動きで飛び出したり、全身の装備が弾け飛んで半裸になることは無いだろう。よし・・・!

 

 「・・・えっと、ザッド君。昨日はごめんなさい!」

 

 「えっ・・・あー、いや、僕の方こそごめんなさい。君の気持ちも考えずに無責任なことを言ってしまった。」

 

 「いやいや、ザッド君は悪くないよ。私が勝手にキレただけなんだから。」

 

 「いやいやいや、そもそも僕が絡まれなきゃあんなことにはならなかったわけで・・・」

 

 「いやいやいやいや」

 

 「いやいやいやいやいや」

 

 「お二人共・・・その辺にされてはいかがです?先程から少しも話が進んでないのですが。」

 

 執事さんに止められてしまった。まぁ、正直どっちも頑固だなとは思ってたけど・・・

 

 「えっと、有野さん。私と仲直りしてくれますか・・・?」

 

 ふぐっ・・・!待って、上目遣いで若干涙目で仲直りしてとか・・・可愛すぎる・・・!!・・・・・・って違う違う。

 

 「私の方からお願いしたいよ・・・ザッド君、私と仲直りしてくれる・・・?」

 

 互いの関係の修復を求めるその言葉への返答は、

 

 「・・・うん!」

 

 満面の笑みと共に放たれた肯定の言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 それはそれとしてやっぱり可愛い。

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