このすば ハード?モード   作:ひなたさん

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タイトルの(仮)を外しました。

11話です。さあ、いってみよう。



11話

 

 俺達はクエストが終わりギルドへと向かっていた。

 夕陽が綺麗だ。街も夕陽に彩られて、まるで違う街に来たみたいだ。心が洗われるような、そんな気分になる。

 少しだけこの世界に来て良かったな、なんて思ってしまう。

 

 

 ただし邪神、お前は何があっても許さん。

 

 

 俺達は昼飯を食べてないので、もう空腹で倒れそうだった。初心者殺しも倒したし、報酬金も結構出るだろう。夕飯は少し贅沢なものを食べたい。

 ゆんゆんもやっとトリスターノとまともに話せるようになってきた。トリスターノがゆんゆんのペースに合わせてるからだろう。次の仲間が出来た時はもう少しスムーズにお願いしたい。

 

 なんだかんだでこのパーティーでやってくことを考えてしまってる。ゆんゆんとも仲良くなってる分、心配だ。今は足を引っ張ってるが、頑張ってレベルを上げよう。それとゆんゆんにも他に友達が出来るよう俺も頑張ってみよう。

 トリスターノに関してはまたいつか腹割って話す時が来るだろうが、果たして何を言ってくるやら。

 

 そんなこんなでギルドについて報酬金を分け、やっと夕飯にありつけ

 

「こんばんは!」

 

 るって時に現れたのは日本オタクのアークプリーストだった。また質問攻めに来たらしい。

 

「僕もご一緒して良いですか?」

 

 二人に確認する。トリスターノは頷き、ゆんゆんは挙動不審モードに入っていたが頷いた。相手は子供なんだから堂々としてくれよ。

 

「いいぞ」

 

 アークプリーストはニッコリと笑顔を見せて随分と嬉しそうだ。

 日本が知りたくてしょうがないみたいだが、何か話せることあっただろうか。

 

「あ、そういえば変なのを見つけたんですよ!来てください」

 

 俺の手を取って連れて行こうとするアークプリースト。なんだ?変なの?

 

 アークプリーストがグングン進んでいってるのはパーティー募集の掲示板。

 

 

 ……パーティー募集の掲示板?

 

 

 ま、まさか、

 

 

「変なのがあるんです、パーティー募集の張り紙なのに違うものを募集してて」

 

 

 し、しまったあああああ!!

 あの怪文書をどうにかするのを忘れてたあああああ!!

 

 変なのが寄ってこないように早めに処理すべきだったのにすっかり忘れてたああああ!!

 

 

「えっと、確かこの辺に」

 

「おい、アークプリースト。誰か呼んでるぞ」

 

「え、誰だろう?」

 

 振り返って後ろを向いた瞬間、音を立てずに怪文書を引き剥がす。

 スッスッスッ!少し雑だが小さく折り畳み、ポケットに入れた。恐ろしく早い証拠隠滅。俺でなきゃ見逃しちゃうね。後で捨てよう。

 

「誰も呼んでないみたいですよ?」

 

 振り返って聞いてきたので、テキトーに違うプリーストを呼んでたみたいで勘違いしたと誤魔化した。

 

「で、この辺に……ってあれ!?無い!?」

 

「そっかぁー無いならしょうがないなぁうん」

 

「さっきまであったんです!僕、見ましたもん!」

 

「紙だって何処か行きたい場所くらいあるだろ、好きにさせてやれよ。これ以上詮索してやるな、お手洗いとか行ってるかもしれないだろ」

 

「え、何いってるんですか?大丈夫ですか?」

 

 不審者を見る目でこっちを見るな。不審者は向こうの女の子だ。

 ほら、飯行こうぜと誤魔化したが、ずっと不思議そうにしていた。

 

 

 

 

「ジャイアントトードの唐揚げ定食とスモークリザードのハンバーグとそれから」

 

「おい、アークプリースト。お前金あるのか?そもそもそんな食えるのか?」

 

「?何言ってるんですか?食べられるから注文してるんです。お金もちゃんとあります。あとキャベツの野菜炒めください」

 

 まだ頼むのか。

 

「僕は育ち盛りですから、ちゃんと食べないと」

 

 食べ過ぎだろ……。太るだけだぞ。

 

 

 

 

 夕飯を食べ終わり、眠気に襲われる。

 そういえばゆんゆんのせいで寝不足だった。

 

「あ!そういえば僕、皆さんの名前知りません!」

 

 アークプリーストの声で少しだけ眠気が遠ざかった。

 飯まで一緒に食っといて今更だな。

 

「奇遇だな。俺もお前の名前を知らないぞ、アークプリースト」

 

「え、私そろそろ聞いていいかずっと悩んでたんですけど」

 

 トリスターノは待ってたらしい。俺も知らないし、待たれても困る。

 

「だから僕のことをずっと職業で呼んでたんですね。言ってくださいよ」

 

 お前が勝手に昨日質問攻めしてきたんだろうが。

 

「僕の名前はヒナギクです。ヒナギクはニホンの花の名前なんです」

 

 ね?とこちらを見てくるが、あまり詳しくないぞ。ファンシーな趣味は持ち合わせてない。

 

「皆さん、よろしくお願いします」

 

 やっとこのアークプリースト、日本オタクの名前がわかったわけだ。

 

 

 

 

 

 自己紹介も終わり、雑談していると

 

 

「そういえばシロガネさん、スキルは何を取ってるんですか?さっきの戦闘ではあまりスキルとかは見られませんでしたが」

 

 トリスターノが俺に問いかけてくるが…。

 

「スキルって俺は剣士だぞ?そんな魔法とか使えるわけじゃないだろ?」

 

「「「???」」」

 

 三人が一斉に首を傾げた。なんだ?なんかおかしなこと言ったか?

 

「な、何言ってるんですか?片手剣スキルとかあるじゃないですか」

 

 片手剣スキル?なんだそれは。

 まさか剣を振るのにもスキルが必要なのか?

 

「まさか何もスキルを取らないでクエストに行ってたんですか……?」

 

「何か取りたいスキルがあるんですか?」

 

「いや、何のスキルがあるかも知らないんだけど」

 

「「「……」」」

 

 なんだよ、可哀想なものを見る目をするな。

 

「冒険者カードを出しましょう」

 

 まるで学校の先生が授業前に教科書を出せみたいな感じで言うヒナギク。

 子供のくせに俺を子供扱いするな。

 

「出しましょう。これはシロガネさんだけの問題ではありません。私たちパーティーの問題です」

 

 問題扱いまでされるの?

 しょうがなくない?身一つでこの世界に放り出されたんだぞ?何も知らないまま。

 こいつらは知らないだろうし、そんなことを言っても信じてくれないだろうが。

 

「そ、そうですね。これは私たち『パーティー』の問題です。ええ」

 

 パーティーをいちいち強調するな、ゆんゆん。何さりげなく嬉しそうにしてんだ。

 冒険者カードを取り出し、全員に見えるように机に置く。

 三人ともリアクションはそれぞれだが、皆一様に驚いている。

 まあ、主人公が自分のステータスを見せて仲間に驚かれるなんて、ありがちだけど、まあ悪くないかな。

 

 

「な!?スキルを何も取ってない上に、こんな低い数値のステータスでよく生きてこれましたね!?」

 

 ……。

 

「本当ですよ!こんな低いステータス見たことありません!呪いか病気にでもかかってるんですか!?」

 

 邪神の呪いにならかかってるかもしれない。

 

「だ、大丈夫ですか!?何処か苦しいところとかありますか!?」

 

 

 あります。僕の心が苦しい。

 

 

 何が悪くないかな、だ。悪いわ。帰りたい、日本に帰りたい。

 何が少しは来てよかったかな、だ。こんな世界に来なきゃ良かった。

 

 

 というか納得いかない。日本にいた時は知力はそこまで無いかもしれないが、武道だってやってたし、筋力や敏捷性が低いのはあり得ない。絶対邪神のせいだそうだ俺は悪くない。

 

 

「な、なんで冒険者になっちゃったんですか?身寄りがないんですか?僕、教会とかに掛け合って違うお仕事とかお探ししましょうか?」

 

 そこまで言うかこの野郎!

 

「ええっ、そ、それは私が困」

 

「ま、まあでもクエスト自体はなんとか達成してますし」

 

 フォローに回るトリスターノ。今更味方ヅラするな。

 どいつもこいつも好き勝手言いやがって。

 

「でも心配ですよ。ニホンから来てるせいか物凄く世間知らずですし」

 

 はいはい、すみませんでした。違う仕事やりますよやればいいんでしょ。

 

「で、でも今日はコボルトをちゃんと倒してましたし」

 

「コボルトなんて素手でも倒せますよ!」

 

 ごはぁ!(こころ中破)

 

「ジャイアントトードも倒してました!四体も!」

 

「刃物持ってればだいたい勝てますよ!しかも依頼達成出来てないじゃないですか!」

 

 ぐあっ!(こころ大破)

 

 

 やめて!みんなの容赦無い口撃で俺のメンタルがやられたら、俺のメンタルと繋がっている俺の身体が燃え尽きちゃう!

 お願い、死なないでメンタル!あんたが今ここで倒れちゃったら、邪神を殴りに行く誓いはどうなっちゃうの?

 ライフはまだ残ってる。ここを耐えればみんなに勝てるんだから!

 

 次回、シロガネ死す デュエルスタンバイ!

 




本来ヒナギクを主人公にする予定だったので結構設定が盛られてます。
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