このすば ハード?モード   作:ひなたさん

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第四弾。
今回はシリアスです。



番外編④

 

『No』の先のハッピーエンド④

 

 

「いい加減落ち着いたら?」

 

「な、なに言ってるの?落ち着いてるわよ」

 

「ずっとソワソワしてるけど?」

 

「う…」

 

 

 私が何故ソワソワしてるかと言うと理由がある。

 

 ヒナちゃんから手紙が返ってきた。

 ヒナちゃんもなんとか立ち直り、ご両親の手伝いをして生活しているらしい。

 紅魔の里には行ったことがないし、久しぶりに会いたいという嬉しい文章に加えて、数日間こちらに泊まりに来ると書かれていた。

 

 そして今日がそのヒナちゃんが来る日。

 今はヒカリと自室で待っているのだが、正直落ち着かない。

 ヒカリは本なんて読みながら落ち着けと言ってきたが、それで落ち着けるなら苦労はしない。

 

 

 ヒカリは親思いで心配をかけないように夕飯を食べても毎日帰っていたので、めぐみん以外の友達が泊まりに来ることが初めてで、ちゃんとおもてなしが出来るか自信がない。

 

 それにヒカリのことも説明しなくてはいけない。

 ヒナちゃんも持ち直して外出出来る様になっているから、多分大丈夫なはずなのだが、どうしても不安は残る。

 

 

 ヒカルが亡くなってから、ヒナちゃんは言葉で言うだけなら簡単だが、発狂してしまった。

 自身に責任があると言って聞かず、自身を責め続けて、何もかもを拒否した。

 言い方は悪いが、そんな発狂してるヒナちゃんがいたから私は逆に冷静でいられたと思う。

 クリスさんが来て、なんとかしようとしてくれたが、あまり変わることはなかった。

 私達では手に負えず、家族の元へと連れて行き、しばらく様子を見てからアクセルに帰った。

 その後トリタンさんはグレテンへと向かっていった。何度も止めたが、止まることはなく少し目を離した隙にいなくなってしまった。

 

 

 そんな過去がある以上、ヒナちゃんが大丈夫だとしても説明にはかなり気を使わないといけない。

 

 ヒカリや私の両親には事情を説明してある。

 ヒカリは私が泣いた時のことがあったせいか、真剣に聞いてくれてヒナちゃんの事情もわかってくれた。

 もしヒナちゃんから要望があれば出来る限り応えてあげてほしいとお願いしたら、二つ返事で了承してきた。

 

 こういうところもヒカルらしさが出てる。

 ヒナちゃんにヒカリを紹介してプラスになるといいんだけどなあ。

 

「うう…ヒカリもう一回お願い」

 

「また?さっきやって五分も経ってないぞ」

 

「お願い」

 

 ヒカリは呆れ顔になりつつも、手を広げて待機し始める。

 その胸に顔から入り込んで、小さな体を抱きしめる。ヒカリも私の頭を抱いて、よしよしと頭を撫でてくれた。

 

 ああ、癒される。

 最近の私はこれがないと生活できなくなってしまった。

 族長としての仕事も楽ではなく、色々とストレスが溜まるもの。

 なんで外でやらかした紅魔族のことで私が怒られなきゃいけないんだとか、里のニートをどうにか出来ないかと相談されたりとか、最近は私がショタコンだとか言われてるせいで視線が痛いわでそれはもう疲れるし、ストレスが溜まる。

 

 ストレス解消に里の外でモンスター狩りに行っても私はすでにかなりレベルが上がっているせいで、モンスターを倒すついでに自然破壊をするだけで何もならなかった。

 自然破壊しても後々私達が困るだけ。かといって威力を抑えながら魔法を出すのは、それはそれで面倒臭い。

 故にストレス解消にはなり得なかった。

 

 ただ一度ヒカリがついていきたいと言って聞かない時があって、一緒にモンスター狩りに出かけた。もちろんヒカリの安全を重視して。

 

 ヒカリに良いところを見せようとか特に思ってはいなかったが、魔王を倒したパーティーに属していたし、紅魔の里の族長としての力を見せておかないといけない。

 別に張り切ったわけではないのだが、小規模…とは言えないレベルの自然破壊をしてしまった。

 その時にヒカリからキラキラした眼差しを受けて満足したのも束の間、火の手が迫ってきてヒカリを抱き上げつつ、自分達の身を守りながら消化活動をした。

 その時にヒカリが私の体に必死に抱き付いてきてるのを見て、私はなんとも言えない高揚感のような幸福感のようなそんな感じの感情が湧き上がり、今のストレス解消法に落ち着いた。

 

 

 今更だが私はショタコンなどではない。

 わかり切ったことを言うのもなんだが、決してショタコンではない。

 様々な誤解とタイミングの悪さが重なった結果、周囲にそう思われてしまっただけ。

 

 これもヒカリが親となかなか居られない分、私に甘えさせてあげようという母性のようなものであり、私も子供を持った時の練習といったところだ。

 

 癒されているのは当然、子供が可愛いから。

 ショタコンという意味ではなく、子犬が可愛いとかそういう感情。

 頭を撫でてよしよししてくるのはヒカリが勝手にやっていることなので、変なプレイとかではない。

 

 これで十分にショタコンではないことは証明されたのだが、里のみんなが思い込んでしまってるせいで、なかなか誤解は解けない。

 最近では通学路に先生や保護者が立っているのは大変遺憾です。

 まあ誤解が解けるのは時間の問題なので、気にしないことにした。

 

 

「ねえ、ねえってば」

 

 ヒカリが呼びかけて来る。

 

「なに?もう少しいいでしょ?またすぐにお願いすることになるんだから」

 

「俺はいいけど」

 

 じゃあいいじゃない。

 またヒカリを堪能、じゃないヒカリに甘えさせてあげていると

 

「でも、ゆんゆんのお母さんが」

 

「?お母さん?」

 

 顔を上げてヒカリの顔を見たら扉の方を見てるので、視線を追いかける。

 そこにはなんとも気まずそうにしたお母さんが扉を開けて立っていた。

 

「……あの、お客さん、来たから」

 

 そっと扉を閉めて出て行く母。

 

「…」

「…」

 

「わああああああああああああああ!!!!!待って!お母さん!待って!これは違うの!お母さん!!」

 

 

 

 

 

 とうとうヒナちゃんと数年ぶりの再会だ。

 なんというか緊張している。

 

「ヒカリ君。私も貴方達の関係を認めたけど、嫌だったら嫌って言っていいのよ?ああいうのはね、言わないとわからないの。無理矢理何かされそうになったら私に言いなさい。いいわね?」

 

「関係?はい。わかりました」

 

 後ろで母さんとヒカリがやりとりしてるけど、気にしてられない。

 

「ヒカリ、私が言うまで部屋で待ってて」

 

 ヒカリが頷いて、部屋に向かって行った。

 決して誤魔化したかったわけではない。

 

 意を決して玄関の扉を開くと、大きめの鞄を持った一緒にいた時と変わったヒナちゃんがそこにいた。

 身長は伸びてめぐみんよりも上になっただろうか。髪も伸びて肩にかかるぐらいになっていて、女性的な体つきになり随分と成長したように見える。

 

「ゆんゆん、その、久しぶり」

 

 照れたような笑みを浮かべるヒナちゃん。

 ああ、よかった。

 

「ヒナちゃん!」

 

 嬉しくてつい抱き付いてしまった。

 

「うぅっ、くるじい…」

 

「よかった、よかった…!元気そうで本当に!」

 

「えへへ…ごめんね。心配かけてごめんね。ゆんゆんも元気そうでよかったよ」

 

 ヒナちゃんも私に負けじと抱き付いてきて、しばらく再会を喜びあった。

 

 

 

 

 

「調子はどう?無理してない?」

 

「うん、大丈夫だよ。その、迷惑かけてごめんね」

 

「迷惑なんて思ってないよ!」

 

 仲間の死がそれだけショックだった。

 当たり前のことだから、どうか気にしないでほしい。

 うん、ありがとうと少し辛そうだが、微笑んだ。

 

「その、気持ちの整理はついた?」

 

「……うん」

 

 整理は出来たが、きっと後悔とかそういった辛い思いはまだ引き摺っているのだろう。

 それは私も同じだから、よくわかる。

 

 これならヒカリを紹介しても大丈夫なはず。

 

 

「外でいつまでも話してないで中に入ってきたらどう?」

 

 後ろから母の声が聞こえて、我に帰る。

 再会が嬉しくて、つい忘れていた。

 

「そ、そうだった。ヒナちゃん、ごめんね」

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

 

 

 両親にヒナちゃんを紹介した後、紅魔の里でも案内しようかと思っていたが

 

「ごめんね、実はヒノヤマから出たのが久しぶりで…ちょっと疲れちゃった」

 

 と言われたので計画を変更して、お互いに近況報告しつつリビングで雑談することになった。

 

 長いこと話していて、もう夕飯の時間になろうかという頃、ヒナちゃんの表情が暗くなり、恐る恐る聞いてくる。

 

「その、さ。トリタンが、今どうしてるか、わかる?」

 

 ずっと気になっていたのだろう。

 だけど言い出せずにいた。

 正直に言ってしまっていいのかわからなかったが、ヒナちゃんが傷付くのは見たくなかった。

 

「…ある日、突然いなくなっちゃったんだ。いろいろと調べてみたけど、わからなかった」

 

 ヒナちゃんの表情がさらに辛そうなものになる。

 

「僕が、しっかりしてれば…」

 

「そんなこと言わないでよ。目を離した私にも責任があるんだから」

 

 寝食を共にした仲間の死を前に冷静でいられる人間なんてそういない。

 

「でも…」

 

「もう、暗い話しに来たわけじゃないでしょ」

 

「そうだけど、あれは僕の」

 

「やめて」

 

 多分このままじゃずっとそんな話をすることになる。

 そろそろヒカリを紹介しよう。

 

「確かに暗い話をしに来たんじゃないけど、やっぱり謝りたくて」

 

「ねえ、ヒナちゃん。見せたいものがあるって手紙で言ったよね?」

 

「え?う、うん」

 

 覚悟を決めた。

 暗い話をしたくない。それはもちろんだけど。

 なにより、ヒナちゃんがこんな表情なのは似合わない。

 ヒナちゃんは誰よりも明るくて、猪突猛進で誰にでも真正面から気持ちでぶつかれる強い人だ。

 それが今は暗くて、あの辛い時から立ち止まっている。

 ヒナちゃんはこんなことで終わるような人じゃない。

 

 

 もう、ヒカルは帰ってこないけれど、

 

 ヒナちゃんは帰ってこれる。

 

 

 取り戻してみせる。

 多少強引でも、私の友達を、私の仲間を取り戻す。

 

 立ち上がり、ヒナちゃんの肩を掴んで真っ直ぐに見つめる。

 

「え、な、に?」

 

「今から見せるから、どうか落ち着いて見てほしいの。少し待ってて」

 

 コクリとゆっくり頷いてきたのを確認して、自室へと向かう。

 自室に着くと私のベッドで本を抱えて寝ているヒカリを見つけた。

 待たせすぎてしまった。

 揺らして起こすと、寝ぼけ眼でいるヒカリに謝りつつ、ヒナちゃんに会ってほしいと告げると、真剣な表情に変わり頷いてきた。

 少しかっこいいと思ってしまった。

 

 頬によだれの跡が無ければ。

 

 子供らしくないと思えば、子供らしかったり、この子はヒカル以上に変わってるというかなんというか。

 この子の子供らしくないところにまた頼ることになる。

 ハンカチでよだれを拭いてあげて、手を握り連れて行った。

 不安に思わないように、と思ってヒカリの手を握ったけど、もしかしたら私が不安だったから握ったのかもしれない。

 

 

 

 

 ヒカリを連れてリビングに着くと、ヒナちゃんは暗い表情から一転した。

 大きく目を見開き、茫然とした表情でヒカリを見つめている。

 ヒカリはその視線を真正面から受け止めた上に一切動揺することなく、同じくヒナちゃんを見つめ返していた。

 

 ヒナちゃんはゆっくり立ち上がると、夢遊病患者のような足取りでフラフラしながらヒカリの近くへと歩み寄る。

 少し不気味な様子で普通の子供だったら怖がっていたかもしれない。

 ヒカリはそんな姿を見てもなお表情を変えず、その場から動かないでヒナちゃんを見つめていた。

 

 ヒカリの元へと辿り着き、信じられないものを見る目でヒカリを見た後、ぺたんと座り込み、ヒカリの顔へ手を伸ばす。

 幻覚でも見ている気分なのだろう。

 ヒカリの顔をぺたぺた触った後、私を見てくる。

 

「この子はヒカリ。この子はね」

 

「ひか、り?こう、ま、ぞく?」

 

 衝撃を受けた顔をして、私とヒカリを何度も交互に見ている。

 最後に私のことを見て確認してくる。それに私は頷いた。

 

 ごめんね、と言いヒナちゃんはヒカリを抱きしめ静かに泣いていた。

 私はそんなどこまでも悲しくて辛い姿に何も言えず、落ち着くまで待ってあげることしか出来なかった。

 

 五分ほど経ち、涙を拭いて立ち上がった。

 ヒナちゃんの顔はまだ辛そうだった。

 

「……僕、自分が情けないよ」

 

 情けない?

 

「ゆんゆんは友達であり仲間であり、そして最愛の人を亡くしたのに、僕ばっかりが動揺して慰められて」

 

 さいあい?

 

「えっと、変なこと聞いていい?そのヒカルとはいつからそういう関係だったの?遠慮しなくても二人がしっかり考えて出した答えなら僕はちゃんと祝福したのに…」

 

 そういう関係?

 祝福?

 

 先程から全く会話の内容がわからない。

 かなり動揺してるのかな。

 

「その、僕は察したりするの苦手だったっていうのは認めるけど」

 

「ね、ねえ?何の話してるの?」

 

「??」

 

 二人で首を傾げて、ヒカリはどうしていいか分からず私を見ていた。

 

「何の話って、この子の話だよ。ヒカルとゆんゆんの子供だよね?」

 

 へ?

 

「い、いつからそんな、というかなんで子供を身篭ってるのに冒険者なんて」

 

「ちょ、ちょっと待って!一回落ち着いて!」

 

「え?いや、確かに驚いたけど、僕は落ち着いてるよ?」

 

「この子は私の子供じゃないよ!?」

 

「は?」

 

 ヒナちゃんは何言ってんだこいつ、という顔になって

 

「どう見てもヒカルとゆんゆんの子供でしょ?顔立ちはヒカルにそっくりで、ゆんゆんと同じ紅魔族の血をしっかり継いでるし、何よりもヒカリなんて名前だし」

 

 …。

 

 ……。

 

 ………。

 

 た、た、た、確かにいいいいい!!!

 部分的に見たら、確かにいいいいいい!!

 

 いや、確かにじゃなくて、この子は私の子じゃないけど、ヒカルと私のことを知っていて、この子のことを何も知らない人がこの子のことを紹介されたら、確かにそう思うかもしれない!!

 

 し、しまった!

 ヒカリのことを紹介しようということばかり考えていたけど、その誤解に繋がるということに全く気付かなかった!

 

「い、いや、落ち着いて聞いてほしいんだけど、この子は私の子供じゃないの!」

 

「…ねえ、何に気を使ってるのか知らないけど、これ以上はこの子が傷付くことになるから、やめなよ」

 

 ヒナちゃんは先程とは打って変わり怒りの表情に変わっている。

 

「ほ、本当に違うの!一回話し合おう!?」

 

「話し合うまでもないよ。バカにしてるの?この子の小生意気そうな顔と目を見れば」

 

「誰が生意気だこの野郎」

 

「ほら、ヒカルの子供じゃん」

 

 ヒ、ヒカリいいいいいい!!!!

 今は黙ってて欲しかった!

 ムカついたかもしれないけど、黙ってて欲しかった!

 今まで黙ってたのに、なんでええええ!!

 

「これは本当の本当に偶然なの!たまたまヒカルに似た子供が見つかっただけなの!」

 

 それを聞いた後、ヒナちゃんは悲しそうな表情になり、ヒカリを抱きしめる。

 

「ゆんゆんがそんな人だと思わなかった」

 

「違うんだってば!」

 

「この子は僕が預かります。そのつもりで呼んだんでしょ?」

 

「違うよ!?何から何まで違うよ!」

 

「よしよし、僕が絶対に立派に育ててみせるからね」

 

「あ!そうだ!ヒカリ!説明して!お願い!」

 

 多分もう私の言うことを信じてくれない。

 ヒカリに説明させるしかない。

 

「俺はゆんゆんの子供じゃないぞ」

 

「言わされてるのね。可哀想に」

 

「違うのおおおおおおお!!!」

 

 

 

 説明に一時間ほど使ったが、全く信用してくれずに両親まで呼んで、説明してようやくなんとか私の説明を半信半疑ぐらいには聞いてくれるようになった。

 

「ふうん、ヒカルに似た顔の紅魔族の子供が偶然にも紅魔の里に生まれて、偶然ヒカリなんて名前になったんだ」

 

 聞くだけ聞いたら信じられる要素がまるでない。

 多分私もヒナちゃんの立場だったら信じられない。

 

「私も最初は信じられない気持ちでいっぱいだったんだよ。めぐみんがこの子のこと教えてくれたの。これはめぐみんに聞けばわかるわ」

 

「……ヒカリ君、僕の隣においで」

 

「やっぱり信じてくれてない!?」

 

「お前おっぱい小さいから嫌だ」

 

 ガシィッ!!

 

「ああああああああああああああああ!!!」

 

 ヒナちゃんのアイアンクローがヒカリに極まる。

 ヒナちゃんが真顔なのが怖くて仕方ない。

 

「この子、ヒカルそのものだよね?」

 

「ち、違うよ。ヒカリが悪いのはわかるんだけど、手加減してあげてね…」

 

「してるよ?何言ってるの?」

 

「あああああ!!おっぱいが小さいお姉さんごめんなああああああああああ!!!」

 

 じたばたと本気で抵抗してるはずのヒカリをなんでもないように片手で掴まえてるのが恐ろしすぎる。

 アークプリーストの力は使えなくなったが、ステータスの高さは健在だった。

 

 はあ、とため息をつき、手を離すヒナちゃん。

 ヒカリはすぐに距離を取った。

 ヒナちゃんはなんか諦めきったような表情だ。

 

「じゃあ本当なんだね?」

 

「うん。私もヒカリに会って舞い上がってたけど、まさかそんな誤解に繋がるとは思ってなかったよ…」

 

 ヒカリは少し遠くから恨みがましい目でヒナちゃんを睨んでいるが、ヒナちゃんはヒカリをただ見つめ返して、何を思っているかわからない。

 そして決心したような表情になり

 

「ゆんゆん。この子のご両親に会わせてほしい」

 

「ヒカリのご両親は多忙で家に帰ってくるのは夜遅くで私も会えてないの。というかどうしたの?」

 

「この子は僕が育てる!」

 

 ヒナちゃんは拳を握り、高らかに宣言した。

 

「はい?」

 

「僕はヒカルを守れなかった。それはもう、それはもう…変えられないから。」

 

「…」

 

「でも、この子は、ヒカリは僕が守ってみせる。それでも危ない目に合うかもしれない。そんな時に僕がいなくても何とか対処出来るようにヒカリを育ててみせる」

 

「え、えーっと紅魔の里には学校があるから」

 

 ヒナちゃんの悪い癖のようなものが出始めてる。

 

「学校は学校だよ。僕はそれ以外のことを教える」

 

 どうしようかと悩んでいたら、黙っていたヒカリが口を出し始める。

 

「おい、お前なんなんだよこの野郎。名乗りもしないで泣いたり抱きついてきたり、訳の分からないこと言いやがって」

 

「やっぱり口が悪いんだね。そこをまず直していかなきゃ」

 

「お前みたいな先生いらないんだよこの野郎。胸を大きくしてから出直せええええええああああああああああああ!!!!」

 

 一瞬で距離を詰めたヒナちゃんのアイアンクローがまた極まる。

 そのままアイアンクローのまま、話し始める。

 

「名乗らないでごめんね?僕はヒナギク。ヒナギクっていうのはニホンの花の名前なんだ。良い名前でしょ?」

 

「いだだだだだだだだ!!は、離せ!離せこの野郎!」

 

「これからよろしくね?」

 

「お前なんかとよろしくするかああああああああああああ!!!」

 





次回、番外編最終回。

もしかしたら追加で番外編のストーリーの補足みたいなのも投稿するかもです。
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