一人の少女がアクセルの街の中を歩いている。
年齢は高校生くらいで、腰まで届くウェーブがかかった茶髪に整った顔立ち。
学校のクラスで上から数えた方が早く名前が上がる程の美貌を持った少女だ。
今日はエリス感謝祭の三日目なのだが、その少女は楽しげな表情ではなく、眠そうで疲れたような表情だった。
少女は祭りで賑わう街の中をキョロキョロと辺りを見回しながら歩いているが、探しているもの、あるいは人は見当たらないようだ。
「ワン!」
少女の後ろから声をかけるように一鳴き、少女に付き従うように後ろを歩く白銀の美しい毛並みを持つ犬のような生き物からだ。
「見つからないね。結構探してるのに…」
少女はその犬の鳴き声がわかってるかのように返事をし、少し落ち込む姿を見せると、犬のような生き物は足に擦り寄ってきた。
「うん。もう少し頑張って探そうか。小腹も空いたし、そこの屋台の人にも聞いてみよう」
そう言って犬の頭を撫でると、犬は満足そうに尻尾を振った。
目に入った屋台の店員さんに注文をしつつ、少女は目的の情報を聞き出していた。
「ああ、ヒカルの旦那のことか。それなら、ほら」
そう言って指を差した先には、逃げる一人の男性を追いかける黒髪の青年の姿があった。
「待てこの野郎おおおおおお!!」
「いやああああああ!!そんな激しいプレイはいやよおおおおおおお!!」
「何がプレイだこの野郎!!何も知らない人が勘違いするだろうが!気持ち悪い悲鳴をやめて、さっさとお縄につきやがれ!」
二人のやり取りについて全く理解の及ばない少女はやっと目的の人物が見れて安堵している間に、目的の人物は走り去ってしまった。
「行っちまったな。祭りの期間中は街の警備をしてくれてるから旦那は忙しいんじゃねえかな」
「そうみたいですね。どうしようかな」
少女の目的はシロガネヒカルという冒険者に会うことだった。
やっと見つけたはいいものの、どうやらお取り込み中みたいだし、どうしたものかと悩み始めた少女に下心で店員は口を開いた。
「それならここで待つってのはどうだい?実は旦那は肉が大好きでね。うちの串焼きは毎日買いに来てくれてるから今日も来てくれるんじゃねえかな」
それは良い情報を聞いた。
待てこの野郎!いやあああん!とか言ってる二人にお待ちになってー、なんて追いかけるのは流石に少女も遠慮したかった。
体力的にも絵面的にも。
少女は屋台の店員さんの下心には全く気付かず、そのまま店員さんと話をしながら待つことに決めた。
屋台の店員もこんな可愛い美少女とお近付きになれると上機嫌に口を開いた。
「そういえば旦那になんの用なんだ?一応言っておくけど旦那は彼女さんがいるから告白ってんなら……」
少女はそうではないと首を横に振り、自身の事情を説明すると、店員は納得した顔になった。
少女の冒険者のパーティー全員がシロガネヒカルのパーティーに命を救われていて、今日はそのお礼に来たのだ。
命を救われたのは半年以上も前の話なのだが、何度かアクセルに来ても彼等が不在だったり、自分達も冒険者としての生活がある以上都合が合わなかったりと何度も空振りしたせいで、今日こそは絶対に、と少女は意気込んでいた。
「そうだ、それなら旦那以外のメンバーも探してみたらどうだ?ヒナギクちゃんは旦那と同じく街の警備をしてるから忙しいと思うけど、他の二人ならすぐに見つかるかもしれねえよ」
そうしたいのは山々だったが、少女には出来なかった。
命の恩人の顔を忘れる恩知らず、というわけではなく顔を知らない、見たことがない。
助けてもらった時には意識を失っていた。
数日後に少女達が意識を戻した時には彼等は街を出ていたから、彼等の特徴ぐらいしか知らないのだ。
他のメンバーの特徴ももちろん聞いているが、彼等のリーダーであるシロガネヒカルは黒髪黒目の青年男性だと聞いている。
この世界では珍しい特徴であることと、彼自身が有名である為すぐに見つかると思っていたがそう上手くはいかなかった。
「じゃあ俺が旦那達のことを教えてやろうか?と言っても街で噂になってることをそのまま言うだけだけど」
多分聞いたことはあるだろうが、一応聞いておくことにしよう。話している間に彼等が通りかかるかもしれない。
そう考えた彼女は頷き、話に耳を傾けた。
「じゃあ、最初はお嬢ちゃんの興味ありそうなメンバーから話していこうか。
パーティーの何でも役の謎のイケメン!
弓の貴公子!トリスターノ!」
あ、そういうノリなんだ。
少女は特にツッコミをすることも返事をすることもなく、そのまま店員の話を聞いていた。
「金髪碧眼、高身長、イケメンスマイル。いろんな理想を詰め込んだような男さ。それに外見だけじゃなく中身も良い。物腰は柔らかく、聡い奴だ。一番注目すべきは弓の腕だな、ほぼ百発百中で外すことがないんだとか」
ほとんど聞いたことがある内容であったが、弓の実力がそこまでとは知らなかった、やはりここで話を聞いてよかったかもしれない。
「だが、それ以外はだいたい謎に包まれている。貴族の生まれっぽいが、出身やら何やらは全く喋りはしない。噂じゃ何処ぞの国のお偉いさんなんじゃないかって話だ」
この世界では確か金髪碧眼は貴族や王族の生まれの証だ。
彼の外見は噂のように、そう思わせてもおかしくないのだろう。
「あ、そういえば変な噂もあったな。トリスターノは完璧なイケメンなんだが、とてつもない変態でロリコンでストーカーらしい。まあ、これは流石に男共の嫉妬とか振られた女の恨みで流された嘘だろうがな」
そんな噂を流されるなんて……と、少女は同情した。
噂はどうあれ、金髪碧眼の超イケメンならば探しやすいだろう。
「次は旦那と同じ特徴の子にしようか。
小さな体からは考えられないハードパンチャー!
最年少アークプリースト!ヒナギク!」
アークプリースト……普通であればアークプリーストなんて街に一人いれば良い方なのだが、この始まりの街のアクセルには少なくとも二人のアークプリーストがいるらしい。
一人ナトリに来てくれないかな……なんて考える少女には気付かない店員は続けた。
「旦那と同じような黒髪黒目の女の子でな、最初は旦那の妹や娘さんだと思われてたぐらいだ。かく言う俺もそうなんだけどな。性格は明るく真面目、敬虔なエリス教徒でもあって教会や孤児院でボランティアもしてて、この街の人気者さ」
少女はウンウンと頷き、話の続きを促した。
すでにこの情報は知っているからだ。
シロガネヒカルのパーティーメンバーの中で、一番話に出てきやすいのが今話しているヒナギクだからだ。
「回復や支援役のアークプリーストだが、ボクシングスタイルの前衛も出来る。モンスターはもちろん、大の大人もぶっ倒す程の実力だ。この前パーティーの勧誘に来て断られた奴が逆ギレして喧嘩をふっかけたんだが、見事に一発で伸しちまった。小さくて可愛い子だが、お嬢ちゃんも気をつけるこった」
もちろん彼女はパーティーの勧誘に来たわけでも、喧嘩しに来たわけでもない。
ましてや命の恩人に対して、そんな無礼なことが出来るわけがなかった。
「次は旦那の彼女さんだな。
紅魔族未来の族長!
紅魔族随一にして最高の魔法使い!ゆんゆん!」
紅魔族が住む紅魔の里の生まれの者は全員がアークウィザードになれる素質を持ち、上級魔法を使えるという。
そして黒髪で紅い瞳が特徴だ。
少女のパーティーには訳あって、魔法使いは一人もいない。
そのせいか魔法使いのエキスパートである紅魔族がパーティーにいるのは少女からしたら少し羨ましかった。
「変わり者ばかりで有名な紅魔族だが、ゆんゆんは割と常識人だ。普段は人見知り気味でおとなしそうな見た目をしてるんだが、冗談でも仲間を貶されたりすると、すぐに怒るから注意が必要だ。俺は冒険者じゃねえから詳しくはないんだが、この街で一番強い冒険者はゆんゆんなんじゃないかって話もある」
ナトリで聞いた情報とはかなり違うので少女は驚いていた。
プライドが高い寡黙な魔法使いの少女だというのが事前に聞いていた話だった。
ナトリの住人や冒険者が話しかけると、瞳を紅く光らせ、すごい形相で睨んでくる上、喋るところをほとんど見たことがないことから、ナトリではかなり恐れられていた。
……もっとも人見知りの彼女が多くの人に話しかけられて興奮しているのを抑えて友達作りをしようとして失敗しただけなのだが、それを知るのは彼女と彼女のパーティーメンバーだけであった。
「お、そんなに驚きかい?まあ、確かにこの街には魔王軍の幹部とかを倒したパーティーも他にはいるが、純粋な個人の力で言ったらゆんゆんに軍配が上がるって話さ」
少女の表情の変化を読み取った店員は得意げにそう話した。
店員が得意げになったのも無理はない。
少女に会ってから、今の今まで表情は眠そうなままでほとんど変化が無かったからだ。
店員も話を聞いているのか内心不安であったのだろう。
「じゃあ、お待ちかね。ゆんゆんの彼氏さんであり、祭りが始まってから更に街の有名人になった旦那の話だ。
今まで紹介した人物をまとめるパーティーのリーダー役!
剣を振ってる人!シロガネヒカ……」
「ちょっと待てこの野郎!」
声をした方向を二人が振り返ると、少女の目的の人物が立っていた。
短く切り揃えられた黒髪に、切れ長の黒目の中肉中背の男性。
目つきは鋭く、何故か木刀を帯刀していた。
「おお、旦那。お疲れさん、今日は何にする?」
「ああ、だったら今日は……って違うわ!ゆんゆんのあたりから話聞いてたけど、俺の紹介おかしくねえか!?」
どうやら少し前から聞いていたらしい。
目つきが鋭くて、怖い印象を受けた少女だったが、店員にツッコミを入れてるところを見ると、そうでもなさそうだと安心していた。
「おかしいって、どこが?」
「いや、『剣を振ってる人』ってとこに決まってんだろうが!俺の紹介雑すぎるだろ!」
「でも旦那が昨日あたりに『エリス教の狂戦士』とか『アクセルの狂戦士』は嫌だって言ってたから……」
「それにしてもグレード下がりすぎだろ!剣を振ってる人ってもう誰でもいいじゃん!」
「そんなことより、旦那」
「そんなことよりって何だこの野郎」
「旦那を待ってたんだよ。この……そういえばお嬢ちゃん名前は?」
あ、忘れてたと呟いた少女は二人に向き合い、ポーズを取った。
スカート姿だと言うのに、気にせず左脚を腰まで上げて、両腕を広げた。
荒ぶる鷹のポーズ。
「マイネーミズ、マシロ イシカーワ。プリーズコールミー マシロン。オウイエ、セェンキュー」
「「あ、はい。よろしく」」
ふう、とやり切った顔のマシロと名乗る少女とは対照的に二人の顔は引き攣っていた。
荒ぶる鷹のポーズをしながら、抑揚もなくキメ顔で今の自己紹介を言われて困らない人間はそうそういない。
「とんでもねえキャラ持ってくんじゃねえよ。どうすんのこれ?」
「いや、俺に言われてもさ……。旦那に会いたがってたんだから、旦那がどうにかしてくれよ」
ヒソヒソとマシロに聞こえないように話し合う二人。
なんとかしようと必死であった。
「マジかよ、しょうがねえな。必殺技使うか」
「旦那、この状況で一体何を……?」
「じゃあ、お願いします」
はい。
99話です。さあ、いってみよう。
「いや、強引すぎるでしょ」
「これでなんとかなったろ、多分」
本編に突入してたら危なかったよ、マジで。
文字数もすでに4500以上いってるからね。
次はこのトンデモ少女をどうするか、だ。
なんとなく見たことがあるような気がするが、こんなキャラに会って忘れるのは至難の技だろう。
だから、多分気のせ……
「ワン!」
思考を巡らせていたら、犬の鳴き声で強制的に中断された。
トンデモ少女の後ろから出てきたのは白銀の毛並みを持つ犬のような生き物だ。
というか。
「ギン?」
「ワン!」
「え、ちょ、うわっ!」
名前を呼んだら、ギンが俺に飛びかかってきた。
ギンはナトリの街で出会い、数日間しか一緒にいなかったが、俺のことはしっかり覚えているみたいだ。
後からエリス様に聞いた話だが、このギンはただの綺麗な犬ではなく、転生者特典の大神と呼ばれる神獣なのだとか。
「おお、久しぶりだな、うん!よしよし!良い子良い子!わ、わかったから!グッボーイ!よーしよしよし、い、一回離れろマジで!」
ギンは久しぶりに俺に会えたのが嬉しかったのか、俺を押し倒し、尻尾をブンブン振りながらベロンベロン顔を舐め回して来た。
俺はギンをなんとか止めようと撫でたり、ギンの顔を押さえても、俺の腕をすり抜けてまだ舐め回しに来る。
「……その子が私以外に懐くの初めて見た。ナトリで聞いた話は本当だったのね」
「い、いや、感心してないでさ!イシカワさん?だっけ?止めてくれよ!」
「マシロンです」
「いや、止めろよ!」
「マシロンなのに……」
「本当にとんでもねえキャラが来やがったよくそっ!!」
トーンダウンしたイシカワの声が聞こえてきても、こちらに来る気配は無かった。
無理矢理引き剥がそうかと考えた時。
「ヒカル?何やってるの?」
そう言って近づいて来たのはヒナだった。
ヒナが来た瞬間、ギンはすぐ様イシカワの後ろへと戻って行った。
「ふう、やっと解放された」
「あれ、今の犬ってもしかして」
「ああ、ギンだよ」
俺がポーチからタオルを取り出して、顔を拭きながらヒナに教えてやると、ヒナは表情がパァッと明るくなって、無邪気にギンに近付いていった。
「ギン、久しぶ……」
「クゥーン……」
「ええっ!?どうしたのっ!?」
先程の俺の顔を舐め回す勢いがどこに行ってしまったのか、イシカワの後ろに隠れてしまった。
尻尾も耳も垂れ下がっていて、完全に怯えてるように見える。
「こんなに怯えるのも初めて見た。ヒナギクさん、この子に何かした?」
「し、してません!してませんよ!おかしいな、この前は一緒にお昼寝もしたことだってあるのに……」
イシカワが訝しんだ顔でギンの様子を見つめていた。
ヒナの言う通り、ギンはヒナにも懐いていたはずだ。ナトリに滞在した期間中はだいたい俺かヒナに付いてきていたものだ。
「ギン?僕だよ、ヒナギクだよ」
「っ!」
またヒナが近付こうとしたら、ギンは後ろ足で立ち上がり、前足でイシカワへと抱き付いた。
大神と呼ばれる神獣だと言う話なのに、今の情けない姿を見ると、ただの怯えてる犬にしか見えない。
「ごめんなさい。ヒナギクさんはあまりギンに近付かないでくれると助かります」
「そ、そんなぁ……ギンはフカフカで気持ちよかったのに……」
枕扱いするな。
エリス様が言うには、『神聖』を持ってる人間を自分の仲間だと思ったから、ギンは俺達に懐いたって話だったのに、どうしたことだ。
「わかった。お前が一緒に寝た時に寝ぼけて締め上げたんだろ?」
「そんなわけないでしょ!」
「じゃあ何でお前だけ、こんな怖がってんだよ?」
「し、知らないよ」
「じゃあ締め上げたんだろ」
「し、締め上げるなんてするわけないじゃん!じゃ、じゃ、じゃあ僕と一緒に寝て、確かめてみる!?」
身に覚えの無い容疑をかけられた怒りのせいか顔を真っ赤にして反論してくる。
「いや、次の日の朝に俺が冷たくなって発見されるかもしれないから、やめとくわ」
「だ、だから!」
ギャンギャン吠えて来るヒナを無視して、イシカワを見ると、ギンを落ち着かせるように優しく撫でていた。ちなみに屋台の店員は色々と諦めた顔をしていた。
これ以上屋台の邪魔になるといけないし、俺やヒナ、それにイシカワたちの分も買ってから、そこを離れることにした。
屋台から離れて、ある程度人混みから外れた場所に来て、飯を食った後にようやく本題に入ることにした。
イシカワは俺達に会いに来たらしいしな。
「それでは改めましてイシカワ マシロです。気軽にマシロンと呼んでください」
軽くお辞儀をして、そう名乗った。
よかった、どうやら普通の自己紹介も出来るらしい。
「僕はヒナギクです。よろしくお願いします」
「シロガネヒカルだ」
俺達が自己紹介を返したのを確認してから、今度は深々と頭を下げてきた。
「デモゴーゴン討伐の際にはパーティー全員の命を救っていただき誠にありがとうございました。パーティーを代表して、リーダーの私がその御礼に参った次第です」
「あの時のか」
「懐かしいね」
祭りに遊びに来たついでに挨拶でもしに来たのかと思ってたわ。
というかヒナの言った通り、懐かしい。
ナトリの一件からもなんだかんだで色々あったし、ほぼ忘れてたわ。
「ただ、その、お恥ずかしい話なのですが、命を救っていただいた御礼に何を差し上げればいいのか分からなくて……」
別に御礼なんかいらないんだけどな。
あの時は偶然みたいなもんだし。
ヒナの方を見ると、ヒナも同じ考えなのか俺の方を見て、小さく首を横に振っていた。
「この子やパーティーメンバー以外なら何でも差し上げますし、何でもし……」
「いや、特に何もいらないぞ」
「ま……え?」
俺の返事に呆けた顔になるイシカワにヒナも頷いていた。
「僕達が討伐出来たのは偶然に偶然が重なっただけですからね。それに困った時はお互い様ですよ」
「え、で、でも」
「俺達の他にもう一人討伐に関わった奴がいるんだが、そいつも多分御礼が欲しくて助けたんじゃないって言うはずだよ」
「そうだね、クリスさんもそう言うよ」
こんなことを言われると思ってなかったのか、イシカワは俺とヒナを見てポカンとしている。
御礼をしないと気が済まないのか?
それなら、そうだな。
「じゃあ、あれだ」
「は、はい」
「よいしょっと」
俺がアレだと言ってからヒナは懐からグローブを取り出して装備し始めていた。
「お前、何やってんの?」
「ヒカルが変なことを言った時のためにだよ」
「言わねえよ!」
「どうだか」
何でこんな疑いの目で見られなきゃいけないのか、わからないが思い付いたことをイシカワに言った。
「どうしてもって言うなら、ゆんゆんと友達になってやってくれ。それとヒナに日本の話でもしてやってくれ」
「ニホン!」
ヒナが大きく反応すると、ギンがビクリと震えてイシカワの後ろに隠れて行った。
「じゃあ俺は祭りの警備に戻るから、頼んだぞ」
「あ、あの!ニホンでは……」
「え?え?」
俺がそのまま行こうとすると、ヒナの質問攻めにあい始めて、イシカワの困惑する声が聞こえた。
「ワン!ワン!」
ギンの鳴き声に振り返ると、イシカワの後ろから出てきたギンが俺の周りを何周か走ると、尻尾を振りながら俺を見てきた。
俺はお前の散歩相手じゃないぞ、と思ったがギンにも警備の手伝いをしてもらうのはいいかもしれない。
「イシカワ、ギンを少しだけ借りるぞ」
「マ、マシロンです、はい」
ヒナの質問攻めを食らいながら、そう言って頷いてきた。
案外余裕があるな。
とにかく頷いてきたということはギンを連れ出してもいいということだろう。
「よーし、ギン。今日はSHINSENGUMIの臨時メンバーだ。悪い奴を見つけたら、俺が指示を出すから捕まえるんだ。いいな?」
「ワン!」
尻尾を振りながら元気良く返事をしてきた。
「じゃあ、行くぞ」
「ワン!」
俺は新たなSHINSENGUMIメンバーを連れて、街の警備に戻った。
結果から言うと、ギンは大活躍だった。
ギンは吠えるだけで魔法やスキルを打ち消す力があるらしく、魔法に弱い俺とはかなり相性が良いみたいだ。
ギンは街の人にも気に入られて、仕事中だというのに幸せそうにしていたのだった。
ヒカルの神聖が3以下として、
ギンの神聖が30程度、
ヒナギクの神聖が10000程度(エリスに天使の封印を受けている状態で)
アンケートのご協力ありがとうございました。
個人的には意外な票の入り方でした。
アンケートの結果は『現状維持』でした。
というわけで、これからも今作特有のヒナギク狂いのエリス様をよろしくお願いします。
前書きで、三人称視点を少しだけ書きましたが、難しいですね。
何かご指摘等有ればよろしくお願いします。