このすば ハード?モード   作:ひなたさん

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苦手は方がいたらごめんなさい。

25話です。さあ、いってみよう。



25話

『ドS先生が来たぞーーーーーー!!!!!』

 

 

 

 子供達の歓声が聞こえる。

 誰のことを言ってるか知らないが、子供達はみんな俺のことを見て笑顔になっている。

 

 俺はエリス教会近くの孤児院に来ている。

 上位悪魔ホーストによって森が立ち入り禁止になりクエストが出来なかった俺は元々ヒナに毎日しつこく紹介されていた孤児院での仕事をやらされていた。冒険者を再開した今はもうやる気はなかったのだが

 

「ドS先生なにしてたのー?」

「ドS先生今日はなにするのー?」

「ドS先生コンカツしてたってほんとー?」

「ドS先生がコンカツはむりでしょー」

 

 このように俺は子供達に大人気すぎてたまにはこうして子供達の前に出てやっているというわけだ。大人気すぎて。人気者は辛いね。

 

「ドS先生ドS先生っていちいち呼ぶんじゃねーよ。滅茶苦茶優しくてかっこいい先生と呼びなさい」

 

「いや、長いよ!呼びづらいし!」

「ネーミングすら出来てないよ!」

「コンカツできた?」

 

 大人気すぎてわざわざボケてやるのも大変だ。全く人気者は辛いね。

 

「よーし、今日もお前らが苦しむ……じゃなかった頑張る姿を見に来たからなー!精一杯もがいて頑張ってくれー!」

 

「苦しむって言ったよね!?」

「もがいてって何やらせる気なの!?」

「コンカツは?」

 

 子供達からツッコミが飛んでくるが、この人数を捌くとキリがないのでスルーだ。人気すぎるとココが苦しいんだなー。

 

「じゃあお前ら全員動きやすくて汚れてもいい格好に着替えてこい!あとコンカツって言った奴はココに残りなさい!」

 

 わー!と子供達は施設へと駆けて行き、誰も残らなかった。

 

 

 

「よし、最初はジョギングな。五周してきなさい!」

 

 孤児院の隣の空き地スペースで身体を動かさせる。

 子供達の指導と怪我をしないか等の監視。

 これが俺の今日の仕事。

 あとはちょっとした武道の基本とか教えて受け身とかが出来るようにする。外なので受け身もゆっくりやって身体をどう動かすかぐらいにしか教えないが。

 もちろん無理はさせないが言うことを聞かない子供、生意気な子供には厳しくする。

 

 

「いだだだだだだだだだ!!先生ごめんなさい!手があああ!!」

 

「反省してくれるのは先生嬉しいんだけど、ただ握手してるだけじゃないか。そんな痛がらなくていいだろ?」

 

「いやいやいやいや、手ぇめっちゃゴリゴリされてるから!いだだだだ!」

 

 俺は子供達と握手している。これは子供達と触れ合い、目線を同じにして話し合うことで子供達の理解や反省等を促す俺の指導法だ。

 決して子供の指をゴリゴリしたりとかしてない。

 

「コイツはお前より運動は出来ないけど、お前より頭滅茶苦茶良いの。みんな違ってみんな良いんだよ馬鹿野郎」

 

「ごめんなさーい」

 

 いじめは許さん。多少強引でもやらせん。

 仕切り直して

 

「さて、じゃあ今度はダッシュで三周だ!行ってこーい!」

 

 走ってる子供達はなんとも楽しげだ。こういう姿を見ると来てよかったと思ってしまう。

 

「転ぶんじゃないぞー!」

 

『はーい!』

 

 

「おーし、終わったら歩いて一周してこい!走り終わった後にすぐ立ち止まったり座り込んだりするなー」

 

『はーい』

 

 ダッシュで競争し始めたりするヤンチャ共もいるから色々とメニューを考えてやらなきゃいけない。

 ここにいる子供達はまだ5〜9歳ぐらいの子供達しかいない。約十人ほどの人数だが、この年齢の子供は目を離すと何をするかわかったもんじゃないので大変だ。

 

「次はストレッチー」

 

『はーい……』

 

「どうしたー?元気ないぞー?」

 

「だって先生が」

「先生が一番楽しそうにする時間が」

「ドS先生が張り切る時間だー」

 

 何を言っているのか全然わからない。

 俺がなんでお前らのストレッチなんかで楽しまなきゃいけないんだ。

 

 ストレッチはもう名前を言えばわかるぐらいになっている。俺はちゃんと出来ているかどうか見回りながら指示を出している。

 

「はい、次は座って長座体前屈ー。ちゃんと足にタッチしろよー」

 

「ドSタイムだ」

「はぁー」

「ストレッチだけでどれぐらいかかるんだろう」

「だからコンカツが……」

 

 どいつもコイツも何言ってるんだ?ストレッチしないと怪我するだろうが。俺だってクソガ、じゃない子供達が痛がってるところなんて見たくない。でもクソガキ、じゃない子供達が怪我したり後で筋肉を痛めたりしないようにストレッチは徹底しないといけないんだあとでコンカツって言った奴呼び出すからなこの野郎ていうか別に結婚願望なんかないっつーの。

 

「先生!タッチ出来るようになったよ!」

 

「おおー、やるな。膝伸ばしてれば完璧だ」

 

「うえーバレたー」

 

 見回りながら教えてやったり褒めてやったりしつつ指示を出す。

 

「はい、開脚ー」

 

『うあーー!』

 

 うあーとは何だ。全くどうしたんだ?

 

「いいからやるんだよ。どうせ固いままなんだろ。身体前に倒してー」

 

 女の子達はだいぶ柔らかくなってる子が多いので褒めてやるが、さてどれから手を付けようか。

 

『……』

 

 こういう時だけ静かになるんじゃないよ。いつもワーワーギャーギャー騒いでるくせに。

 目が合いそうになった瞬間全力で目を逸らしてきたやつがいたのでコイツに決めた。

 そいつの前に座り同じく足を開き子供達の足首あたりに足を出しストッパーにする。手を掴み導いてあげれば、その子の股関節が柔らかくなるという優れものさ。

 

「慈悲とかないんですか?」

 

 最近覚えたのだろうか。慈悲とか言い始めた。

 

「安心しろ。俺は優しい先生だぞ」

 

「何も安心出来ない……」

 

「いいか?いち、に、さんで引くからな?」

 

「う、うん。ゆっくりね」

 

「さん」

 

 事前に伝えた通りさんで引いた。

 

「1と2はああああああああああああああ!?」

 

 子供が苦しむ様を見てられない!

 なんて辛い仕事なんだ!

 

「あの先生ニッコリだよ!満面の笑みだよ!」

「いつもはあんな笑顔見せないのに!」

「最低だよ!騙してるし、笑顔で最低だよ!」

 

 周りの子供達も見ていられないのだろう。少しうるさくなってるが仕方あるまい。すぐに同じ目に、じゃない同じ指導をしなくては。

 

 順番に処理して行く。全く男の子達は何も変わってないじゃないか。ああ、残念だ。とっても残念だ。

 

「ドS先生、すごいニコニコだよ」

 

「さて次だ」

 

 言われた後、まるで戦場に行くのを決めたかのような顔をし始める。

 

「ほら人数多いし、早めに終わらせるぞ」

 

「うん。でも僕ゆっくりがいいな」

 

「おう。さっきまでの聞いてたな?さんで引くぞ?」

 

「さんで引くんだよね?それっていきなり」

 

「いち、よん、に、ご、なな、ろく、さん」

 

 やっぱり宣言通りさんで引いた。

 

「タイミングぅぅぅぅぅぅぅーーー!!!!」

 

「さんで引くって言ったけど、フェイントかけてきたよ、あのドS!」

「さんならなんでもいいわけじゃないよ!」

「やっぱり最低だよ!」

 

 好き勝手言いやがって。子供ならなんでも言っていいわけじゃないんだぞ。

 俺は順番通りに子供達にストレッチを教えていった。

 

「よし、やっと最後だな」

 

「ドS先生、一人一人に時間かけすぎだよ……」

 

「悪いな、待たせちまって。みんな可愛いクソガ、じゃなくて可愛い子供達でついな」

 

「クソガキって言いかけてたよね!?」

 

「さてサクサクやるぞ」

 

「さんで引くんだよね?フェイントしないでね?」

 

「わあってるよ。俺が何度も同じ手を使うと思うか?」

 

「いや、そんな工夫してやる必要ないんだけど!」

 

「そういやお前コンカツって言ったな?」

 

「え、いいいいい言ってないよ、何言ってあああああああああああああ!!!!」

 

 現行犯逮捕!

 

「さんすら言ってないよ!」

「あの人、私怨でやってるよ!」

「最後まで最低だよ!」

 

 そんなこんなでストレッチが終わって合気道の基本を教え始めた。

 

 

 

 

「はい午前中は終わりー!昼飯食ってこーい」

 

『はーい』

 

「ドS先生ー、あの女の人だあれ?」

 

 子供達の一人が服の裾を引きながら聞いてくる。

 施設前にいたのはゆんゆんだった。どうしたのかな。

 

「ドS先生の彼女だー」

「ドS先生の相手ってことはドMなのかな」

「ドS先生のおんなだー」

 

 ゆんゆんを見るや否や突っ込んでいく子供達。

 約十人の子供達に群がられ質問攻めされる。

 何とか答えようとしてるがすぐに俺に助けを求めるようにこちらを見てくる。

 

「おいこら、離れなさい。その娘は俺の仲間だよ」

 

「隠すことないじゃんドS先生」

「ドM先生こんにちわー」

 

「ドM先生!?」

 

 ゆんゆんがいきなり変な名前で呼ばれて驚いてる。可哀想に、変な名前付けられて。

 

「ごめんね、みんな。ヒカル、はいこれ」

 

 子供達の波をかき分けて俺に箱を渡してきた。

 なんだこれ?

 

「ここでお仕事してるって聞いたからお弁当作ってきたの。ヒカルのお昼ご飯ないってヒナちゃんから聞いてたから」

 

 聞いた途端、子供達から歓声が湧く。

 

「ドS先生にほんとに彼女が!」

「ドS先生やったね!」

「愛妻弁当だー!」

 

 ゆんゆんが赤面して子供達に説明してるが、全く聞いてない。この状況は俺の方を見られてもどうしようもないぞ。

 

「あ、ああああ愛妻弁当じゃないから!!たまたまなの!!」

 

「ごめんな、ゆんゆん。ヤンチャなのが多いんだ。弁当ありがとう」

 

「うぅ……ヒカルが動揺してないのはなんで……ヒカルも説明してよぅ……」

 

「後で説明しとくよ」

 

 と言って別れようとしたら

 

「あ、えっと、私も一緒に食べていい……?」

 

 

 それは更に誤解されるのでは?

 

 

 案の定、一緒に食べてるのをしっかり見られて思い切りからかわれた。

 




ヒカル
意外と子供好き。元々日本で子供達に武道の指導の経験があった。
子供達をいじりながらも真剣に教えるヒカルは子供達に大人気で『ドS先生』の愛称で呼ばれるようになった。結婚願望なんて無い無いったら無い。

ゆんゆん
弁当を作ってヒカルに届けただけで『ドM先生』のあだ名を付けられた。決して愛妻弁当ではない。

次回は今までギャグでやってきたのに、頑張ってラブコメしようとして滅茶苦茶苦戦してるので、少し書くのに時間がかかるかもしれません…。頑張ります…。
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