このすば ハード?モード   作:ひなたさん

109 / 166

101話です。さあ、いってみよう。



101話

 

 

「マジでえ!?え、三角関係なの!?」

 

 そんなクリスの叫び声で俺は目を覚ました。

 声が聞こえた方向を見ると、クリスが驚愕の表情でカズマを見ていた。

 

「やっと来たのか。バックれたかと思ってたよ」

 

「ああ、悪いな。ダクネスと『色々』あってさ」

 

 カズマは遅刻したくせに悪びれるどころか、色々をやたらと強調しながらドヤ顔でそんなことを言った。

 数時間前のこいつはどこに行ったんだ。

 

「今の状況的にさ、日本のマンガや小説でよくあるヤツが来てる気がするんだよ。つまりハーレムだ。でも、あの二人は中身がアレじゃん?もう少し様子見したら他の女の子とフラグがまた立つと思うし、二人のどちらかって言うのは早計だと思うんだよ。二人はどう思う?」

 

「死んじゃえばいいと思うよ」

 

 クリスの即答はもっともだ。

 だがクリスの答えを涼しげな顔で受け流したカズマが今度は俺を見てくる。

 

「『卒業』するなら二人のどちらかの方が手っ取り早いんじゃねえの?」

 

「……ヒカルって結構最低だよな」

 

「ハーレム云々言ってるお前に言われたくない」

 

 正直適当に答えたしな。

 卒業?とクリスが首を傾げているのは無視して、俺は立ち上がり、軽く伸びをしてから準備運動を始めた。

 

 

 俺達は聖鎧アイギスを貴族の屋敷から盗み出すべく、準備のため解散した。

 俺が予定の時刻に集合場所に行ってみれば、来ていたのはクリスだけだった。

 それから待つこと半刻、カズマが来る気配は無く、俺は待つのも飽きたし、昼の警備で疲れていたこともあって寝始めた。

 俺は寝ていたから詳しく無いが、結局カズマは集合時間より二時間ほど過ぎてやって来た。

 遅れた理由はダクネスと色々あったから、だそうだ。

 カズマがドヤ顔で続きを語っていたが、俺は聞く気が無かったので省略しよう。

 

 ダクネスったらどうしちゃったの?なんて呟くクリスを連れてやって来たのはアンダインという貴族の屋敷。

 今日の俺達のイライラをぶつける場所だ。

 ……冗談はさておき、突発的に決まったように見える今日の盗賊団の活動だが、なんだかんだで今日盗みに入る理由がある。

 まず祭りの期間中ということで油断しているから、通常より潜入しやすいということ。

 次に先程は花火大会で、この屋敷の守衛達も防衛戦に参加させられたせいで疲労しているだろうから、無力化しやすいということ。

 それと俺達が、じゃなくてもう俺だけか、俺がむしゃくしゃしてるからだ。

 

「さて、どうしようか二人とも?」

 

 アンダイン邸の正門に二人の守衛が立っているのを影から確認したクリスは俺達に聞いてきた。

 

「どうするって、二人ともぶっ倒して入るしかねえだろ。ていうか作戦とかないの?」

 

「うっ、だ、だってこれは銀髪盗賊団の活動だからね。あたしだけが考えるんじゃなくて、団員全員で考えることなんだよ」

 

 したり顔でもっともらしいこと言ってるけど、つまりはノープランってことだろうが。

 

「もうめんどくせえよ。正門から堂々と入って、守衛とか邪魔してくるやつ全員ぶっ倒してから、アンダインだかマンタインの腕を一本か二本叩き折って『鎧ちょうだい』って言おうぜ」

 

「それ強盗じゃん!」

 

「盗賊も強盗も変わらねえよ。なんなら今から銀髪強盗団になればいいだろ」

 

「変わるし、ならないよ!!いい?盗賊っていうのはね、優雅に華麗にスマートに目的の物を頂くんだよ。力付くで物を手に入れるような人達とは一緒にしないでほしいな!」

 

 なんか盗賊の美学的なものを語られた。

 カズマの方に目を向けると、カッコいいとでも思っているのか決め顔を作り、口を開いた。

 

「俺はどっちでも行けるぜ?今日の俺は絶好調さ」

 

「だってよ」

 

「ダ、ダメだって!見つかっちゃった時は正面突破で行くけど、見つからない内は穏便に事を済ませたいの」

 

「見つかってくればいいのか?」

 

「ねえ、何で今日はそんなに投げやりなの!?暴れる方向で考えないで!」

 

「わかったよ」

 

 暴れたいというより、早く帰りたい。

 気分に流されて来たけど、今頃ゆんゆんが家に帰った後、俺の部屋を覗いて俺がいないことを確認して首を傾げてるかもしれない。

 そのまま寝てくれればいいが、もしかしたら街へ探しに行くかもしれないことを考えると、早めに戻りたい。

 

「とりあえず正面突破は考えないこと。じゃあ二人に良い案を出してもらう為にも、まずは情報収集の結果を話すよ」

 

 クリスから屋敷についての情報を聞いていたその時。

 

 

 

「あ、あの……もしかして銀髪盗賊団の方達ですか?」

 

 

 

 突然背後から声をかけられて、俺は木刀に手をかけつつ、三人で勢いよく振り返った。

 

「は、はは、はじめまして!いえ、実は王城で一度お会いしているのですが、ちゃんとご挨拶をしたくて!わたくし、あなた方のファンを自称しております、めぐみんと申します!」

 

「あ、あの、すみません。お取り込み中だとは思ったんですけど、この子がどうしても挨拶がしたいと言って聞かなくて……」

 

 俺達の背後から声をかけて来たのは緊張で顔を赤くしているめぐみんと、ペコペコと謝るゆんゆんだった。

 

 

 

 

「ファ、ファンかぁ、あたし達も有名になったもんだ。いやあ照れちゃうね」

 

 何浮かれてんだ。

 まずい、この前といい何故かめぐみんには正体がバレてないが、ゆんゆんには普通にバレそうな気がする。

 というか俺を凝視してきてる。

 一応王城の時のように俺達は黒装束の格好になっている。

 それにプラスして俺は黒い布でバンダナ帽子を被って頭部を隠している。

 この黒装束はマスクのように鼻と口を隠しているが、そこから上はオープンになっていて心許なかったので急造したのだ。

 それと一応声を変えて喋っているが、効果があるかは微妙すぎる。

 

「ファンも出来ますよ!王城での縦横無尽の活躍!あれを見れば誰だってファンになること間違いありません!ところで尋ねたいことがあるのですが、あなた方が王城に忍び込んだのは危険な神器から王女様を守ろうとしたからなんですか!?」

 

 あのクソみたいな俺達の盛大な独り言をちゃんと覚えていたらしい。

 

「あ、ああ、そうだ。我々は世に言う義賊。王女であろうと少女が危険に晒されているのであれば見過ごせない。困っている人がいるのなら、どこにだって忍び込むのが仮面盗賊団だ」

 

「ふわああああああ……!」

 

 めぐみんがキラキラした目でカズマ達を見ていた。

 カズマとクリスが俺の隣でコソコソと銀髪盗賊団か仮面盗賊団にするかで小競り合いをし始めた中、ゆんゆんがあのーと言って手を上げて申し訳なさそうに言ってくる。

 

「三人ともどこか見覚えが……」

 

「ゆんゆん!今は私が挨拶してるんですよ!順番は守ってください!」

 

「ええっ、ご、ごめん……」

 

 しゅんとしたゆんゆんが数歩後ろに下がると、めぐみんはまた二人へと話しかけた。

 

「それで、こんなところで一体何をしているんですか?ここって貴族の屋敷ですよね?しかも、あまり評判がよろしくない……」

 

 俺達三人は目を合わせると、カズマが頷き、めぐみんの問いかけに応えた。

 

「めぐみん君。我々はこの屋敷に眠るある物を狙っている。それは人類の未来にとって必要な物だ。盗みと言う行為は決して褒められたものではない。だが……これは我々にとって、我々の首に賞金をかけられようと、命を狙われようとやらなければならない事だ」

 

「ふわああ……。ふわあああああ………!」

 

 めぐみんが感極まってプルプル震えている。

 もう紅魔族的センスを刺激するな。

 この二人には早く帰って欲しいんだから。

 そんなめぐみんがプルプルしてる時を狙ったように、またゆんゆんがあの、と言って話しかけてきた。

 俺に。

 ゆんゆんの視線の先は、俺の腰あたり。

 そう、そこには俺のエクスカリバーが、じゃなくて木刀が………あっ。

 

「その、木刀なんですけど……」

 

「もう、ゆんゆん邪魔しないでくださ……ん?その木刀から魔力を感じますね。それはもしかして紅魔の里の木刀ですか?」

 

 即バレじゃねえか。

 俺は喋らないでやり過ごそうと思ってたのに……仕方ない。

 

「そうデース。紅魔の里で購入シマシタ。この木刀は最高デース。流石紅魔の里で作られたものデース」

 

「「!?」」

 

 カズマとクリスがバッと勢いよく俺の方に向いた。

 カズマは仮面で表情が見えないが、クリスは嘘だろオイみたいな目で俺を見ていた。

 しょうがないだろ、ゆんゆんがずっと俺を見てきてるんだから。

 少しでもバレない為に声だけでなく、話し方も変えるしかねえ。

 

「おお、我が里のものが使われているとは!何か木刀の銘があったりするのでしょうか!?」

 

 ねえよ。

 でも正直に答えたら、冷静になった二人に正体がバレるかもしれないし、適当に名付けるしかない。

 

「私のモットーは活人剣デース。悪を斬り、多くの善を生かすという剣術思想が活人剣と言いマス」

 

「お、おお!」

 

「……活人剣って、ヒカルがヒナちゃんに話してたような………?」

 

 やっべ、やらかした。

 最近はヒナに日本のことを話しすぎて、何を話したか何を話してないか、なんてもう覚えてないぐらいだからな。

 押し切れ、聞こえなかったふりで押し切れ。

 

「ですが、この木刀では斬ることは出来マセーン。当然デース、木刀なのデスカラ。悪を斬ることは出来ませんが、叩きのめすことは出来マース。悪を叩き、善を生かす。その木刀の銘は……」

 

 ゴクリ、とめぐみんが固唾を飲み込んで、俺の言葉を待った。

 

 

 

「『不滅之刃(ふめつのやいば)』デース」

 

 

 

 

「おおおおお!」

 

(アウトだよ、バカ!)

 

(いろんなところから怒られたらどうすんのさ!)

 

(うるせえな、怒られたら全集中で謝罪の呼吸、一の型『炭魔閃』すればいいだろうが!)

 

(おいいいいい!怒られるぞお前!)

 

 二人からヒソヒソとツッコミを受けたが、めぐみんが良さげなリアクションをしてるからヨシ。

 ゆんゆんは何か首を傾げている。

 しまったな、活人剣の話してたっけ。

 しかもよりによってヒナだけじゃなくてゆんゆんにまで。

 

 さて、とクリスが仕切り直すように言って、真面目な表情になった。

 

「あたし達はこれから屋敷に忍び込む。そして、魔王軍に対する切り札の一つを手に入れる。通報すると言うのなら、それでも構わない。でも信じて欲しい。これは人類の希望のためなんだよ」

 

「もちろん信じます!通報なんてするわけがありません!……ですが、その、代わりというわけではないのですが、一つお願いがありまして」

 

 モジモジとしためぐみんが懐から一通の手紙を取り出して、頭を下げながらこちらに差し出してきた。

 

「これを受け取ってください!盗賊団の方達へのファンレターです!」

 

 渡し方がまるでラブレターだ。

 そのファンレターをどちらが受け取るかで喧嘩しだす二人を無視して俺が受け取ることにした。

 受け取った後、めぐみんが無邪気な笑顔を浮かべて何か言っていたが、後ろから聞こえる小言がうるさくて全く聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 紅魔族女子二人とは別れて、俺達はまた三人で顔を突き合わせていた。

 

「正体がバレずに済みましたね、お頭。俺とお頭がいるのにこんなところで鉢合わせなんて運の良さって何なんですかね」

 

「ヒカルがいるからじゃない?」

 

「よし、じゃあ帰るわ。ゆんゆんの後に帰ったら確実にバレそうだし」

 

「ご、ごめんってば!冗談だよ」

 

「いや、マジで。冗談抜きでさ。ゆんゆんにバレたら絶対怒られる。というか最悪泣かれる」

 

 この前俺が死んだ時に、ゆんゆんに泣きながら怒られた時はひたすら謝るしかなかった。

 あの時のゆんゆんを鎮めるために、どれだけの苦労があったことか。

 

「え、それなら俺も帰りたい。今からでも帰れば、めぐみんイベントが起きそうだし」

 

「ダ、ダメだってば!今日を逃したら忍び込むのが大変になるんだから!ていうかさっきはダクネスで盛り上がってたくせに、めぐみんイベントって何!?」

 

「多数決で二対一だな。今日は解散!」

 

「おう!」

 

「ちょっとおおおおおおおおお!!」

 

 そんなこんなで俺達は解散したのだった。

 ………なんてことにはならず、クリスがしがみ付いてきて離れなかったので結局忍び込むことになった。

 

 

 まずは正門前の守衛二人を俺の首絞めとカズマの『ドレインタッチ』で無力化し、茂みへと放り捨てた。

 木刀は一応持ってきたが、最近の俺は筋力値がかなり上がってるし、エリス様の支援も貰ってるから木刀で殴ったら大怪我を負わせたり、最悪殺してしまうかもしれない。

 王城ならだいたいの怪我を直せるようなプリーストがいるかもしれないが、この屋敷にいるかは微妙なところだ、なのであまり木刀は使わない方針だ。

 

 アンダイン邸にそのまま潜入、屋敷に入ってからも何人か警備を無力化したが、カズマとクリスの先導で何事も無く宝物庫の中の隠し扉の前へと辿り着いた。

 カズマとクリスはそれぞれ魔道具を取り出した。

 アイギスは喋る鎧なのだが、それは声を発しているわけではなく、念話というテレパシー的なもので話しかけているらしい。

 その念話で騒がれない為に二人はその対策となる魔道具を持ってきたのだ。

 

「じゃあ俺は見張ってるから、手早くな」

 

「おう」

「何かあったら、すぐ知らせてね」

 

 そう言って二人は隠し扉の中に入っていった。

 

 それから十分ぐらい経っただろうか。

 俺が宝物庫の扉の前で誰も来ないことを確認していると、隠し扉が開いた。

 俺がやっと帰れると安堵しながら扉の方を見ると、

 

《至高の宝を守りきれなかったアンダイン家の諸君、君達には大変世話になった!誠に勝手ながら、俺はご主人様探しの旅に出ることした!もしまだ俺を求めるのであれば、最高の美少女を用意することだ!》

 

 アホなことを叫ぶ男の声が響き渡る。

 鎧姿の、男か?先程の声は男だったから多分男だろう。

 その鎧姿の男とその男の腕にしがみつくカズマとクリスが隠し扉から出て、俺の方へと向かってきた。

 

「ヒカル!アイギスを止めて!!」

「ヒカル、頼む!」

 

 そんな二人の必死の叫び。

 二人は振り払われると、鎧姿の男がこちらへと走ってきた。

 

《新手か?退きな、盗人C!退かないのであれば怪我をす……》

 

「ほい」

 

 タックルしてくる鎧姿の男の側頭部に木刀を叩きつけると、鎧姿の男は吹き飛んで、宝物庫の壁へぶち当たった。

 やべ、やりすぎたかも。

 エリス様に支援をもらうと自分の力の制御が難しいんだ。

 

《え、えっ?盗賊じゃないの……?何この馬鹿力……》

 

 鎧姿の男がフラフラと立ち上がりながら、ドン引いた声が聞こえた。

 よかった、生きてたみたいだ。

 それに立ち上がるってことは、まだ余裕がありそうだ。

 

「おい、誰が盗人Cだ。お前なんかモブだろうが」

 

《アイギスさんをモブ扱いだと!?許せん!》

 

 そう言って構える鎧の男、そのタイミングで俺の後ろに駆けつける二人。

 

「ヒカル、ナイス!これならアイギスを止められそうだね!」

 

「止められるだろうけど、今のアイギスの声で屋敷の人間がみんな来るぞ!どうする!?」

 

「盛り上がってるとこ悪いんだけどさ。アレ、誰?モブだろうとは思ってるんだけどアンダインとかいう人?」

 

「違うんだ、アイギスなんだよ」

 

「だから、その中身を聞いてんの」

 

「いや、そうじゃなくて中に人は入ってないんだ。アイギスの野郎、勝手に動けるらしい」

 

「はあ?」

 

《俺は自由になったんだ!俺の自由の翼が羽ばたくのを邪魔するんじゃあない!アイギスキーック!》

 

 わざわざ攻撃を教えてくれるとはありがたい。

 俺は半歩ずれて蹴りを避け、アイギスの顔の正面部分に木刀を振ると、アイギスはまた壁へと戻っていった。

 

「で、どうする?」

 

「ええっと……」

 

「ヒカル、アイギスを屋敷の外に吹っ飛ばせないか?囲まれるのはまずいし、他の相手をしながらアイギスを捕まえるのは無理だ」

 

「了解」

 

 そろそろ人が集まってもおかしくない頃だ、急がないとな。

 俺はアイギスに近付くと、アイギスが殴りかかってきたので、それを木刀でいなしてから木刀を振りかぶりながら一回転、野球のようにアイギスを全力でぶん殴った。

 アイギスは宝物庫の扉とその先の壁を突き破り、外へとホームラン。

 

「な、なんだ!?」

「今のはアイギスか!?」

 

 やはりすでに集まってきていた。

 俺は木刀を腰に差すと、クリスとカズマを小脇に抱えた。

 

「「え?」」

 

「外に出るぞ」

 

「え、ちょ……」

「ま、まさか……」

 

 俺はアイギスが突き破った扉へと向かい、全力で走り出す。

 俺が出る直前、ちょうど屋敷の人間達がこの宝物庫へと覗き込んできていた。

 

「うわ、バ、『バインド』ッ!」

「『バインド』ッ!」

 

 二人がその人間達を縛り上げ、俺達は更にアイギスが突き破った穴へ飛び込み、外へと躍り出た。

 

「ま、またこの展開いいいいい!!??」

「うわああああああああああ!!??」

 

 俺達が外に出ると、屋敷の庭で吹き飛ばされたアイギスが立ち上がり始めていた。

 俺達の着地ポイントで。

 

《く、あんな好き勝手されるなんて……ん?》

 

「危ねえぞ」

 

《え、ちょ、のわああああああ!!》

 

 俺がアイギスに飛び蹴りをかましてから着地、アイギスは塀へとぶっ飛んでいった。

 俺はしがみついてくる二人を手放すと、アイギスへと猛然と駆け出し、木刀で追撃を食らわした。

 アイギスは塀すらもぶち破り、屋敷の敷地内へと飛んでいった。

 

「俺はアレを遠くまで押し出すから、ついてきてくれ!後ろからもう来てるから急げよ!」

 

 カズマとクリスに向かってそう言い、俺はアイギスを追いかけに行った。

 

 今日の鬱憤はアイギス(サンドバッグ)にぶつけさせてもらおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女が手に取った花には強力な神聖が掛けられていた。

 綺麗な心で、心の底から叶えたいと思う願いを叶える力が込められていた。

 きっとこの花は子供達の為に用意されたものだ。

 少女はそのことに気付いていた。

 だから、その花を孤児院の子供にでも渡そうかと考えていたが、別の使い道を思いついてしまった。

 その使い道は、女神エリスの想いを真っ向から裏切ることになる。

 少女は少し悩んだが、覚悟を決めたような顔になり、その後優しく花を懐にしまった。

 その花は少女にとっての可能性。

 その花は少女にとって未来になり得るもの。

 その花は少女にとって唯一の想いを叶える手段。

 

 少女は歩き出す。

 次の花の元へと。

 





説明が抜けてたので、ここで

石川 真白(18)
ヒカルより一年か二年ほど前に日本から来た転生者。
ほとんど表情が動かないが、中身はハイテンション。
そのギャップもあって真白は友達が少なかった。
ある日、真白は登校している時に事故で急死する。
そして女神アクアの部屋へと召喚された。
日本で一からやり直すか、天国に行くか、異世界に行くかの三択に当然異世界を選んだ。
異世界に行くのに内心ハイテンションになりつつも、冷静にこれまでの人生を振り返っていた。
友達や仲間ができないかもしれない、そう考えた真白は女神アクアに「友達が欲しい」とそのまま言うと、女神アクアは困った顔になった。
当然だろう、真白もなんとなくわかっていた。
何か強そうなものを適当に選ぼうかとしたところで、女神アクアが何かを思い付いたように数ある中から一枚だけチラシを取り出した。
そのチラシには犬のような、狼のような顔が描かれていて、その絵の下には説明文みたいなものが書かれていた。
「人間の友達は無理だけど、この子なんてどうかしら?大神っていう神獣の子供ね。神獣とか言ってるけど、ほとんど狼とか犬と変わらないわよ。それにまだ親元を離れたばかりでプライドも高くないだろうから躾をちゃんとすれば」
「この子にします」
「言うことを……って早くない?まだ能力とか何も言ってないんだけど」
「この子にします」
「え、あ、うん」
そんなこんなで真白の異世界の冒険が始まったのだ。
銀色の毛並みを持つ小さな子犬にギンと名付けた。
最初は言うことを何も聞いてくれなかったが、様々な苦楽を共にして確かに友情は結ばれていった。

次回、不滅の刃 2話『新たな仲間』
お楽しみに。




嘘です。続きません。
ついでの説明をすると、
真白のパーティーに魔法使いがいないのはギンが魔法やスキルを打ち消してしまうからですね。
それと名前をランダムに作るサイトにお世話になりました。
ちなみに主人公の名前もランダムに作ってもらってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。