このすばらしくギャグテイストで行きたい(願望)
さあ3話です。いってみよう。
結論から言うと俺はもうダメかもしれない。
あのおっさんのせいで変な疲れが……。
それはともかく何故俺はもうダメなのかもしれないと言ったのか、それは……。
「幸運値は平均以上なんですが、それ以外は全て平均……より、ちょっとだけ下、ですね」
言い方的にめちゃくちゃ気を使われてるな、これ。
何故こうなった。
「シロガネさん、何か病気とかにかかったりとかは……?」
「しませんね……」
病人の方がマシらしい。
「幸運が高い人は商売人とかもおすすめしますが……」
冒険者やめとけってよ。日本に帰らせてくれ。
そもそもこの世界のことがほとんどわかってないのに商売なんか出来るわけがない。いよいよ何しに来たかわからないだろ。
「い、いや冒険者の他に何か職業はありますか?」
「そ、そうですね。えっと冒険者の他に前衛職の剣士にも一応なれるみたいですが、どうされますか?」
一応武道は一通りやったことがあるが、武器を扱う武道は少し苦手意識がある。
多分素手で戦いに行ったら死にそうだな、しょうがない。
「あー、剣士でお願いします」
「レ、レベルを上げれば上位職とかにも転職は可能ですから、頑張ってくださいね」
受付のお姉さんの渾身の愛想笑いが見れた。
手渡された冒険者カードを見て更に絶望感が増す。スキルとかの欄は何も書かれていない。
まさか俺は何も渡されないで此処に来てしまったのか? あの邪神は俺に能力を渡すのを忘れてるんじゃないだろうな。
「あのー他に何かありますか……?」
冒険者カードを見て固まってる俺に尋ねて来る。良い機会だ。
今受付に俺以外いない、聞けることは聞いておこう。
クエストの受け方を聞いてると、絶対に一人でクエストに行くのはやめるよう言われた。
というのも既に街周辺のモンスターはとっくの昔に狩り尽くされていて簡単なクエストとかは無いらしい。
スライム狩りやポ◯ポやコラ◯タを倒してレベルを上げることも出来ないのだ。
どうすんだこれ。
初心者がいきなり一人でクエストを受けるというのはただの自殺行為に他ならない為、一人で行くのは止めるよう言われてしまったわけだ。
流石に死人を出すのは避けたいらしい。送り出す側も大変だ。
ということで仲間が必要になったわけだが……。
「と言ってもレベル1の冒険者受け入れてくれるパーティーなんてあるんですか?」
「……えっと」
目がめっちゃ泳いでるんですけど。バタフライなんですけど。
「一応ですね、クエストの掲示板の横にパーティー募集の張り紙をしてる掲示板があるので、そこで探すか、もしくは募集するかになると思います」
Q:レベル1の冒険者を入れてくれるパーティーはありますか?
A:あ? ねえよ、んなもん
ため息が出そうになったが、悪いのは俺のステータスなので何とも言えない。
受付のお姉さんの対応は至極真っ当、いや、これでもかなり優しいんだろうな。
「まあ、アレですね。ダメ元で募集とか頑張ってみますね。ありがとうございました」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
落ち込んでいるのをなるべく隠して、掲示板の方に向かおうとしたのを呼び止められた。
「……パーティー募集の掲示板の一番右上の張り紙ならもしかするともしかするかもしれません」
もしかするともしかしなかったらどうしましょうかね、なんて軽口を叩きそうになるのを堪えて感謝の会釈をしてから俺は掲示板へと向かった。
右上のパーティー募集の張り紙か。
なになに?
『パーティーメンバーを募集してます。優しい人、つまらない話でも聞いてくれる人、名前が変わっていても笑わない人。クエストが無い日でも一緒にいてくれる人。前衛職を求めています。できれば歳が近い方。当方、最近16歳になったばかりのアークウィザードで────』
…………。
マッチングアプリかな?
どうやら違うのを読んでしまったらしい。一応全部の募集に目を通しておこう。そして受付のお姉さんに確認してみよう。
アレだ、左上と間違えちゃったのかな。
左上の張り紙は───
『パーティーメンバーを募集中。当方、クルセイダーと盗賊の二人組。募集要員は前衛職一名、後衛職二名。良識あるまともな人を募集しています』
そうそう、こういう感じだよな。やっぱり先程の募集の張り紙は何か間違ってたんだろう。
この募集こそもしかするかもしれないと言っていたものだろう。
この募集も途中黒く塗りつぶされている部分があって気になるが、多分普通の募集だろう。
他には、
『パーティーメンバー募集。パーティーの人数は現在四名。募集職は魔法使い』
簡潔だがわかりやすい。俺はお呼びではないみたいだが、パーティーの募集とはこんなもんだろう。
俺もパーティーを募集する側になるかもしれない。参考にさせてもらう為にも他にも目を通させてもらおう。
全て読み終わった。
ほとんどの募集が魔法使いやプリーストの募集だったが、一応前衛職を求めてる募集もある。
まだ希望はあるわけだ。
さて受付のお姉さんに聞きたいこともあるし、受付に戻ろうかな。
「……どうでしたか?」
なんか気まずい感じで聞いてくる。右と左を少し間違えたぐらいでそんな怒ったりしないぞ俺は。
「結構前衛職の募集もあるみたいですね。安心しました」
「それはよかったです。それでどうされたんですか?」
変な募集を案内されたんじゃないかと疑うのはよくないし、とりあえず職業のことを聞きつつ、先程の募集について聞いてみよう。
「───クルセイダーに関してはこんな感じですね。他には何か聞きたいことはありますか?」
受付には人がいなかったし、職業に関してわからないことがあったので色々と聞くことにしていた。
上位職はレベルを上げて転職する場合とステータスが高かったり才能ある人間がいきなりなる場合があるらしい。
ここは駆け出しの街だし、おそらく後者の人間が募集していたのだろう。羨ましい限りだ。
「そういえば募集の張り紙なんですけど」
お姉さんがビクッと震え、目を逸らし始める。まるで嫌なことでも聞かれたかのように。
「掲示板から見て右だったんですね。少しびっくりしましたよ」
「……いえ、掲示板から見たら左上ですね」
「……」
「……」
空気が死んだ。
「ちなみに手前側の四人席に座っている女の子が募集している方ですよ?」
「いやいやいやいや」
「いえいえいえいえ」
何案内を済まそうとしてんだ。
パーティーの募集っていうかパートナーの募集してたんですけど! ちょっと怪しい上に重かったんですけど!
「パーティーに求める人材は人によって違いますからね。あの子ならきっと冒険者で優しい方ならパーティーになってくれるはずです。シロガネさんならきっと大丈夫です」
なに良い感じの言葉で誤魔化してんだ!
お墨付き貰いたくてここに来てるわけじゃ───
「募集があるとはいえ未経験の方を受け入れてくれるなんて難しいですし、先に違う人があの娘のパーティーに入っちゃったらクエストを受けられなくなっちゃうかもしれませんよ? あの子は上位職のアークウィザード。今はパーティーを組んでクエストを受けられるようになってから先のことを考えるべきだと思います」
……はい論破。
確かにそうだ。選り好みしてる場合じゃない。少しでも可能性があるならやるべきだろう。
「……わかりました。案内ありがとうございます」
「ええ、陰ながら私も応援してますよ」
良い笑顔ですこと。
さぞモテることだろう。
次でやっとこの話の紹介欄?のところに唯一名前が出てた人が登場します。
時系列ですが、アクアがシロガネの転生を案内している通りカズマより早く異世界に来ています。