このすば ハード?モード   作:ひなたさん

15 / 166
神 降☆臨

約一名、キャラ崩壊を起こすので、キャラ崩壊タグを追加しました。

15話です。さあ、いってみよう。



15話

 

 神が降臨した。

 

 

 俺は三体のモンスターを生贄にした覚えはない。な、なんだ何が起きた?

 

 そこには確かに人とは思えない程の美しい女性が立っていた。ゆったりとした羽衣に身を包み、長い白銀の髪に白い肌。人間とは思えない美貌ながらも、表情はどこか緊張のような色が見える。

 

 というか。

 

「今回現れたのは他でもありません。貴方の話を……」

 

「何やってんすか、クリスさん」

 

 確かに人とは思えない美貌だったが、色々とクリスに似通ってる部分が多い。顔も似てるし、頬の傷もそうだ。

 俺がお祈りしてる間に早着替えでもしたのだろうか。

 

 

「……私は女神エリス。幸運を司る神にしてこの世界の死者を案内する役目を持っています」

 

 

 目を開けた時と同じ言葉が返ってきた。

 

「い、いやどう見てもクリスさんじゃ」

 

「エリスさんなんです」

 

 ゴリ押してきた。もういいや。

 神様が俺の問題を解決してくれるなら、それで。

 

「本来転生する場合、能力譲渡は必須です。貴方が能力を持っていないのは何故か、聞かせてください」

 

 俺はこれまでのことを話した。

 邪神に会って早く選べと催促されたことと、選択権を邪神に預けたこと。異世界に行くことはわかっていたが、その世界の知識を知らないままお金も渡されず、転生された後何をすればいいかもわからない状態でいきなり放り出されたこと。

 

 その時のエリス様はそれはそれは表情が変わること変わること。引きつった顔をしたと思ったら顔を青くし、途中から顔を伏せていた。

 

「その神に代わり謝罪します。本当に申し訳ありませんでした。貴方にはしなくていい苦労をさせてしまいました」

 

 神が簡単に頭を下げていいのだろうか。

 

「私が能力について調べてみます。少しだけ時間をくれませんか?」

 

 願ってもない話だが、神様も忙しいんじゃないのか。

 

「今回の事は私達の不手際。それならば私のやるべき事でしょう。ただ少し時間がかかるかもしれません。本来能力の譲渡が行われないと異世界へ送れないようになっています。なので目に見えるような能力ではない能力が渡されている可能性もあります。何か貴方に変わった事とかはありませんか?」

 

 これで渡されてることがあるんだろうか。それなら俺は邪神に謝らなきゃいけなくなる。その可能性は無いと思いたい。だいたい変わったことなんて……あったな。

 

「ステータスがやたら弱くて、呪いや病気にかかってるんじゃないかと言われたことがあるんですけど、これは違いますかね。一応日本にいた時は健康だったんですけど」

 

「デメリットがある能力の可能性もありますね。ありがとうございます。これなら調べるのに時間短縮が出来るかもしれません。」

 

 ええ……そんな可能性があったら邪神に土下座しなきゃいけなくなるじゃん。や、やめてくれ。もう邪神が悪いことにしてくれ。そんな力を持ってるフラグは少しも無かったぞ、勘弁してくれ。

 

「数日ほど時間をください。重ねて私達のせいで迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした」

 

「い、いえ、そんな」

 

 ここまでされて能力を持ってたら今度は俺がこの神様に土下座しなきゃいけなくなる。やめてくださいお願いします。

 

 

「私が調べ終わり次第、クリスが貴方に伝えに行きます。その時はこの教会に来てくださいませんか?」

 

 もちろんでございます。

 数日経てば俺も苦労しないで冒険者をやれる可能性も出てきたのか。難易度設定をようやく変えられるわけだ。そしてこれでヒナギクに仕事を斡旋されないで済む。

 

 

「それと貴方には二つお願いしたいことがあります」

 

「一つ、私とクリスの事は誰にも言わないで欲しいこと。そしてクリスとは今までと同じように接して欲しいのです」

 

「もちろんですとも」

 

「ありがとうございます。二つ目はヒナギクのことです」

 

 一つ目はなんとなくわかるけど、二つ目はなんだ。ヒナギクのことでなんかあるのか。あいつなら俺より上手く生きていけるだろうし、何かしてやれることなんか無いと思うんだが。

 

「あの子は幼少の頃から私が可愛がってきた子なのです」

 

 ヒナギクさん、神様に可愛がられてきたんですか。

 

「どうか悪い虫がつかないように見てあげてください。私もなるべく見るようにしてるのですが、見れない時がありますし」

 

 わ、悪い虫?過保護すぎなんじゃ…。

 

「あの子はポテンシャルがありましたが、それに加えて私が可愛がりすぎて『神聖』を持っています。『神聖』というのは神などの天界に属するものが持っているものなのですが、本来生きているものが持っているものではありません。持っている人間が現れたとしても一つの世界に一万年に一人ぐらいでしょう」

 

 待って。神聖?天界?スケールが大きすぎる。これ以上面倒事は…。

 

「あの子は生を終えれば必ず天界で私達と同じような仕事をすることになるでしょう。そうなれば『絶対に』私の下で働いてもらうのです」

 

 え、

 

「あの子ほど完璧な子はいません!私の可愛いヒナギクが変な虫に穢されたら私の生きがいがなくなってしまいます!絶対に変なのが付かないようにしてください」

 

 ……もしかして

 

「ああ、私の可愛いヒナギク。早く私のところへ……」

 

 

 

 神様って頭がおかしくないとなれないんですか?

 

 

 

 

 

 トリップ状態から抜け出した女神は何かに気付いたようにこちらを見てくる。

 

「……そういえば貴方は他の人よりヒナギクと仲が良かったですね」

 

「え、いや、そんなことは……」

 

「……ヒナギクは私の子です。分かりますね?」

 

 めちゃくちゃ脅迫されてるんですが。

 

「あの子に手を出せば凄まじい天罰が下るでしょう」

 

 

 目が据わった女神に脅されて俺は二つの約束をしたのだった。

 

 

 

 

 

 俺が教会を出ると、いきなり件のヒナギクに睨まれる。

 

「随分と長かったね?クリスさんのこと気になってるの?ヒカルじゃ絶対に釣り合わないよ、諦めた方がいいよ」

 

「何を勘違いしてるのか知らんが、好きとかでは決してない」

 

 あの人はお前にゾッコンらしいぞ。

 

「クリスさんはね、冒険者の盗賊なんかをやってるけど、必要なお金以外は教会に寄付したり孤児院の子達を可愛がったりギルドでは知らない人がいないぐらい色々な人やパーティーに貢献してる聖人に近い人なんだよ。ヒカルじゃ無謀だよ、わかった?」

 

 いちいちこいつは、なんなんだ。ディスりすぎだろ。違うっつーの。

 

「お前らが俺のステータスでいじめてくるから神様に相談してたんだよ」

 

「……エリス教に入るの?」

 

「入らないよ」

 

 まだ不満気だけど、やっと追求をやめた。

 

 

「そういえばね、森で見たことないモンスターが現れたんだって」

 

 いつもの如く突然話が変わる。

 

「ヒカルは弱いんだから、しばらく森に行っちゃダメだよ。今の森はおかしいんだ。本来森の奥に居るはずのモンスターまでいて、すごく危険な状態なんだ。近場の方でクエストを受けてね」

 

 はいはい、弱くてすみませんでした。もう少しでその弱い問題が解決するかもしれないし、いちいち怒ってもしょうがない。

 

「出来るだけそうするよ」

 

「出来るだけじゃダメなの!」

 

 

 俺は教会前で多くの人に見られながら説教をされた。

 

 

 

 

 

 説教を受けた後、ヒナギクと一緒に飯を食う為ギルドに来た。

 だが様子がおかしい。いつもよりも騒々しいが何があったんだ?

 なんか悪魔とか聞こえたが、ヒナギクの方を向くと今までにないぐらい表情が険しい。な、なんだ、どうしたんだ?

 

「ヒカル、僕は少し用事が出来たから行くけど、さっき言った通り絶対に森に行かないでね」

 

 言い終わるや否やギルドを出て行った。もう、なんなんだ。俺に言うだけ言って満足する奴が多すぎるぞ。会話のキャッチボールが出来る奴はいないのか。

 

 

 

 

「おや、ゆんゆんのパーティーメンバーの方じゃないですか」

 

「おや、昨日ギルドの職員に取り押さえられてた方じゃないですか」

 

「昨日のちびっこのせいで貴方の事とかを聞き忘れてましたね」

 

 お前もちびっこじゃないか、とは言わないが。

 こいつはめぐみん?だったか。

 

「俺はシロガネ ヒカル。剣士だ」

 

「ほう。では聞きたいことがあるのでご飯でも食べながら聞きましょうか。あとお金が無いので奢ってください」

 

 ……まあ、いいけど何を聞かれるんだ。

 

 

 

 

「ゆんゆんの身体狙いとかじゃないでしょうね」

 

「ブー!」

 

「うわ、汚っ!」

 

 こ、こいつ!何言ってやがる!

 飯を食って少しずつ話し始めた時にいきなりこのちびっ子が切り出してきたおかげで飲み物を思い切り吹いてしまった。

 

「動揺の仕方で少し怪しくなってきましたね」

 

「違うわ!むしろ俺も心配してる側だよ!というかお前もゆんゆんの何なんだよ」

 

「……一応ライバルですかね」

 

「ライバル?なんだそれ。友達とか姉妹とかじゃないのか」

 

「私達は紅魔の里の学校の首席と次席なのです。もちろん私が首席ですが」

 

 ………え?同い年?しかもこっちの方が学力上なの?アホそうなのに?

 

「おい、何か言いたいことがあるなら聞こうじゃないか」

 

 勘が鋭いのも面倒だなぁ。

 

「ライバルってことは二人で競い合ってる感じなのか?」

 

「まあ、そんな感じですね」

 

 

「あ!めぐみんこんなところに!ってなんでヒカルが一緒にいるの!?」

 

 お、ライバルさんが来たぞ。

 

「ね、ねえ、めぐみん。ヒカルに変なこと言ったりしてないよね?」

 

「別に言ってませんよ。まさか里に一人も友達のいないゆんゆんがパーティーが作れるとは思ってなかったので興味が出ただけですよ」

 

「何言ってるの!?と、友達ぐらいいるわよ!」

 

「「ええっ!?」」

 

「なんで二人とも驚いてるの!?」

 

 ゆんゆんの言葉が信じられなくて、俺はめぐみんの方を見ると首を横に振ってきた。

 

「ねえ、今なんで二人で確認しあったの!?私に確認してよ!」

 

 まさか友達がいなすぎて幻覚が……。

 

「ちゃんといるもん!どどんこさんとふにふらさんが!」

 

 またもや信じられなくて、めぐみんの方を見ると首を横に振っている。

 やっぱりか……。

 

「ちょっと!二人とも友達だってば!文通だってしてるし!ていうかなんでヒカルはめぐみんの方を見て確認するの!?」

 

 ぶ、文通だ……と!?居ない人間とどうやって……?

 

 あまりにも厳しい現実にめぐみんの方を見るが辛そうな表情で首を横に振っている。

 くっ…なんでここまで放置してしまったんだ…!

 

 

「ねえ!私に確認してってば!ヒカル!ねえってば!!」

 




キャラ崩壊すみません。

ヒナギクは主人公になるはずだったキャラなので設定が盛られてるという話をどこかの後書きで書いたのですが、つまりはこういうことです。元々ヒナギクは聖人になれるほどの素質があったのにエリス様が手を出してしまったことにより、神様側の神聖な存在に片足突っ込むことになります。
『神聖』も独自設定です。
この『神聖』を持っているのが少しだけフラグになってたりならなかったり。

本田のTwitterのコーラネタ新しいのが供給されたから、やらなきゃ(使命感)

評価やお気に入りをしていただきありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。