新訳・転生マブラヴ オルタネイティヴジェネレーション移設版   作:うさぎたるもの

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色々とあって結構遅れました 


誕生日会 そして 秘密の共有

1989年5月25日 日本帝国の五家の跡取りの一人がようやく満16歳を迎えたことで、五家を含めた、それにつながる多くの家も呼ばれての誕生日を迎えていたがその誕生日の主役はすでに訓練校の同期であり、篁家に連なる家柄で同じ年になっている女性をとある部屋に呼んで、秘密の会話をおこなおうとしていた、それは後に戦場での戦いで【鬼姫】と呼ばれることになる女性であった。

 

 

「それにしても、今日の主役がこんな所で、私と油を売っていてよろしいのでしょうか?」

 

青い瞳で青い髪をしたうえで青い着物をきてこの呼ばれた男性にしっかりとした意見をいっていたのだ。

 

 

そう、斑鳩崇継という男性にだ。

 

「君もわかっていると思うが、こんな日でもなければ今の君とはなかなか会うことができないからね、なんせ君は篁栴納の従姉妹にあたる人物であり、血もある程度つながっているとなればなおさらだと思わないか?」

 

「・・・・・・・・それは・・・・確かにそうです、ですが、それとこれとは関係があるのでしょうか?」

 

実際に斑鳩崇継は今まで読んでいたと思われる本らしき物を黙って【崇宰恭子】の前に差し出しているのだ。

 

今にもお前も呼んでみろと言う事を無言の表情と言ってるのだから、質が悪いどころではない、また崇宰恭子もどのみちこの差し出された本らしき物を読まなければ帰れないと分かったために、しぶしぶとその差し出された本を手に取って、黙って読んでしまう。

 

「・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!!!!・・・・・・・これは・・・わかっているのですか!!!! あなたが差し出した本は本は・・・・」

 

 

「ああ 第三世代戦術機不知火の最高機密がタップリ詰まった本であるということはね、ただね僕にも簡単に手に入れられる程度の本でしかないということもわかっているはずだ」

 

実際に崇宰恭子がみた本の内容は実にシンプルにしか書かれていなかった。

 

高機動型試作機不知火【通称レッドフレーム】汎用試作機不知火【通称ブルーフレーム】

 

指揮官機専用試作機不知火【通称ゴールドフレーム】の三機とあとは訓練機の吹雪のスペック表や武装を含めた内容しか書かれてなかったが、それでもようやく第三世代機の不知火機を量産配備している程度でしか日本帝国にしてみれば、このスペックが主に出てしかも海外のスパイなどに手に落ちてしまえば、今の日本帝国の戦力の優位性は一瞬で消えてしまうの誰だってわかっている事である。

 

 

五摂家が一つ斑鳩家の若き当主候補の斑鳩崇継の手にこの手の情報が入っているのは彼があくまでも筆頭候補の一人であり、情報を簡単に手に入る地位にいるおかげである。

 

無論彼女も五摂家の一角である崇宰家の血縁者の一人であり、近衛軍の訓練校に入っている事からも十分筆頭候補のうちの一人ではあるが、だがここまでの情報は未だに手に入れていないのは、それは単に国内の派閥の問題でしかない。

 

今では契約者の家柄になった篁家に連なる崇宰恭子にこの手の情報が下りてこないは崇宰派閥や中立派閥、反対派閥の多くがあまりにも崇宰家に連なる家柄に後の日本帝国の派閥のパワーバランスを崩されたくないと思った派閥達が一時協力してまでも、この手の情報をあげなかったのだ。

 

 

「みれば見るほど・・・・わかると思うが、我々近衛に連なる者達と日本帝国側との技術協力で作られた、戦術機ではないと、分かるほど明らかに第二世代型より性能が圧倒的に上であるのは、この手の本を持っている奴は誰だって知っている・・・・我々が訓練機として使っている吹雪でさえ、不知火とのパーツ共通率は驚きの九割越えだ」

 

 

「君だって僕だってそうだ・・・吹雪を近衛は訓練機として使っているけど・・・・あれだって不知火から実戦用のパーツを抜いて作り上げた機体だ、確かに我々が作ったと言えるが・・・本当は火星軍と火星政府からの技術協力かもしくは、不知火の機体を丸々作ってもらって、それを裏取引などして、我々日本側に渡されたということがしっくりくる内容だと思わないか?」

 

斑鳩崇継の説明の言葉に・・・・ただ黙って聞いているしかないのが、崇宰恭子の立場である、彼女だって訓練機の戦術機である吹雪を昨日も実機訓練で乗って動かしてきたばかりである。

 

 

それに斑鳩崇継から渡された、極秘機密の本の内容は試作機の不知火と現在日本帝国と近衛側が協力して量産配備している、不知火のフルスペックよりも圧倒的に試作機の不知火の方が性能すらも上であった、確かに量産効率を考えれば、ある程度のスペックダウンは仕方がないが、だかここまで圧倒的にスペックが違っていれば、正解は一つでしかない。

 

 

「・・・・・・・・・なにも言えません・・・・ただし斑鳩崇継の言ったことが正しいのかは、それは分からない方が良いと思います」

 

 

「そうだね・・・・確かにそうかもしれないが・・・僕的には分からないままよりも、分かった方がいいと思って君を呼んだんだけど・・・君の考えと僕の考えは一緒ということで良いと思っていいのかな・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

「沈黙が答えになることもある・・・確かに・・・この手の情報を流してしまえば、日本帝国は・・・世界中からそれとも火星側からも見捨てられる可能性が高いからね」

 

 

確かにそうなのだ、この手の裏取引は政治的な意味も持っていて当たり前である、それを表に暴露したら、日本も火星も共に傷ついてしまうのは誰だってわかるのだ。

 

 

「しかもだ、おそらく・・・火星軍が渡したと思うのはこのブルーフレームだと僕は思うよ、だって今では日本帝国の主力量産機になっているんだ、汎用性が圧倒的に高い第三戦術機は偵察型、射撃型、そして高機動型や重武装型にいくつも装備と機体の両方を換装することで、高い汎用性と量産性をだしているんだ」

 

 

「おまけに近衛軍が使っていた第一世代機のカスタム機である瑞鶴のフレーム技術、アクチュエーター技術なおかつバッテリー技術は、日本近衛軍お抱えの技術会社でようやく作れた代物だ、それが主力量産機不知火や訓練機吹雪の機体性能をはじめとして、同じ瑞鶴でさえも十割以上性能差だ、この技術力が近衛軍お抱えの軍事産業や日本帝国のお抱えの軍事産業がたった三年の間に作り出せると?」

 

 

その表情は確かに十六歳になったばかりの男性の表情ではあったが同時に頭の切れ味は切れすぎていたのは無理はない、実際に政治的に簡単に手に入ると言っても彼も今では近衛軍の訓練校の訓練兵であるのは間違いではないのだ、

 

それが自分の誕生日までの間に、この手の機密書類を簡単に手に入れられる情報網やコネを含めた政治力を見せつけられた、崇宰恭子はただ黙って自らの手にある機密書類の本を持つことしかできなかった。

 

「それで君も・・・僕と同じ共犯になれたと思いたいけどね、最も君がその本を持っていると知らったら篁家に連なる一族やその周りによって来た武家連中に余計な火種を与える結果にしかならないからね、この部屋をでるときはきちんと君一人で出てってくれよ」

 

「・・・・・・わかっています・・・・こんな物騒な火種は今の篁家の周りに武家連中にはいい取引材料になるでしょうね」

 

「そうだね・・・君だって他人ごとでは済まない、これは分かるはずだ・・・・だけど、僕はね、君だけはいつまでも政治的な意味で、置き去りにするのはいけないと思ってね」

 

 

「それも理解はしていますが・・・・私が他国に攫われたりしたら・・・・この手の秘密はその国に流れると思います」

 

「大丈夫さ・・・・君だって知っているだろう・・・君は篁家とは血のつながりがある人間だ、僕のように家柄で守られているわけではない、日本帝国や近衛軍のトップの両方がきちんと守っているさ」

 

実際に崇宰恭子と篁家に婿入りした千奈とのはある意味で血のつながりがあったりするは事実だ、ゆえに生まれている篁唯依の血の六分の1ぐらいのつながりは確かに存在している。

 

それに近衛軍代表として篁家の当主が火星軍の契約者になっているのも近衛軍的には色々と助かっている状態でもあるのだから。

 

こうしてこの誕生の夜を境に崇宰恭子と斑鳩崇継はある種の秘密を有した友人となっていく。

 

 


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