このすば ハード?モード   作:ひなたさん

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このファンの光あるえのイラストアドやばすぎ。
ピックアップ終了ギリギリで引けました。ありがとうございます。
美麗なイラストに加えてあるえだけじゃなくてゆんゆん、カズマにアクアとか豪華すぎるでしょ。
あるえ、ゆんゆんの気合いの入った表情は美しいし、躍動感あふれるそのむね…じゃないポーズに思わずもっと胸を開けと思ったものです、いえ間違えました。ポーズに思わずガッツポーズをしてしまったものです。

14話です。さあ、いってみよう。



14話

 トリスターノの衝撃の事実から一週間ほどが過ぎた。

 その間は三人でクエストに行き、助けられたり助けられたりして毎日が過ぎた。そして夕飯は毎度の如くヒナギクがやってきた。

 

 

「ヒカル!武術をやってるなら孤児院の子供達に武術を教えるのはどう?そんなに本格的じゃなくていいんだよ。身体を動かすついでに受け身とかが出来る様になればいいから」

 

 ヒナギクはすっかり友達みたいな感じになっていた。そして毎日俺に違う仕事を勧めてくるようになった。

 

「なあ、俺は冒険者をやっていくって言ってるだろ」

 

「じゃあじゃあ一週間に一回でいいから来ようよ。もちろん僕も同行するし、ヤンチャな子もいるけど良い子が多いんだよ?」

 

 日本の話ついでに道場に通ってた時に子供達に教えたりもしてた、なんて話をうっかりしてから勧誘がしつこくなっている。

 あとチンピラを投げ飛ばしたのも見てるからだろう。

 

「そんな姿を見てみたいですね」

 

「だよね!」

 

 

 余計なことを言うなトリスターノ。

 わざわざ休みの日を削ってまで、そんな事はしない。俺は自分の事で精一杯だ。

 すでに俺は馬小屋生活に突入してるし、クエストやって金が順調にプラスになるかと言うと全然そんな事はなく、消耗品が多いからすぐに金持ってかれるし、生活費もバカにならんし。

 

「ヒナちゃん、無理に誘うのは悪いよ」

 

 もっと言え、ゆんゆん。俺の味方はゆんゆんだけみたいだ。

 一週間のうちに二人も仲良くなって本当によかった。

 

「絶対こっちの方が合ってると思うんだけどなぁ」

 

 残念そうにしてもやらないからな。あとそこまで言われると意地でも冒険者でやっていきたくなる。そもそも俺は邪神をしばきに行くことを諦めてないからな。やめる選択肢は無い。

 

「あ、そういえば一応聞いておくんだけど『頭のおかしい紅魔族』ってゆんゆんじゃないよね?変なことしてないよね?」

 

 また唐突に話が変わるヒナギク。

 なんだそれ。ってかそのこーまぞく?ってなんだ?聞き忘れてたわ。

 

「ち、違うよ!その紅魔族はえっと…」

 

「おい、誰の頭がおかしいか教えてもらおうじゃないか」

 

 ゆんゆんが答えきる前に、違う女の子の声が遮ってきた。

 その女の子はゆんゆんと同じく黒い髪の紅い瞳をした少女だった。

 肩には黒い猫のような生物が乗っている、使い魔だろうか。黒いマントに赤いローブ、トンガリ帽子、魔法使い要素をこれでもかと詰め込んだ格好だ。

 色々とスレンダーだけど、ゆんゆんの妹さんかな。

 

「あ、めぐみん!」

 

 めぐみん?ゆんゆんの名前もおかしいが、これも本名なのか?

 

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法使い!爆裂魔法を操る者!」

 

 わざわざマントを内側に巻き込んでから勢い良く広げてポーズをとり名乗る。

 大丈夫か、こいつ。

 

「ゆんゆんから話は聞いてましたが、まさか本当にパーティーメンバーがいるとは……」

 

「どう?めぐみん?私だって、やれば出来るんだから!」

 

 俺らのことを見て驚いてる様子を見るに、ゆんゆんのコミュ症ぶりは知ってるらしい。

 俺も頼る人がいなくて仕方なくゆんゆんのもとに行った身だから言うのもなんだが、ゆんゆんは誰か来ないか待ってただけだと思うんだけど。それをわざわざ言ったりしないけどな。

 

 

「貴女が迷惑行為を繰り返してる紅魔族の人ですか?」

 

 少し怒った感じのヒナギクが割って入る。

 

「迷惑行為なんてした覚えはありませんが?」

 

「してますよ!守衛さんや土木工事の人が貴女のせいでどれだけ苦労してると思ってるんですか!」

 

 この一週間近くでわかったが、ヒナギクがこう怒りだすと面倒だぞ、ずっと説教し始めるから。

 

「あと貴女がすぐに喧嘩売るせいで、みんながパーティー募集の張り紙を貼れなくて迷惑してるんです!」

 

 周りを見たら冒険者の皆がこちらを見ていて頷いていた。こいつそんなことしてるのか。大人しいゆんゆんとは対照的だ。

 

「迷惑行為なんてしていません。私はただ爆裂魔法を撃っているだけ」

 

「それが迷惑なんです!」

 

 爆裂魔法、それもさっき言ってたな。また知らない単語が出てきてしまった。

 

「そもそも張り紙だって堂々と貼ればいいんです。隠したりするから腹が立つだけで」

 

「全部貴女の自分勝手じゃないですか!」

 

 また周りの冒険者が皆頷いていた。喧嘩が起こる五秒前って感じだ。

 

「ちょ、ちょっと待って、落ち着いて!」

 

 ゆんゆんが止めに行ったが、どうなることやら。

 

「止めないんですか?」

 

 トリスターノに聞かれるが、俺が入ってもなんの効果もないだろう。ついでにヒナギクに余計な説教もされそうだから嫌だ。あと面倒くさい。

 

「しばらく連日でクエストに出てるし、明日は休みにしないか?ちょうどやりたいこともあるんだよ」

 

「私は構いませんよ」

 

 二人が掴みかかり、ゆんゆんが頑張って割って入ろうとしてるが、あまり結果は変わらないだろう。そんな光景を横目に明日のことを二人で会議していた。

 

「じゃあ、そうしよう。明日はしっかり休むようにしろよ。俺はやることがあるから、ゆんゆんに伝えといてくれ」

 

「え、行ってしまうんですか?」

 

 悪いな、とトリスターノに押しつけてギルドを出る。出て行く時にはギルド職員すらも動員して二人が取り押さえられていた。

 

 

 

 

 翌朝。

 

「おはよう!起きて!朝だよ!」

 

 朝からこんなうるさいのは一人しかいない。

 

「……なんだこの野郎、朝は静かにしろよ」

 

 もうちょい寝たいんですけど。

 

「今日休みなんだよね?さあ、ヒカルが活躍する時間だよ」

 

 孤児院に行くために休みにしたんじゃねーよ。

 

「今日はやることあるから、あっち行きなさい。しっしっ」

 

「え、そうなの?じゃあやること終わったら教会に来てね」

 

「おい、行くなんて誰も…ってすでにもういないし。人を叩き起こしといてなんなんだあいつは」

 

 ヒナギクの悪いところはこうやって自分が正しいと思ったらそうあるべきと決めこんで相手に強制させるぐらいの行動をすることだ。

 誰か直してくれ。俺は怒られそうだから嫌だ。

 俺はもそもそと準備を始めた。

 

 

 

 今日は休みだが俺に休んでる暇はない。という訳で朝からすでにギルドにいた。クエストが張り出された掲示板を眺めているが、あまり良さげなものはない。やっぱりカエルを地道に狩るしかないかな。一人でやるのに複数のモンスターを狩る自信は無い。さて、どうしたものか。

 

「きみ、見ない顔だね」

 

 初めてギルドに来た時を思い出す言葉だ。そんな前のことじゃないのに、少しだけ懐かしく感じる。振り返ると美人二人がそこにいた。

 

「あたしはクリス!職業は盗賊。後ろの子はクルセイダーのダクネスだよ」

 

 銀髪の少女…であってるかな。服装で判断した。金髪のゴツい鎧をきた美人女性。

 銀がクリスで金がダクネスだ。

 

 そしてクルセイダーは確か初日に受付のお姉さんのルナさんに聞いたナイトの上級職だ。

 

「俺はシロガネ ヒカル。剣士だ。一週間前ぐらいから活動してるよ」

 

「もしかして一人か?パーティーは組んでないのか?」

 

 金髪の女性、ダクネスがそう聞いてきた。

 

「いや、一応パーティーは組んでるんだが予定が合わなくてね。俺一人で出来るクエストを探してるんだよ」

 

「そうなの?君も駆け出しだろ?どうだい?あたし達とクエストに行かない?」

 

 願ってもない提案だ。是非ご一緒させて頂こう。

 

「いいのか?助かるよ」

 

「よし!じゃあ、いってみよう!」

 

上級職がいるなら死にそうになったりはしないだろう。

 

 

 

 

 

 

「「はあ……はあ……はあ……」」

 

 死にそうなぐらいキツかった。俺とクリスは周りの敵を倒し終わり、へたり込んで肩で息をしてるような状態だ。

 

「はあ……はあ……はあ……」

 

 クルセイダーのこいつ、ダクネスは息を荒げているが、俺達とは違う理由だ。一緒にされたら堪ったもんじゃない。

 ダクネスは縄で縛られた状態で恍惚の表情を浮かべていたが、スッと真顔に戻り

 

「だが正直いまいちだったな。防御力を上げすぎたかもしれない。あまり気持ちよくなかった」

 

「クリスさん、ごめん。ちょっと翻訳してくれる?」

 

「本当にごめんね。いつもは良い子なんだよ……」

 

 マジで散々だった。今回のクエストの標的のモンスターを見つけた瞬間、私に任せろぉ!と剣を引き抜き特攻。

 『デコイ』という敵モンスターのヘイトを意図的に集めて自身を盾にするスキルを使うまでは、特に問題が無いと言えなくもない。そこからが最悪だ。

 敵モンスターの攻撃が集中しているのに引き抜いている剣を全く振らないでされるがまま。そんなダクネスを心配したクリスが『バインド』という拘束スキルを使いモンスターの動きを止めようとしたが、ダクネスが前に出ることでそれを阻止。縄で縛られた状態でモンスターの攻撃を受け続ける状態になり、あまり攻撃力の無いクリスと俺でダクネスの周りにいるモンスターを狩り尽くす羽目になった。

 そのせいで俺とクリスは必要以上に疲れることになったのだった。

 

 ポジティブに考えるとモンスターを倒せてレベルが上げられた。もう御免だが。

 

 

「そういえば黒髪で黒い目、名前が変わってる人はかなり強力なスキルや武器を持ってたりするんだけど、君は何も持ってないの?それとも隠してるのかな?」

 

 クリスが聞いてくるが、なるほど。転生者も有名になってる奴がいるから、そんな感じで話が伝わってるのか。

 

「残念ながら俺は持ってないよ。俺も貰いたかったんだけどな」

 

「……どういうこと?武器を盗られちゃったとか?」

 

「いや、なんていうか……」

 

 これは何処まで言っていいんだ?変なこと言ったら引かれるしな…。

 

「ちょっと聞かせてよ。力になれるかもしれないよ?」

 

 神様のことなのに力になれるわけない。まあ、あれは邪神だけどな。

 どう言ったものか。

 

「なんかこう、もらえなかったというか。何も持ってなかったというか」

 

 何故かクリスの顔が強張っていく。

 な、なんだ?もしかして言っちゃいけないことだったか?

 

「ちょっとさ、ダクネスと別れたら詳しい話聞かせてくれないかな?報酬を受け取ったらエリス教会に来てくれる?」

 

 肩をがっしり掴まれながら迫られるようにして言われて、俺は思わず頷いてしまった。

 

 

 

 

 報酬を受け取り、ダクネスと別れる。今後ダクネスとクエストを受けることはないだろう。これからも肉盾を頑張ってくれ。

 クリスは先に別れて、エリス教会に向かっている。

 

 なんだろう、神様に祈ればきっと通じるから、とかなんとか言われて宗教勧誘されるんだろうか。

 それにしても教会か。なんか忘れてる気がする。なんだっけ。

 まあ、いいか。

 

 教会に着いたが、教会前には誰もいない。

 中にいるのか、勧誘された時に逃げづらいじゃないか。

 嫌だなと思いつつ扉を開けて中に入る。

 

 教会なんて場所に入るのは初めてだが、綺麗な場所だ。エリス教は国教とかなんとか聞いたが、少し納得した。

 中央にはクリスともう一人、誰かいて話し合っているのが見えた。

 ってもう一人はヒナギクだった。やべ、あいつには確か勝手に約束されたんだった。

 

「あ!ヒカル!ごめん、クリスさんと話してるから少し待ってて」

 

 どうやら自分に会いに来たと勘違いしたようだ。

 だから孤児院に行ったりしないって。

 

「え?君たち知り合いなの?」

 

「はい、もしかしてクリスさんが先程言っていたお話しする人ってヒカルなんですか?」

 

「そうなんだよ。なんだ、知ってたんだ」

 

 なんか仲良さげだな。何というかどっちも性別が分かりにくいタッグが揃ってるな。

 なんてアホなこと考えたらヒナギクが少し頬を膨らませてこっちに来る。

 

「僕が教会に呼んだり、勧誘した時は全然来ないくせに、クリスさんが呼んだらあっさり来るんだ?ふーん?」

 

 何を勘違いしてるんだ、こいつは。

 

「いやいや、今日はちょっと話すことがあったから来てもらっただけだよ。あたしとシロガネ君も今日会ったばっかりだしね」

 

 クリスに言われて仕方なく黙っているが、俺のことはまだ睨んでるままだ。

 後でね!と言った後不機嫌そうに教会を出て行く。

 

「……珍しいね。あそこまで怒るなんて」

 

 え、そんなこと無いと思うけど。チンピラにガキとか言われただけでブチ切れてたけど。

 

「ヒナギクのことも詳しく聞かせてもらう必要があるみたいだね」

 

「あんたも変な勘違いするのはやめてくれ。てか何話せばいいんだよ」

 

「ああ、そうだった。ねえ、なんで能力を持ってないの?持ってないわけないよ」

 

「持ってないものは持ってない。なあ、クリスはどこまで知ってるんだ?」

 

「……君がこの街に来た時には何か持ってたかな?」

 

 いや、この街に来た時から何も持ってない。

 こいつはなんだ?邪神の使いか?SAN値チェック案件は勘弁してくれよ。

 俺が首を横に振ると、クリスは深刻そうな顔で口を開いた。

 

「……少しでいいからさ。お祈りしていかないかな?君の苦労が神様に届くかもしれないんだ」

 

 ……。

 

「本当に少しでいいんだ。信じて」

 

 予想が当たってしまったが、そんな縋るような表情をされて拒否出来るわけない。

 俺はこんなチョロいやつだったか。

 やり方がわからないし、テキトーになってしまうが。

 

 両手を組んで、目を瞑り願いよ届けと祈りを捧げる。

 

 

 

 邪神をしばかせてください。

 

 

 

 一分ほど過ぎただろうか。

 

「クリス、もういいか?」

 

 返事がない。

 クリスさん?

 

「なぁ、クリス。そろそろ…」

 

 返事がないし、目も開けて先程までクリスがいた方に目を向ける。

 だがそこにはクリスはいなかった。代わりにそこには

 

 

「私は女神エリス。幸運を司る神にしてこの世界の死者を案内する役目を持っています」

 

 

 あまりにも神々しい

 

 

 美女がいた。

 




感想をいただくって滅茶苦茶嬉しいことだと知りました。褒められた感想って言うのが大きいんですけどね、僕の妄想が褒められるなんて…本当に始めて良かった。

舞い上がってこの話を含めて一気に三話分書き終わったのですが、原作の方を読み直して少し修正したい場所が見つかったので投稿ペースは変わりません…。すみません。
やっと原作キャラを出せました。というか原作キャラを出して思ったんですけど、セリフを考えるのが滅茶苦茶難しい。
オリキャラばっかり出してたおかげでそこまで考えないでセリフ出せてましたけど、この原作キャラこんなこと言わなくね?とか考え始めると思考が止まります。
ゆんゆん?ゆんゆんはぼっちムーブさせとけば大丈夫だから(震え)
そんなゆんゆんが可愛くてしょうがない。

カズマのパーティーの面々が出て来ましたが、シロガネ君は彼女たちに共感を示したり良き理解者にはならないように意図的にしています。その役はカズマさんですからね。カズマさんの役を奪う気はありません。

前書きや後書きがこんなに長いのは、勢いで書いてるからです。これからも短かったら長かったりします。
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