このすば ハード?モード   作:ひなたさん

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この話、かなりの修正をしたので変なところが出るかもです…。

戦闘描写はやっぱり難しい。

10話です。さあ、いってみよう。


10話

「だから、四回も『エクスプロージョン』したんだぞ?完全に俺の勝ちだよ」

 

「な、何を言ってるんですか!?『エクスプロージョン』は勝ちになりませんよ!?というかルールを破ってるのに気付いてください!」

 

「むしろルールを破っているのに『エクスプロージョン』を俺に三度も許したゆんゆんの負けだよ。四対三、対戦ありがとうございました」

 

「ええっ!?無茶苦茶です!しかもなに勝手に終わらそうとしてるんですかっ!?」

 

 YOU LOSE!

 俺の勝ち。何で負けたか、明日まで考えといてください。そしたら何かが見えてくるはずです。ほな、おやすみ。

 

 布団に潜ろうとする俺を全力で止めてくるゆんゆん。ボードゲームでめちゃくちゃ仲良くなった気がする。

 そのボードゲームで明日からも頑張るがよい。先程のアークプリーストでも誘えば良いと思います。きっとあのアークプリーストなら可能性はあるでしょう。

 

 

「ま、待って!待ってください!わかりました!四対三の状態で良いですから!もう一回ちゃんと正々堂々と対戦しましょう!」

 

 この負けず嫌いちゃんめ。いい加減俺は眠いんだ。もうすでに深夜二時過ぎ。明日もまだ二人のパーティーだったら遊んでもいいかもしれないが、明日からはトリスターノもいるんだ。遅刻も出来ないし、早く敗北の味を噛み締めて寝てほしい。

 

「私、本気出しちゃいますから!ワンゲームならすぐに終わります!あと一回だけですから!」

 

 ほう……?そこまで言うなら仕方ない。

 眠いが、嫌々付き合ってあげるとしよう。

 

「も、もう、見ててくださいね。絶対にすぐ勝っちゃいますから。さあ、駒を並べ終わりま……」

 

「『エクスプロージョン』!」

 

「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 YOU LOSE!

 俺の勝ち。何で負けたか、明日まで考えといてください。そしたら何か見えてくるはずでうわ、やめろ!掴みかかってくるな!頭を揺らすな!

 

「何でちゃんと勝負してくれないんですかああああああ!!!」

 

「こ、ここまで『エクスプロージョン』してきたのに『エクスプロージョン』対策しないゆんゆんが悪い!はい、おやすみ!閉廷!解散!」

 

「そんなわけないでしょおおおおおお!!」

 

 

 

 俺らが寝たのは深夜三時過ぎだった。

 

 

 

 

 

「おはよう」

「おはようございます」

 

「おはようございます。だ、大丈夫ですか?お二人とも寝不足ですか?」

 

 朝、ギルドでトリスターノと合流していた。

 ゆんゆんのせいで完全に寝不足だ。あの後ゆんゆんが意外な抵抗を見せるせいで無駄に汗をかいてしまった。おかげでシャワーを浴びるハメになり、更に睡眠時間は削られることになった。

 

「……もしかしてお二人はお付き合いされているとか?もしかして私お邪魔でした?」

 

「「違います」」

 

 妙な勘繰りはやめろ。どんなパーティーだよ。違うパーティーしてんだろうが。

 

「は、はあ……?あの、私あまりデリカシーが無くて、出来ればはっきりと言ってくださった方が」

 

「「違います」」

 

「……わかりました。それでは朝ごはんにしましょう」

 

 腹が減っては何とやら。ゆんゆんのせいで寝る前から空腹だったんだ俺は。

 俺達は朝食を済まし、さっそくクエストを受けることにした。

 

 

 

 俺達が今回受けたクエストはコボルト退治。

 コボルトは犬頭の人型モンスター。強くはないが繁殖力が強く、ギルドからも討伐を推奨されている、弱いけど報酬的においしいモンスターの一種。

 

 それだけで終わればただの良いクエストだが、そんなわけがなく、奴等の群れには厄介なモンスターが付いてくる。

 初心者殺しという、その名の通り初心者が狩りにいくようなモンスターの群れを利用して、冒険者が弱ったり押されてくると現れ初心者冒険者を狙ってくるというなかなかにエグめのモンスターだ。

 姿はまるでサーベルタイガーのようで、そもそもの戦闘力が強いくせに知能も高めの小狡いモンスター。こいつのせいで難易度は格段に変わってくるのだ。確実に出るとは限らないが、用心するに越したことはない。

 

 この世界は本当に不親切だ。

 これも邪神のせいに違いない。

 

 

 コボルトの討伐依頼の内容は奴等の巣の殲滅。それを探すのにかなり苦労するはずなんだが、

 

 

「ここで間違いありませんね。お二人とも準備はいいですか?」

 

 このイケメンの元アーチャーは盗賊のスキル『敵感知』を持っていたお陰で、そこまで苦労せずに巣を発見してしまった。奴らは洞窟を巣として利用しているみたいだ。

 幸いにも初心者殺しの姿も見当たらないし、敵感知にもそれらしい反応も無いらしい。

 

 やっぱり俺も冒険者にすればよかったな…。

 

 巣の周りを見ると二匹、見回りのように立っている。

 

「じゃあ作戦通りに」

 

 俺が言うと二人とも頷いてくる。

 作戦というほど作戦でもないのだが、俺はもちろん前衛で戦い、ゆんゆんは後衛だが敵に見えるようにして戦い、トリスターノが影から援護と牽制、敵感知をする。

 

 悪くないパーティーだろう。二人も後ろにいるなら、俺も安心してやらかせるもんだ。

 いや、やらかす気はないんだけどね?まだ冒険者として数日だし、昨日実際やらかしてるし。

 アレだ、やらかしても大丈夫だと考えよう。思い切り戦えばいいのさ。

 すでに二人には俺が弱いことは伝えてある。二人は初心者なんだし当たり前だという顔をしてた。

 

 ただ不安な要素が二つある。

 一つは先程挙げた厄介なモンスターの初心者殺し。

 これに関しては敵感知に反応があり次第すぐに逃げながら、ゆんゆんの魔法をぶつけて逃げるか倒すかするしかない。

 

 二つ目は金髪碧眼のイケメン冒険者のトリスターノだ。

 正直俺よりも活躍しているが、あのマッチングプロフィールでパーティーに入りたいとか言ってる奴をどうしても信用しきれない。

 もし裏切られたりすれば確実に俺は死ぬ。

 ゆんゆんには朝イチで何かおかしな言動を見せたら警戒する様に言ってある。何かあってもゆんゆんだけならなんとか生き残れるだろう。

 もうなるようになるしかあるまい。

 

 作戦は俺とゆんゆんが茂みから飛び出すことで開始する。俺が飛び出し、それについてくる形でゆんゆんも飛び出す。

 奇襲は成功。二匹が俺達を発見するが、すでに抜いていた剣で一匹の首を切り落とした。

 

 

 うう……流石に人型モンスターに斬りかかるのは気分的にしんどいな。カエルも普通に殺せたし大丈夫と思ってたけど、俺はこんな女々しい奴だったかな。

 気持ちを切り替えろ、やらなきゃ殺されるんだ。

 すでにもう一匹はトリスターノの狙撃で頭を貫かれ絶命していた。

 二匹が俺らを発見した時の声に釣られて巣からワラワラとコボルト達が湧き出してくる。

 

「任せてください!『ファイアーボール』!!」

 

 ゆんゆんが魔法を放つ。

 あれって、カエルが爆発四散したやつじゃ…。

 

 なんとか身構えようかと思ったが、爆発音と共に爆風が巻き起こり抵抗も出来ず敵と同じく俺も吹き飛ばされる。

 

 

 ゆんゆんさん、張り切りすぎ。リラックスしてお願いだから。

 

 

 立ち上がりつつ抗議の視線を向けると、ゆんゆんも呆けたような表情で固まっている。

 パーティーでのクエストということで、また舞い上がっちゃったんだろう。

 

 って、そんなことを考えてる場合じゃない、剣をとって急いで立ち上がり状況を確認する。目視ではあるが約半数は倒せたように見える。

 ゆんゆん恐ろしい娘。あとで加減を覚えるように言わなくては。

 さあ、レベリングのじか

 

 

 

「まずいです!敵感知に一体反応があります!急速に接近中です!」

 

 

 

 影から飛び出しトリスターノが大声で俺らに伝える。

 

 

「恐らく初心者殺しです!」

 

 

 ま、まじか。来ちまったか。

 

「ゆんゆんさんの最大火力でどうにかなりませんか!?」

 

「多分倒せると思いますがコボルトもいますし、当てられるかどうか……」

 

 よし、逃げよう。勝ち目のない戦いなんてしたくない。

 

「撤退だ!一回立て直すしかない!」

 

 三人で必死に逃げる。コボルトはゆんゆんの魔法にビビったのか追って来ていないが、奴はまだ俺らを諦めていないらしい。

 走りながら後ろを軽く確認してみたら、すでに目視で確認出来るぐらいには近付かれている。

 

「ゆんゆん、コボルト無しならいけるか!?」

 

「当たれば倒せます!今日も調子が良いですし!」

 

 もう立ち向かうしかないだろう。俺が食われて死んだら邪神を殴りにいけるし、悪くない!と無理やり覚悟を決める。

 

「私が足止めします、その間に魔法の準備を!」

 

 全員立ち止まり、戦闘態勢に移る。

 俺も役に立つかわからんが、二人より前に出て剣を構える。

 

 

「ゆんゆんさんほどじゃないにしろ、実は私もすこぶる調子が良くてですね」

 

 まあ確かに俺の周りにいた奴を綺麗にヘッドショットしていたが。

 

「今日は狙ったところを全く外さないんですよね」

 

 なあ、変なフラグじゃないだろうな。これ以上面倒なことは御免だぞ。

 

 トリスターノが弓を構え、引き絞る。

 弓を構えてる姿ってだけで絵になるイケメン。腹立つな。

 鋭い音を立てて放たれた矢はまるで吸い込まれるようにして初心者殺しの左目に突き刺さった。

 

 こ、こいつマジか。

 弓道の経験、といっても数日間しかやってないが動かない的にすら当てるのも相当難しいのに、動いている数センチ程の的を正確に射抜きやがった。

 

 驚愕していたらトリスターノの野郎がドヤ顔とウインクをしてきやがった。やめろ、気持ち悪い。これだからイケメンは。

 

 ゆんゆんさん、お願いします!

 

「い、いちいち敬語はやめてください!『ライトニング』!!」

 

 ゆんゆんの杖から電流が初心者殺しへと飛んでいく。電流は初心者殺しの身体を貫通し、後方の木を一本へし折った。

 初心者殺しの顔の正面からケツの方向まで手のひらほどの風穴が出来ており、向こうの景色が見える。その後ボトリと音を立てて初心者殺しが崩れ落ちた。

 

 

 ……俺の仲間怖い奴しかいないんだけど。

 

 

「……」

 

 

 流石のトリスターノも絶句している。そしてゆんゆんも絶句している。

 いや、君は自分の力を再認識しとこうよ、マジで。いつ吹き飛ばされるか、わかったもんじゃない。

 

 

 

 

 

 

 俺がコボルト七匹目を倒したところで、全てが片付いた。情けないことに討伐数は俺が一番少ないだろう。

 

 俺達はあの後またすぐにコボルトの巣に戻り討伐を再開していた。

 誰も怪我してないし、本当に良かった。

 俺が怪我しなかったのは、トリスターノが俺の周りに来る奴を狙い撃ちしてくれたからだろうが。

 

 

「にしても凄まじい威力の魔法でしたね。あれが中級魔法なんて信じられません」

 

 三人とも合流し、トリスターノが語り始める。

 やっぱりそうだよな、俺の感性は間違ってないよな。中級なのにあんな恐ろしい威力なわけがない。

 

「あ、あの初心者殺しの時は全力でやりましたけど、コボルトの時はそんなに魔力を込めてないはずなんですけど……」

 

 赤面しながら言い訳してるが、もしかしてまだ威力が上がるのか……?ゆんゆんさんだけは怒らせないようにしよう。

 

「よし、ゆんゆんさんのお飲み物を用意しろ!」

 

「御意」

 

「ええっ!?ちょ、やめてください!」

 

 俺の冗談に乗ってくれるトリスターノに恥ずかしがるゆんゆん。

 

 トリスターノの援護にかなり助けられてしまった。こいつがいなかったら普通に喰われて終わってた。こいつ個人の信用はまだ無理だが冒険者としての腕は信用していいだろう。

 

 

 俺らはなんとかクエストを達成したのだった。

 

 





この話にかなりの修正を加えたおかげで、書き溜めがなくなってしまったので、少し投稿頻度が落ちます…。すみません。

お気に入り登録ありがとうございます。
また増えてましたので、ここでになりますが改めてお礼をさせてください。投稿とかはじめてだったので色々と不安が大きかったのですが、やって良かったと思いました。
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