ちらっとみただけだけど、ドラゴン〇ールGTに、似たような話が合った気がする。
ダーマ神殿に戻ってきたフィリス一行は大神官に改めて礼をいわれ、フィリスは念願通りの戦士になることができた。 そのおかげだろうか、フィリスはかなりふっきれた顔になっており、しっくりきているようだ。 さらに、大神官の話によれば、さらに鍛練を積めばバトルマスターや魔法戦士にもなれるそうだ。
「それを目指してみるのもいいかもな!」
「そういえばセルフィス、賢者の素質はあるって言われてたわね」
「あ、はい」
実は上級職の素質があるのは、フィリスだけではない。 セルフィスもまた、上級職の一つである賢者の素質があると言われたのだ。 賢者と言えば悟りを開き、攻守にすぐれた魔法を扱い、また神の声を聞けると言われている知勇兼備の存在。 その存在には、もちろんといわんばかりにセルフィスもあこがれを抱いていた。 だが、なにかが足りないらしく、今はまだ賢者になれないそうだ。
「でも、まだ修行が足りないようなのです…だから、もっと鍛練を積まなければなりません」
「そ、そっか。 まぁ、あたしらも応援してるぜ! あたしも魔法戦士あたりを目指してみるしな!」
「はい!」
フィリスの言葉を受けて、セルフィスは笑顔になる。 そんな二人の会話をイアンとクルーヤは聞いており、同じように笑みを浮かべていた。
「さてと明日には早速次の場所に行くんだろ? 聞いた話によればここから南の方に進めば漁村につくらしいしな」
「お話しすれば、船で別の地へ旅立てるかもしれないわよ」
そんな彼らは今、大神官のご厚意により、無料でダーマ神殿に備え付けられている宿屋の一室で休んでいるところだ。 ちなみに、彼らにはすでに女神の果実のことは話してある。 食べられてもうなくなっているはずの果実が存在していることにたいして、3人とも驚いていたが、とりあえず目的の一つを果たしたといって喜んでくれた。
「でも、その果実って…本当に神様が作ったものなの? なんだか怖いわ……」
「人の身にあまる力………もしそれが、神の力ならば……なんと恐ろしいことか……」
「ああ、やべーシロモンだな……」
「だよな……」
だが、同時に女神の果実の効果にたいし、それぞれで恐怖を感じているのも事実だ。 それにたいし、フィリスは全く否定することができなかった。
翌日、フィリス達は気合い十分といわんばかりにダーマ神殿を旅立ち、まっすぐにツォという漁村を目指す。 道中の魔物を退け、それなりの距離を進んで、やがて木でできた門にたどり着く。 門の向こうには砂浜もちゃんと見えている。
「あそこが、漁村ツォかな?」
「あそこから船を出してもらえば、別の大陸へいけそうだな」
「漁師さんに、お話ししてみましょう」
そう話をしながら、門をくぐってその漁村の中に入る。 その村は規模も小さく家も小さいが、奥には大きな海が見えている、まさに浜にある集落のようなものと呼べるだろう。
「ん?」
だが、今その村では、人々が一カ所に集まっていた。 その様子に違和感を抱いていた4人はじっと、それをみている。
「なんか…人が集まってるぜ」
「なにかあったのか?」
4人と、そしてこの村の人々が集まっている視線の先には、桃色の髪の小さな少女が浜と海の境目でひざを折っていた。 そして、少女は祈りの構えをとると、なにかを呟く。
「……ぬしさま…。 海の底よりおいでください。 どうかあたしたちにおちからを……。 ツォの浜のために…海の恵みをお授けください…」
少女がそう口にすると、全員がしんとだまる。 そのときサンディは戸惑いながら周囲をみる。
「なになに、ねぇ…なんなのよ?」
「来たぞ、ぬしさまだぁーっ!」
「え?」
村人達がざわついたのでそちらを見ると、海の中からまさに巨大魚、というに相応しいものが、派手な水しぶきとともに現れた。 すると激しい音を立てながら魚と、海水が村全体に降り注ぎ、フィリス達もその巻き添えを食ってしまう。
「「「「うわぁーっ!?」」」」
その海水でフィリス達の体はびしょびしょになってしまい、同じく巻き添えを食ったサンディは大声で不満を口にする。 フィリス達にしか聞こえてないのだが。
「もー! 冷たくてびしょ濡れで、マジサイアクってカンジー! 今のあのでっかいの、なんなの!?」
「あっちゃあ…」
「見事に海の水をかぶったな…」
「どこかで服をかわかさせてもらいましょうよ…」
「そうですね…」
そう話をしながら4人は人だかりの前にある、打ち上げられた魚をみた。 そこに打ち上げられた魚の量は多く、この村の村人達全員の食事をまかなえるほどだった。
「わぁ、魚がいっぱい!」
「かわった漁の仕方をするのですね」
「いや、普通はあんな漁はねーだろ」
セルフィスの言葉に対しイアンがつっこむと、自分達に先ほど海に祈っていた少女が声をかける。
「あ……あの……あなた達は旅のお方、ですか?」
「え?」
「あの、あたし…オリガといいます…」
少女はまず、自分はオリガという名前だと自己紹介をした。
「あ、お洋服濡れてしまったんですね……あの水しぶきで……」
「あ、ああ…まぁ…」
「ならあたしの家にきてください、服を乾かすお手伝いをします」
「あ、ども…」
そのときオリガは、ついでみたいな感覚で話を聞いてほしいとお願いしてきた。 その話を聞く分は別にかまわないものの、そこでフィリス達はあることに気付く。
「あ、でもご両親にも、私達のことを話した方がいいんじゃあ?」
「大丈夫です、あたし幼くに母を亡くしてて…唯一の身寄りだったお父さんも、最近の大地震で海が荒れて、そのまま………」
「あ、そうなの。 知らなかったとはいえ…ごめんなさい」
「…いいんです…」
そうオリガは返し、4人を自分の家にあげるとタオルを渡してまずは体を拭かせる。 そしてたき火を焚いて、全員に別の服に着替えさせると、元々きていた服をかわかしはじめる。
ちなみに、着替えはもちろん男女に分かれて行った。
「それで、オレ達に聞いてほしい話…っていうのはなんだ?」
「は、はい……実は……」
服もあとは乾くのを待つだけというところで、イアンはこの家にあがった本来の目的をオリガに尋ねる。 彼に話を降られたオリガは思い出したように、彼らに話をしようとしたのだが、その時扉をノックする音が聞こえてきたので、オリガはそこに向かう。 そして、扉の向こうにいた人物に対しオリガは目を丸くした。
「どなたですか……あっ、あなたは……」
「なんだか見慣れない連中がいるが……まぁいい。 オリガよ、来なさい。 村長様がおまえをお呼びだ」
「あ、はい!」
村長が呼んでいる、といわれたオリガは思わずそう即答してしまったが、自分には呼んでおいた客人がいることを思い出して、フィリス達に対し申し訳なさそうな顔で頭を下げて謝罪をする。
「ごめんなさい…せっかく来てもらったのに…待たせることになってしまいますね。 あたし、ちょっと行ってきます…」
「気にしないで、あたしらはここでこのまま待ってるから」
「……失礼します」
そう言ってオリガはそのまま、家から出ていった。 彼女が立ち去った後でフィリスはサンディに呼びかける。
「…サンディ、ちょっと」
「んー、なによぉ?」
「……オリガの後を追いかけて、話を盗み聞きしてきてほしいんだけど」
「…ハイ?」
フィリスにそう頼まれたサンディは、きょとんとした顔になる。 そんなサンディに対し、フィリスは自分が盗み聞きをしろと言った意図を説明する。
「なんか、ヤな予感がしたんだよね……あたしの直感…なんだけどさ」
「あんたの直感がどれほどのもんかは知らないけど……仕方ないっぽいなぁ。 こういうとき、盗み聞きできそうなのはアタシぐらいなもんだし。 しょーがないから、いってあげる」
「ありがと、よろしくね」
そう言いながらサンディは、若干渋々と言った感じではあるものの、その村長の家へ向かい、村長と折り我の話を盗み聞きしにいった。 その後ろ姿をみながら、イアンはからかうようにしてフィリスに話しかける。
「にしても、村長とあの子の話を盗み聞きしようったぁ…おもしれぇこと思いつくんだな、お前。 天使とはいえ悪知恵の働くヤツだぜ」
「あはは、そう褒めないでよ」
「褒めるとは少し違う気がしますけど……」
そう話をしながら待つこと十数分といったところだろうか、しばらくしてからサンディは戻ってきた。
「あ、どうだった?」
「えーと、アタシなりに説明しちゃうと…」
サンディは、村長の家で聞いた話をフィリスたちにそのまま説明を始める。
サンディ曰く、村長は身寄りを亡くして独りぼっちになってしまったオリガに、自分の養子にならないかという話をしてきたそうだ。 村長は自分の息子であるトトとオリガが幼なじみ同士で仲がいいのを知っており、息子のためにも、そしてオリガのためにもなるという理由で、養子の話を持ってきたらしい。
「なんだ、いい話じゃん」
「ところがどっこい、ここからが大変なハナシだったりすんの」
「え?」
サンディは自分が聞いた話について、さらに話し続けた。 オリガは意を決して、自分はもうぬしさまを呼ぶことをしたくないと、村長に告げたのだ。 それを行ったところ、村長の態度は一気に変わり、村のためになにもできないくせにバカなことを言うな、とオリガに怒鳴ったのだという。
「まぁ、そこで一度、この話はお開きになったっぽい」
「その村長、ちょっとひどいと思うわ。 いくらなんでも怒鳴る必要もないでしょ」
サンディの話の内容を聞いたクルーヤは不満げに頬を膨らませ、それをセルフィスはなだめ、イアンは何かを考えるような動作と表情を見せる。
「にしてもサンディ…あたしの頼みを聞いて、仕事をちゃんとやったんだな。 あんたをちょっとだけ見直したよ」
「……アンタも、あたしのことをどー思ってたのよ………」
そしてフィリスはサンディが仕事をしたことを以外に思ったことを正直に告げ、それを聞いたサンディはフィリスにつっこみをいれるのであった。
全員がサンディの話を聞いたすぐ後、オリガが帰ってきた。 オリガはまずフィリスたちに待たせたことを謝罪した後で、今この村に起きている異変をそのまま彼らに説明をする。
「……じゃあ、ここもあの大地震の影響を受けたのか?」
「はい……あのときは海が荒れてそのせいで……みんな漁にいきたくなくなってしまったです………」
このツォの浜は元々そんなに豊かではなく、どちらかといえば貧しい方だった。 そこであの大地震が発生し、魚がとれなくなり海も荒れてしまっていた。 今でもそこそこ海は落ち着いているものの、あの海の荒れをみた人々はすっかりおびえてしまい、人々はさらに貧困さに悩まされることになった。
「そんな中、あたしは海で行方をくらました父のことを考え……そこで泣いていました。 そんな時、海の中からぬしさまがあらわれたのです……。 大昔からこの地を守っていると伝えられる…ぬしさまに…」
「…………」
「その日から、あたしが海に来るとぬしさまがあらわれ、あたしに魚を与えてくれたのです。 それを知った村の人々は、あたしが海に祈れば…ぬしさまが魚をくれると思いこむようになって……」
「んで、今に至るというわけか?」
「…はい……」
だが、その中でオリガはこれは間違っていると思うようになっていった。 こんな楽な暮らしをこのまま続けていっていいのか、迷っていた。
「海の神様に甘えきってしまうなんて、いけないことだわ。 今のこの暮らし、あたしは間違っていると思ってるのに………誰も耳を貸してくれない。 村長だって………」
「オリガ……」
「でも、あの……この村のことに関係ないあなた達なら、きっと話を聞いてもらえる気がしたんです……」
そう言ってオリガは真剣な顔で、フィリス達に問いかけてくる。
「……教えてください。 あたしたちの今のこんな暮らし…やっぱり間違ってますよね?」
「それは……」
「あったりめーだろ」
返答の内容に困るフィリスより早く、イアンが口を開きオリガの考え方を肯定した。
「い、イアン?」
「働かざるもの食うべからず、て言うだろ? 貧しいのがつらいことも、漁の仕事のしんどさも、わからなくはねぇけど……。 でもちゃんと仕事をして、その成果をみんなでわけあうのが、貧しさを紛らわす一番の手段だと思うぜ?」
「…………」
「なにも仕事のために死ね、なーんていうつもりはねぇさ。 ほどほどでいい。 …けど、今のような体たらく海の神様は、内心じゃ失望してるんじゃないかと、オレは思うな。 このままラクしっぱなしで、全部のことをこんな小さい子に全部押しつけてばかりいたら、そのうちバチあたるっての」
そう語るイアンは、口こそ悪いが話の内容も態度も真剣そのものだった。 そんなイアンに背中を押されたのか、フィリスとセルフィスとクルーヤも次々に話をつないでいく。
「…そうだな、イアンの言うとおりかもしれないな」
「海の神様は、常に浜の人々を見ているはずです。 今の姿を見たら哀れに思うでしょう」
「ちゃんと自分達で仕事しなくちゃ、その方がずっとすてきだもの」
そんなフィリス達の言葉に勇気づけられたのか、オリガの顔にみるみるうちに明るさが戻っていき、彼女は笑顔を浮かべていた。
「そう……そうですよね! あなた達ならそう言ってくれるんじゃないかって思っていました……!」
「オリガちゃん」
「あなた達が同意してくれたおかげで、あたし、少しだけ自信と勇気がつきました。 明日、もう一度村長様にお願いしてみます。 ぬしさまはもう呼ばないと言ってみます!」
「え、大丈夫なのか!?」
心配しているフィリスにたいし、オリガは真剣な表情で頷き、告げる。
「自分の気持ちにも、その理由にもウソはつきたくないですから……。 だから、がんばります!」
「…………」
「あ、いけない。 もうこんな時間だわ。 みなさん、今晩はお泊まりしていってください」
「あ、ありがとう」
もう、そんなに時間が経過していたのだろうか。 フィリス達はオリガの厚意に甘えてその日はこのまま彼女の家に泊まっていくことになった。 ただ世話になるだけなのは失礼なので、取れたての魚をセルフィスが調理して食事をすることになりながら。
「オリガちゃんは?」
「もう寝ましたよ……本当に疲れているようですね……」
そう言い、既に眠っているオリガを4人は見つめる。
「…明日は万が一を考えて、オレらも一緒に行くとしようぜ」
「そうですね」
「ええ」
「ああ」
そうして彼らもまた、貸してもらった寝場所でそれぞれ眠りについていく。 そんなとき、サンディはフィリスにこっそりと話しかけてくる。
「………ねェ、フィリスまだ起きてる?」
「……?」
「…たしかにあのヌシさまってヤツ、なんてゆーか……よくないみたいなカンジだけどさ。 もしこのままオリガが村からハブンチョされたらどーすんの?」
「………」
「なまけちゃダメとかマジメなことをいうつもり、アタシにはないんだけど……。 万が一があったらどーすんのさ」
確かにサンディの言っていることは正しいのだろう。 フィリスは彼女の言葉の意味と、その正論さを理解しているからこそ、自分が考えたことをそのまま言葉に出して彼女に伝える。
「それを解決するのが、あたしの役目……守護天使の役目みたいなモンだと、あたしは思うかなぁ……」
「……お人好し」
「あんたが言うなよ」
サンディのつぶやきに対してもフィリスは勝ち気な笑顔でそうこたえ、窓越しに星空を見つめて、この村を助ける気持ちを持つ。
「村もオリガも、両方助けるよ………どれだけの意地を見せることになってもね」
そう呟き、既に眠っている3人の仲間をみて、フィリスは笑みを浮かべる。
「少なくともみんなも、同じ気持ちだろうし………」
そして、夜が明けた。
「ふぁ……おはよ……」
「おはよ、フィリス」
朝起きてあくびをしているフィリスとまず顔を合わせて挨拶をした相手は、一緒に寝ていたサンディだ。
「にしても、オリガってばどこに行っちゃったのよ? 人を泊めておいて朝ご飯もナシとか、マジありえないんですケド…」
「えっ…?」
サンディの言葉を聞いてフィリスはあわてて周囲を確認する。 そして、本当にサンディの言うとおりオリガの姿がないことを知り、フィリスは焦り、仲間達を呼ぶ。
「みんな!」
「起きたのか、フィリス」
「おはようございます」
「オリガは?」
広い部屋には仲間達の姿があるが、やはりオリガの姿はない。 フィリスはオリガの所在を問うが、それにたいしイアンが首を横に振った。
「……わりぃ、オレ達が起きたときはもういなかったぜ」
「えぇ!?」
「もしかしたら、私達より早く起きて村長のところへ行ってしまったのかもしれないわ」
「急いで追いかけよう、なにか起きてからじゃ遅いし!」
「はい」
そう仲間達に声をかけて家を出ようとしたときだった。
「あっ!」
「わ!」
家の前には一人の男の子がいて、4人は思わず立ち止まる。 そして、その少年に何者なのかを尋ねる。
「あなたは…?」
「ぼ、ボクはトト! 村長の息子の…トトだよ!」
「トトくん、ですね。 僕達になにかご用ですか?」
村長の息子、と聞いて戸惑いの色を浮かべつつ、なぜ彼がここにいるのかを問いかける。 すると、トトはどこか落ち込んでいるかのような表情を浮かべながら、事情を彼らに話す。
「あのね、実はさっきオリガがうちにきて……。 オリガがやっぱりもうヌシさまを呼びたくないって言ったんだ! そしたらパパ…すっごく怖い顔をして、オリガを連れて行っちゃったんだ!」
「えぇ!?」
「なんだって!?」
なんと、既にオリガは村長を説得するために飛び出したのだという。 だがその後でなにがあったのかを知り、フィリスは悔しそうに歯ぎしりを小さくたてる。 そんな中、トトは彼女たちに告げた。
「今更こんなこと言うのも遅いけど……オリガがどんな気持ちか、ボクは知ってたよ……」
「え…?」
「最近、ぬしさまが出てきてから……ずっと遊べないことばかり気にしてた。 オリガが…すっごい疲れてた顔をしてたの、ボクわかってたのに……。 なにもしてやれなかったよ……今回もパパのせいで……オリガはまた、疲れちゃう……」
「トトくん………」
そう自分の気持ちを打ち明けたトトは顔を上げて、フィリス達にオリガと自分の父のことをたくす。
「ねぇ、旅人さん…お願い! ボクなんだかすごくイヤな予感がするんだ! あの門の奥にある岩場までいって、オリガとパパの跡を追って! そして、オリガをたすけて!」
「ああ、わかった!」
そんなトトの思いを受け取ったフィリスは迷いなく頷き、彼の頼みを聞き入れる。 そんなフィリス達にたいしトトは表情を明るくさせて、彼らに言う。
「ボク、もし二人が帰ってきたら、ちゃんと言うよ! ちゃんと、ボクはオリガの味方だって言うよ!」
「おう、その心構えにウソつくんじゃねーぞ!」
そう言い残し、フィリス達はトトの言っていた岩場へと足早に向かう。 そんなとき、フィリスはトトのことを思いだし、オリガの様子を思い出し、そして口にする。
「オリガは、決して独りぼっちじゃないし、理解者がだれもいなかったわけじゃないんだね」
「ええ」
そうして岩でできた洞窟にたどり着いたフィリス一行。 その奥からは魔物が放つ独特の気配が漂ってきており、サンディが彼らに警告する。
「魔物のケハイ、ビンビンだよ!」
「わかってるって!」
そうサンディの答え、4人は装備を確認してから、洞窟をまっすぐに見つめ、足を踏み入れる。
「いざ、突撃!」
「おう!」
次回はこの異変の正体を突き止めに行きます。
欲望の恐ろしさを感じましょう。