このすば ハード?モード   作:ひなたさん

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ゲス成分多め。

53話です。さあ、いってみよう。



53話

 

 

 応接間を出た後にそのままパンツとバーコードを見たことについて謝った。喧嘩みたいになってるのも気分が悪いし、事故とはいえ見てしまったことも事実。

 かなりの苦労をしたが、土下座する勢いで謝罪したら、ゆんゆんの言うことを一つなんでも聞くことを引き換えに許してもらえた。

 ゆんゆんがそう言うならそうするしかなかったし、ゆんゆんの言うことなら多分友達関係だろうし、なんとでもなるだろう。後で紹介出来そうな人を考えておこう。

 その言うことを聞く件については、また後日ということになった。

 

 ゆんゆん宅で夕飯をご馳走になった後、みんなで世話になっているからと、俺とヒナとトリスターノは後片付けをしている。

 ゆんゆんを仲間外れにしているわけではなく、久しぶりにご両親との時間を作ったらどうかと言ったら、ゆんゆんのご両親からもそうしたいと言われたので、俺達が家事を引き受けた。ゆんゆんも少し恥ずかしがっていたが、最終的には家族水入らずで楽しそうに話している。

 時折ヒナが何かを考えるように家族三人が幸せそうに話しているのを見つめていた。

 いつもは大人ぶっているが、ヒナもまだ子供だ。家族が恋しいのだろう。

 いつも大人ぶっているから帰りたいとか言ったり、甘えたりするのが出来なくなってるのかもしれない。

 それとも他に何か帰ってはいけない理由でもあるのだろうか。アクセルに戻ったら一度帰郷を勧めてみるかな。

 

 

「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

「まあまあ。落ち着いてくださいよ。これはこれでいいんじゃないですか?」

 

 三人でやったらあっという間に片付けは終わった。これから風呂をローテーションで入るのは人数が多くて時間がかかるという話になり、族長から『混浴温泉』があると言われて、それならそこに行こうとパーティーメンバーを連れてそこへ行くことにした。表情に出すことはなかったが混浴で年上の紅魔美人(秋田美人的な)に出会ってしまうかもしれないと思うと内心ウキウキしていた。

 

 その結果がこれだ。

 今隣にいるのは腰にタオルを巻いたトリスターノだけ。この変態だけ。変態オンリー。

 

「名前詐欺ってんだろくそおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

「よく響きますねえ」

 

 そう名前詐欺。『混浴温泉』という名のただの銭湯だったのだ。温泉でもなければ、混浴でもない。温泉でない方にいつもなら怒っているだろうが、今は混浴じゃないことにブチ切れている。

 

「この熱い情熱と期待をどうしてくれる!!こんなのあんまりだ!しかも何でこの変態と風呂入んないといけないわけ!?何の罰ゲーム!?俺が何したって言うんだよこの野郎!」

 

「ちょ、酷いですよ!あと向こうの女風呂と上が繋がってて丸聞こえですから声を抑えてください!」

 

「知らねんだよこの野郎!というか別にあいつらの裸見たくてここ来たわけじゃないんだよ!年上の紅魔族の美人さんとの出会いとか裸のお付き合いがあるかと思って、期待で胸とか股間とかが膨らんでたんだよ馬鹿野郎!」

 

「いろいろと問題発言ですよ!?せめて股間は言わないで欲しかったです!」

 

「この気持ちと股間をどうすれば…!」

 

「しまっておいてください」

 

 俺だって普段ならここまで出会いとかに飢えることはない。多分。

 でも最近は大人ゆんゆん問題とか、ゆんゆんにプロポーズされたりとか、ゆんゆんの下着とバーコードのハッピーセットを見てしまったりしたせいで俺の心は平穏からかけ離れたような状態になってしまった。

 ゆんゆんは友達であり、仲間だ。なるべく変な目で見たりしないようにしてるのに、最近は何でこうも心を揺さぶるようなことばかり起こるのか。

 

 それで一度メンタルリセットをするべきだと考えた俺は新たな出会いを求めていた。偶然にも族長から『混浴温泉』を教えてもらい、ここに来たのだが一体どうしてこうなった。

 

 叫んだおかげで少しだけ落ち着いてきた。

 改めて見回して見ると、内装は日本の銭湯と変わらない感じだ。というか何でこの世界の銭湯なのに、富士山の絵があるのか聞いてみたいが、おそらく転生者の仕業だろう。

 日本っぽさに少し懐かしさを感じる。

 もう怒ってもしょうがないので、純粋に銭湯を楽しむことにした。銭湯としてなら悪いものじゃない。日本っぽくて、なんか落ち着くし。

 

 この空間がよかったのと少し考え事をしたかったというのもあって、久しぶりに長風呂を堪能していた。頑張って俺に付き合おうとしてたのか、トリスターノが顔を真っ赤にしながら先に風呂から出ると言ってきたので、俺はまだ入るから先にゆんゆんの家に戻るように告げておいた。

 湯の中で軽くストレッチをしながら、これからどうするかをまた考えていた。

 

 やはり、俺の気持ちを整理させるしかない。

 

 そう考えた俺は決意を胸に、湯から勢いよく立ち上がった。

 

 

 

 俺は銭湯から出た後、ゆんゆんの家に戻らず、夜の紅魔の里にくり出した。

 昼間、偶然にも見つけたとある店に来ていた。

 俺の目の前の店には『サキュバス・ランジェリー』と書かれたピンク色のド派手な看板。

 まさかアクセル以外にもサキュバスさんのお店があったとは、なんたる僥倖。

 アクセルには高レベルのくせにサキュバスさんのお店目当てで残り続けてる野郎共がいると聞いて、他の街には無いものだと勝手に思っていたが、まさか紅魔の里にあるとは夢にも思わなかった。サキュバスさんなだけに。

 ここまで来てお前は何をやってるんだと思うかもしれないが、俺の気持ちを整理するためなんだ仕方ない整理するためなのだから仕方ないのだ。

 これで俺の心の平穏を取り戻す。

 

 ただこの『ランジェリー』という部分が気になる。

 もしかしてキャバクラとかそういう店なのだろうか。

 だとしたら困る。あまりキャバクラの良さもわからないし。

 …ええい、悩んでいても仕方ない。

 静かに決意してドアを開けると

 

「お、外の人いらっしゃい。お一人様ならカウンター席でいいかい?」

 

 カウンター席の奥におっさんがいた。

 

 ………。

 

 

 ん〜?

 

 とりあえず平静を装いつつ、カウンター席に座ると、おっさんからメニューと書かれた紙を手渡された。

 メニューに目を通すと、お酒やおつまみ等が書かれていた。

 

「おやっさん。ここって普通の酒場ですかい?」

 

「ああ、そうだよ。紅魔族随一の知力を持つ者が名前を考えた、酒場兼宿屋だよ。外から来たお客さんはみんな同じことを聞いてくるね」

 

「…もしかしてそこの大衆浴場も?」

 

「よくわかったね。他の観光名所もそうなんだよ」

 

 ………。

 

 

 また名前詐欺かよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

 

 

 溢れ出る激情を必死に食い止め、ため息が出そうになるのを呑み込むと、とりあえずシュワシュワを注文してから店内を観察し始めると、複数人席からこちらを観察するように見る二人の女の子と目が合った。

 一人は黒髪を腰まで伸ばした女の子。ゆんゆんと同じ年齢ぐらいに見える。目がぱっちりしていて快活な女の子のイメージ。

 もう一人は、なんというか属性がてんこ盛りだった。まずでかい。そこに目が行きがちだが、めぐみんのように左目に眼帯をつけていて、蝙蝠の羽型の髪留めに短めの縦ロールの髪型。スタイルが良くて、落ち着いた雰囲気を持つ彼女は大人の女性のイメージ。

 ふむ、是非お近付きになりたい。

 

「えっと」

 

 もしかしてずっと見てたのか?と思いつつ、とりあえず話してみようかと口を開いたところで。

 

「外からのお客さん、いらっしゃい!我が名はねりまき、紅魔族随一の酒屋の娘!いずれこの店の女将となる者!おにーさんはもしかしてめぐみんやゆんゆんのお仲間さん?」

 

 席からわざわざ立ってポーズをしっかり決めてくるねりまきちゃん。ハキハキと喋る娘で、元気な女の子のような印象を受ける。

 

「ああ、ゆんゆんの仲間だ。で、君は?」

 

「ふっ、私のターンか」

 

 そうやって俺が聞いてくるのを待ってましたと薄く微笑み、もったいぶるようにそう言ってから

 

「我が名はあるえ!紅魔族随一の発育にして、やがて作家を目指す者!」

 

 ねりまきちゃんと同じく席から立ってポーズを決めたあるえちゃん。ポーズをとる勢いが良くて胸がよく動いたありがとうございます。

 あるえちゃんはクール系?なんか属性が多くて判断し辛い。

 二人は姉妹なのかな?

 

 何はともあれここに来て良かった。名前詐欺かと思ったが、それだけじゃなか……ん?

 

 あるえ?

 

 この子が手紙を送った困ったちゃんか。

 

「さあ、旅人よ。今度はあなたのターンだ!」

 

 あるえちゃんがまるで演劇のように高らかに俺に名乗るように言ってくる。

 ちょうどシュワシュワを持ってきたおやっさんが来た。俺が名乗るのを待ってるみたいでこっちを見つめてくる。

 さて今日何度目だろうか。

 

「お控えなすって」

 

 二人と同じように席を立ち、例のポーズをして、そう言うと昼間のぶっころりーさん達と同じように首を傾げてきたが、そのまま続ける。

 

「手前、生国と発しまするは日本の生まれ。姓はシロガネ、名はヒカリ。人呼んでヒカルと発する冒険者でございます。

以後、面対お見知りおきの上、よろしくお願い申し上げます」

 

「「「おおおおおーーーっ!!」」」

 

「外の人がそんな風に名乗ってくれるなんて!」

 

「それはどこの名乗りなのか詳しく教えてくれないかな!?」

 

 二人が興奮して迫るように聞いてくる。

 ここまで喜んでもらえるなら、やって良かったと思える。本当不思議な種族だ。

 

「ヒカルおにーさんのカッコいい名乗りも見れたし、サービスするよ!だから冒険者してるめぐゆんの話を聞かせてくれない?」

 

 めぐゆんって二人セットで呼んでるの?

 なんか年頃の普通の女の子って感じがする。

 普通っていいね。この世界の人間は一癖も二癖もあるやつばかりだからな。ねりまきちゃんは紅魔族の中では普通な部類に入るんじゃないか?

 

「私も聞きたいね。二人のことも気になるし、小説のネタにしたい」

 

 このセリフからして、やはりこの子か。

 その可愛さと大きさに免じて許す。

 個性は大事だからね、許すよ全然。

 

「ああ、いいよ。ちなみに二人はゆんゆん達とはどんな関係なんだ?」

 

 あるえちゃんはもう知ってるけど、一応ね。

 

「学校の同級生だよ。めぐみんとゆんゆんは成績優秀だったから早く卒業しちゃったけどね」

 

 じゃあ姉妹とかじゃなくて友達同士で話し合ってたのかな。

 というか、やっぱり二人とも年下か。

 残念だ。でもあるえちゃんとは一応お近付きになっておきたい。

 二人が俺の両隣に移ってきた。

 さて、何から話そうかな。

 

 

「え、じゃあおにーさんがゆんゆんの外の友達第一号なんだ!」

 

「そうみたいだね。ゆんゆんがギルドの机で一人トランプタワーを作ってるところを話しかけたんだ」

 

「あははははは!何それ!」

 

「でも、ゆんゆんらしいかもね。ヒカルさんはよく話しかけられたね」

 

「そう思うだろ?凄い真剣な表情で作ってるから、ちゃんと三段目が出来上がるのを待ってから話しかけたんだ」

 

「あはははははははは!おにーさん優しい!」

 

 ねりまきちゃんは長い髪を振り乱し、バシバシとカウンターを叩きながら笑う。

 こういう元気な子は嫌いじゃない。いや、好きな方だ。

 え?お前のパーティーには元気なアークプリーストがいるじゃないかって?あれは元気以外に色々足りない。

 あるえちゃんもクスクスと笑っていた。

 こういう大人っぽい子も嫌いじゃない。いや、好きな方だ。

 両手に華状態で二人と意気投合してるおかげでお酒とおつまみが進む進む。

 最近は野郎共ばかりと飲んでたから新鮮だ。

 

「ゆんゆんが男の人と友達になれるなんてねえ。めぐみんとの百合百合しさはどこに行っちゃったのかな」

 

「えっ。二人ってそんな感じだったの!?もしかしてライバルライバル言ってるのは…!?」

 

「二人が素直になれないからに決まってるじゃないか。ヒカルさんは鈍い人だね」

 

「ま、まじか。確かにおかしいとは思ってたんだ。今度から気をつけるよ」

 

「よろしい。二人の邪魔をしちゃダメだよ」

 

 あるえちゃんが冗談めかして言ってくる。

 そんな冗談の言い合いをしつつ、いろんな話をする。

 

「そういえばあるえちゃんは小説家を目指してるとか言ってたね」

 

「そうさ。今は『紅魔英雄伝』を鋭意執筆中だよ。たまにゆんゆんに手紙で送って感想を書いてもらってるんだけど、ヒカルさんもどうかな」

 

「へぇー、気になる。次は俺も読ませてもらおうかな」

 

 そう言いながらおつまみに手を伸ばしたら、ちょうどあるえちゃんも取ろうとしていたらしく、手が触れ合った。

 謝ろうとあるえちゃんを見たら、少し顔を赤くしながら謝り、手を離そうとしていた。

 それを見て、なんとなく意地悪したくなってしまって、そのまま手を握り込んだら、驚いた顔になって更に赤くなっていた。

 サバサバしてる女の子だと思ったら存外男慣れしてないのかな。

 すごい可愛いです。

 よし、これは

 

「はーい、お触り禁止でーす」

 

 そう言いながら左手を軽くつねってくる不機嫌そうなねりまきちゃん。

 全然痛くない。友達に触られて少し怒ってるのかもしれないが、まるで嫉妬しているように見える。

 

「あれ、ねりまきちゃん。嫉妬かな?よし、おにーさんが好きなだけ」

 

「おとーさーん!おにーさんが話があるってー!」

 

「おやっさんんんんんんん!!!シャワシャワもう一杯いいいいい!!」

 

 あるえちゃんの手を離して、小学生の純粋な頃ばりに手をピンと上げて、おやっさんに全力で聞こえるように声を張った。

 危ねえよ!調子乗ったら、すぐ殺しに来たよ!冗談に決まってるじゃん!もうちょっと楽しんでもよくない!?

 ふと、二人のコップを見たら、ほとんど飲み物は無くなっていた。

 

「いやー、ごめんごめん。気を悪くしたら謝るよ。ほら、二人とも飲み物なくなってるじゃん。飲み物何が飲みたい?」

 

「ふーん、そんな安い女扱いなんだー?」

 

「違うって!マジでごめん!なんでも頼んでくれ!」

 

「やったね!あるえ!ナイス演技!」

 

「…結構簡単だったね」

 

「おいいいいいいい!!もっと年頃っぽくしてくれよ!独り身の男を弄ぶなよ!泣くぞこの野郎!」

 

 ツッコミを入れると二人が楽しそうに笑って、俺を挟んでハイタッチしていた。

 まったく紅魔族め。ずるいぞそういうの。

 でも、あるえちゃんはまだ顔が赤い気がする。演技とはいえ恥ずかしかったのかもしれない。大人っぽいけど、初々しい感じでしてギャップを感じる。

 そういうの嫌いじゃない。いや、好きです。

 

 

 

 ああ、お酒おいしい!

 おつまみもおいしい!

 

「おにーさん、このお酒どう?」

 

「いただこう!流石紅魔族随一の酒屋の女将!そんな人が入れてくれると、より美味しく感じるね!」

 

「お!おにーさんお上手!」

 

「ヒカルさん、私もそれ飲んでみたいな?」

 

「頼もう頼もう!おやっさん、もう一つちょうだい!」

 

「はいよ!」

 

 久しぶりにこんなに気持ちよく酔えてる。

 このコンビはお客さんのサイフにとてもよろしくない。

 なんて手練手管。

 俺がこうなってしまうのも仕方のないことだと言える。

 この二人が悪いのであって、俺は悪くない。

 

 

 そんな楽しい時間はあっという間に過ぎていき、そろそろ深夜になる頃。

 

「そろそろお暇しようかな。二人ともまた後日に。っ!」

 

 あるえちゃんも結構飲んでたせいか、足を引っ掛けて転びそうになる。偶然にも転びそうになるのをなんとか肩を抱き、転ぶのを阻止できた。

 近くにあるえちゃんの顔があって、その紅い瞳とその瞳と同じくらい赤くなった顔がよく見える。その瞳は少し紅く光っているように見えた。

 

「っ、そ、そのあ、ありがとう、ヒカルさん」

 

「ああ、大丈夫?」

 

「う、うん」

 

 照れながらもしっかりお礼を言ってくる。

 そんなあるえちゃんから目を離せなくなっていると左腕が引っ張られる。

 

「いつまで肩抱いてるの、おにーさん?」

 

 俺を半眼で見ながら、あまり強くない力でねりまきちゃんが引っ張ってくる。

 あ、あれ。これ、なんかすごいモテてる感じがする。

 ねりまきちゃんは着痩せするタイプみたいだ。

 

「ほ、ほら、あるえちゃん大分酔ってるみたいだしさ。今日はここで泊まったらどう?心配だから俺も泊まるし。ついでに俺の話の続き聞けちゃうよ?」

 

「ダメでーす。おにーさんはエッチな人なのでダメでーす」

 

「そしたらねりまきちゃんも一緒に俺の話聞かない?俺が変なことしないか監視してさ。そうすれば、ゆんゆんのこととかもっと教えてあげられるよ」

 

 そうお話しするだけ。

 変なお誘いとかではない。だから監視役としてねりまきちゃんを呼ぶのだ決していやらしいアレではない。

 

 まあ、あれだ。もう年上とか年下とか関係ないですわ。

 紅魔美人最高。もうここに住む。

 そういえば、ゆんゆんに行くあてが無かったら紅魔の里で住まないかと誘われていたんだった。俺はここで幸せを見つけつつ、ゆんゆんの友達として、族長となったゆんゆんを支えよう。

 これだ。今まで数年後の自分が何してるかわからないような状態だったが、これは未来に希望が持てるってもんだ。

 里というかこの世界も魔王軍によって人口が少なくなっているって話だし、俺もこっちの世界に来た以上貢献しなければならない。

 そう、これは世界の為。友達の故郷の為。

 俺が頑張っ

 

 

「ふーん、よくわからないけど、ゆんゆんのこと僕にも教えてもらえる?」

 

 

 そんな声が後ろから聞こえてくる。

 なんだこの野郎。邪魔しないでほしい。

 今とっても良いとこ

 

 

「そうだね。私のことをどんな風に教えるのか聞いてみたいな」

 

 

 ………。

 

 ……。

 

 

 ……幻聴かな。飲み過ぎたかもしれない。

 そろそろ帰って寝ないと。

 良い子は寝る時間だしねうん。

 ゆっくりとあるえちゃんの肩から手を離して、ゆっくりと振り返る。

 

 店の扉から少し入ってきたところに、拳をポキポキ鳴らしているヒナと杖を持ったゆんゆんがいた。

 

「……おや、二人とも。こんなところで奇遇だね。どこかクエストにでも行くのかな。でももう夜遅いし、やめたほうがいいと思うな」

 

 声が震えそうになるのを必死に耐えて、平静を装いつつ、話しかけた。

 二人から物凄いプレッシャーを感じて、酔いが急激に覚めていく。

 

「うん。クエストが発生したんだよ。バカな男にお灸を据えるっていう内容なんだけどね」

 

「そうなんだよ。こんな夜遅くに迷惑な話よね。早く終わらせて帰りたいんだけど、その人の態度によるんだよね」

 

 や、やばい。飲み過ぎたかな。震えが止まらない。

 

「そ、そそそそそそろそろ帰ろうと思ってたところだしさ。クエストはまた今度にしような。ね?」

 

 そう言ってゆんゆん達の方に行こうとしたところ腕が引っ張られて、腕を組んでくる。

 おう……すんごい…。

 あるえちゃんが悲しそうな顔で俺を上目遣いで見つめていた。

 

「話を聞かせてくれるんじゃなかったのかい?」

 

「えっ」

 

「あんなに情熱的に誘ってくれたのに、帰っちゃうの!?」

 

「えっ」

 

 ねりまきちゃんが手に口を当てて、さも驚いたかのような表情をしている。

 

「ふーん、情熱的に、ね」

 

 ヒナの声のトーンが低くなり、視線が鋭くなった。

 

「い、いや、ちょっと待」

 

「もしかして私たちのことは遊びだったのかい!?」

 

 あるえちゃんがよよよ、とゆんゆん達とは逆方向のカウンターへと泣き崩れる。

 顔を抑えて、泣いてるように見えるが、横から見えるその口は泣くどころか笑っていた。

 肩が震えているのは、笑っているせいだ。

 

「ひどい!三人でここに泊まって、私達にいろんなことを教えてくれるって言ったのに!!」

 

「ちょ!?待って!!マジで待って!」

 

 恐ろしい程の殺気を感じた。

 恐る恐る前を向くと、ゆんゆんの目が深紅に輝いていた。

 友達に手を出された怒りで、杖を持っている手は握り込みすぎて震えている。

 

「……常日頃から年上が好きだとかなんとか言っておきながら、私の同級生を狙うなんて。覚悟は出来てるのよね?」

 

「ま、待ってください!これはその、なんていうか酔っ払ってたんです!楽しくお話し出来たからまだ続けたいなって!」

 

「私の手を握って熱く、ぷっふふ、アプローチして、ふふふ、くれたのに!」

 

「おいいいい!!あの子めっちゃ笑ってますう!絶対この状況楽しんでますうう!!」

 

 顔を隠して肩を震わすあるえちゃんの方を何度も指差したが、一瞥すらせず、俺の方を真っ直ぐに見ていた。

 

「言いたいことはそれだけ?」

 

「……い、いっぱい言いたいことがあるから、とりあえず家に戻らないか?ほらお店に迷惑かかっちゃうしね、ね?あ、待って、まだ話してるから!言いたいことがまだあるから!ほら、そのあれだよ。酔ってたけど、色々と将来のことを考えてたっていうか…あ、待って待って!まだ終わってないですお願いします調子乗ってましたもうしません!俺『狂戦士』になって魔法抵抗力無いからそんなゆんゆんのバカ強い魔法でやられたら死んじゃ」

 

「『ライトニング・バインド』ッッ!!」

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 





ヒカル
なんとか自分の気持ちに決着をつけようと焦っていたことと、紅魔美人の二人にガンガン飲まされて酔っ払っていたところに、二人にちょっと思わせぶりな態度をされて、あれこれイケるんじゃねとか思って調子に乗ったバカな男の末路。
でも邪魔が無かったら……。
普段ならこんなことにならない。はず。
最近迷走具合が激しい。

あるえ
外の人でゆんゆんの仲間と聞いて、ちょっとした興味を持っただけだったけど、割と紅魔のノリにも答えてくれるし、話も面白いし、積極的で、その、悪くないと思った。

ねりまき
あれ!?百合百合しいゆんゆんは本当にどこに行っちゃったの!?
…どうしよう、やりすぎちゃったかも。

ゆんゆん&ヒナギク
激おこぷんぷん丸。慈悲はない。
ヒカルの居場所をバラしたのはストーカーの人。

このファンの水着ゆんゆん最高ですね。スキルポーション全部貢ぎました。

感想、評価、お気に入り、ありがとうございます。
ありきたりなことしか書けませんが、心より感謝と祝福を!(このすばっぽく)
おかげさまで頑張って書くことが出来ています。
もっと感想送ってくれたり、評価してくれてもいいんですよ?
…はい、すみませんでした。調子に乗りました。

紅魔族の中でお気に入りの二人を出しましたが、ちょっと違くない?とか、こんなチョロくないとかいうコメントは受け付けておりませんので、あしからず。
そろそろ幹部さんを出したいけど、まだ紅魔の里の観光してないんですよね。もう何話か後になるかもしれません。
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