51話です。さあ、いってみよう。
「私と結婚してください!!」
突然のプロポーズ。
大胆な告白は女の子の特権、と聞いたことはあるが、まさかのプロポーズとは。
「え、えっと」
言葉が上手く出てこない。
頭をちらつくのは大人の彼女の姿。
もしかして夢でお世話になりすぎて頭がやられちまったんじゃないだろうな。
「っ…」
そ、そんな頬が紅潮した状態で上目遣いなんてしないでくれ。
や、やばい。最近は子供ゆんゆんにはドキドキしなかったはずなのに。
「えっと、結婚するとしたら俺は紅魔の里に行くことになるのか?」
「え?」
「その場合俺は何を仕事にすればいいかな。紅魔の里に俺なんかが出来る仕事があるか不安だ」
「意外と堅実!?」
驚いてるけど、結婚するなら当然だろう。
まさか専業主夫?出来るかもしれないが、あまり自信ない。でも、ゆんゆんは紅魔族の族長になるんだし、必然的にそうなるのか?
「そ、そのね?で、出来れば早めにこ、ここ、こここ子供が欲しいなって」
え、そうなの?
女性側からそう言われたら男として答えなきゃいけない。
恥ずかしがりながらも意見をしっかり言ってくれるのは嬉しいことだし。
夢での修行の成果を見せる時だ!
持ってくれよ、俺の体!
10べぇハメハメハだ!
「よし、任せてくれ。何人ほし」
「あのー」
真っ赤っかの顔に、緊張故か右手には紙がくしゃくしゃになるほど握り込んでいるゆんゆんの奥に、俺の部屋の扉から困ったような顔をしたトリスターノと赤面してこちらを睨むヒナの姿があった。
ん?ゆんゆんが持ってるのはさっきの手紙か?
「どういうこと?」
ちょっと怖いヒナが凄むようにそう言って、正気に戻った。
そうだ、なんで俺はすでに結婚する気でいるんだ。
そもそもパーティーをどうするんだとかいろいろ考えるべきことがあるだろ。それを放り出すなんてしたら、ヒナが怒るのも無理はない。
「お、お願い!これは世界の為なの!」
はい?どういうことだ?
『この手紙が届く頃には、きっと私はこの世に
いないだろう。
我々の力を恐れた魔王軍が、とうとう本格的な侵攻に乗り出した様だ。
既に里の近くには、巨大な軍事基地が建設された。
それだけではない。
多数の配下達と共に、魔法に強い抵抗を持つ魔王軍の幹部まで送られてきた。
ふふ……。魔王め、よほど我々が恐ろしいと見える。
軍事基地の破壊もままならない現在、
我らに取れる手段は限られている。
そう、紅魔族族長として。
この身を捨ててでも、魔王軍の幹部と刺し違える事。
愛する娘よ。お前さえ残っていれば、
紅魔族の血は絶えない。族長の座はお前に任せた。
………この世で最後の紅魔族として、
決してその血を絶やさぬ様に⋯⋯。』
ゆんゆんが手紙を読み上げていく。
紅魔の里が?
魔王軍やこの国どころか世界中の連中が手を焼く、あの紅魔族がやられた?
ヒナの表情が苦しげになる。家族を失うということに敏感だということは、デモゴーゴンの時の夢でわかっている。ヒナはまた自分だったらどれほど辛いかを考えてしまったのだろう。
ゆんゆんが更にもう一枚の手紙を読み始める。
『里の占い師が、魔王軍の襲撃による、里の壊減という絶望の来来を視た日。
その占い師は、同時に希望の光も視る事になる。
紅魔族唯一の生き残りであるゆんゆんは、いつの日か魔王を討つ事を胸に秘め、修行に励んだ。
そんな彼女は駆け出しの街で、ある男と出会う事になる。
頼りなく、それでいて何の力もないその男こそが、彼女の伴侶となる相手であった⋯⋯。
ヒモ同然の働かない男。
それを甲斐甲斐しく養うゆんゆん⋯⋯。
修行に明け暮れていたゆんゆんにとって、
それは貧乏ながらも、楽しく幸せな日々だった。
やがて月日は流れ。
紅魔族の生き残りと、その男の間に生まれた子供は
いつしか少年と呼べる年になっていた。その少年は、冒険者だった父の跡を継ぎ、旅に出る事となる。
だが、少年は知らない。
彼こそが、一族の敵である魔王を倒す者である事を⋯』
ああ、そういうことか。
って、それでプロポーズしてきたのか!?
「だ、だからね?あの、これは世界の為で、」
ゆんゆんが赤面しつつ、言い訳を始めた。
正直ツッコミどころが多いやら、先程のプロポーズは仕方なくやったことだったのか、というちょっとしたショックのようなもので頭が上手く動かない。
「すみません。少しいいですか?」
トリスターノが手を挙げながら発言許可を求めてくる。
いつもならダメです、とでも答えてやるところだが、今は参ってるせいで話を進めようとしてくれてるのはちょっとだけありがたい。
俺が頷くと、二人も続いて頷いて、それを確認したトリスターノが話し始める。
「いろいろと言いたいことはあるのですが、まず本題からいきましょう。その手紙に書かれているゆんゆんさんの伴侶はリーダーでは無いのでは?」
「へ?」
ゆんゆんが間抜けな声を出して、固まった。
「駆け出しの街で、頼りなくて何の力もない男性がゆんゆんさんの伴侶になる、と書かれていますが、頼りない男性かと言われると、そんなことは無いと思いますし、リーダーには歴とした『ムードメーカー』という能力があります」
あれ、それを考えると俺はゆんゆんに『頼りなくて何の能力も持たない男』って思われてたのか!?
「ヒモ同然の働かない男。それを甲斐甲斐しく養うゆんゆんさん。この部分は間違いなく違うと思います。今までリーダーは自身の弱さを受け入れて、それでも何かしら出来ないかと私達の前で体を張ってきましたから」
お前からの評価が割と高くて嬉しいけど、ゆんゆんからの評価が低くてしんどいんだけど。
「え、あ、別にそう思ってたわけじゃなくて…」
まあ最初はおんぶに抱っこだったからね。そう思われても仕方ないねうん。
「ゆんゆんさんがリーダーを悪いように思っているという指摘ではなくてですね。これは私の推測なんですが」
「勿体ぶるなよ。何が言いたい?どうせ俺はダメダメだよこの野郎」
「ええっ、ち、違っ!?身近にいた男の人がヒカルだったから…!」
「ですから、ダメな人なんて誰も思ってませんよ」
「僕はもうちょっとしっかりしてほしいと思ってるんだけど」
追撃してくんな脳筋アークプリーストめ。
今立ち直ろうとしてるところなんだよ。
「…話を続けます。ゆんゆんさんの手紙の伴侶の男性に心当たりがあります」
「え?」
「マジか」
そんなんいるか?頼りなくて、何の能力も無くてヒモ同然の男なんて……あっ。
「リーダーはお気付きみたいですね。一人いらっしゃいますよ」
「そ、その人は!?」
「リーダーと同じく、ニホンから来た冒険者のカズマさんです」
「私!!カズマさんの子供が欲しい!!」
今日は問題発言のオンパレードだ。
今はカズマ達の屋敷に来ている。
あの後、ゆんゆんはカズマだと聞いて少し複雑そうな顔をした後、すぐにカズマ達の元へ行くと言って走って出て行ってしまった。
俺達も後からついて行くと、今の発言が聞こえたわけだ。
ゆんゆんってある意味メンタル最強なんじゃないかと思う。里の為、世界の為とはいえ腹括るのが早いというか。
この光景に何か思わないわけじゃないが、ゆんゆんが決めたことに俺は何か言うことは出来ない。
「リーダー、どうか落ち着いてください」
「お前は何を言ってるんだ?」
「ヒカル、儚い夢だったね」
「何で嬉しそうなんだよ。なんなのお前ら?」
同情するような顔とニマニマした顔、どちらも無性にしばいてやりたい。
「いえ、複雑そうな顔してましたから。まさか私が言っていたことが事実になってしまうとは…。謝罪します」
「お前、こんなところで寝となんとかなんて言ってみろ。本当にしばいてやるからな。俺の筋力のステータスは今までとは別人ばりに上がってるからな?気を付けろ?」
「ヒカル、八つ当たりしちゃダメだよ。ゆんゆんも期待させちゃうような言動をしたのは良くないと思うけど、やっぱり身の丈に合った恋愛や結婚をするべきだと思うよ」
「お前もいい加減舐めてると痛い目に合わせるからな。あと俺は別に期待なんてしてねえし、勝手に捏造するんじゃねえよこの野郎」
「期待してたじゃん。普段は年上年上言っておきながら、いざチャンスが来るとすぐに食いついちゃってさ!」
「はあああああ??お子ちゃま風情が何を言ってんだこら」
「お子ちゃま!?そっちこそ舐めてると痛い目見るよ!」
「やんのかこの野郎。対人戦に優れた俺と、脳筋ボクサーのお前じゃ、お前の将来の胸の成長ぐらい勝ち目無いと思うけど?」
「へえ…。そんなに痛い目見たいんだ?いいよ。ヒカルの技なんて見飽きたし、絶対に効かないよ。更に言えば実力で見ても僕の方が絶対に強いからね!」
一触即発。
睨み合い、いつでも闘うことが出来る状態。
そんな間に入ってきて、止めてくるレフェリー、もといイケメン。
「まあまあ、落ち着いてください。ここで喧嘩したらカズマさん達に迷惑がかかってしまいますよ」
…それはそうだ。
このお子ちゃまを痛い目に合わせるのはいつでも出来るが、人様に迷惑をかけるのは良くない。
「「……ふん!」」
お互いにそっぽを向いた。休戦だ。
「はあ…。冷静なお二人でよかったです。さあ、今度はあちらをどうしましょうか」
そんなやり取りをしてる内に、何故かカズマ達のパーティーは喧嘩をしていた。
本当にこいつらは何が起こるか予想が出来ない連中だ。もっと仲良くしろよお前ら。
「めぐみん!聞いて!!紅魔の里が…!紅魔の里が無くなっちゃう!!」
そんなゆんゆんの一言にやっと全員話を聞く気になったらしく、ようやく説明出来るようになった。
「あるえの馬鹿ああああああああああああああああああ!!!!」
ゆんゆんは手紙をクシャッと潰して、床へ叩きつけるようにして投げ捨てる。
その後、絨毯の上に突っ伏しておいおいと泣き始めるゆんゆんの姿には流石に同情した。
ヒナもゆんゆんの元に行って慰めている。
俺にプロポーズした後に、今度はカズマと子作りしようと誘ったのだから、泣きたくもなる。
二枚目に読んでいた手紙は、どうやらゆんゆん達の同級生で小説家を目指す『あるえ』が創作として書いたものだったらしく、それに気付かなかった結果、ゆんゆんは赤っ恥をかいたと。
文字だけに起こすと簡単だが、ゆんゆんのメンタルへのダメージは凄まじいものだろう。しばらくは優しくしてやろう。
ただ一枚目の手紙、これは正真正銘ゆんゆんの父親からの手紙らしく、里がピンチということは事実だという。
これを聞いても里に対してドライな感じのめぐみんにゆんゆんは怒っていたが、家族とか友達はいないのだろうか。
涙を拭いたゆんゆんはカズマ達に平謝りすると、俺達とカズマの屋敷を後にした。
そして
「うわあああああああああん!!!ヒナちゃああああああああああん!!!」
「よしよし、大丈夫だからね」
今は家でヒナに泣きついていた。
メンタルに深刻なダメージを受けたゆんゆんは救いを求めた結果、ヒナの平で小さな胸に行き着いた。
そんなゆんゆんを抱きしめ、ゆんゆんの頭を優しく撫でるヒナの表情は慈愛に満ちていて、まるで女神のようだった。
「あんまりよおおおおおおおお!!うわあああああああああああん!!」
「ゆんゆんは悪くないからね。悪いのはあるえって人とヒカルだからね」
「何で俺なんだよこの野郎」
ゆんゆんはヒナの胸から少し顔を上げて、涙やら何やらでぐしゃぐしゃになった顔で俺を見てくる。
「ぐすっ…ひっく…ごめんね、ぐすっ…ヒカル」
「あ、ああ。その大丈夫だからさ。あんまり気にするなよ。カズマもそう言ってただろ?」
「ぐすっ……うん。ありがとう」
「あいよ。そろそろ落ち着いたか?明日にはアクセルを出て紅魔の里に行くんだろ?いろいろと会議しないか?」
そう言うと、ゆんゆんは泣き止んで驚いた顔でこちらを見てくる。
「…ついて来てくれるの……?」
「当たり前だよ!ゆんゆんの家族が危ないんだから!僕達も力になるよ!」
ヒナがそう答えた後、トリスターノと俺も頷いたのを見て、また泣き出した。今度は嬉し泣きらしい。
何にしても、しばらく泣き止みそうになかった。
「ふぅ…。ここらのモンスターは流石にキッツイな」
「本当ですね。ですが、そのモンスターに正面切って戦えるようになったリーダーに驚きです」
「本当びっくりよ。ヒカルじゃないみたい」
「ヒカルがこんなに立派になるなんて…」
ヒナが少し涙ぐんでるが、お前は俺の親か。
上位職の『狂戦士』に変わり、俺の身体能力は大きく上がった。
ヒナの支援魔法があればアニメのバトルよろしく飛んで跳ねてみたいなアクロバティックな動きもできるようになった。
本当の『狂戦士』なら斧で地面を叩き割るほどの馬鹿力が出せるらしいのだが、俺の能力のせいでそんなことが出来るわけがなかった。
俺の実力は改善できたが、以前より更に魔法に弱くなった。
魔法を使ってくるモンスターやそもそも太刀打ち出来ない大型モンスターに関してはアイテムを惜しみなく使って、みんなに任せて戦うしかない。
それはさておき、今は紅魔の里だ。
悲惨な事件の日に全て準備を済ませ、翌朝そのまますぐに出発したのだ。
テレポート屋を経由して、今は徒歩で向かっている途中で、特に問題無ければあと一日程で着くらしい。
ゆんゆんやその家族と故郷の為に飛び出して来たが、ぶっちゃけもっと近いと思っていた。
不謹慎かもしれないが、少し旅行気分で、紅魔の里がどんなところか楽しみでもある。
アクセルを遠く離れるのはまだ二度目でしかない。この世界に来てそれなりに経っているのに、騎士王の件もあったせいか仲間達には危険だからとアクセルから遠く離れるのは反対されていた。
そんな理由でアクセルの外が楽しみというのと、俺が強くなったのをしっかり肌で感じているせいで、表情には出さないまでも内面ではかなり舞い上がっている。
やっとこいつらを守れる。
やっとこいつらに頼り切りじゃなくなる。
それが堪らなく嬉しい。
自分が諦めなかったことは間違いじゃなかったと確信できる。
この世界に来て
「あれはオークでしょうか。誰か追われてこちらに近付いて来てますよ」
「オーク?」
トリスターノの声で物思いに耽っていた状態から抜け出す。
アーチャーのスキル『千里眼』で見えているのか、遠くを指す。俺からは良く見えないが、何かが土煙を上げて俺達へ近付いて来てるのはわかる。
「ここから先の平原はオークの縄張りだからね。私達はともかくヒカルやトリタンさんは気をつけないと」
ん?何で俺とトリスターノだけ?
どういうことだ?
「そうだね。だけど、人が襲われてるなら助けないと!行こう!」
ヒナがグイグイ引っ張ってくる。
ゆんゆんも頷いて、行こうと伝えてくる。
トリスターノが遠くを見ながら、オーク達が近付いてきてるおかげでより見え始めたのか、驚いた表情に変わる。
「あれは…カズマさんですね」
「「はい?」」
「何でカズマ?」
「わかりません。とにかく助けましょう。男性の天敵ですからね。友人がオークの毒牙にかかるなんて見過ごせませんし」
???
こいつらはさっきから何を言ってるんだ?
「ほら、早く!」
ヒナに引っ張られて、聞き出す前に向かうことになった。
「『ボトムレス・スワンプ』!」
ゆんゆんが最近覚えた魔法を使ってみたいと言われて任せることにした。
カズマがオーク達に捕まり、あれよあれよと言う間に服を脱がされていく、特に見たくもない光景を見せられて何とも言えない気分になる。
カズマは余程怖かったのか、助けてくれたゆんゆんに泣きながらすがり付いていた。
ゆんゆんがオーク達に見逃してやると高らかに言うと、オーク達は素直に尻尾を巻いて逃げて行った。
「なあ、あれはどういうことだ?」
「はい?何がですか?」
「何でオークが男性の天敵なんだ?カズマが服を脱がされてたが…」
「…知らなかったんですね。今オーク達にオスは存在しません」
「…じゃあ何でオークはいるんだ?オスメスいなかったら絶滅するだろ」
「オークといえば、縄張りに入り込んだ他種族のオスを捕らえて集落に連れ去り、種族の繁栄に努めるのですよ。だから」
「わかった。もういい」
「わかっていただけたようで何よりです」
恐ろしい。カズマはもう少しで子沢山になるところだったんだな。まあ子供が生まれる頃にはカズマは生きていないだろうが。
穴があればいいと思える変態じゃなければ……。
「トリスターノ、もしかしてお前はオークでもいけたりするの?」
「私はノーマルですっ!!!」
オークへの恐怖で弱っているカズマの為に一度休憩することになった。
めぐみんは妹が心配になったから帰郷することにしたらしく、それでカズマ達全員ついてくることになったみたいだ。本当はゆんゆんも心配になったのだろうが。
それでカズマ達のパーティーと紅魔の里を目指すことになったのだが、先程からゆんゆんがめぐみんに何かと絡んでいた。
何でもめぐみんは里の人達に爆裂魔法しか使えないことを話していないらしく、ゆんゆんはボロが出ないよう釘を刺してるのだが…。
「何よ、やる気?勝負なら受けて立つわよ。もうめぐみんには負けないんだから!」
その負けん気をコミュニケーション能力で活かせないものか。
ゆんゆんは警戒しながら、めぐみんから距離を取る。
先程からずっと喧嘩腰だ。トリスターノとダクネスみたいに仲良く出来ないのか。この変態二人は世間話に花を咲かせている。
ヒナも最近はアクアのことを認めているみたいだが、ライバル心は燃やしているらしく、とうとう蘇生魔法を覚えたことを自慢していたが、アクアはすでに初期から覚えていたらしく、ヒナは難なく撃退された。
「カズマ、ヒカル。ゆんゆんの恥ずかしい秘密を教えてあげましょう。実は我々紅魔族には、生まれた時から体のどこかに刺青が入っているのです。個人によって刺青が入っている場所は違うのですが、ゆんゆんの」
「やめて!ちょっと!何を言うの!?ていうか何で私の刺青の場所知ってるのよ!こんなところじゃ爆裂魔法なんて使えないでしょう!?魔法が使えないめぐみんなんて、取り押さえる事ぐらい簡単に出来るんだからね!」
喧嘩する二人の大声が呼び寄せたのだろう。
「おい、こっちだ!やっぱりこっちから人間の声が聞こえてきやがる!」
耳障りな甲高い声が、森の奥から聞こえてくる。
「おい二人とも、どうやら敵に聞きつけられたようだぞ!そろそろ静かに!」
「そうだよ、一回静かにしよう?」
ダクネスとヒナが身を屈めて、ゆんゆんとめぐみんに注意をする。
「短気なゆんゆんが、いつまでも大声を出しているからですよ!」
「私よりめぐみんの方が短気じゃない!昔から、後先考えずに無鉄砲な事ばかりやらかしたり!」
「なにおう!!」
「二人ともいい加減にしろっ!大声を出すと見つかると言っているだろうに!」
「そうですよ、とりあえず今だけは静かにしてください!」
未だ喧嘩状態のめぐみんとゆんゆんをダクネスが止めに入り、トリスターノもそれに続いた。
そんなことよりもなによりも!
「おい、そんなことよりも、ゆんゆんの刺青の場所を詳しくっ!」
「そうだぞ!もしかしてエッチなところか!?エッチなところにエッチな刺青が入ってるのか!?」
「見つけた!ここだ!こんなところに人がいるぞーー!」
「お前達は!!本当にお前達は!!!」
「ヒカルのバカ!!」
ヒカル
プロポーズされて一瞬で手のひらクルックルした。
「年上の方が好みというだけで、変更は可能ですはい」
勉強しても勉強しても毎日この世界の知らん情報が出て来て、もうこれわかんねえな状態。
早く刺青の位置が知りたい。
ゆんゆん
不屈の闘志。ナイスガッツな女の子。
だいぶ勇気を出したが、無かったことになった。
最近エリス教に入ろうか、真剣に考えている。
トリスターノ
自称ノーマル。
冷静な喧嘩の仲裁役兼物語進行役。
オークはNGらしい。
ヒナギク
実は最近ホームシック気味な女の子。
突然のプロポーズに頭が真っ白になった。あっさりプロポーズを受け入れるヒカルに怒りを覚えたが、何で怒ってしまったかヒナギク自身はわかっていない。とりあえずヒカルが悪いと思っている。
このペースだと紅魔の里編くそ長くなりそう。
映画『紅伝説』は最高。異論は認めない。
あの映画で一番好きなシーンは、ゆんゆんが手紙の二枚目があるえのものだと気付いた時に紙を丸めて、思い切り床に叩きつけるシーンです。
つまり今回のお話。
二番目に好きなシーンはアクアが女神のような顔でカズマの半脱ぎズボンを優しく着させてあげてるシーンです。